March 25, 2013

名詞化が気になってしょうがない!

「気付き」を与える。「学び」を得る。動詞を名詞化した言い方が最近やたらと多く、気になって気になってしょうがない。

研修やセミナーなどを開いた後、受講者に感想を書いてもらうと、「たくさんの気付きがありました」「気付きをありがとうございました」「学びの機会を頂きました」などと、次から次へと現れる。

読んでいるうちに、あることに気付いた。この名詞化言葉は書き手にとっては、とても使いやすく便利なのだ。なぜなら、何にどう気づいたか、何を学んで、どう思ったか、を具体的に言う必要が全くない。単に「気付き」がありました、と言うだけで、それらしく文章が出来上がるからだ。

同様に考えると、「癒し」を求めて、とよく言うが、何にどう癒されるのかがわからない。

「癒し」という言い方は今ではすっかり定着したが、この言葉が出始めた頃、なんだか新鮮だった。これまで人は「癒される」ということをとりたてて意識して生活していなかったように思うのだが、この言葉と共に、「癒される」「癒しになる」「癒し系である」ということが価値のあることになった。

「いじめ」があった、と言うが、誰が誰に、何をどのようにしていじめたのか、がわからない。私が子供の頃には、「いじめ」そのものはあったと思うが、「いじめ」「いじめ問題」などという言い方はなかった。学校で「いじめられた」ことを親に話す時にも、「○○さんが、こんなこと言った」とか「○○君が、上履きに落書きした」と言う風に、具体的に話したように思う。

「本番5分前に『お声掛け』致します」これも多い! 
5分前にお声を掛けます」「5分前にお呼びします」と、かつては言われていたことが多かったが、ここ10年位は『お声掛け』がもっぱらだ。
「ではここで、きょうの『振り返り』をします」 
「ここではこんな『取り組み』が行われています」
マスコミの世界でも結構使われている。

このような名詞化はそもそもどこからどのように始まったのだろうか。ひょっとしたら、新聞や雑誌などの活字の世界で使っていたものが、一般にも広がり、さらに話し言葉の中でも使われるようになってきたのではないか、と思った。記事の見出しなどではそもそも体言止めを良く使うが、いかに少ない字数で、しかも一目で意味が理解でき、印象に残る言葉を探しているうちに、動詞を名詞化するとこれらの条件が満たされる言葉として多用されたのではないか。

耳障りだけ良くて、中身がない、そのくせなんか専門的で知的な感じを漂わせるこの「名詞化」が気になってしょうがない。

  
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March 19, 2013

スタッフは外国人(身近な異文化学習)9


以前、私の会社で3年ほど働いていた1人のカナダ人が、東日本大震災の後、日本を離れ母国に帰っていたのだが、ほぼ2年ぶりに日本に戻ってきた。今回も再び働いてもらうことになった。

大震災と福島原発事故の直後、日本にいた多くの外国人が慌てて日本を去った。このカナダ人もそんな外国人の一人だ。カナダに帰り、当初はアルバイトをしながら久しぶりの母国を楽しんでいたそうだが、次第にもう日本に戻ってくることはないかもしれないという気持ちも出てきて、カナダで定職に就こうと、いくつかの会社の面接などを受けてみたそうだ。しかし自分の希望に合う仕事はなかなか無かったようだ。

カナダの2012年の失業率は約7.3%. アメリカに比べると1%ほど低いが、日本より3%ほど高い。深刻なのは、若者の失業率だ。日本でも若年失業率は、全体の失業率の倍になる。これはどの先進国も共通して抱える問題で、カナダでは13%に上るという。旅行でバンクーバーなどを訪れると、あの美しい街並みとおしゃれなレストランやバーには毎夜のように若い人が溢れ、しかもちょっと食事してワイン1杯飲んでもすぐ1万円が飛んで行くような印象で、厳しい雇用状況など想像しにくい。でも「全然仕事がない、それなのにバイトから自宅に帰る途中でコンビニによって夜食を買うだけで軽く1000円、これがほぼ毎日。こんな生活は続けられない」という彼の言葉には真実味があった。

