メビー・ラック BLOG~今も明日もLucky Life~

あなた様とあなた様の大切な存在が 今も明日もLucky Lifeを送れますように

ペットホテル (REST・STAY) ペットシッター シニアペットヘルパー デイケア保育 シニアペット様ホーム 手作り食&おやつ・プレミアムフード&おやつ オーダーメイドペットグッズ 謝恩グルーミング 迷子ペット様捜索

2016年02月

「申し訳ございませんでした」

女性に向かって唐突に謝ったNの行動に、私を含めた全員が固まった。

「Tさん、保護しているワンちゃんを連れて来て下さい」

続けて言い放ったNの言葉に戸惑い、慌てたTさんが確認し直す。

「……本当に連れて来てもいいんですか?」
「はい。お願いします。あ、出来れば奥様も同伴願います」
「分かりました。連れて来ます」

Tさんは小走りでマンションの中に消えて行った。

それにしてもわけが分からない。
さすがに我慢ならず、小声でNに疑問を投げる。

「この女性は、Tさんが保護しているワンちゃんの飼い主様じゃなかったんでしょう?」
「ん? ああ……」
「さっき写真見せて、違うって……」
「うん。違ってた」
「じゃあ……」
「見せた写真がね」
「は?」

そこで私をシャットアウトし、Nはもう一度自分の携帯を操作し始めながら、重ねて女性に謝罪する。

「さっきあなたにお見せした写真は別の迷子犬の写真でした。本当に申し訳ございません。どうかお許しを」

ウソだ。
今現在、うちで迷子犬のご依頼相談は受けていない。
となると、Nはあえて違う写真を見せたに違いない。
それはきっと、女性が本当の飼い主様かどうかの最終判断を下す為の手段だったのだろう。
私から見ても、写真を見た後の女性の言動は信用に足りるものだった。
だからNは素直に非礼を謝り、保護しているワンちゃんの連れ出しをTさんにお願いしたのだ。
まったく……。
そういう作戦でいくつもりだったのなら、事前に教えておいてくれれば良かったのに!
とはいえ、知っていたら、わざとらしいリアクションをとってしまう可能性は否定できないが……。

一人フンガフンガしている私をよそに、Nは女性に伺った。

「ちなみに、あなたが捜されているワンちゃんはどんな毛色ですか?」
「体のほとんどが黒ですが、足先は白くて黒いぶち模様になっています」
「サイズは?」
「中型犬です」
「なら間違いないでしょうね。このワンちゃんが、今現在Tさんが保護なさっているワンちゃんの写真です。どうですか?」

女性は、涙目をぱちくりさせながらNが見せる写真を覗き込んだ。
途端に、喜々とした声をあげる。

「うちの犬です!」

この女性は本当の飼い主様だった!!!
自然、私とNの視線がぶつかった。

「そうですか。良かった。良かった」
「はい! 間違いなくうちの犬です!」

破顔したかと思いきや、今度はうれし泣きで再び涙する女性を見ていたら、私まで目頭が熱くなってきた。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉



にほんブログ村 その他ペットブログ ペットホテルへ
にほんブログ村

Nはおもむろに自分の携帯を操作し、保存してある写真のデータを女性に見せた。

「このワンちゃんが、今現在Tさんが保護なさっているのワンちゃんの写真です。間違いないですか?」

はい!?
ヒアリングもまだしてないのに、本当に写真見せちゃうんだ!?
写真を見るだけで自分の犬だと主張するのは、本当の飼い主様じゃなくてもたやすいことなのに!?

私が動揺している間に、女性は期待に目を輝かせながら写真を覗き込んだ。
ところが写真に目を落とした途端に、女性の表情と声が曇った。

「あ……」

まさか……。

「違います……別の犬です」

この女性は本当の飼い主様じゃなかった!!!
自然、私とTさんの視線がぶつかった。

「そうですか……」
「はい……残念ですが別の犬です」

そのやりとりだけで、Nと女性の会話が途絶えた。
この状況で、この後に続く展開をNはどうするつもりなのか?
女性はどうする気なのか?
私もTさんもただ黙り続けるしかなく、事の成り行きを待った。

しばし流れた重苦しい雰囲気を破ったのはNだった。

「あなたが捜されているワンちゃんは、どんな状況で迷子になってしまったのですか?」

んっ?
んんっ?
んんんっ?
本当の飼い主様じゃないとはっきりしたのにヒアリング?
そりゃあまあ、この女性はTさんが保護なさっているワンちゃんの飼い主ではないとはっきりしたけど……。
本当に、実際に飼っているワンちゃんを迷子にしてしまっているのかもしれないけれど……。

女性は俯いたまま言った。

「いなくなった時間は正確に分からないんです……」
「と言いますと?」
「昨日の午後に母が散歩に連れて行ったらしいのですが、翌朝になって犬小屋を見たら姿がなかったみたいで……」
「何らかの理由で、リードを引きちぎった形跡がありましたか?」
「いえ……。おそらく単純に母のミスで、リードがちゃんと繋がっていなかったのだと思います」

