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“全てのビジネスパーソンにMBA理論を!”の実現を目指すMBA社長のブログ

ブログ移転のお知らせ

皆様、

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この度ブログを移転致しましたので、ご報告申し上げます。

引き続き新しいブログで皆様のビジネスにお役に立つコンテンツをお届けしていきたいと思いますので、変わらぬご支援をお願い致します。

【移転先】
新・MBA社長のブログ
http://www.mbasolution.co.jp/blog/

安部徹也

実社会で「やられたら倍返し」はあり得るのか?-ドラマ『半沢直樹』に見る現実と虚構の狭間

テレビドラマ『半沢直樹』が大ヒットしている影響で、「部下の手柄は上司のもの。上司の失敗は部下の責任」や「やられたらやり返す。倍返しだ」などのセリフをそっくりまねて、上司に反抗的な態度を示す“ブラック社員”も現れているらしい。

私自身、『半沢直樹』と同じ銀行員だった経験を踏まえて、ドラマのリアルさに舌を巻く一方で、半沢直樹のような態度を現実の会社で取ればクビにはならなくとも、左遷されて“冷や飯”を食わされることは間違いないと感じている。

会社というのは組織で動くものであり、その中の人間関係をとげとげしいものにすることは百害あって一利なしだ。

確かに会社には理不尽な上司もいるかもしれない。私自身も休みさえ取れない状況や自身の出世のために部下の失敗を許さない態度など、何度か上司の理不尽な対応に強い不満を感じたことはあるが、現実の社会ではそこで本心を口に出して上司とぶつかれば倍以上になって返ってくるのは自分の身であることが多い。

たとえば、私がある支店で新規融資先開拓のリーダーをしていた時、融資の方針をめぐって支店長と対立したことがあった。

話し合いを終えて、自分の主張が認められなかったことに腹が立った私は自分の席に戻ると思わず稟議書のファイルを机の上に力強く投げつけた。

結果は・・・その月末に転勤の辞令が出た。

現実には「やられたら倍返しだ」など、部下の身ではできないことも多く、シチュエーションを後々分析してみると、自分の未熟さからそのような状況に陥っていることも多々あるだろう。

やはり、現実の社会では、たとえ上司の理不尽な対応にも“半沢流”の強硬な態度に出るのではなく、“ドラッカー流”の上司をマネジメントする能力を身につけ、組織の和を乱さないような平和的な解決法で問題に対処することが望まれるのではないだろうか。

【書評】ストラテジック・イノベーション─戦略的イノベーターに捧げる10の提言

どんなに成長しているビジネスであれ、“ライフサイクルの運命”に逆らうことはできません。

事業は、人間と同じように“生まれ”、“成長”し、“成熟”を経て“衰退”していくものなのです。

たとえば、スマートフォン関連の事業などは、今でこそ飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長していますが、やがて成長は鈍化し、ビジネスの主役の座を降りる日が来ることは避けては通れないのです。

それでは、企業側とすると、事業は必ず衰退するという事実を甘んじて受けなければならないのでしょうか?

実は一つだけ、事業の衰退を食い止め、再び成長軌道に乗せる方法があります。

それが、“イノベーション”。

企業はイノベーションを起こして、それまでとは全く違うビジネスとして生まれ変わらせることができれば、どんなに衰退した事業でも甦らせることができるようになるのです。

ただ、問題は「イノベーションを起こすことは、そう容易いことではない」ということでしょう。

そこで、今回は戦略的にイノベーションを起こす方法が学べる書籍をご紹介したいと思います。

その書籍とは『ストラテジック・イノベーション─戦略的イノベーターに捧げる10の提言』です。

本書の著者は『リバース・イノベーション』で名を馳せたビジャイ・ゴビンダラジャン教授。

ゴビンダラジャン教授といえば、世界で最も影響力のあるマネジメントの権威50人“Thinkers50”のランキングにおいて、『イノベーションのジレンマ』のクレイトン・クリステンセン教授、『ブルーオーシャン戦略』のキム&モボルニュ教授に次いて3位にランクインするなど、今最も注目を浴びるイノベーションの権威の一人といえます。

本書では、豊富な調査に基づいて数多くの事例を基に、戦略的なイノベーションの起こし方が解説されています。

ただ、コーニングやユニリーバ、シスコシステムズ、ニューコアといった私達日本人にあまり馴染みのない企業が多く、そこだけは残念ともいえますが、イノベーションの基本的な考え方を学ぶ目的であれば全く問題はないでしょう。

