2017年09月17日

マミー/グザヴィエ・ドラン

ひさびさに芸術的な映画を観たいと思って借りてきたのですが。

カンヌでゴダールと同時にカンヌの審査員賞を獲ったとかで評判な「若き天才」グザヴィエ・ドラン。いかにもなんかやってくれそうな名前ですが、この映画はわたしとしてはそれほど・・・悪くないとは思いますが、すごい映画ってのではないですね。
冒頭の干したパンツのショットではなにかやってくれそうだ、と思わされましたし、それからずっとアスペクト比が1:1の画面が続くのもいかにも新鮮でしたが(それからそのアスペクト比をキャラクターが開け広げるシーンももちろん良かったですが)、それ以降、映像表現において「天才」を感じさせられるところはとくになかったですね。
もっぱらADHDをもつ息子と母の愛憎のドラマなのだけど、息子がこれADHDってレベルじゃねーだろっていうよな乱暴者で、大人しいときは殊勝なこともいうのだけど、暴れだすと手がつけられない。施設に火をつけるわ、母親の首を絞めるわ、ガラスのテーブルを蹴りぬくわ、盗みはするわ、終始いらいらさせられます。これもっと違う病気だよと思うのですが、そのくせその違う病気なら言動が逆にノーマルすぎる気がして、サイコロジカルなリアリティがないなと、素人ながら思ってしまいます。ウィキにもこんな記述がありますが、Richard Brody of The New Yorker panned the film, saying the depiction of Steve "has no basis in psychology; rather, it appears as Dolan's own pseudo-transgressive artistic tantrum"、そーなんだろな、ふたつの別のものを無理に混ぜちゃったんだなって感じで、どうも迫真性を感じなかった。キレた若者映画と闘病家族愛ドラマの曖昧な中間地点というか。
それにわたしは気が弱い性格というのか、映画としては開放感なシーンなんだろうけど、スーパーから盗んだカートで道路を走って、後ろから車にピッピーいわれてんのに(単純にめーわく)、買ったトマトとかブロッコリーとかを放って(ああ、もったいない)、二人の保護者格の中年女性がそれを見て、だめよスティーヴとかいいながらも楽しそうにゲラゲラ笑う(この親にしてこの子ありだわ・・・)シーンとか、べつに嫌悪感を狙ったシーンでもないのに、そんなんしたらあかんでえ・・・って胸が痛んでしまって。スティーヴがあと三歳か四歳若かったら、もしかしたら印象違ってたかもしれないけど・・・

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ポニーキャニオン 2015-12-02





mdioibm at 20:04│Comments(0)観画録 

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