
実車の概要
実車は京葉線を走っていた103系です。
編成の特徴は中間にクモハをはさんでいる分割編成であることと、晩年にE993系(ACトレイン)と同じDDM駆動に改造されたモハ103-502を4号車に組み込んで性能試験を行っていましたが、引退しました。
種車と使ったパーツ
新103系(4両セット)、サハ103(1両)、モハ103(3両)、モハ102(2両)、カプラーN(以上KATO製)、TNカプラー(以上TOMIX製)、前面パーツ(GM製)、ルーバー(タヴァサ製)
各車の加工の概要(共通の加工は除く)
(*印は車体の塗り直しを行った車両です)
1号車:クハ103-358
2号車:モハ102-720
妻面の配電盤取り付け・側面ルーバーの追加
3号車:モハ103-564
4号車(弱冷房車):*サハ103-182
窓周りの非ユニット化・クーラーのAU712化
4号車(弱冷房車)モハ103-502(DDM試験車)
床下機器の変更
5号車:*モハ102-259
窓周りの非ユニット化・床下機器の変更・クーラーのAU712化
6号車(M車):*クモハ103-120
窓周りの非ユニット化・先頭車化・クーラーのAU712化
7号車:クハ103-762
表記の追加・変更・前面連結器のTNカプラー化
前灯関連パーツの撤去
8号車:モハ102-563
妻面の配電盤取り付け・側面ルーバーの追加
9号車:モハ103-719
10号車:クハ103-345
加工の内容
モハ103の先頭車化改造
実車は中間にクモハをはさんだ分割編成のため、クモハ103を以前の作品同様に、モハ103の非パンタ側の妻面を切り取った跡にお面を付けて側面の窓をプラ板で塞ぐ工作をしました。今回、お面はGMの一体ボディーのキットのボディーからお面だけ切り出したものを、ヘッドライトの形を変更して使いました。
クモハ103が編成の中ほどに位置するため、動力ユニットを搭載しています。クモハ103の種車はバラで買ったモハ103ですが、セットで買ったほうの塗装を活かすため、セットのモハ103の動力ユニットとバラで買ったモハ103の下回りを交換しました。
前面はATS-Pを搭載していたため運行幕を塞ぎました。あと、前面強化工事車のため、プリクラの端でそれを再現した後にテールライトや手摺りを付けました。ヘッドライトは一体ボディのキット(低運のブタ鼻タイプ)だったため、GMの101系キットからヘッドライトパーツを持ってきました。一体ボディーための前面ガラスの傾斜が無いので、プラ板を裏からつけて傾斜を表現しました。ただ、プリクラの端は塗料の食いつきが良くないようで、塗料が剥がれ易いです。むしろプラペーパーのほうが無難かと思われます。
中間に挿むことを前提にしているため、ライトユニットは取り付けず、テールライトもGMのお面から削いできたものを付けています。TNカプラーも床板にボディマウントタイプを付けずに台車マウントタイプを台車に付けました。(ウェイトを削る手間が省けます)
乗務員扉はタヴァサのパーツを使う予定でしたが、パーツの入手が厳しくなったため、窓の部分に穴を開けた後、スジ彫りで扉を表現しました。そのあと、靴ズリを細く切ったプラ板から、手摺りをランナー引き伸ばし線を使ってそれぞれ表現しました。この手法でやった場合、パーツ代が安く上がる上にスジ彫りで表現するため、工作が多少は楽になります。
一部車両の非ユニットサッシ・クーラーのAU712化
6号車(クモハ103)、5号車(モハ102)、4号車(サハ103)はAU712で冷房改造されたため、モールドされているAU75を切り取りました。切り取るとクーラーの部分に穴が開くので、その穴をプラ板で塞いだ後、プラの削りカスやパテで仕上げました。
窓周りはユニットサッシではないため、前作同様に窓の四隅にパテでRを付けました。Rの付け方は、爪楊枝の腹を転がすような感じでタミヤパテ(グレーのヤツ)を付けて(写真参照)、窓の隅に擦り付けるような感じで盛り(下の右の写真を参照)、充分に硬化したあとに表面を削ります。充分に硬化させないで表面を削ると、パテに含まれる溶剤の影響でパテのついていた部分は冒されて軟らかくなることがあります。タミヤパテでなく、エポキシパテ(粘土のようなパテ)を使ってやるのも良いと思います。(エポパテを使うやり方はRMMの96年6月号に出ていたと思います)
5号車のモハ102の床下は冷房の電源がMGではなく、屋根上のインバーターを使っているため、写真を参考に床下はでんでん虫型のMGを取り去り、床下機器を追加したりしました。もっとも、KATOの103系(初期型)から改造すれば窓ガラスをはめ込み窓にするだけで済みます。(クモハも同じ加工+ルーバーの取り付け+前面のライト変更+前面強化で済みます)
クハの改造
7号車に組み込まれるクハはライトユニットが逝っていた(要するに球切れ)ため、ライトユニットを取り外した後、ボナファイデのアダプターを使ってTNカプラーをボディーマウントで取り付けました。あと、床下機器の一部が前オーナーの手によりカットされてますが、復活はさせませんでした。
モハ103-502の床下の改造
モハ103-502はDDM駆動試験車で制御装置がVVVF装置に改造されたため、雰囲気重視ながら床下をそれっぽく改造しました。サハの床下から作ると楽かと思いますが、今回は種車の床下機器の大部分を切り取った上にインバータ装置をつけてみました。
インバータ装置は自作(片側は205系5000番台を作ったときに試しにGMのT車用パーツから作ったものです。もう片方も同様に作りました。)したものを使っています。そのほかの床下機器も手元に転がっているGMの床下機器のパーツや元々あった床下機器から改造しました。
モハ102の加工
KATOのモハ102は側面のMG用ルーバーが省略されているため、塗装したタヴァサのパーツをゴム系接着剤で固定しました。妻面の配電盤も追加(プラ板使用)しました。
その他の加工
車体表記の変更・追加、靴ズリ・室内(モケットと床)・妻面の色差し、屋根の塗装、中間の連結器の交換(KATOカプラーN密連タイプ)をしました。
室内の塗装ですが、更新工事を受けた車両の床はクリーム色を先に塗った後、ペールオレンジに塗ったカッティングシート(表面を荒らしたもの)を貼り付けて塗り分けを表現しました。
それ以外の車両(未更新車)の床はグレーに塗りました。座席は調合した水色に塗りました。
方向幕は鳳車輌のステッカーを使用しました。一部の車両はGMの113系キットの方向幕を使用しました。ちなみに行き先は東京です。
あとがき
今回は11両そろえてみました。11両そろえた理由は一粒で2度楽しめるようにしたからです。
あるモハ車のカプラーを交換しているときにカプラーポケットを壊してしまいました。結局、モハ102を新たに買ってそこから台車を貰ってきました。ちなみにそのモハ102はサハ103-3000に改造中です。
モハ103-502の床下機器の資料不足には参りました。以前、某巨大掲示板のDDM車スレッドで床下機器の写真へのリンクがあったのですが、そのリンク先のページ(画像)がアクセス不能になっていたので本当に参りました。
各車の画像(サイドビュー)