恐らく多くの方にとって、イノベーションを体系的に起こす方法論を学ぶ機会はあまりないと思いますが、本書を読めばイノベーションの全体像を理解できるはずです。

ビジネス環境の厳しい時代に、従来とは一線を画す斬新なビジネスモデルを作り上げて、成長を持続させる戦略を身につけたいビジネスパーソンには是非ともお読みいただきたい1冊です。


<<独断と偏見によるビジプロ通信書籍判定(^^;>>

◎ ストラテジック・イノベーション─戦略的イノベーターに捧げる10の提言
【対象者】戦略的なイノベーションを起こす方法を身につけたい方
【難易度】事例が豊富でわかりやすい
【必読度】★★★★★(5)

詳しくはこちらからどうぞ!


実行力があるだけではライバルに勝利できない!

今日の“マネジメントに利く”ミニ講座は、オンワード樫山の創業者である樫山純三氏の名言から学んでいきます。


『実行力があるというだけでは、競争相手に差をつけることはできないし、第一、大きな潮の変わり目で、自らの馬力を過信していると、流れに残される。実行力に増して先見性やアイデアが重要なのだ。』


結果を残すためには実行力は欠かすことができません。

ただ、実行力だけで圧倒的な結果が残せるかというと必ずしもそうではありません。

逆に実行力がありすぎて大きな失敗につながることさえあるのです。

それは昨日もお話ししましたが“方向性の問題”です。

自分の目指すべき方向を確認する事なしに行動を起こすならば、実行力の高い人ほど目標から遠ざかっていくことにつながっていきます。

やはり、実行力(=戦闘力)が活きるためには、先を見通せる力(=戦略力)と目標を達成するための適切なアイデアを生み出す力(=戦術力)を欠かすことはできないのです。

この3拍子が揃って初めて圧倒的な成果を上げることができるようになります。

自分の思い通り結果が出ない時には、これら3つの力のレベルとバランスをチェックしてみましょう。


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結果を出すには方向性の確認が重要

今回の“マネジメントに利く”ミニ講座はHOYA元会長の鈴木哲夫氏の言葉に学んでいきましょう。


『新しいことをやれば最初は必ず損をする。だが、方向が正しければ、時間がかかるかどうかの違いはあっても、最終的には成功する。しかし筋の悪いものはいくら努力しても駄目だ。』


新しいことに挑戦すれば、最初は思うような結果を出せないことの方が多いでしょう。

ただ、ここで結果が出ない理由には2つあり、その見極めが重要になってきます。

一つは戦略の方向性は正しいけれども、不慣れなために行動が成果につながらないパターン。

この場合は成功を信じて突き進めば必ずやいい結果につながっていきます。

一方で、戦略の方向性を誤ったために結果が残せないパターンもあります。

この場合、進む方向自体を間違えているのですから、いくら成功を信じて行動し続けても、成功に近付くどころか益々遠ざかっていくことにつながります。

新たなことにチャレンジした場合、当初は思うような結果を残せないかもしれませんが、その原因を見極めて、常に自分の方向性が正しいかを確認することが、最終的に成功に辿り着く重要な鍵を握っているといえるでしょう。


010

自ら進んで危機に追い込み、持てる全力を投入しよう!

今回は『“マネジメントに利く”ミニ講座』をお届けします。

ダイエー創業者の中内功氏の名言からマネジメントを考えていきましょう。


『日常の生活の中にギラリと光る断面で、繰り返しのきかない場面にこそ人生がある。人間が生命をかける事業がそうである。自分を進んで危機に追い込んでいき、持てる全力を投入する。これが本当の人生である。』


私達は普段仕事をする上で自身の能力の数割程度しか活用していません。

つまり、その気になれば私達はいくらでもアウトプットを高められるといっても過言ではないでしょう。

それでは、どのようにすれば自分の最大限の能力を引き出すことができるのでしょうか?

