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2017年07月

”よおし。そのまま追いかけておいで!”

私の願いは通じ、追いかけてきた犬様二匹の走りも、いよいよトップスピードに乗ってくれました。
私は中型犬様に話しかけました。

”大丈夫? あと少しだからね!”

一緒に走っていることで、先程まで抱えていた不安や心配を忘れることができたのかもしれません。
連れている中型犬様は、生き生きとした、たのしげな表情を返してくれました。

何度もお世話を承らせて頂いている故、この展開も想定済みで、私の思惑通りに事が運びました。
あとは、目指す場所に辿り着けば、万事が上手くいくはずです。

そんなこんなで、こちらと犬様二匹の距離が10mちょっとに縮まった時です。
私と中型犬様は、目指していた場所付近に近づきました。

すると、その辺りに座っていた人物は、呑気な様子で顔を上げました。
その人物というのは、私と中型犬様を追いかけている犬様二匹の飼い主様です。

近くに寄ってはっきりしましたが、飼い主様は、中年の女性でした。
手にはスマフォを握っていて、やはりそれをいじっていたようです。
しかも、イヤフォンを両耳に突っ込んでいました。

通りで、自分の犬様二匹が他人に危害を加えてしまうかもしれない緊急事態に気づかないわけだ……。

心底呆れて落胆した私は、走っている速度を落としながら、大声で注意しました。

「あなた、飼い主様ですよね!? あの二匹の!?」

この期に及んでも、私がした注意の意味が分かっていないようで、飼い主様は呑気に首を傾げました。

「二匹に追いかけられているんです! 早く大人しくさせてください!」

更なる大声で注意した私の言葉に、飼い主様はようやく事態を把握したようでした。

「……ああ……〇〇! △△!」

二匹の犬様の名前であろう声を張り上げ、飼い主様は立ち上がりました。
私と中型犬様はその脇を通り過ぎ、およそ5mくらい離れた位置で立ち止まりました。
この位置ならば、飼い主様が楯になって二匹の犬様を制御してくれるだろうと踏んだからです。

「こらっ! 〇〇! △△! 止めなさい!」

飼い主様は、半狂乱の如く叫びました。
すると、二匹の犬様は、飼い主様を挟んだ位置で走るのを止めました。
ですが、興奮冷めやらない二匹の犬様は相変わらず吠え続けているので、いつまた襲ってくるか予断を許さない状況といえました。

私は中型犬様の前に立ち、いざ襲われた時に備えて呼吸を整えました。
飼い主様に犬様二匹を制御をしてもらう作戦が上手くいかなかった場合、最悪、咬まれることも視野に入れました。

何が起ころうとも、連れている中型犬様を守る!

私は覚悟を決めました。

〈続く〉

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富山桃吉



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足早に退避する私と中型犬様の後ろから、追いかけてくる二匹の犬様たちの吠え声がぐんぐんと近づいてきます。
ちらりと振り返ると、二匹の犬様たちの目は獲物を狙うそれ、そのものでした。

このままでは、追いつかれるのも時間の問題だ……こうなったら!

覚悟を決めた私は、連れている中型犬様に告げました。

”走るよ!”

一か八か、私は走り出しました。
とはいっても、一気にトップスピードで駆けるわけにはいきません。
急に全速力で走れば、中型犬様が思わぬ怪我をしてしまうリスクがあります。
よって、始めはゆっくりとした速度を保ち、徐々にスピードを上げながら、どこを目がけて走るべきかを私は考えました。
忘れてはならないのは、西園の競技場付近にいる人たちを巻き込まないようにすることです。

そうなると……追いかけてくる犬様二匹の速度を落とす狙いで、400mトラックの周囲に植わっている木々の中に飛び込むのも一つの手でしょう。
しかしながら、暗がりのそこに飛び込めば、中型犬様が草木に身体をこすって傷を負ってしまいかねません。

かといって、西園の競技場内を出て歩道や道路に逃げればいいのかといえば、それも良い選択肢とは思えませんでした。
歩行者がいた場合、その人も、追いかけてくる犬様二匹に襲われる危険があります。

また、何かの拍子で道路に飛び出してしまえば、追いかけてくる犬様二匹が車に轢かれてしまう可能性だって否定できません。
それは、私の望むことではありませんでした。
いくら追いかけられているとはいえ、犬様二匹に恨みや怒りを覚えているわけではないからです。
悪いのは、そう、公共の場所でノーリード散歩をし、しかも注意を怠っていた飼い主様なのです。

とにもかくにも、です。
退避に適していそうな先は限られましたが、それでも諦めずに、私は目指す場所を選択しました。

”おいで、こっちだ!”

