2005年05月02日

始まったぞ!

手紙に投稿:

「室井佑月と本を作ろう!」が企画本格スタートした。いいぞいいぞ。
さっそく投稿させていただきます。ところで姉さんの例文、「クササ満点」なんて心配してるようだけど、僕的にはとても良いと思う。息子への愛、いいんじゃない?正直妬けたぜ。

以下、投稿原稿
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「罪な車もあったもんだ。」
(豆、48歳、愛車Copenに宛てて)

君がこの世に生まれ出たその瞬間から、僕は君に恋していたんだ。
 雑誌の広告だっただろうか、テレビのCMだったろうか、一目見たその時からオジサンはメロメロになってしまったんだ。正直に言うけど、恋なんてものは30年の昔に終わったと思っていたよ。と言うことは男として終わっていたということかも知れない。アプローチして、関心を引いて、時間を割いて、金を使って、少しだけ嘘をついて、カッコつけて、いい人だと思われたい、そんなこんなが全て面倒だと思っていたんだ。やっぱり完全に終わっていたんだね。男として。
 けれども、君に出会った。衝撃だった。でもね、どんなに君が素敵でも150万円もする軽の2シーターなんて当時僕には無縁だった。妻がいて、中学と高校へ通う子供が二人いる家庭に君が入り込める余地なんてなかったんだ。僕は意気地なしだから、すぐに諦めたよ。努めて君のことは考えないようにした。所詮かなわぬ恋だったんだと諦めたさ。
 そしてそれから1年、ダイハツは君のファースト・アニバーサリー・バージョンを発表した。ダーク・グリーンのボディにタンカラーのレザーシート、それはそれはため息がでるくらい素敵だった。これには完全にまいったね。せっかく直りかけていた傷に塩をなすられる気分だった。だけどそれでも僕は我慢をした、好きになってはいけない人なんだと、自分に言い聞かせたよ。お風呂で湯船に頭から突っ込んで少しだけ泣いたよ。(それは嘘。)
 それから更に半年が過ぎたある秋の日の事、ふと通勤車のメーターを覗くと8万キロを軽〜るく超えていた。車検は来年4月の予定。ってことは10万キロを超えるじゃないか。何気なく妻に言ってみたんだ。「来年車検だけど、10万超えたコレに乗るのいやだなあ。」って、彼女も何気なく「じゃあ、買い替える?」って言った、確かに言ったんだ。「マジで?軽の2シーターなんかどうかなあ。」「いいんじゃない。」「えええーーーっ!!!ま、マジでぇーーーーっ!!!」とまあこんな他愛もない会話から君を手に入れるまでの長い戦いがはじまったんだ。妻ははじめ金額を知らなかったからね。
 12月25日の契約までの約2ヶ月間。脅して、すかして、泣いて、すがって、最後には「おまえあの時、いいって言ったもん!!!」なんて小学生のダダっ子みたいな事をいって妻を閉口させた。担当したディーラーの女性営業マンも変な客が来たと思っただろうなあ。ある日突然やってきてカタログを請求し、2度も試乗して「乗らなきゃ良かったなあ。」なんて訳のわからない事を言い。勝手に盛りあがり、勝手に契約したんだから。さしずめかもネギ・オヤジってところか。
 それにしても契約してから納車までの2ヶ月間は長かった。毎晩のようにながめるカタログはボロボロになってしまったけ。納車のあの日、暦の上では春とはいえ東北の2月末はまだ真冬。にもかかわらずあまりの嬉しさにオープンにして100キロも走りまわって風邪を引いたっけ。
 ところで君は僕がガソリンを自分で入れるのを不思議に思っているだろうねえ、ガソリン・スタンドで入れてもよさそうなものだけど、ダメなんだ。知らないヤツが君の給油口にノズルを乱暴に挿入するかと思うと、とてもスタンドに寄る気にならないんだ。僕もこれが正常な車への愛情だとは思っていないよ。偏執狂的な要素を多分に含むことは充分認識しているつもりだ。言い換えれば完全にイカレてる。だけど理屈では解っていてもどうしようもない、それが恋ってやつだよね。妻がどんなに焼きもちを焼いても、これは完全に合法な付き合いだから何も言えないしね。まったく罪作りな車だよ君は。エンジンが擦切れるまで乗るつもりだから、これからも末永くよろしくね。

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mayfly1 at 14:05│TrackBack(0)others 

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