その答えが“自分を極限まで追い込むこと”なのです。

たとえば、かつて漢の武将である韓信は、圧倒的な不利な戦の際に、川を背にして陣を張り、負けたら全員討ち死にという“極限の状態”に自軍を意図的に追い込みます。

そして、負けたら逃げ場がなく、唯一生き残る道は勝利しかないと追い込まれた兵士は、普段では考えられないくらいの力を発揮し、不利な状況を覆して見事勝利を収めたのです。

同じように、現代に生きる私達ビジネスパーソンにとっても、「ここぞ!」というチャンスに遭遇した時には、自らを極限まで追い込んで「死んでもこのチャンスだけは逃すまい」と死に物狂いで頑張れば、自分の最大限の能力を引き出して、思いもよらない結果を残すこともできるはずです。

あなたの本来持てる能力は、今の結果の何倍、何十倍に及びます。

そこで、千載一遇のチャンスが巡ってきた時には、迷うことなく自分を信じ、退路を断ち切って全力で前へ進んでいきましょう!


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苦戦するヤマダ電機が起死回生を狙う次の一手とは?

■ 地デジ化以降、迷走するヤマダ電機

家電量販最大手のヤマダ電機が勢いを失っています。

2011年3月期には家電量販業界で初めて売上2兆円の快挙を達成したのも束の間、2011年7月にテレビの地デジ化が終了すると薄型テレビの売上が急落し、2013年3月期には売上が1兆7000億円まで減少するなど苦戦を強いられています。

そこで地デジ化終了の次を見据えて、活路として見出したのが成長著しい中国市場。

2010年に中国の瀋陽に海外1号店をオープンさせると、2011年6月には天津、2012年3月には南京に出店し、中国市場攻略の足掛かりを築いていきます。

ところが、2012年9月に尖閣諸島問題で中国本土で起こった反日暴動で状況は一変。

中国国内で日本企業に対する風当たりが強まり、日系スーパーで白昼堂々と略奪が行われるなど、カントリーリスクが極限まで高まってきたのです。

このビジネス環境の変化にヤマダ電機は5月末に南京店、そして6月末には天津店を閉鎖し、中国市場からの撤退を加速させていきます。


■ ヤマダ電機が次の柱として力を入れる事業とは?

ヤマダ電機が最近力を入れているのがネット事業。

7月1日付の日経MJの1面でヤマダ電機のネット事業が特集されていました。

ネット事業といえば、すでに楽天やアマゾンといった専業企業が確固たる地位を築いています。

楽天は取扱品目が家電だけではありませんが、流通総額は1兆4,000億円に達し、アマゾンの日本国内売上高は7300億円を超えるという報道もありました。

また、家電量販店でもヨドバシカメラやビックカメラなどはネット事業に先んじて取り組んでいて、ヤマダ電機はネット分野では後発組といえるでしょう。

日経MJの記事によればヤマダ電機のネット事業の売上はわずかに300億円と全体の売上からすれば2%程度に留まっている模様です。

最近では家電量販店の実店舗が“ショーケース”となって、実際に商品を確認した消費者がネットで最安値の店舗を検索して購入するという、多大なコストをかけて店舗を運営する家電量販店にとっては由々しき問題も発生しています。


■ 後発組のヤマダ電機はどのような戦略でマーケットを切り開くのか?

後発組としてスタートしたネット事業で、ヤマダ電機が存在感を示すためには、どのような戦略が有効となるでしょうか?

戦略の基本となるのは差別化と低コスト化、集中化の3つしかありません。

たとえば、差別化でマーケットシェアの拡大を図る場合、家電量販店は小売業なので商品の差別化はできません。

そこで、バリューチェーンによる差別化を行い、スピーディな配送などで顧客を惹きつけることもできるでしょう。

かつてドミノ・ピザは「30分以内にアツアツのピザを届けることができなければ無料」というライバル企業が提供していなかった約束を顧客と取り交わし、大幅な売上アップに成功した事例もあります。

ただ、現状ネット通販大手はほとんどが当日配送を提供しており、家電のネット販売において差別化で顧客を惹きつけることは非常に難しいのが現状と言わざるを得ません。

それでは、続いて集中化ではどうでしょうか?

