アセロラ

2006年06月08日

アセロラの栄養

直径は約2〜3cmで、重さは6〜10g。かわいい、さくらんぼのようなカタチをしています。
色も熟すると濃い紅色で、さくらんぼの中でも上級品のような趣もあります。
リンゴに似ている香りも特徴です。
口に入れると、皮は柔らかくて、甘い中にもちょっとすっぱい味。その風味には野生の素朴さも感じられます。

アセロラの実

アセロラにはレモン果汁の約34倍、100g中に1700mgという、他の同量果実と比較しても、圧倒的な天然ビタミンC量を誇ります。
たとえば同量のいちごは62mg、キウイでも69mgと、その差は歴然です。
小さなアセロラ1個のビタミンCは、レモン果汁約5個分に相当するのです。
さすが「ビタミンCの王様」と呼ばれるアセロラパワーですね。


ビタミンCとひと口に言っても様々なものがありますが、大きな違いは天然か合成か、ということ。
この二つを比べても天然のビタミンは合成のものに比べて比較にならない程吸収率に差があります。
吸収率の高い天然ビタミンCの中でも、アセロラに含まれるビタミンCは摂取した際の吸収率が非常に高い、質の良いビタミンCなのです。
高濃度でphが低く、たんぱく質やポリフェノールなどの他の成分と結びついて安定性がよくなりゆっくりと体内に吸収されていきます。


それだけでなく、アセロラはベータカロチンやビタミンE、抗酸化作用の高いフラボノイドもたくさん含んでいます。

ビタミンC補給にアセロラジュースを飲んでおけばバッチリですね。


アセロラ

真夏の太陽が降り注ぐ中で育つアセロラは、真夏が旬なのかと思いきや、
なんと5月から11月にかけて延々と収穫できるそうです。

しかも、1本の樹で年6回も収穫できるという不思議な樹なんです。

アセロラは、花が次々と咲いて、実が次々となっていくので、1本の樹で花が咲いている横で実も成っているんです。

その分、収穫量は多いのですが、樹の剪定や、受粉をその都度しなければならないし、収穫も手作業で行わなければなりません。
たいへん手間のかかる果物ですね。

また、少しでも実を甘くするために、樹の幹にわざとキズをつけ、水分を上へ上がらせなくするそうなんですが、
キズをつけられると、ビックリして子孫を残さないといけないと思うのか、実をいっぱいつけてくれるそうですよ。

本当に不思議で強い樹なんですね。

アセロラ

アセロラの歴史と育つ場所

アセロラの発祥地は、カリブ海につらなる西インド諸島です。
バハマ、ジャマイカなど、最近は日本人でも人気のエリア。この地域に住む原住民は、古くから、アセロラを食べて元気を回復していたと言われています。

15世紀。大航海時代にこの地からスペイン人やイギリス人の船乗りが本国に持ち帰ったことなどから、世界に広がってきました。

20世紀初頭にキューバ経由でフロリダに上陸したアセロラ。栄養学者が研究したところ、途方もないビタミンCが含まれていることを発見したのです。

アセロラが初めて日本に上陸したのは1958年。
しかしこの時点では、収穫後2〜3時間で痛み始めてしまうという性質から、これを商品化するには至りませんでした。
そこに着目したニチレイは、アセロラの冷凍技術を研究し、1984年商品化に成功しました。


「ビタミンCの王様」と呼ばれるアセロラは、「赤道に近くなるほど、果実に含まれるビタミンC量が増える」という傾向があります。
国内では甘味系の品種を、沖縄県の本部町や名護市、鹿児島の指宿市などの地域で栽培しています。
いずれも温暖な場所で太陽の恵みをいっぱいに受けて育ちます。
特に年間平均気温22.5度で真夏の太陽がまぶしい沖縄県の本部町のアセロラはビタミン含有率が格段に高いそうです。