日本で再び仕事を始めて3カ月ほど経ったころ、彼が「日本はつくづく良い所だと改めて思った」と言った。彼の話しの中でちょっと意外だったのは、「日本の方が気持ちが安らぐ、楽に生きられる」と言ったことだ。カナダでは、バーなどで飲んでいても、他愛のないほんのちょっとしたことで口論になり、そこから殴り合いのけんかになったりすることがよくあったり、人のすることにけちをつけたり、気に入らないと文句を言ったりからかったりすることが多く、つねに緊張状態というか気を張っていなければならないそうだ。若い時はそういうことも楽しめたが、もうそういう気分ではないと言う。日本では、居酒屋で酔っぱらってちょっと騒いでしまっても誰も文句も言わないし、喧嘩にもならない。基本的にみんな落ち着いているし、小さなことでカッとなる人もいない。

さらには、日本人の話す英語がとても丁寧で穏やかで、そういう英語に合わせて自分もきれいな英語を使うようにしていると、なんだか教養のある良い人になったような気がしてくる、と言った。そりゃもちろん、日本人が学校で習った英語を一生懸命話しているのだから、ゆっくりで穏やかなのは当然だし、いわゆるFではじまる4文字なども使わないし、使い方も分からないわけで、荒っぽくなりようもない。

ともかく、カナダ人からこのようなことを聞くのは新鮮だった。これまでは、どちらかと言うと日本で働く窮屈さや、日本社会の居心地の悪さ、文化の違いによる不平不満などを聞かされることが多かったが、日本とカナダ、両方の生活を経験し、心から出てきたであろうその言葉に、なんだかちょっと嬉しくなった。

ただ、「相変わらず日本のテレビは、どのチャンネルも、F***ING食べ物とお笑いだけだ」と言って笑っていた。

  
Posted by mayosumitomo at 23:12Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 文化 | 英語

March 05, 2013

そりゃないぜ、スージー

以前、このブログでも取り上げたことのある、アメリカの有名なファイナンシャルプランナーで、自身のテレビ番組も持っているスージー・オーマン。日本でも日経CNBCで放送しているので見ることができるのだが、これはあまりにもひどすぎる!僭越ながら苦情を述べさせて頂く。

日経CNBCでは、土曜日の午後5時から放送していて、家にいる時にはちょうど夕食の準備をしながらの時間帯である。だからちらりちらりと画面を見たり、音声を聞きながら料理をしていて、しっかりと視聴していたわけではなかった。番組の中で、興味のある話しになったときには、料理の手を止めてしばし画面を見る。アメリカの視聴者と中継を繋いで、視聴者からのファイナンスに関する深刻な悩みに答えたり、以前このブログで取り上げた「これを買いたいのだけれど、自分の懐具合から見て買って良いかどうか」をスージーが判断して答えるコーナーが好きだ。スージーの答えに対して、『いやーこれくらいだったら、いいんじゃないの?』などと思いながら見ていると、いきなりプツンと番組が終わり、突然、テレビショッピングの番組に変わった。ん?何?どうした?

そんなはずはないと、翌週、また同じ時間に番組を見てみた。まただ。スージーが話しているその途中でいきなりプツンと切れて終了し、ショッピングが始まる。2週続けて同じことが起きたと言うことは、これは事故ではない。

2013
年、テレビ放送が始まって60年。この時代に、地上波でないとは言え、こんな放送があって良いのか! 曲がりなりにもテレビ業界で働き、番組とコマーシャルの時間配分や、それぞれの出し方は理解しているし、番組の編集についても最低限の知識はある。出演者がしゃべっている途中で番組を強制終了し、次の番組に移り変わるなどということが許されるのか!どうしても時間の枠が合わず、短くして放送する必要があるのなら編集すれば良い。海外で放送された番組を日本で放送する場合に、編集することはよくあるではないか!百歩譲って、何らかの理由により編集せずにいきなり終わるにしても、字幕で一言お断りをいれることぐらいできる。それも無い!

テレビ番組表で確認してみた。土曜日の午後5時~530分までの枠で、たしかにSuze Orman Showとなっている。530分~6時はTVショッピング。はいはい。そのままずーっと時間を追って番組表を見ていると、日付変わって日曜日の深夜0時~1時にまたSuze Orman Show1時間あるじゃないの。本来1時間の番組を30分枠に入れるのは、無茶にも程がある。つまり、深夜0時からの放送が本来の放送で、5時からやっているのは予告編と言う位置づけか(笑)?

