エラーコード 2618-0521

2021年08月04日

オノ・ナツメ作品との出会い

 気がついたら8月ですわよ奥様(誰)
 色々あって、3ヶ月ばかり停滞していました。
 ブログが書けないというか、キーボードもろくに打てない状態(物理)だったので、仕方ないのですが。
 そこらへんに興味あるかたは、こちらを。でもって、こちらが近況です。

 でまぁ、毎日をだらだら過ごしているのですが、その間にハマったのが、オノ・ナツメ先生の作品です。
 オノ・ナツメ先生と言えば、『ACCA13区監察課』シリーズがわりと有名なんじゃないかと思います。
 てか、私の最初のイメージが「ACCAの人」だったんですよね。
 それが何故か相方が、現在「月刊ビッグガンガン」で連載中の『BADON』にハマりまして。
 ACCAと同じ世界観で、前科持ちの4人の男性が煙草屋(この世界での煙草は超高級品)を営んで生きてゆく人間模様を描いた作品で、おとなっぽいというかしゃれてるというかかっこいいというか(語彙力)、とにかく良いんです。
 そこから相方は、『リストランテ・パラディーゾ』シリーズ(従業員が全員老眼鏡紳士という、私にとって、まさに天国な店が舞台)に進んだんですが、私は同じ作者が描く時代劇のほうに流れていきました。
 最初に手にしたのが『さらい屋 五葉』(IKKI COMICS 全8巻)。
 なにってもう、池波正太郎先生ワールド全開的な雰囲気と、かと云って、模倣に留まらず、人口に膾炙した用語を上手く使って物語を進めていくところが、ツボというか何と云うか。

 ──今回、語彙力決壊状態で書いております──

 肝腎の物語は、登場人物ひとりひとりがきちんと描かれて、その立場や心情が絡み合って進んでいきます。
 ただ、その「きちんと描かれている」描かれかたが普通ではなくて。
 どの登場人物にも伏線らしきものは、ちらりほらりと見えるものの、判然としない部分がたくさんあるんです。
 なのに、その「判然としない部分」を感じさせず、きちんと人間関係を構築して描いて、読ませてくるのが凄い。
 こう言っちゃ何ですけど、私、池波先生に私淑しているので、ヘタに先生創作の用語を使われたり、雰囲気を似せてこられたりすると、「けっ」と投げ捨てる傾向にあります。
 私自身の創作の腕前は置いといて、読者としては、そんなもんです。
 でも、オノ先生は、そうした用語をごく自然に使っていて、作品中での違和感を持たせません。
 それどころか、耳に馴染んだことばを操って、おそろしく簡単に読者を作品の中へと引きずり込んでいくのです。
『さらい屋 五葉』は、はっきり言って、明るい物語ではありません。
 人間が自分の奥底に持っている過去や、そこから産まれる鬱屈した気持ちなどを、冷酷なまでに描き込んだ物語です。
 でも、最後はハッピーエンドだし、そこへ着地させる展開に無理がないところが、また凄い。
 
 ちなみに。
 相方は、「ハッピーエンド」という判断に首をかしげます。
 物語の読み取りかたによって、どういうふうにも取れるエンディングということでしょう。
 すごいのは、どんな読み取りかたをしても「終着点」に着地することです。
 その「終着点」の受け取りかたが読者ひとりひとりで違うにしても、です。
 これ凄いです。いやいやマジで。
 
 で、『さらい屋』に感動した私、この作品に出てくる老いた元盗賊の半生を描いた『ふたがしら』(IKKI COMICS 全7巻)という作品を読みたいと思いました。
 ふたがしら、あるいは、並びがしら。
 ひとつの盗賊集団に、ふたりの頭領(おかしら)がいることです。
『さらい屋』に登場したのは、鬼と仏と称されたふたりの頭領のうち、仏の親分のほう。
『さらい屋』では、引退して、ただの隠居となっていますが、なかなかどうして。
 なにが「仏」だ。
 何にしても、非常に魅力的に描かれていた仏の親分の物語が読みたくなったんです。

 ちなみに。(またかい)
 先の『さらい屋』は、ブッ○○フで全巻そろったのを購入できたんですが、『ふたがしら』のほうは、数年前に完結という中途半端な新しさのせいか、そちらでは見つけられず。
 全国展開の書店チェーンのアプリを駆使して全巻そろえました。
 気の毒なのは、大阪の店舗にしかなかった最終巻を買いに行かされた娘だという噂があったり無かったり。
 
 こうして手に入れた『ふたがしら』、これは『さらい屋』以上に複雑な人間模様を描いた、空恐ろしいほどに練り込まれた作品でした。
 いや、構図的には単純だと思うんですよ。
 盗賊集団の下っ端に過ぎなかった二人が、「俺たちでデカいことをやろう」という思いのもと、自分たちの配下を集め、盗賊として成功していく(というのも変な表現ですが)という物語です。
 ただ、人物の掘り下げかた、掘り下げられた人物の絡まりかたが、ただ事じゃありません。
 誰もが心の中にあること全てを口に出すことはなく、でも、お互いがお互いの気性を思いやっているから、時にそれが裏目に出たりして、物語の深みが増していきます。
 こちらはハッピーエンド……なのかなぁ……
『さらい屋』に登場しているほうの頭領にとっては、ある程度ハッピーエンド(というか、ノーマルエンド?)だったかもしれませんが、もう一人の頭領や物語そのものは、どうだったんだろう。
 私の感覚では、ハッピーエンドというほどの盛り上がりではなく、淡々としてながら、しっかりした足取りで着地した感じ……なんですけど、説明にも何にもなってない気が。
 でも、読後にもやもやしたものが残ることはなく、「読んだ〜……」という満足感にひたることができました。
 一度読んだだけでは、よく理解できなかった登場人物もいるので、また近々読み返そうかと思っています。

 そんなこんなで、現在は『BADON』の新刊を待ちつつ、新連載の『僕らが恋をしたのは』をつまみ読みする感じです。
『僕らが〜』は、登場人物が70歳以上、これが人生最後の恋になるかもしれないという人間模様を描いた物語──のようです。
 いや、連載が始まったばかりで、そんな詳しいこと解んないし。
 これからを楽しみに読んでいきたいと思っています。
 

mayura_mono at 16:16│Comments(0)本(漫画) 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
エラーコード 2618-0521