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2017年04月

「どうしたいのかは、よくよく考えなくても、はっきりいえます」

飼い主様の返事に、ペット探偵は先を促してきたといいます。

「どうぞ、仰ってみてください」
「一刻もはやくSを見つけてあげたい。それがすべてです」
「じゃあ、そのためには、飼い主さんはどうするべきだとお考えなんですか?」
「捜索を続けることです」
「そうですね。その勢いで頑張ってください」
「なにか、他人事みたいな言い方ですね……」
「ほら、またそうやって突っかかるんですから……」
「そういうつもりじゃなくて、突き放されたようで、不安になる言い方だったもので……」
「べつに、突き放してませんって。被害妄想が激し過ぎですよ。やっぱり、一度頭を冷やされるべきです」
「被害妄想……ですか……」
「納得できていない、というような返答ですね。まだなにか?」
「これから、どうしていけばいいのでしょうか?」
「S君の捜索についてですか?」
「はい」
「プロとしては、目撃情報を待つのが基本というスタンスに変わりありません」
「はあ……」
「分かってますよ。それだけじゃ、不安だっていうのですよね?」
「はい」
「だったら、なにかをしてみてはいかがです?」
「もっと広い範囲にチラシやポスターを配布してみる方法も考えてはいるのですが、Sを見かけたという目撃情報地点がどうしても気になってしまって。その辺りは、もう捜さない方が良いのですよね?」
「ですから、何度もいいますが、プロのぼくが目撃したわけじゃないので、飼い主さんの自由になさってください」
「プロとしてのアドバイスが聞きたいのです」
「そうはいいますが、ぼくがアドバイスしても、それに従わない前例がすでにありますからねえ……。となると、時間の無駄なのでは?」
「そんなふうに、いびらないでくださいよ……」
「また、ぼくが悪者ですか」
「そういう意味じゃないですって……」
「もう止めましょう」
「止めるって……なにがです?」
「お互いの信頼関係の回復に、正直、ぼくは自信を持てません。それはきっと、飼い主さんも同じですよね」
「……」
「不毛な争いをしている暇があったら、S君の捜索に時間を割いてあげた方が賢明ですよ」
「それはその通りですけど……」
「ごちゃごちゃ反論するのも、いい加減にしてください。時間の無駄です。飼い主さんがこのままだと、S君は見つかりませんよ。いいんですか?」
「嫌に決まっているじゃないですか!」
「だったら、はやく電話を切って、ご自分が納得することをやってください。こちらが忙しいこと、お分かりですよね?」

〈続く〉

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富山桃吉

ペット探偵に『根気が足りな過ぎです』だといわれた飼い主様は、反論したそうです。

「そういわれますけどね、捜索延長依頼の予約についての話もはぐらかされたままなのですよ!? 飼い主として不安に思うのは当然じゃないですか!」
「はぐらかされたまま、という言い方、やめてもらえます? 以前に捜索延長依頼のお話を飼い主さんがした時、こちらは、『事務に問い合わせしてみないと、はっきりとした数は分かりかねます。今こうして電話している間にも、予約が確定している案件がないとはいいきれないので』と伝えましたよね?」
「はい」
「で、その後、飼い主さんの方から、捜索延長依頼について問い合わせしてきましたっけ?」
「……してません」
「ですよね」
「でもそれは、『まあとにかく、様子をみましょう』と仰ったからですし、そちらから連絡を頂けるものかとばかり……」
「それをしたら、こちらが営業をかけてるみたいになって、あらぬ誤解を受けかねないので致しません」
「じゃあ、連絡をしなかったこちらが悪かったと?」
「良い悪いの話をしているわけではないですよ。事の運びの事実をいっているだけです。いちいち、話をややこしくしないで頂けますか」
「……」
「いいですか、飼い主さん。この際だからはっきりいわせてもらいますがね、こちらとしては、べつに捜索延長依頼をしてもらわなくても構わないんですよ。というより、こちらは、積極的に営業をかける必要に迫られていませんし」
「テレビ出演をきっかけに依頼が殺到している状況だから、ですか……」
「そうですね。ペットを逃がしてしまった多くの飼い主さんたちが、藁をもつかむ想いでぼくを待っているんです」
「こっちだって、そんな飼い主の一人ですよ……」
「だったらなぜ、信頼関係にヒビが入るような物言いをなさるんですか?」
「Sのことが心配で心配で……」
「当然でしょうね。だからといって、その気持ちを当てつけられても、こちらとしては気分が良いものではありません」
「すみません……」
「あえていわせてもらいますが、S君を逃がしたのは、飼い主さんご本人です」
「はい……分かってます」
「一人ではにっちもさっちもいかなくて、ぼくらに捜索依頼をなさったのも、飼い主さんご本人です」
「はい……」
「なのに、今度は自らの暴走で言いがかりを吹っかけてきて、ぼくらに混乱を招いています」
「言いがかりでは……」
「一体、飼い主さんはどうしたいのですか? 誰かに文句をいったところで、S君が見つかるわけじゃありませんよ」
「……そうですけど」
「分かって頂けたなら、頭を冷やして、今一度、自分がどうしたいのか、よくよくお考えになった方がよろしいのでは?」

