2006年01月04日

まつさんの2005年映画ベスト10 【各部門賞編】

2005年を代表する1本第322回

 今回は「ベスト10」から離れて、まつさんが勝手に選ぶ映画の各部門賞をご紹介します。

【2005年 まつさんの映画各部門賞】

■2005年作品賞:「NANA
 洋画・邦画のベストワンではなくあえてこの作品を選んだのは、僕が「NANA」ファンであったことだけでなく、邦画興行を盛り上げ、音楽シーンをも盛り上げた功績と作品の質も考慮しての結果。

(洋画)

■主演男優賞:クリスチャン・ベール 「マシニスト

 演技よりも究極の減量に完敗。次回作となった「バットマン ビギンズ」(2005)での筋肉質ぶりとのギャップもまた凄い。


■主演女優賞:イ・ヨンエ 「親切なクムジャさん

 美しさが隠す「心」のひだが現れる般若のような形相は、美人女優であることをかなぐり捨てた素晴らしさ。


■助演男優賞:モーガン・フリーマン 「ミリオンダラー・ベイビー

 表面的でなく、役としてそのバックグラウンドが伺える役作りは「ダニー・ザ・ドッグ」(2005)においても健在。佇まいだけで彼とイーストウッドの過去から現在までの「仲」を感じられるのは見事。


■助演女優賞:コン・リー 「SAYURI

 さゆりの幼少期を見事に演じた大後寿々花と迷ったが、情念を感じさせるオーラを纏ったコン・リーは、ハリウッドでも大女優であることを証明した。


■監督賞:スティーブン・スピルバーグ 「宇宙戦争

 自身の「ミュンヘン」(2006)とトム・クルーズの「MI:3」(2006)との撮影延期が重なって急遽撮影されたと思えないほどのクオリティ。しかもたった72日という撮影期間で仕上げ、その後撮影された「ミュンヘン」も傑作と前評判。確固たる「映像」が頭の中にあり続けることは、彼が「巨匠」であり続けることと符合し続ける。


■脚本賞:リチャード・リンクレイター ジュリー・デルピー イーサン・ホーク 「ビフォア・サンセット

 映画は「台詞」だと証明した脚本。リアルタイムの同時進行という点でも評価できる。2005年は「サイドウェイ」(2004)、「エターナル・サンシャイン」(2004)と捨てがたい傑作脚本の宝庫だった。


■撮影賞:ピーター・ズッカリーニ 「イントゥ・ザ・ブルー

 撮影監督のシェーン・ハールバット以上に評価できるのは水中撮影を担当したピーターの方。これほど美しく、かつ明るく鮮明で透明感のある水中撮影は前例がない。


■編集賞:ウィリアム・ゴールドバーグ他 「ドミノ

 全編ミュージックビデオ並みの映像情報を詰め込んだ編集は、カット数によるスピード感だけでなく、音楽との同期においても評価できる。


■セットデザイン:「キング・コング

 巨大セットにおける絵画を思わせる色彩だけでなく、細部に渡ってこだわりを見せている点で感嘆させられる。数秒しか出てこない船内の機械室における描写ひとつ取っても素晴らしいことがよくわかる。


(邦画)

■主演男優賞:浜上竜也 「ニワトリはハダシだ

 実質主演ではないけれども、知的障害者でないと知らなければ勘違いしてしまうほどの演技は、「マラソン」(2005)のチョ・スンウよりも自然。


■主演女優賞:原田知世 「サヨナラCOLOR

 一生をかけた男の純情に相応しい美しさで魅了させる。2005年は5年ぶりに4本の出演映画が公開され、結婚を機に彼女のキャリアにも変化が見られる。


■助演男優賞:田中泯 「メゾン・ド・ヒミコ

 舞踊界の巨人は浪人を演じても、ゲイを演じても凄かった。本作における鬼気迫るオーラはスクリーンからはみ出す勢い。


■助演女優賞:大塚寧々 「female<フィーメイル>」の1篇「女神のかかと」より

 乱れ髪でさえ男心をくすぐる彼女の「色香」が素晴らしい。彼女の「けだるさ」は「フリック」(2005)においても健在で、独特の雰囲気を自ら構築している。


■監督賞:内田けんじ 「運命じゃない人

 演出力にはまだまだ粗さがあるが、将来性は抜群。今後日本映画界をしょってゆくのは間違いない。


■脚本賞:上田誠 「サマータイムマシン・ブルース

 実際には舞台用脚本を本人がリライトしているので「運命じゃない人」と迷ったが、語り口の上手さと舞台人らしい会話の妙によって軍配を上げた。


■撮影賞:広川泰士 「トニー滝谷

 都会の中の「荒涼感」が色彩だけでなく、あえて不安定なアングルで切り取った映像によっても表現されている。ワンカット見ただけでこの映画だと判らせる静かな主張は見事。


■編集賞:金子尚樹 「フリック

 本作における映像の素晴らしさだけでなく、「現実」と「幻想」の境を曖昧にさせるためにカットをリフレインさせ、編集の妙によっても不安感を煽っているのが見事。


■セットデザイン:「探偵事務所5″/5ナンバーで呼ばれる探偵達の物語」(近日レビュー掲載予定)

 製作費の大半を費やしたセットや小道具へのこだわりは2005年邦画随一。どこか昭和調でありながらレトロフューチャーな雰囲気もかもし出している。


(その他)

