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殺人の追憶

殺人の追憶


冤罪を扱った映画は数あれど、この映画は一味違う。


冤罪を扱ったもので、終始刑事から、つまり、罪を犯した側から、の視点で描かれてるものを、僕はあまり観た事がなかったので、それが一番新鮮でしたね。

映像として、それほど新鮮な物があったわけではないですが、殺人現場で怪しい人影を挟むパク刑事(ソン・ガンボ)とソ刑事(キム・サンギョン)〜追跡〜工事現場、といった、緊張感を上手く描けたシーンもいいタイミングで挿入されていて、飽きるといった事はなかったです。

テーマである「冤罪」の使い方が非常に上手くて。
前半、くどいまでに描かれるのは、脅迫による自白という「悪」、それを否定し合理的に犯人を探す「善」、という2人の刑事の対比なのですが、クライマックスにその2人の立場を逆にする事で、観客にまで罪悪感を持たせてしまう、という脚本、構成の上手さに驚きました。

更に。
結局犯人は明示されないのですが、どう考えても僕には犯人がヒョンギュ(最後の容疑者。役者名不明(汗 )にしか思えなくて。
あの時代のDNA鑑定は、まだ不確かなものだった、というのを考慮してのものだったのか?
もしくは、被害者の衣服に残された精液、というのが、今までの犯行を考えると安易なミスすぎて、不自然なものだ、と考えていいのか?
その判断には悩むところですが、ともかく、ヒョンギュが冤罪であるといった考え方の方が、僕には不自然に思えるのです。

ただ、犯人が謎のまま、という理由に、実在の迷宮入りの事件がモチーフになってるから、というのもあるのでしょうが、映画的にもその方がテーマを上手く最後に持っていけてる、という意味でよかったのかもしれない、とは思います。





matu_hmatu_h  at 10:52
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1. 「殺人の追憶」  [ NUMB ]   2005年07月27日 20:22
殺人の追憶 「殺人の追憶」 ★★★☆ 監督:ポン・ジュノ キャスト:ソン・ガンホ、キム・サンギョン 公式サイト
2. 殺人の追憶  [ 月影の舞 ]   2005年07月28日 16:53
DVD「殺人の追憶」 MEMORIES OF MURDER(2003/韓国) 韓国で実際にあった連続猟奇殺人事件を元にしたサスペンス。 謎解きミステリにするでもなく、かっこいい刑事ドラマに するでもなく映像にしているだけなのだが、それが逆に 真に迫る。 韓国の農村のうすら寂
コメント
1. Posted by lin   2005年07月27日 20:41
ぁ・・・改めて自分の感想読んだら絶賛しまくってるし(爆。
どう考えても「限りなく黒に近いグレー」という印象だったですね、ヒョンギュ。初動捜査の単純ミスやその後の捜査の過ちと見落としが重なった結果、犯人を追い詰められなかったという事なのかと思いましたがw。
対照的な二人の刑事の苦悩と焦燥がドラマとしてよく描かれていたせいか、かなり感情移入して観てしまった記憶があります。結構エンタメ要素もあって面白かったなぁ(でも細部はもう覚えてない(・∀・)b
2. Posted by 松   2005年07月28日 11:39
>りん
うん、あんまり絶賛してるから、コメント書くの腰が引けたよ。(爆

初動捜査のミスなんだけど、「現場を確保しても同じだったな」「犯人は現場に陰毛すら残してないんだ」ってなパク刑事の言葉からしても、犯人は痕跡を残さない=頭がいい、というのがわかって、最初のいくつかの誤逮捕や誤捜査は、単なるクライマックスへの伏線にしかない、という認識だったわ。

そうだね、ドラマとしてかなり秀逸な映画だと僕も思った。
ドロップキックにワロタ。(笑
3. Posted by ブリ   2006年06月29日 17:18
はぢめまして。ブリといいます。
なかなか良かったですね。さつじんの追憶。
実話というのが凄過ぎ。
あの頭の弱い子は本当に自殺(?)しちゃったんだよね。

あの刑事の立場が入れ替わるというのはリンチ監督の『マルホランド・ドライブ』みたいだけど(比べるのはアレですがリンチの方が秀逸)。

更新頑張ってくださいね。でわでわ。
4. Posted by 松   2006年06月30日 09:18
>ブリさん
はじめまして、コメントありがとうございます。

実際に自殺しちゃったんですか?知りませんでした。
あまりにも話がエンターテイメントとして上手くできすぎてるので、きっと脚色は多大にあるでしょうが、実際にこういう事が起こったというのが、驚きであり、また、怖くもありますね。

「マルホ」ですかー。アレは走馬灯って解釈でいいんでしょうかねぇ。(実は未だによくわかってません。(苦笑
リンチの作品は何本か観てますが、一番好きなのが「ストレイト・ストーリー」で、次が「エレファントマン」だという、軟弱者なんですよ。(笑

更新、心も体もW杯に持ってかれてて、滞りがちで・・・(笑
近々復活すると思いますので、よかったらまた読んでやってください。ありがとうございます。
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