庭等で外飼いされているワンちゃんが迷子になってしまうケースの中では、よくあるパターンだ。
こういうケースだと、迷子になってしまった時間は不確定になる。
なので、飼い主様が最後にワンちゃんの姿を確認した時間を迷子になった時間と想定して、最大移動距離を推測する。
その分、捜索範囲は広がらざるを得ないので多少なりとも発見率に影響を及ぼす。

「今までにも、そういった事があったんですか?」
「はい。恥ずかしながら何回か……。それでも、いつもは自力で帰ってきたり近所の人が連絡くれたりで、すぐに見つかっていたんです。それが今回は一日経っても行方不明のままなので心配で……」

女性の頬に涙が伝った。

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉


 


にほんブログ村 その他ペットブログ ペットホテルへ
にほんブログ村

思わず首を傾げる事もあったそうです。
いや、それを通り越して憤慨すら覚えたと……。
それはなぜか。
受講者のほとんどが講義内容そっちのけで、居眠りや携帯電話をいじっていたというのです!!!

信じられない光景に愕然としたナガタは、

「これが、命あるペット様を相手にする動物取扱業者の姿勢かあ……」

と悲しみすら抱いたそうです。
最愛のペット様をこんな人達に頼んで、もしもケガや死亡事故・病気感染・逸走等のトラブルに巻き込まれたら……飼い主様はどうにもこうにもやりきれないでしょうと……。
自然とそんなふうに思ってくれたナガタに感心しました。
と同時に、同じメビー・ラックのスタッフの一人として誇りに思えたのです。

なにも、ナガタが身内だからという理由ではありません。
本来ならば、命あるペット様を相手に業を営む者は皆、ナガタのような危機管理意識の高さと、飼い主様やペット様の事を第一に考える姿勢こそが肝心要のはずなのです。
その為の『動物取扱責任者研修』のはずなのです。
にも関わらず、受講者のほとんどが講義内容そっちのけで、居眠りや携帯電話をいじってるとは……。
誠に残念の極みです。

余談ですが。
何を隠そう、私自身もつい先日、あるコンビニの駐車場で見かけた某トリミングサロンの送迎車に驚愕したばかりでした。
エンジンがかかりっぱなしの車内は無人で、後部座席には狭いケージ内に取り残されたワンちゃんの姿が三つ!
続けて目を凝らせば、もう一匹、助手席と運転席を自由に行ったり来たりするノーリードのワンちゃんが!
しかも、両席の窓が開きっぱなし!

有り得ない!
有り得ない!!
有り得ない!!!

どこに行ったのか、急いでコンビニの中を探しても運転手の姿は見当たりません。
盗難や逸走事故等の危険性を感じたので、車に記載されていた某トリミングサロンの電話番号に急いで連絡を入れました。
その電話も腹立たしいくらい緊迫感のない対応(むしろ面倒がっている!)だったので、私はとにかく運転手が戻ってくるまでワンちゃん達を見守っていました。
しばらくして、タバコをふかしながら呑気に姿を現した運転手。
私はその男に、

「ワンちゃん達に万が一があったらと考えないんですか!? このワンちゃん達はみんな、飼い主様にとって最愛の命なんですよ!」

とありったけの注意をしましたが、本人はやはりかったるそうに無言を貫き、車に乗り込みました。
すると、私を威嚇するようにエンジンをふかしてその男は猛スピードで逃げ去ったのです。
そんな乱暴な運転じゃ、ワンちゃん達が危ないっつーの!!!!!

とまあ、思い出しただけであつくなりましたが……。
私共メビー・ラックスタッフ一同は誠心誠意を肝に、これからもペット様や飼い主様のパートナーとして互いに絆を結べたらと存じますので、これからもどうぞよろしくお願い致します。

……と結びのご挨拶を書いている最中も、メビー・ラック代表岡村とナガタが汗だくになって掃除をしています。
さっき終えたばかりだというのに、他のスタッフも店内の衛生活動にせっせと勤しんでいます。
ではでは。
私も参加して参りますので失礼致します。

以上。
平成27年度 『動物取扱責任者研修』を終えてのメビー・ラックスタッフ一同でした。

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉

 

にほんブログ村 その他ペットブログ ペットホテルへ
にほんブログ村

本日、メビー・ラックのスタッフのナガタが『動物取扱責任者研修』を受講してきました。
image-129x230

日頃、当ブログをご覧になって頂いている方の中には、『動物取扱責任者研修』についてご存じない方もいらっしゃると思いますので簡単に説明を付け足しておきます。

動物取扱責任者は年度毎に一回以上、三時間の研修を受講する義務があるのです。
受講しなかった場合、動物取扱業務登録の更新手続きができないだけでなく、事業者は行政処分の対象となります。
なので、受講は必須というわけです。

第一種動物取扱業を営むメビー・ラックは、『保管』業務の登録を当然ながら済ませております。
店内に掲示してあるので、ご来店なさった際に目にした事がある方もいらっしゃると思います。