大きく弧を描き始めた私に、中型犬様はしっかりとついてきてくれました。

”よし、いい子だ! つぎは、こっちについてきて!”

目指そうとしている場所を目がけて、今度は一直線に進路を取りました。
振り返ると、追いかけてくる犬様二匹も、それについてきました。
ここまでは、私の狙い通りです。

”よしよし……そろそろ、全速力で行くよ!”

指示した私と中型犬様は、一気にトップスピードに乗りました。

”……頼む! ついてきてくれ!”

追いかけてくる犬様二匹は、想定通りの動きで、私たちに迫ってきました。

〈続く〉

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富山桃吉



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最大の警戒心を突然に発動させて最善策を模索している私の様子を、敏感に察知したのでしょう。
連れている中型犬様が、不安そうに私をじっと見上げてきました。

”大丈夫。何があっても、守ってあげるから!”

いいながらしゃがみ込み、笑顔で身体を撫でて言葉をかけましたが、完全には誤魔化しきれません。
むしろ、中型犬様の目には、私のことを心配してくれているような色までもが浮かんできました。

その時です。
どこからともなく、携帯電話の着信音が聞こえてきました。
着信音が鳴っている場所を直ちに探ると、どうやら、400mトラックを走行してきた自転車から鳴っているようです。
その自転車にはサラリーマンが乗っていて、そこそこの速度で走行していました。
それにもかかわらず、サラリーマンは走行速度を落とさぬまま、電話を手に取り、応対をし始めました。

”危ない真似を……”

私がそう思った矢先です。
サラリーマンが乗った自転車が、案の定ふらつきました。
その動きに伴い、自転車が照らしていたライトも揺れ、地面には、左右に大きく動くその灯りが踊りました。

すると間もなくして、中央芝生を自由に走り回っている犬様のうちの一匹がその灯りに反応し、ピタッと立ち止まりました。
続けざま、踊る灯りをロックオンする動作を取り、姿勢を低く構えています。

一方、サラリーマンが乗った自転車は、私と中型犬様がいる方向に走行を続け、電話をしながら走り去っていきました。

このままでは、まずいっ!

瞬間的に焦った私は立ち上がって、中型犬様を繋いでいるリードを引っ張り、合図を送りました。

”立って!”

私の緊迫感を承知した中型犬様は、すっと立ち上がりました。
それと同時に、中央芝生で低く構えていた犬様が吠え、その途端、こちらに向かって駆け出しました。
つられて、中央芝生をウロウロしていたもう一匹の犬様も、私たちの存在に気づいたようです。
すぐさまこちらに顔を向けると、一直線に走り出してきました。

この時点においても尚、二匹の犬様の飼い主様はスマフォいじりに夢中でした。
これでは、二匹の犬様の制御は期待できません。

”ダメだ。行くよ! おいで!”

連れている中型犬様を退避させるべく、私は急ぎ足で歩き出しました。
一気に走って逃げなかったのは、こちらに駆け寄ってくる二匹の犬様を悪戯に刺激したくなかったからです。
興奮状態の犬様二匹の様子から判断するに、走れば追いかけてくることは容易に想像がつきました。

〈続く〉

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富山桃吉


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警戒の目を周囲に配ると、

・400mトラックを走っている複数の人
・400mトラックの周囲に設置されているベンチに腰を下ろす人
・二匹の犬様とその飼い主様がいる場所よりも、もっと奥の中央芝生の中で、何やら戯れている若者たち
・400mトラック外側の歩道を、自転車や徒歩で行き交う幾人

などの姿が確認できました。
この瞬間に至っては、私が連れている中型犬様と400mトラック内側の中央芝生の遠目にいる二匹の犬様以外、周囲にほかの犬様はいなくなっていました。
この状況を鑑みて、連れている中型犬様に私はいいました。

”……とりあえず様子見をしたいから、まだ動かないでおこう”

中型犬様はアイコンタクトで了解を示してくれ、そのままじっとしていてくれました。
私はそんなふうに待ちながら、中央芝生の遠目にいる犬様二匹とその飼い主様の動向に注意を向け続けていました。