ライバル企業が参入していないニッチなマーケットにフォーカスして、ネット事業を展開していくという戦略です。

これも、全体では1兆7000億円の売上を誇るヤマダ電機にとって市場規模の小さいニッチ市場に参入するメリットはないといっても過言ではないでしょう。

そこで、最終的には低コスト化、つまり低価格でライバル企業から顧客を奪うことが現実的な対策といえるでしょう。

日経MJの特集でもヤマダ電機は100人を投入して、24時間ライバル企業の価格をウォッチして最安値に変更していくという体制が紹介されていました。

顧客からの値下げ交渉などにも応じ、常にライバルサイトを下回る価格を提供するというプライス戦略でライバルから顧客を奪い去ろうというのです。 

この戦略は後発組でまだ大きな顧客基盤のないヤマダ電機にとって最良の選択と思われます。

日本最大の家電量販店で強力なバイイングパワーを持つという強みを誇るヤマダ電機は、正規の仕入れ価格でライバル他社に負けるということは考えられません。

最も怖いのは赤字を覚悟でライバル企業が販売攻勢をかけてきた場合ですが、恐らく品目も限られるでしょうし、長く続けることもできるはずがありません。

そこで、実店舗で成長の原動力となった「他店よりも高い場合はご相談下さい」戦略をネット分野でも展開し、顧客の記憶の中にヤマダ電機はネットでも必ずどこよりも安いという印象を植え付ければいいのです。

同じものが最低価格で、最短の時間で届けば、利用者は他のサイトで購入する必要性はあまりなくなり、常にヤマダ電機のネットショップで購入するというインセンティブが働くようになるというわけです。

激しい家電量販店ウォーズを見事勝ち抜いてきたヤマダ電機ですが、同じ戦法を活用してネットを制することができるのか?

この5月に5年振りに社長に復帰した創業家の山田昇社長の手腕に注目が集まります。


創発戦略で最大限のチャンスをものにしよう!

■ 創発戦略で最大限のチャンスをものにしよう!


さて、これまで3回にわたって、以下の『破壊的キャリアを実現する4つの原則』のうち、3つまでを取り上げてきました。

≪破壊的キャリアを実現する4つの原則≫

1.世の中のニーズを見極め、誰もやらないこと、やりたがらないことに
 挑戦する
2.自分の破壊的な強みを明確にする
3.成長ために一歩戻り、脇道を行く
4.キャリア戦略を創発する

(出典:ハーバードビジネスレビュー2013年5月号
『内面のイノベーションで自己成長を促す ─ キャリアの創造的破壊』より)


今回は最終回として、『キャリア戦略を創発する』というテーマでお届けしていきたいと思います。

企業にとって創発戦略は成功を収めるうえで重要な鍵を握ります。

創発戦略とは、自社を取り巻く環境が変わったり、事前に予測した通りに事が運ばなかったりした場合に、当初立てた戦略を変更して、その時その時に合った戦略に変更していくことです。

自身のキャリアにおいても、当初は明確なビジョンを描いてこのようなキャリアパスを進んでいきたいというイメージを持って計画を立てるでしょうが、現代はご存知のように環境変化が激しく、将来自分が望む花形の仕事も需要がなくなり廃れてしまうことなども十分に考えられます。

そこで自分を取り巻く環境が変われば、当初の計画を見直して、その時その時のチャンスを新たな戦略を立てて、ものにしていく必要があるのです。

たとえば、ソフトバンクの孫正義社長も現在のような通信企業として、大きなチャンスを得ようと当初から計画しているわけではありませんでした。

それどころか、最初は何をやればいいのかもわからない状況だったそうです。

確かに大学生の頃から人生50か年計画として『20代で名乗りを上げ、30代で軍資金を貯め、40代で一勝負かける。そして50代で事業を完成させ、60代で次の世代に事業を継承する』という、大まかな理想像は描いていましたが、具体的にはどのようなキャリアで実現するかは皆目見当のつかない状況だったのです。

そこで、日本マクドナルド創業者である藤田田氏のアドバイスに基づいて、まずはパソコンソフトの流通業からスタートします。

孫氏の持ち前の情熱で短期間でソフトバンクはパソコンソフト流通において日本でも有数の業者にまで上り詰めます。

さらに事業を拡大するためにパソコン誌に広告を出稿しようと試みますが、ソフトバンクの快進撃を快く思っていなかったアスキーに広告出稿を断られます。

苦肉の策として孫社長が考え出したのが、自ら出版社となり、パソコン誌を発行して、広告を展開していくことだったのです。

当初は雑誌の販売に苦労するものの、雑誌で取り上げるパソコンを生産するNECなどから資金的な協力を得てテレビCMを流すと、売上が急拡大し、事業は軌道に乗ることになります。

その後も、Yahoo!Japanなどインターネット関連事業や日本テレコムなどの通信事業、ボーダフォンなどの移動体通信事業に投資するなど、その時その時の時流に乗った大きなビジネスチャンスを驚くべき発想でものにしていったことはみなさんもご存知のことでしょう。

確かに最初から具体的なキャリアビジョンを描いて、その達成に向けて計画を十分練り、行動につなげていくことも重要ですが、今や3年先、5年先まで見通すことが難しいという時代になっています。

