

戸邊さんの「お米」は、体に優しく、噛めば噛むほど味が出て美味しいが、収穫量が少ない為「幻のお米」と呼ばれ、日本一高い「お米」(1キロ当たり約3,000円)として、テレビ、新聞、雑誌などで紹介され話題となっている。
戸邊農法に惹かれて、今春から米作りを体験した、埼玉県三郷市の石井邦子さんからレポートが届いた。
「10月末に松之山をあとにして、早1ヶ月半、雪は降っているのか田んぼはどうなっているのか、思いを馳せるこの頃です。
7月末に最後の田の草取りが終わって、家の用事もあり、約2ヶ月間松之山を留守にしました。
その間、新潟の夏は、雨がほとんど降らずニュースでも報道されるほどになり、とても心配しました。戸邊さんにお聞きすると「うちの田んぼは、水持ちがいいから大丈夫」ということで安心しましたが、一緒に田んぼの研修をした男の子から「水がなくなりました」「ひび割れてきています」とラインがくると、どうなることかとハラハラしていました。
9月23日「田んぼ」に戻ると、早速稲刈りがスタートしました。
あえて水を張った田んぼでは、戸邊さん考案の舟を使った稲刈りで「うちの稲刈りは楽だろう」と言われました。腰の負担も軽く、藁結びも非常にやりやすく驚きでした。
稲刈りが終わると稲架干しとなりました。戸邊さんは、この時期が稲作の中で一番大変な時だと!と言っていた。6.6反の大量の稲にすべてブルーシートをかけ、天気にあわせてシートを開閉した。
松之山に引っ越してきた始めの頃は、必要なかったそうですが、気候が変わって、秋に雨が多くなり乾かなくなり、この方式をとるようになったということです。

稲架は、稲穂が均等に太陽にあたるように、綿密に立てられているので、東側西側、そして外と内の稲穂を採ってそれぞれの水分量で差異がないか確認していました。
田んぼごとに区分けされた、稲の水分量を朝と夕の2回、戸邊さんが測っていました。このような、作業を経て完璧な天日干しが仕上がります。理想の水分量になるとタイミングをみて脱穀となります。
シートの開け閉め、水分量計測、戸邊さんに頼りっぱなしでしたが、私の刈った束は、大きかったり小さかったりで、そのせいで水分量も均一になりませんでした。改めて戸邊さんの仕事の完成度のすごさを思い知らされました。
3週間後、脱穀の時期を迎えハーベスタで脱穀、わらの後始末、というところで私のお米づくりも終了とさせてもらいました。
戸邊さんに紹介され、同地区の中立山でお米づくりされている小川さんのところにも脱穀のとき行かせてもらい、とても勉強になりました。

脱穀したお米を白米にして、初めて食べた時、その甘み、深い味わいに心底驚きました。これまでも自分で作ったお米を食べることは、ありましたが、味に感動したことはありませんでした。
戸邊農法は、誰にでもできると言われ、すべてを親切に教えて下さったおかげで、本当に立派なお米ができるということが実感できました。
お米づくりは、私の30年来の夢ですが、戸邊さんの、もとでの経験は、本当にいいかげんで、能力(体力、知識、智恵、努力)と若さがない私に、やればできるかもしれないと、大きな希望を与えてくれました。もちろん、戸邊さんの、もとで出来たにすぎないので、今後とても同じことは、できませんが、それでも非常に大切な経験をさせていただきました。」