■音楽賞:坂本龍一 「星になった少年 Shining Boy & Little Randy

 坂本教授久々のメロディアスな映画テーマ曲として完成度が高い。今後も彼の代表曲レパートリーと成りえる楽曲。


■主題歌賞:「GLAMOROUS SKY」NANA staring MIKA NAKASHIMA 「NANA

 音楽漫画の楽曲は「TO−Y」や「BECK」でその難しさを感じさせていたが、この曲はまさに「NANA」の世界観にたぐわない出来。ジョディ・ワトリーの楽曲をアレンジした伊藤由奈の「ENDLESS STORY」も良。


■ベストサウンドトラックアルバム賞:「エリザベスタウン

 新旧楽曲を取り入れたキャメロン・クロウ監督自身による選曲センスは相変わらず。定番となった愛妻ナンシーによるインストも出色。映画終盤における音楽の重要さはこのアルバムを聴けばよくわかる。


■ベストアニメ映画賞:「岸辺のふたり

「惑星大怪獣ネガドン」(2005)と悩むところだが、人生を凝縮させた至福の8分間は忘れ難い。CGよりもやはり手書きアニメに勝負アリ。


■ベストドキュメント映画賞:「失われた龍の系譜 トレース・オブ・ア・ドラゴン

 ジャッキー・チェン自身も知らなかった家族の系譜が明かされる衝撃だけでなく、その歴史が中国の歴史と符合する点で優れている。


■ベスト未公開映画:「バス男」 (近日レビュー掲載予定)

「電車男」のヒットで名付けられたこのセンス無きタイトルとは裏腹に、アメリカのオタクを「脱力」的に考察しているのが見事。ちなみに原題は「Napoleon Dynamite」。次点は「エルフ サンタの国からやってきた」(2003)と「トウキョウ アンダーグラウンド」(2004)。


■ベストカメオ出演賞:「魁!!クロマティ高校 THE★MOVIE」の武田真治

 突然の登場で驚くのではなく、知らないと判らないという点で斬新。ちなみに本作には他にも多くの有名人が驚きのキャスティングを成されている。


■ベストアクション場面賞:「アイランド」のチェイスシーン

 実写とCGを巧みに組み合わせたアイディア抜群のアクション場面。破壊とスピード感溢れ、物語との整合性を欠くことさえ忘れさせるのはある意味凄い。


■ベストラブシーン賞:小松奈々(宮あおい)と大崎ナナ(中島美嘉)のキス 「NANA

「テルマ&ルイーズ」(1991)のラスト以来となるナイスな女性同士のキスシーン!


■ベストカップル賞:スミス夫妻(ブラット・ピットとアンジェリーナ・ジョリー) 「Mr.&Mrsスミス

 見た目だけでなく、私生活でもカップルとなった見事なパーフェクトぶりは有無を言わせない。


■ベスト台詞賞:「Tough aint enough」=「タフなだけじゃダメだ」 「ミリオンダラー・ベイビー」より


■期待の新人:沢尻エリカ 香椎由宇 掘北真希 大後寿々花 肘井美佳

 たまたまではなくて、2005年は女優豊作の年。まだまだ女優主演作が少ない中で、今後は邦画の隆盛もあって期待が持てる。ブレイクと女優開眼の沢尻エリカ、怒涛の活躍と出演作の香椎由宇と掘北真希、恐るべき子役の大後寿々花、ベテランのような新人の肘井美佳という評価。


 ちなみにこれらの評価はあくまで「個人的嗜好」ですのでご了承あそばせ。

「まつさんの映画ベスト10」の「洋画編」、「邦画編」、「ワースト編」もご参照下さい。


※明日は新春企画最終日、映画以外の「2005年ベスト10」を発表します。


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2005年myベスト・シネマ  部門別 その1【かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY】at 2006年01月08日 17:24
このベスト&ワーストリストは、作り出してからかれこれ8年目。 今年はかなり選んで観たせいか、 10位にいれたい作品もりもりで選ぶのに苦労した〜{/ase/}(笑 {/cherry_red/}migのBESTは、面白さが一番の基準{/onpu/} 好きな映画とはまた別なのです{/kirakira/} {/cherry_...
決定! 2005★ベスト&ワースト映画【我想一個人映画美的女人blog】at 2006年01月09日 11:41
この記事へのコメント
 ども、たましょくです♪

 各賞を拝見して、未見な作品の多さを知らされましたw
期待の新人、大後寿々花って「あいくるしい」の車イスの
娘だったんですね。「北の零年」は未見ながら、SAYURIで
の演技には、ホント脱帽でした。

 女優の卵は、豊作なのに、俳優の卵となる男の子役は、
あまり芽が出てこないですよね(それとも、たましょくが
気付いてないだけですかねw)
Posted by たましょく at 2006年01月04日 11:46
いつもお世話様ですm(__)m

>期待の新人
ここに微妙に反応してしまいました(^^;

>沢尻エリカ
「パッチギ」の在日高校生が非常に印象的です。

>香椎由宇
「ローレライ」、「大停電の夜に」はイマイチぱっとしませんでしたが、「リンダリンダリンダ」の彼女は良かったと思います。

>掘北真希
やっぱ六ちゃんですよねー。リンゴほっぺがいい!

>肘井美佳
「仮面ライダー剣(ブレイド)」の蘭アンデッド、そして今は「GARO」のヒロイン。特撮しか頭に浮かびません・・・(´▽`*)アハハ

>大後寿々花
末恐ろしい子役です。安達祐美は超えましたね。この春公開の「バルトの楽園」では、どんな演技を見せてくれるか・・・(期待)
Posted by yoyupon at 2006年01月04日 23:07
バス男=ナポレオンダイナマイト!!!

まつさんも入れるとは! (笑

この映画ほんっとにスキです〜、
邦題酷過ぎナンバーワンでもありますね☆

レビュー、
待ってま〜す、
Posted by mig at 2006年01月09日 11:40