そこで、環境や条件が変われば、あまり当初の計画にこだわることなしに、その時々のチャンスを見極めて最高の結果を自分にもたらすことにフォーカスすべきなのです。

そのためには、常に現状に満足することなく、情報のアンテナを張って成長の機会を伺うことができるかが重要なポイントになるでしょう。

そして、ひとたび大きなチャンスが巡ってくれば、究極には迷うことなく現在のキャリアを捨ててまで、創発戦略を駆使してより高いレベルの“自分”を実現していくことが“破壊的キャリア”の成功につながっていくのです。


(了)
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※ 今回のコラムはハーバード・ビジネス・レビュー5月号の『内面のイノベーションで自己成長を促す ─ キャリアの創造的破壊』を参照してお届けしました。より詳しい内容をお知りになりたい方は是非ともハーバード・ビジネス・レビュー5月号をお読み下さい!

⇒ http://www.mbajp.org/i/s/41z.html


更なる成長のために、現状の成功を捨て、新たなことにチャレンジしよう!

■ 更なる成長のために、現状の成功を捨て、新たなことにチャレンジしよう!


≪破壊的キャリアを実現する4つの原則≫

1.世の中のニーズを見極め、誰もやらないこと、やりたがらないことに
 挑戦する
2.自分の破壊的な強みを明確にする
3.成長ために一歩戻り、脇道を行く
4.キャリア戦略を創発する

(出典:ハーバードビジネスレビュー2013年5月号
『内面のイノベーションで自己成長を促す ─ キャリアの創造的破壊』より)


さて、これまで2回にわたって、破壊的イノベーションを自身のキャリアに応用して、比類なき成功を収める第2原則までをお伝えしてきました。

まずは第1原則で、会社や社会の中で確実にニーズはあるのに、誰もやらない、もしくはやりたがらないことに着目し、続いて第2原則で、そのニーズと自身の“破壊的な強み”がマッチするのかを見極めることが重要になってくるということでした。

この第2原則までを忠実に守って努力を積み重ねていけば、ビジネスにおけるあなたの存在感は確実に高まっていくはずです。

会社に勤める方であれば、特定の分野において社内で一目置かれる存在となっていくでしょうし、独立した方であれば、業界内で有名な存在となっていくことでしょう。

ところが、ここまではたとえ計画通りにうまくいったとしても、注意しなければいけないことがあります。

それが“S字カーブ”と呼ばれるものです。

スキルや能力というのは、一朝一夕に伸びるものではありません。

それどころか、当初は努力しても努力しても全く成果が伸びない日が続くことでしょう。

ただ、成果が出ないからと心配する必要はありません。

ある程度の経験を積めば、成果が飛躍的に伸びる日がやってくるからです。

その急激に成果が出始めるポイントは、閾値(しきいち)とかティッピングポイントという名で呼ばれています。

それは、誰もが子供の頃に経験した自転車の練習にたとえればわかりやすいかもしれません。

子供は自転車に乗るために練習を繰り返しますが、努力に比例して自転車に乗るスキルが高まるわけではありません。

最初は練習しても練習してもあまりうまく乗ることができないでしょう。

ただ、練習を繰り返すうちに、ある瞬間、ふっとバランスが取れてうまく自転車に乗ることができる時がやってきます。

そして、ひとたびバランスを取れるようになると、これまでいくら練習を積み重ねても乗れなかった自分が嘘のようにみるみるスキルが上達し、完全に乗りこなせる時がやってくるのです。

このティッピングポイントを超えれば、わずかな努力でどんどん成果を上げる状況を実現できるようになります。

ところが、残念なことに、この急成長の期間は永遠に続くわけではなく、ある程度のレベルに達したところで、成長は鈍化し再び伸び悩みの時期がやってきます。

この能力の伸びをグラフで表すとSのような軌跡を描くことから“S字カーブ”と呼ばれているのです。

このS字カーブの頂点に達した時、人は現状の仕事にマンネリを感じたり、やりがいを見失ったりして一つの壁にぶち当たります。

ある程度のレベルに達しているのですから、それ以降は流したとしてもそこそこの成果は上げることもできるでしょう。

ただ、比類なき成果を上げる“破壊的キャリア”を実現しようと思えば、S字カーブの頂点に達した時に、それまでの延長線上で仕事をするのではなく、すっぱりとこれまでの経験を捨て去り、また新たなことに挑戦する必要があります。