ちなみに、『第一種動物取扱業』とは、有償・無償の別を問わず反復・継続して事業者の営利を目的として動物の取扱いを行う、社会通念上、業として認められる行為のことをいいます。
動物の愛護及び管理に関する法律及び東京都動物の愛護及び管理に関する条例により登録が必要で、『販売』『保管』『貸出し』『訓練』『展示』『競りあっせん』『譲受飼養』の七種類の区分があります。(*東京都福祉保健局のホームページから引用)
その中で、メビー・ラックは『保管』業務の登録をしているというわけです。

さてさて。
前段はさておき、本日受講した『動物取扱責任者研修』の内容についてです。
催された会場は、杉並公会堂大ホール。

*以下は、受講したナガタの本人談になります。
開始時間きっかりに司会の方が登壇すると、先ずは、東京都福祉保健局動物愛護相談センターの方のご挨拶で幕が開きました。

その後、東京都家畜保健衛生所指導係の方による『研修講義1』が始まりました。
講義内容は『大事な動物を守るため〜家畜衛生の方法をヒントに施設の衛生管理を考えよう〜』。
ペットホテル事業を営んでいるメビー・ラックにとって、衛生管理は最重要事項なので貴重な講義内容でした。
ペット様や飼い主様が当ペットホテルを安心してご利用頂く為にも、日々、衛生管理に気を配っていかなければとあらためて気を引き締め直しました。

休憩を挟んだ後は、弁護士の方による『研修講義2』。
講義内容は『知っておきたい法律知識〜動物取扱業者のためのトラブル対策について〜』でした。
実際にあったトラブルの裁判例を基に話が進み、動物取扱業を営む者としての責任を再認識させられる講義でした。
ペットホテルの他にも様々なサービスをご提供させて頂いているメビー・ラックとしては、こちらもまた気を引き締め直すきっかけとなりました。

ナガタによれば、いずれも有意義な時間だったという事です。
ですが……。

〈後編に続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉
 

にほんブログ村 その他ペットブログ ペットホテルへ
にほんブログ村

「うちの犬はどこに……?」

女性が一番に気にかけているのは迷子犬の事なので、当然と言えば当然の問いだ。
意図的にゆらりと頷くだけのNを見つめたTさんが何かを喋ろうとした。
すかさず、Tさんを遮るN。

「ワンちゃんは大丈夫ですよ。今、暖かい部屋で休んでいます」
「お気を遣って頂いて」
「万が一お捜しのワンちゃんと別の犬だとしたら、この寒空の下に連れてくるのもかわいそうですしね」
「あ……そうですよね」

口を噤む女性の顔には不安と困惑が入り混じった表情が浮かんだ。
無条件で自分の犬だと思い込んでいたのだろう。
ただ、Nが言った通り別の犬だという可能性を完全否定できない故、言葉が出てこないといった感じだ。
そんな女性に向かって、Nは柔らかい口調で語りかけた。

「御引き渡しの前に、ワンちゃんの事でいくつかお伺いさせてもらってもいいですか? 仕事柄、本当の飼い主様かどうかの確認癖がございまして」
「はい。遠慮なくお聞きください。違う迷子の犬だったら、そちらの飼い主様もご心配なさっているでしょうし」
「そうなんです。ご理解頂きありがとうございます」
「いえいえ」
「このご時世、いろんな人がいましてね。例えば、動物虐待を目的に迷子犬の譲渡を目論む輩ですとか……」

女性は息を呑んで一瞬黙った。
その後、慌てた様子で続けた。

「あ、でもですね、子犬の時の写真が見当たらなくて…………」

子犬の写真がない?
私には『はいそうですか』と受け入れるのは難しかった。
この女性も決してお年を召された方ではない。
犬の飼い主ならば、愛犬の写真の一つくらいは持っているのが大方だ。
ましてや今の時代、携帯で気軽に写真を保存できるのに?

引き続き口ごもる女性に詰問するN。

「写真の件、Tさんとの電話でお約束して頂けましたよね?」

Tさんは無言で頷いている。
女性はやっとこと動揺を整理してNに主張した。

「すみません。犬が保護されていると知って、嬉しくてホッとして、慌ててたもので。もっとよく家の中を探せば見つかるとは思うんですけど……」
「そうですか」
「お待ちして頂けるなら、今すぐ探しに帰ります。本当の飼い主だと証明できなければ……ですものね」

すがるような目で訴える女性をじっと見ているN。
と思いきや、今度はにっこりと答えた。

「わかりました。写真は結構です」
「本当ですか!?」

いいの!?
本当にいいの!?
ねえ、N!?
写真無しで、本当の飼い主様かどうかどうやって判断するの!?

〈続く〉

あなた様とあなた様の大切な存在が
今も明日もLucky Lifeを送れますように

富山桃吉
 

にほんブログ村 その他ペットブログ ペットホテルへ
にほんブログ村

このページのトップヘ