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2017年09月

その瞳に灯るもの 5』の文末で、

”私がそう述べる真意は、再生治療の現状及び行く末を案じているからである”

と述べさせて頂いたのは、『スアム生命工学研究所』(韓国)の存在に懸念を抱いているからにほかならない。

同研究所については過去にもニュースで報じられているので、ご存じの方々も多いだろう。
この研究所は商業的にペットクローン技術を用い、亡くなったペット様の代替ペット様を提供するビジネスを展開している。
当時報じられた内容によると、犬様の代替を依頼した場合の値段は、一匹につき10万ドル(日本円で約1000万円)だそうだ。

その値段に価値を見出し、実際に愛犬様のクローン製造を依頼するのは、王族やセレブなどの一部の富裕層が大半だという。
アメリカ同時多発テロ事件(2001年9月11日)時の救助犬様”トラッカー”が、クローン技術で5匹作られたことは有名な話だが、ほかにも、優秀な麻薬探知犬様・警察犬様・軍用犬様などが、それらを求める国の政府機関からの依頼でクローン製造されているらしい。
なんにせよ、現代では必要な金額さえ用意すれば、誰でも愛犬様のクローンを手に入れることができるわけだ。

『スアム生命工学研究所』の創始者であるファン・ウソク(黄禹錫)氏や、そこに従事する研究者たちは、クローン技術を用いてビジネスを行うことに関して、

”科学の成果を実社会で役立てるのは当然”
”人間や社会に必要であり、利益をもたらす分野であれば、有用な方向へと技術を求めていく。それは、科学者にとって最低限の社会への道理だと思います”
”優れた遺伝の能力を持つ個体を選んで複製し、大量に生産して訓練を行うと、治安維持や社会の安全に貢献できます。テロや犯罪を未然に防ぐ効果もあります”
”クローンによって、死んだペットを取り戻す機会が得られます”
”愛するペットを失った人々に、クローン技術によって完璧な「代替ペット」を提供して悲しみと喪失感から守ると約束する”
”亡くなったペットの思い出を抱き続ける従来の方法とは違う、心理的な癒やしを提供します”
”クローンで生まれた子犬を見た飼い主は、行方不明になっていた子供と再会したような反応を見せます。そんな純粋な喜びの瞬間、私がなぜこの研究をしているのか改めて思い出させてくれるんです”
”犬だけではなく、ペットの猫やヘビ、チンチラのクローンを求めてくる顧客もいるが、そうした動物の需要は少なすぎるため、投資に見合わない”

などと喧伝している。

〈続く〉

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富山桃吉

再生治療の有効性が認められている症例は、前回ブログ『その瞳に灯るもの 4』で挙げた難治性骨折・関節疾患のほかにも、まだある。
椎間板ヘルニアが、それだ。

椎間板ヘルニアはこれまで、整形外科手術での治療が主流であった。
それによって、正常な運動機能の回復を果たしたペット様も多いので、整形外科手術そのものを否定する気は毛頭ない。

ただし、だ。
過去に椎間板ヘルニアの手術を受けたペット様が、再発してしまうケースがあるのも事実ではある。

そこで、再生治療の出番となるわけだ。
たとえば、すでに、腰から後ろの脊髄神経が委縮してしまっているケースでは、再生治療を選択する有益性はあるだろう。
先ずは、整形外科手術でヘルニア部分の圧迫を取り除いてから、そこに幹細胞を移植する再生治療方法を実施する。
そうすることにより、術後に適切なリハビリを経て、自らの足で再び立てるようになったペット様もいるそうだ。

また、肝臓疾患にも、再生治療は開始されているという。
これについては、まだまだ症例が多いとはいえない現状がある。
とはいうものの、だ。
複数回の幹細胞移植を行った結果、それまでの投薬治療では望む結果を得られていなかったケースでも、肝臓の数値が改善されたという報告も存在しているらしい。

ここまで綴ってきたように、私たち人間の医療と同様、動物医療に関しても日々進化しているわけだ。
それこそ、iPS細胞の研究が加速度的に進めば、再生医療が主流となる日も遠くはないだろう。
そのことについて、希望に胸を躍らせる飼い主様方が大多数だと思う。