すると、そのまましばらくした後のことです。
遠目かつ夜が故に、何がきっかけだったのかまでは分かりませんでしたが、二匹の犬様が急に小走りを始めました。
驚いたことに、その距離はぐんぐんと延びていきます。

とはいえ、です。
この時点では、フレキシブル・リードと呼ばれる伸縮性のリードやロングリードで、犬様が繋がれている可能性も考えられました。

しかし、不安は拭えませんでした。
私の目が捉えた飼い主様は、相変わらずスマフォらしきものに夢中だったからです。
下を向いているその顔は、ぼんやりとした明かりに照らされ続けていて、この期に及んでも、犬様二匹の動きに気づいていないようでした。

瞬間的に嫌な予感が降ってきた私は、走っている二匹の犬様に目を戻し、その動きを注視し続けました。

……もしや……。

嫌な予感は的中し、私の警戒レベルは瞬時に最高潮に達しました。
走り続けている犬様二匹と飼い主様の距離間や、走り回る動線から判断するに、フレキシブル・リードにもロングリードにも、犬様は繋がれていないことが分かったからです。

しかも、です。
私が今いる位置からはまだ距離があるとはいえ、走り回っているその犬様二匹は、少なく見積もっても中型犬様以上の体格を有していることが確認できました。
そんな二匹が興奮気味に、中央芝生を自由に走り回っているのです。

即刻、この場から退避するべきか……。
けれども、下手に動けば、走り回っている犬様二匹に気づかれるかもしれない……。

とにもかくにも、連れている中型犬様の安全確保が最優先であることに疑いの余地はありません。
その大前提を守るためにはどうするべきなのか、私は必死に考えました。

〈続く〉

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富山桃吉

昨晩、20時~21時頃のことです。
井の頭恩賜公園内にある西園の競技場にて、至極残念で恐怖を覚える出来事に遭遇しました。

当方の『ペットホテル』にご宿泊中である中型犬様のお散歩途中、私はそこを歩いていました。
同時刻の競技場内及びその周辺には、夜であっても少なくはない人があちらこちらにいて、それぞれの時間を過ごされていました。
私と中型犬様と同じように、暑い時間を避けてお散歩をしている飼い主様と飼い犬様の姿も、ちらほらとありました。

私が連れている中型犬様は大人しい性格で、ほかの犬様に対して控え目に接する性格の持ち主です。
相手が大きい犬様であろうが小さい犬様であろうが分け隔てなく優しく対応し、むやみに吠えかかることもありません。
見知らぬ人に対しては、やや臆病な一面を見せますが、だからといって吠えかかるという行動に出るのを見たことは、これまでに一度もありませんでした。
お散歩中もそれは同じで、リードの引っ張り癖や拾い食いもなく、実に穏やかな時間が流れます。

それでも、私を含めた当方のスタッフ一同の頭には、慢心や油断、思い込みや決めつけなどといった考えは存在しません。
どんなペット様であろうとも、そのかけがえのない”命”をお預りしている以上、常に危機意識を緩めることなく、お世話を承っています。
その当たり前の認識に倣い、当方ではこの中型犬様だけに限らず、犬様のお散歩は二重リードで行っています。

昨晩のお散歩時も、もちろん、同様の準備をして出かけました。
そこまで用心しているにもかかわらず、至極残念で恐怖を覚える出来事に遭遇したのです。

それはちょうど、西園の競技場の400mトラックに私が足を踏み入れた時でした。
400mトラック内側の中央芝生の遠目に、茶色っぽい二つの影が動いているのが見えました。

なんだろう……。

私は条件反射的にリードを短く持ち直し、連れている中型犬様を自らの脇に座らせました。
続けざまに目を凝らして二つの影の正体確認に努めると、どうやら二匹の犬様であろうことが分かりました。

さらによく見ると、その二匹の犬様の近くには飼い主様だと思われる人物が座っていました。
とはいえ、二匹の犬様には目もくれず、下を向いている顔の辺りが、ぼんやりと光っています。

……まさか、スマフォをいじっているのでは?

だとすれば、呑気に構えてはいられません。
念のため、私は警戒レベルを引き上げ、連れている中型犬様を立ち上がらせました。

〈続く〉

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富山桃吉

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