〈続く〉

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富山桃吉

「事務方からすでに連絡がいったと思いますが、やはり、三日前にあったというS君の目撃情報電話は存在しませんね」

予想通りだったペット探偵の報告に、飼い主様はうんざりしたそうです。
それでも気を取り直し、再度確認しました。

「ほかの目撃情報もないのですよね?」
「はい。残念ながら」
「本当ですか?」
「本当です」
「だったら、Sの捜索について今後どうすればいいのか、プロのアドバイスを聞かせてください」
「かまわないですけど、その前に」
「なんでしょう?」
「ぼくと事務方は別人ですから」
「そのことですか……。もう結構です」
「いや。そちらが結構でも、こちらはそうはいきませんので」
「もういいですって。それよりも、時間の無駄なので、捜索方法のアドバイスを教えてください」
「あのね、飼い主さん」
「なんですか?」
「無駄という言い方は、承服できませんよ。事務方も含めて、ぼくらはS君のために一生懸命やらせてもらっているんです。それなのに失礼ですよ。取り消してください」

そういわれた飼い主さんは我慢の限界を迎え、抑え込んでいた不満の言葉が堰を切って出てしまったといいます。

「失礼なのは、そっちじゃないですか!」
「はあ?」
「一生懸命っていいますけど、チラシとポスターを配っただけじゃないですか! しかも、こちらがすでに配ったお宅の一部だけに!」
「それの、どこが失礼に当たるんです?」
「だって、プロなのでしょう!? 素人のこちらがやっていることをただ繰り返すだけが、プロの仕事だっていうのですか!?」
「ですから、先入観ゼロで捜索したいので、というお話は、最初に差し上げましたよね? それを同意の上で、飼い主さんはご依頼をなさったことをお忘れですか?」
「忘れてはいませんよ! でも、それだけでプロの仕事だといわれても、納得できません!」
「ちょっと、勝手に決めつけないでくださいよ。チラシやポスターを配っただけで終わりだとは、一言もいってませんよね? 目撃情報の電話を待つことも捜索の一環です」
「待つことなんて、プロじゃなくたってできますよ!」
「それはウソですね」
「はい? なにがウソだっていうんですか!?」
「飼い主さん、待てなかったじゃないですか。現に、今日、捜索に出掛けたのでしょう?」
「そりゃあ、五日間も目撃情報がなかったら心配になって、じっとしていられませんよ!」
「それがプロと素人の差です。飼い主さんは、とくに根気が足りな過ぎです」

〈続く〉

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富山桃吉

昨日。
とある住宅街で、ミニチュア・ピンシャー様のお散歩なさっている飼い主様を見かけました。
その際、”どうしてなのか……”と思わざるを得ない、とても残念な場面に出くわしてしまいました。

ミニチュア・ピンシャー様は元気に歩いていたのですが、ふいに立ち止まり、路上の真ん中で排便をなさいました。
飼い主様はお散歩バックを手に持っていたので、当然ながら、ミニチュア・ピンシャー様の排泄物を拾い上げると思いました。

ところが。
飼い主様は、そうしませんでした。
ミニチュア・ピンシャー様の排泄物を拾い上げるどころか、近くの一軒家の壁に向かって、それを蹴っ飛ばしたのです。
そして、そのまま排泄物を放置し、何事もなかったかのように歩き出しました。