だがしかし、だ。
私個人としては、ここで今一度、『その瞳に灯るもの 2』で紹介した坪田一男さんの言葉を反芻するべきだと考える。
とりわけ、

”もちろん、移植をする、しないも自由。ドナーとして提供する、しないも自由です。大切なことは、意思をもってそれを家族に伝えることです。その意思が尊重される社会であることが公平な社会と考えます。多くの人に意思表示のチャンスがあることを知っていただければと思います”

という部分だ。

確かに、ケガ・事故・病気などで失われた、犬様・猫様の運動機能の回復がかなえば、飼い主様にとっては、よろこばしい出来事であろう。

しかしながら、運動機能の回復がみられたとしても、犬様・猫様の寿命が格段に延びるわけではないし、寿命そのものを延ばすことができるわけではないことを忘れてはならない。
私がそう述べる真意は、再生治療の現状及び行く末を案じているからである。

〈続く〉

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富山桃吉

さて。
今回のブログシリーズでは、角膜移植に関係する内容に触れているので、話を戻すと。
実は現在、ペット様の眼科治療の一環として、角膜移植手術はすでに行われている。

私たち人間と同じように、白内障や緑内障などの眼に関する病気が、ペット様にも多々ある。
眼の病気・傷の特徴としては、わずかな期間で症状が悪化することが多いともいわれている。
よって、ペット様の眼の異変に気づいたら、直ちに動物病院に連れて行き、眼科治療を行う方がいいだろう。
その際は、眼科臨床経験の豊富な動物病院(獣医師)を選ぶに越したことはない。

しかし、残念ながら犬様・猫様の角膜移植については、個体の健康状態や年齢が関係する。
なので、すべての犬様・猫様が角膜手術を受けられるわけではない。

角膜移植の話ついでにいうと、犬様・猫様の再生医療も進んでいる。
再生医療を簡単に説明すると、皮下の脂肪や骨髄から幹細胞を採取し、培養した幹細胞を必要な部位に投与する手術方法だ。
ケガ・事故・病気などで失われた犬様・猫様の身体の組織を再生し、運動機能の回復を目的として行われる。

成功すれば、犬様・猫様が再び元気に運動できるように戻れるので、飼い主様方が再生医療に寄せる期待値は高い。
安全性については、自分自身の脂肪や骨髄から採取した幹細胞を移植するので、投与時に副作用がほとんどない点が着目されている。

再生治療の有効性が認められている症例としては、下記が挙げられている。

一つは難治性骨折で、たとえば、なんらかの理由で足の骨の一部を欠損してしまったペット様がいたとする。
そのようなペット様で、整形外科手術の治療では正常な運動機能の回復が見込めないケースでは、欠損してしまった骨の再生治療が選択肢の一つとなる。
要するに、幹細胞移植によって、欠損した骨の再生を試みるわけだ。

個体差があるものの、術後の経過としては、およそ2か月後を目安に、欠損した部分の骨の再生がレントゲン写真などで確認できるといわれている。
その後、再生した骨の部分が数か月をかけて癒合し始め、やがてギプスが不要になる頃には、ほとんど正常な運動機能の回復が望めるらしい。

関節疾患の治療でも、再生治療の効果が認められているそうだ。
たとえば、なんらかの理由で足の関節炎を患っていて、歩行が困難なペット様がいたとする。
そのようなペット様で、関節の痛みを緩和する投薬を続けていても望む効果が見られないケースでは、皮下脂肪から採取した幹細胞を足の関節に移植する再生治療が選択肢の一つとなる。

移植が必要な部位に、幹細胞を注射器で注入する方法を取れれば、ペット様への負担はそう大きくないといわれていて、個体差があるものの、幹細胞移植後は、関節の痛みを緩和する投薬が必要なくなるらしい。

〈続く〉

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富山桃吉

「ダメだ……留守番電話になっちゃった」

唸る岡村を横目に、私は再びB君の飼い主様に電話をかけました。
ところが、今回もまた、10コール目で留守番電話に繋がってしまいました。

スマフォを耳から離した私を見て、溜息と同時に、岡村が漏らしました。

「出ないか……」
「うん」
「出れない状況なのかもよ」
「……男たちのせいで?」
「いやいや。たとえば、そうね……入浴中とか」

その可能性も無くはないでしょう。
ほかにも、運転中だとか、電車やバスで移動中だとかも考えられます。
あれこれ考えて無言でいる私に、岡村がいいました。

「まあ、どのみち着信履歴が残っているんだから、気づいた時点で折り返し連絡をくれるんじゃない? 向こうがこっちを避ける理由は見当たらないわけだし」
「結局、待つしかないか……」

