2005年03月08日
ヴィドック
映像に酔う。
・・・いや、酔いしれるんじゃなくて、乗り物酔い・・・
「ロストチルドレン」「エイリアン4」で、特撮を担当したピトフの初監督作品という事で、前々から観たかった1本。
まぁ、上記の理由で、映像だけ期待、ってとこだったのですが、観てみると中々良く出来た映画でした。
予告を見た時に、映像が全体的に暗く黄色がかった感じなので、ひょっとしたら見辛いんじゃないか、なんて思ったりもしてたんですが、実際見てみると、コントラストが効いてるせいか、むしろ見やすい事に驚きました。
オールデジタルでの撮影という効果もあるのかもしれませんね。
クッキリとした暗い映像、という不思議な画が、内容とマッチしていて、流石は映像作家だな、といったところでした。
ただ、人物の撮り方ですが、やったらめったらアップが多いんですよねぇ。
その上、ブレるというより、揺れる。
不気味な雰囲気を狙ってやてるんでしょうが・・・酔いますって。(汗
んで、クライマックスの、鏡のシーン。アレ、トドメですね・・・。
劇場で観てたら、ビニール袋が必要だったかも・・・。
と、昼間っからこんな話続けるのもなんなので、話を変えて・・・
調べた所によると、ヴィドックという人物は、フランスでは知らない人がいない、というくらい有名だそうで。
ヴィドック本人が書いたという自叙伝は、冒険活劇として幅広い年齢層に愛されているとか。
この事を知って、なるほど、と。
この映画、何かに似てるなぁ、と思ってたのですが、「ヤングシャーロック ピラミッドの謎」ですね。
ゴシックミステリー、という事で、全体的な雰囲気も似てるな、と。
フランス版ホームズの冒険、ってな感じでしょうか。
で、ストーリーですが・・・
視点が犯人、ってのは、タブーですよねぇ。(笑
ただ、エチエンヌ(ギヨーム・カネ)の後手後手を踏む犯人、という所に疑問をもてば、ちゃんと推理はできる、という作りなので、良心は感じます。
・・・でも、「犯人はヴィドック自身だ」みたいな予想をする警察署長(?)に対して、必死で違うって言うんですよね・・・
ミステリーとしては、かなり反則気味だと思うのですが、どうでしょうか。