ついでに番組内容の解説を見てみようとリモコンのボタンを押した。「個人の資産形成や金融問題に詳しいスージー・オマーンが、視聴者からのお金に対する相談にズバリ答える・・・」ん?スージー・オマーン??いい加減にしなさい。もうええわ。

  
Posted by mayosumitomo at 02:47Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 テレビ | 

February 27, 2013

体温計・・・は、と。

夕食後、ソファでくつろいでいたら、なんだか腰が重いな~という感じがし始め、横になった。今度は肘がじーんじーんとなってきて、体全体がだるい。寒っ!毛布を被ってしばらくそのまま横になっていたが、しんどさがだんだん増してくる。ベッドに移動し、布団にくるまっていたら今度は頭痛が始まった。さらに寒い。いかん!これはもしかして風邪か、インフルエンザか!

ここ何年も使ってなかった体温計を出して来て熱を測ってみたら、案の定、37.9度。そういえば、ここ数年、いやもっとかな?熱を出してなかった。熱どころか、軽い風邪すら何年もひいていない。「健康管理も仕事のうち」と偉そうにいつも言っている私としたことが・・・。つい先日も、仕事でお世話になっている新聞社の女性に「オフィス閉鎖(大げさ!)になりそうな勢いで、インフルエンザが流行しています。住友さんも気をつけて下さい」と言われ、その時も「喉が商売道具ですから、その辺は完全防御してますよ・・・」などと豪語したばかりなのに。

今年に入ってから、自社で企画したセミナーが立て続けにあり、毎晩3時~4時まで準備をしていて、先週終わったばかり。疲れが出たのか、緊張が解けて気が緩んでしまったのか、人が大勢集まったのでウイルスをもらってきたのか分からないが、とにかく久しぶりにダウン。インフルエンザならしかるべき処方薬が必要だと思い、下手に市販薬や解熱剤は飲まずに、そのまま休むことにした。

しかし、体が痛くて眠れない。熱で間接が痛く、マットレスに触れている腰や肩甲骨が痛い。保冷材を額、首の後ろ、脇の下にいれて冷やし、枕元にスポーツドリンクのペットボトルを置き、何度も水分補給しながらとにかく朝までがまんしたら、37.5度位まで下がっていたので、ここで起き上ってみたら、手の甲、指の関節まで痛くなっている。何とか朝食を済ませぐったりしていたのだが、またどうも熱がぶり返し、とうとう38.2度まで上昇。再び、ベッドに直行した。

不思議なことに、喉の痛みや鼻水などの風邪の症状が全くない。熱と節々の痛みだけなのだ。一体何だろう、と横になったままタブレットで検索したりしながらうだうだと過ごしていたのだが、結局のところ、いつもの頭痛薬(市販のもの)に行きついたのだ。いつも通り2錠飲んで、ベッドに横になったら、知らない間に熟睡し、汗びっしょりになって目が覚めた。変にすっきりしている。体温計で確かめると、36.2度。よっしゃー!頭痛も、関節の痛みも完全におさまっていた。あの体のだるさもウソのように消えていた。こんなことなら昨夜のうちに飲んでおけばよかった。

  
Posted by mayosumitomo at 21:52Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加  | 

February 24, 2013

いつ、どこで、誰がマヨネーズを・・・

初めに言っておくが、私はマヨネーズが嫌いではない。

お好み焼きやたこ焼きを注文すると、マヨネーズが当たり前についてくる。オプションではない。マヨネーズは、一体いつからお好み焼きやたこ焼きに付くようになったのだろうか?どこでだれが始めたことなのか?

私が生まれ育った徳島には、小さなお好み焼き屋さんが結構あって、子供のころには母親と一緒に、高校生の頃には、授業が早く終わる土曜日に友達と一緒に行ったものだ。あの頃のお好み焼き屋さんは、おばちゃんが1人で切り盛りしている小さな店が多く、カウンターの鉄板でおばちゃんが手際よく焼いてくれる。焼きあがったら、自分でソースを好きなだけ塗り、最後に青のりと鰹節を振りかける。
熱々のお好み焼を、ハフハフしながらヘラで食べたものだ。マヨネーズ?そんなものはない。