私は、店の時計に目をやりました。
20時を過ぎた時間でした。
この時間なら、B君の目撃地点には1時間ちょっとで到着するはずです。

そんな私の考えを察知したのでしょう。
岡村が、怪訝そうに聞いてきました。

「……行く気でしょう? 今から、B君の捜索地点に」

隠しても仕方がありません。
私は頷きました。

「様子見程度だけど、行ってみようかと。途中で、B君の飼い主様から電話がかかってくれば、男たちのことを伝えて注意を促すつもり。まあ、すでにB君を保護できていれば、現地に赴かずに、そのまま帰宅する」
「車で行くつもり? 電車で?」
「車かなあ。自分の車は、男たちにはまだ知られていないだろうし」
「でも、S君の飼い主様と同乗したわけでしょう? それを見られていたかもしれないじゃない?」
「常に周囲を警戒してたから、多分、大丈夫だと思うけど……」
「念には念をってことで、うちの車、貸そうか?」

万全を期す、という意味では、その方がより安全かもしれません。
私は、岡村の好意を受けることにしました。

「じゃあ、借りることにする」
「分かった。じゃあ、待ってて。車とってくるから」
「いいよ、自分で行くから、鍵貸して。今夜は、店で泊まりのお世話番でしょ?」

私がいうと、岡村はにやりとしました。

「代わりのスタッフは手配済みだから、大丈夫」
「は? ……ってことは、もしかして……」

私の予想は的中したようです。
岡村は、意気揚々といい放ちました。

「そう! 一緒に、現地に向かう!」
「いやでも、男たちがうろついているかもしれないし……」
「私のことまでは、さすがに分からないでしょう。それに、いくら危ない奴らだといっても、男たちだって、見ず知らずの一般人をいきなり襲う真似はしないって」

〈続く〉

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富山桃吉

「S君捜索時初期に、怪しげな男たちがいたのを話したじゃん?」

岡村は覚えていたらしく、間髪入れずにいいました。

「公園に、たくさんの捕獲器を設置していた奴らのことでしょう?」
「そう」
「その男たちが、どうしたの?」

実のところ、男たちとの公園でのやりとり以降のことについて、岡村にはまだ話してはいませんでした。
男たちからなにかしらの被害を私が被った場合、心配をするだろうと思っていましたし、メビー・ラックそのものにまで迷惑が及ぶのを避けたかったからでした。
それらを話すついでに、おそらくは今現在も、男たちが執拗に私を捜し回っていることを打ち明けました。

すると岡村は、険のある表情になりました。

「S君の目撃者を装って誘い出そうとしたり、電車に乗った時にまで尾行してくるなんて、徒ならぬ執拗さね……」
「B君を目撃した地点は、S君の捜索範囲内だから、その付近に男たちがまだうろつく可能性は否定できない」
「そういうことか……」
「まあ、自分が見つかってしまうかもしれないことはさておき、男たちにB君が捕まってしまわなきゃいいけど……」
「B君の飼い主様が、男たちに遭遇してしまう危険も心配だね……」
「うん……」
「でも……私たちに、なにができるんだろう?」
「……うーん……」
「いっそのこと、依頼を迫る営業電話だと勘違いされたとしても、B君を保護できたのかどうか、こっちから電話して確認してみれば? こうしてモヤモヤしていても、埒が明かないし」

岡村にいわれて、私自身も、その通りだと思いました。
このまま、ただひたすらモヤモヤしながら待っていて、この先、B君やB君の飼い主様に”もしものこと”があったら、それこそ悔やみきれないことでしょう。
その前に私にできることをやっておくことで、”もしものこと”が起こってしまうのを防げるのなら、それに越したことはありません。

「分かった。B君の飼い主様に電話してみる」

ズボンのポケットからB君の迷子チラシを取り出した私は、記載されているB君の飼い主様の電話番号と、自分のスマフォの発信履歴を照らし合わせました。
チラシはそのまま岡村に手渡し、いざ、B君の飼い主様に電話をかけました。

1コール目……2コール目……3コール目と、呼び出し音が聞こえます。
4ール目……5コール目……6コール目の呼び出し音が鳴っても、B君の飼い主様は、まだ電話に出ません。
7コール目……8コール目……9コール目……10コール目の呼び出し音の後、電話はとうとう留守番電話サービスに繋がってしまいました。

〈続く〉

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富山桃吉

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