躁うつ病と診断されてからの状態や行動は、病相なのか、薬による作用や副作用なのか分かりずらい面がある。私の場合、躁状態の後の落ち込みは精神病後抑鬱であり鬱病とは異なると、よくわからない説明を受けたこともあった。この時は無気力と疲労感が主な症状だった。

また、気分は陰鬱なのに集中力はあって仕事は出来ているということもあった。もっとも達成感などは得られない。これも鬱には分類されないのだろう。

一 番やっかいなのが、薬の影響と思われる鬱状態だ。気分安定剤や、セロトニン・ドーパミン拮抗薬を飲んでいると、突然、感情を失うことがある。嬉しいとか悲 しいとか怒りとかいった感情反応が消えてしまうのだ。どんなに良いことがあっても、悪いことがあっても、心が反応しない。もちろん、何かをやろうという気 分にもならない。まったく無価値な時間が過ぎて行くだけ。

「一日の価値がゼロなら、あと何年生きても価値はゼロなのだ」と考えてしまう。気晴らしをする気も起きない。何をしても気が晴れるとは思えないからだ。まったく気分が動かないというのは、ある意味で生きていないということだと思う。こういう状態が何週間も続く。

孤 独。誰かと話がしたい。誰かに理解してもらいたい。しかし、正常な人がこの病気を理解することなどできるだろうか。ある意味で世界の外側に足を踏み入れて しまったのではないのか。薬はあった方が良い。しかし、どの薬がどの量でどう作用するかなど医者にだって分かりはしない。処方についての医者の根拠は「定 説」くらいのものだ。

躁うつ病の症状というよりも薬の影響だろうが、感情の喪失というのは恐ろしい事態だ。それは、突然エアーポケットに入ったかのようにやって来る。もう二度と経験したくはない。