たこ焼きと言えば、当時はお祭りの出店や屋台で買うのが主流。たこ焼き専門店などあの頃はなかった。どうしても忘れられないたこ焼きがある。小学生のころ、夏休みに市の公営プールで開かれていたスイミングスクールに、兄弟と一緒に通った。スクールを終えてプールの門を出たところに、毎日、お爺さんが1人でたこ焼きの屋台を出していた。1本の割り箸にたこ焼きが確か4つ刺さっていて、60円か70円だったように思う。毎日水泳に通って真っ黒に日焼けし、髪もびっしょり濡れままで、1本のたこ焼きを食べながら歩いて家に帰るのが楽しみだった。たこ焼きは外はカリっと焼けていて、割り箸に串刺しになっていても、形が崩れたり下に落ちてしまったりはしない。マヨネーズ?そんなものはなかった。

粉物系が好きな私だが、お好み焼きやたこ焼きを食べることがめっきり少なくなった。その理由は、子供のころ大好きだったあの味とは、ちょっと違ってきているような気がするからだ。トッピングやらなにやら色々と凝りすぎている。どんどん上に乗せてものすごい厚みになった所に、最後にマヨネーズを最後にチューっとかけてしまう。

あー、あの飾り気のない素朴な豚玉、懐かしいあの味をもう一度。

  
Posted by mayosumitomo at 23:17Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加  | 残念

February 10, 2013

Eメールの妙な言葉使い

様々な企業の方とEメールでやり取りしていると、会社ごとに”書き癖”や決まり文句みたいなものがあったり、社内で統一しているメールのルールがあるのかな?と思う。さすがに会社名は出さないので、ちょっと気になるものをいくつか揚げてみたい。

●『・・・・したく、・・・・して頂きたく(「たく」を漢字で「度」としていることも多い)』 結構、この表現を見ることが多いのだが、これは文章を途中で切ってしまっている。・・・致したく、よろしくお願いいたします。とか・・・していただきたく存じます。と最後まで言わないとおかしい。
●『○○さん』と、カジュアルな感じで始まるメール。社内で、○○部長などの役職ではなく、○○さんと呼び合うようにしている企業もあるので、恐らくその習慣を社外の人宛のメールでも使っているのだと推測するが、やはりこれは○○様、とするのが礼儀だろう。
●はじめてメールを受け取った相手なのに『いつもお世話になっております』という言葉が冒頭にある。いや、お世話になってないし・・・。
●宛名も簡単な挨拶もなく、いきなり一行目から「昨日お伺いした件ですが・・・」と来る。さすがにそれはないでしょ。
●『仕様書』 自動車とかPCなどの仕様書ならわかるが、提案書やちょっとした資料なども『仕様書』と呼ぶのには馴染めない。
●上記と同類だが、コンピューター用語のような専門用語や、その会社内やその業界でしか使わない言葉を、まったくためらいなく使っていることも多い。
●ネット上でよく使われる独特な言い回し(例えば、拡散希望)が、普通のビジネスメールの文面に頻繁に出てくる。理解はできるが、これはあかん!

まとめてみると、これはやはり各会社の慣習であったり、業界用語やある環境の中で良く使う言葉、また内部でのみ通用するやり方を、外に向けても無意識のうちに使ってしまっているということだろう。内と外できちんと使い分けする必要があるということを忘れてしまっているようだ。

時折、社内の人に対して送ったメールを、情報を共有するという目的で、社外の人にもそのままコピー&ペーストされていたり、CCで送られてくる場合があるが、ちょっとショックを受けることがある。それは、社内の人に対してものすごい敬語を使い、忙しい中恐縮ですが…と気を使いまくっているのに、外注先や業者さんのことをものすごく邪険に扱っているような書き方をしていることがある。これにはドン引きしてしまう。

  
Posted by mayosumitomo at 02:47Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 言葉 | 

February 02, 2013

酔っぱらいの見分け方

知人の送別会に出席し、終電に乗ろうと速足で駅の構内を歩いていた時、通路の端の方で50代位のスーツ姿の男性が床に倒れ込んで苦しそうにしていた。こういう時、一体どうすればよいのだろうか。
 1.金曜日の夜だし、飲みすぎて酔っぱらってフラフラになっている可能性70%。
 2.重大な病気(例えば、脳梗塞とか心筋梗塞とかクモ膜下出血とか)になり、倒れこんでいる可能性30%。

どっちなの?どっちなの?ちょっと歩く速度を落とし様子を見る。わからない!どうすれば良い?でも終電に間に合わない!! あーどうしよう、と思い何度か振り返るも、結局その場を離れてしまった。