それが正に『さらなる成長のために一歩戻り、脇道をいく』という“破壊的キャリア”の第3原則となるのです。

新たなことに挑戦すれば、努力しても努力してもなかなか成果につながらないS字カーブのスタート地点に再び立つことになりますが、やがてティッピングポイントを超えて急成長の過程に入れば、今度はかつて得た経験や能力、スキルが合わさって、より広がりのある能力の形成が見込めるようにようになります。

このように、成長のスピードが鈍化した段階で次々と新たなことにチャレンジしていけば、誰もが身につけていない能力を身につけることが可能になり、比類なき成果を実現することにつながっていくことになるのです。

たとえば、アップルを世界No.1企業に押し上げたスティーブ・ジョブズ氏も新たなことに挑戦して破壊的キャリアを実現した一人といえるでしょう。

ジョブズ氏の場合は、自ら望んで破壊的キャリアを目指したわけではないかもしれません。

ジョブズ氏は、1985年に自身が創業したAppleから突然追放されると、新たな企業を設立して、新たなキャリアをスタートさせることになります。

そして、新たに始めたこのビジネスを成功に導くと、1996年にジョブズ氏の企業がAppleから買収提案を受け、数奇な運命で再びAppleのCEOに返り咲きます。

そこからジョブズ氏は、かつてとは比べ物にならないくらいの成功への道を、まっしぐらに進んでいくことになるのです。

ジョブズ氏にとっては、AppleのCEOを突如解任されるということは、屈辱的なことであり、それまでの華やかなキャリアに照らし合わせれば、“脇道に逸れた”ともいえるでしょう。

ただ、最終的にはその経験を次の大きなチャンスに活かすことによって、比類なき成果を収めることができたのです。

S字カーブの原理に基づけば、ある程度の経験を積めば、努力をあまりしなくてもある程度の成果を上げられる時期が必ずやってきます。

ここで、楽をしようと思えば、いくらでも楽をすることができるでしょう。

ただ、破壊的キャリアでは、自分を甘やかさずに、これまでとは違う新たな環境に身を置かなければいけません。

そうすれば、結果を出すために再び血の滲むような努力が必要になりますが、同じことを一定のレベルで惰性で続けていくよりも比較にならないくらいの大きな成果を上げることができるようになるというわけです。


(続く)
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※ 今回のコラムはハーバード・ビジネス・レビュー5月号の『内面のイノベーションで自己成長を促す ─ キャリアの創造的破壊』を参照してお届けしました。より詳しい内容をお知りになりたい方は是非ともハーバード・ビジネス・レビュー5月号をお読み下さい!

⇒ http://www.mbajp.org/i/s/41z.html



比類なき成果を上げるために自分なりの訓戒を定めよう!

本日のマネジメントに利くミニ講座は、アサヒスーパードライの投入でアサヒビールを見事にビール業界シェアNo.1に導いた樋口廣太郎先生の仕事十訓をご紹介しましょう。


≪仕事十訓≫

1.基本に忠実であれ。基本とは、困難に直面したとき、志を高く持ち初心を貫くこと、常に他人に対する思いやりの心を忘れないこと。

2.口先や頭の中で商売をするな。心で商売をせよ。

3.生きた金を使え。死に金を使うな。

4.約束は守れ。守れないことは約束するな。

5.できることと、できないことをはっきりさせ、YES、NOを明確にせよ。

6.期限のつかない仕事は「仕事」ではない。

7.他人の悪口は言うな。他人の悪口が始まったら耳休みせよ。

8.毎日の仕事をこなしていくとき、いま何をすることが一番大事かということを常に考えよ。

9.最後までやりぬけるか否かは、最後の一歩をどう克服するかにかかっている。それは集中力をどれだけ発揮できるかによって決まる。

10.二人で同じ仕事をするな。お互いに相手がやってくれると思うから「抜け」ができる。一人であれば緊張感が高まり、集中力が生まれてよい仕事ができる。



仕事にただ何となく取り組むようでは、比類なき成果を上げることは難しいといえるでしょう。

やはり、自分なりに“戒め”を明確に定め、忠実に守っていく必要があるのです。

あなたは自分なりの行動指針を決めているでしょうか?

それは一体どのようなものでしょうか?

もし、現状の行動指針で思うような成果が上がらなければ、新たな指針を加えていくことを心掛けるとよいのではないでしょうか。

0908

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