あまりに慣れた動作に唖然としたボクは、数秒間、立ち止まったままになってしまいました。
そんなボクを我に戻したのは、”どうしてなのか……”という疑問でした。

犬様の排泄物を平然と路上に放置する飼い主様を、ボクはこれまでも、いくつか目撃したことがあります。
それはそれでマナー違反ですから、看過することのできない問題です。
ミニチュア・ピンシャー様の飼い主様はそれに輪をかけ、他人様の家の壁に向かって排泄物を蹴り飛ばす行動に出たので、尚更に驚きました。

それでも、です。
”どうしてなのか……”という疑問をぶつけるのはさておき、ボクは一先ず、自分が持っていた排泄物の回収袋を、ミニチュア・ピンシャー様の飼い主様に差し出しました。

「これ、よかったら、お使いください。排泄物を放置しては、よくないですよ」

すると、ミニチュア・ピンシャー様の飼い主様は、

「……はあ?」

と不機嫌顔を作りました。
加えて、

「うちの子(ミニチュア・ピンシャー様)の排泄物だっていう証拠があるのか!」

と、詰め寄ってきました。

ボクは、

・今さっき、ミニチュア・ピンシャー様が路上の真ん中で排便をなさったのを、この目で目撃したこと
・その排泄物を、飼い主様が近くの一軒家の壁に向かって蹴っ飛ばしたのも、この目で目撃したこと

を伝えました。

けれど、後ろめたさの証なのでしょう。
ミニチュア・ピンシャー様の飼い主様は白を切り続け、足早に立ち去って行きました。
そのせいで、ぐいぐいとリードを引っ張られながらも、ミニチュア・ピンシャー様だけが、申し訳なさそうにボクを振り返りました。

”キミは、悪くないから。ね”

ミニチュア・ピンシャー様を見送ったボクは、自分が持っていた回収袋を広げ、放置されたままの排泄物を拾い上げながら強く願いました。
ミニチュア・ピンシャー様の飼い主様が、これを機に、マナーをまもって頂けることを――

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富山桃吉

ペット探偵の態度を信用できなかった飼い主様は、すぐさま会社に電話を入れたといいます。
とはいっても、自分で電話をしたわけではありません。
三日前にS君らしき猫様を見かけたA様が飼い主様を気遣い、自分の携帯番号から電話をかけてくれたそうです。

そうして、数コール目で電話にでたペット探偵会社の事務方に、

「三日前にS君の目撃情報電話をした者だが、電話にでなかったのはなぜか?」

とA様は問いました。

それでも、事務方は、

「そういった電話は受けていません」

との一点張りで、自らの非を認めようとしませんでした。

呆れるA様に電話を代わってもらった飼い主様は、事務方の声を聞いて驚きました。
先ほど電話を切ったばかりの、ペット探偵本人の声だったからです。

そのことを問うと、事務方は別人の名前を名乗りました。
明らかに無理があるウソに騙されず、飼い主様はさらに問い詰めました。

「さっきの電話で、『今、別件の捜索中なので』といっていましたが、なぜウソをいうのですか?」
「ですから、私は事務方の人間なのですが……」
「声を変えているつもりでしょうが、同じ声だって分かります」
「そういわれましても……」
「その様子じゃ、最後まで認めないつもりでしょうから、そのことは、もういいです。時間の無駄なので」
「そうですか」
「それよりも、ほかにも目撃情報電話があったのなら、正直にいってください!」
「ありませんよ」
「本当ですか!?」
「ええ。さっき、担当の者から電話があって同じ旨を聞かれましたが、ないものはないです。あったらあったで、すぐに電話しますって」
「信じられません」
「……そういわれてもねえ」
「だって、現にこうやって……」
「そちらの良い分は分かりました。とにかく、後程、担当の者から電話させますよ。ご不満や諸々については、直接話された方がよろしいかと」

そのようにして一方的に電話を切られた飼い主様は、やり場のない気持ちを抱えたまま、A様に御礼をいって一旦帰宅しました。
いい加減なペット探偵会社に依頼してしまった後悔と、それによってS君の発見・保護が遅れてしまっている現況にめまいを覚えたからです。

帰宅後しばらく横になっていると、ペット探偵の携帯番号から着信が入りました。

「もしもし。お電話遅れまして、すみませんね。別件の捜索中だったもので」

これまでよりも妙に甲高い声なのは、事務方との違いを強調しているつもりでしょうが、やはり同じ声だと飼い主様は確信したそうです。

〈続く〉

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富山桃吉

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