駅構内を行き交う人は大勢いたが、誰一人として振り返ることもしなければ、足を止めることもしない。まるで視界に入っていないかのように、倒れこんでいるその男性のすぐ横を通りすぎてゆく。と言うことは、その場にいた全員が、「酔っぱらいの困ったヤツ」と判断しているわけだ。果たしてそうか?いや、待て。私にも明らかに酔っ払っている人は見分けられる。でもこの男性に関しては、酔っぱらいの可能性の方がもちろん高かったが、ひょっとしたら・・・という気持ちがあり、判断がすぐに付かなかったので葛藤してしまったわけだ。

葛藤しながらも、結局何もせずその場を離れたのだから、偉そうなことは言えないが、あれだけ大勢の人がいながら、誰一人として倒れている人のことを気にかける人がいなかったという状況に唖然としてしまった。これぞ“大都会の無関心な人々”ということか。それとも、毎晩のように酔っ払いの姿を見て、もう辟易している人がいかに多いかということなのか。確かに私が終電に乗って帰るほど遅くまで飲む夜はそう多くはない。ここは『どう見ても酔っぱらいだな』という判断をしなかった私の方が一般的ではなかったのだ、ということにして、このさざ波の立った心を静めるとしよう。  
Posted by mayosumitomo at 22:59Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加  | 

January 24, 2013

スタッフは外国人(身近な異文化学習)8

レンジャーズのダルビッシュ投手が、つい先日アメリカから帰国したが、その時の地味な姿にほとんど気付く人がいなかった・・・と、ニュースで報じられていた。ネット上では「キモオタ化した?」という意見まで出る始末。確かに写真に写っていたその姿は、日本ハムファイターズで活躍していた頃の姿とは大きく違っていた。やや長めの茶髪が外に向かってピンピンとカールしていて、野球帽からはみ出した襟足が跳ねているのが特徴的だったが、今回成田空港で取られた写真では、髪は短くカットされ茶髪から黒髪へ、襟足もスッキリ。ヘアスタイルだけでなく、私服と思われる服装もまた地味というか非常にスタンダードな感じで、黒っぽいダウンジャケットに、極めて普通の色とカットのジーンズだ。

このダルビッシュの姿を見て、意見を聞いてもいないのに、外国人としてひとこと言わせろ、とここぞとばかりに割り込んできた。「おー、ずっと良くなった!これでこそ男!前は”ゲイ”だった。(ここでのゲイは、馬鹿らしいとか変とかダサい、という意味)アメリカで男のファッションがようやくわかったんだな」などと上から目線で言い出した。さらに続けて「日本の男の髪形は本当に日本っぽい。日本だけで受け入れられる髪形。ホストクラブの男性の髪形と言い、アイドルの髪形と言い、外国では考えられない!」「アメリカでは完全に馬鹿にされる。ダルビッシュも揶揄されたはず」とまで言った。長めの髪形をしていると、女の子っぽいとかオタクっぽいという理由で、学校でまずからかわれ、いじめられる、と言うのだ。だから、髪を短く黒くし、地味になったのを「オタク化した」と言うのは、完全に逆の反応なわけだ。

そう言われてみると確かに、アメリカやカナダに行くと、ほとんどの男性は髪が短い。非常に短い。そしておでこをスッキリ出していることがほとんど。前髪を伸ばして、おでこを覆っている男性は非常に少ない。一方、日本では会社勤めの人でも、長めの髪で、パーマをかけていたりもする。お隣韓国も男性の髪形に関しては、同じような傾向が見える。

ファッションも文化なので、どっちが良い悪いということではないが、その国の文化になじむようにダルビッシュもヘアスタイルを変えたのだろうか。

ネットを検索していたら、ダルビッシュのヘアスタイルと彼の野球の調子を関連づけて書いているレンジャーズのレポートがあった。
━It's not just his recent haircut that seems to hint at Yu Darvish's new-found poise. Darvish, almost start by start, appears to be maturing into the ace everyone knew he could be.━
ダルビッシュの最近の落ち着いた様子は、新しいヘアスタイルだけではない。先発するたびに、誰もが思っていたエースへと成長してきているようだ。てなことが書かれている、ということは
やはり、アメリカでも、そしてチーム内でも、彼の超日本風なヘアスタイルが、いろいろな意味で注目されていた、ということの証拠だ。

  
Posted by mayosumitomo at 00:36Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 文化 |