今日は、お正月に見たいと思って録画していた番組を見ることに。
その中で一番見たかった、NHKスペシャル
『ふしぎがり 〜まど・みちお 百歳の詩〜』を見ました。

まど・みちおさんは、去年百歳を迎えられたんですね。
まどさんといえば、誰もが知ってる『ぞうさん』や『やぎさんゆうびん』
『ふしぎなポケット』などの作詞をされた方です。
「小さなノーベル賞」といわれている「国際アンデルセン賞」を作家賞としては
日本人で初めて1994年に受賞されています。
まどさんが昭和27年に作った『ぞうさん』。
その詩について、こんなふうに語っていらっしゃいます。

「この世の中でゾウのように鼻の長い動物はいません。
そんなゾウに『鼻が長いね』と言うことは
『お前は変だね』と言うことと一緒です。
でも、ゾウは嬉しそうに『母さんも長いのよ』と答えます。
自分の一番好きなお母さんと一緒だということを誇らしく思っているからです。
本当にゾウがゾウとして生かされていることは、何と素晴らしいことでしょう。」

小さい頃から何度も歌っていたこの童謡に
そんな まどさんの思いが込められているとは知りませんでした。

まどさんは、山口の前の徳山市のご出身です。
ある日、徳山の高校生がまどさんにインタビューに来ます。
たくさんの質問を持って。

高校生が聞きます。
「まどさんにとって『幸せ』って何ですか?」

まどさんは答えます。
「『幸せ』っちゅうのはね、自分が生きている現在、
それを肯定的に見ることができる人は幸せだと思います。
『全部に感謝しながら』という感じで暮らしていくのが
自分は幸せ 他の者も幸せになるんじゃないかと思います。」と。

百歳になるまどさんは、家族や友人の多くの死を見送ってきました。
そんなまどさんが、90歳を過ぎた頃、
夕日を眺めてふと気づいたことがありました。
「『今日』という一日の終わりは、どこか「死」に似ている」ということに。
その時、作られた詩です。最後にその詩を載せておきます。

              れんしゅう

        きょうも死を見送っている
        生まれては立ち去っていく今日の死を
        自転公転をつづけるこの地球上の
        すべての生き物が 生まれたばかりの
        今日の死を毎日見送りつづけている

        なぜなのだろう
        「今日」の「死」という
        とりかえしのつかない大事がまるで
        なんでもない「当たり前事」のように毎日
        毎日くりかえされるのは つまりそれは

        ボクらがボクらじしんの死をむかえる日に
        あわてふためかないようにと あの
        やさしい天がそのれんしゅうをつづけて
        くださっているのだと気づかぬバカは
        まあ この世にはいないだろうということか