メビー・ラック BLOG~今も明日もLucky Life~

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2017年09月

今現在は健康な子たち、今まさになんらかの病を患っていて闘病中の子たち、今は天国に旅立った子たち、迷子になってしまい未だ行方知れずの子たち……すべてのペット様たちを、私たちメビー・ラックのスタッフ一同は覚えている。
良き思い出も悲しい思い出も、決して忘れることはない。
皆が皆、自分らしさが溢れ出ていて、その生活環境に陰と陽が混在していたとしても、彼ららしい生き様を見せてくれていた。

込み上げるそんな想いに心を任せていた故なのか、『その瞳に灯るもの 2』で紹介した川畠成道さんの音色を聴いていると、これまでにメビー・ラックでお世話を承ったすべてのペット様たちの姿が心に浮かんできた。
それは終演後もしばらく続き、同じく『その瞳に灯るもの 2』で紹介した坪田一男さんの言葉を反芻していると、様々な想いが胸中に去来した。

坪田一男さんの言葉の中で、

”みんなの助け合いが必要です。もちろん、移植をする、しないも自由。ドナーとして提供する、しないも自由です”

というのがあったが、移植の必要性は問わず、なにかの病と闘病中である犬様・猫様の治療方針について、今現在飼い主様方が直面している悩みに無関係とはいえないだろう。

当ブログに目を通して頂いている飼い主様方は、ご存じだろうか。
ご参考までに書けば、犬様・猫様への移植手術は現実に行われている。

ペット様医療の先進国であるアメリカでは、1980年代から、移植手術にまつわる研究が始まっている。
猫様の末期腎不全に対する治療法として臨床導入されたのが、初めてのことだったそうだ。
それ以来、全米の大学付属の動物病院を中心に、腎臓移植手術が行われているという。

昨今、日本の動物病院でも、犬様・猫様の腎臓移植事例がある。
それに伴い、まだまだ多いわけではないが、たとえば脂肪幹細胞移植のドナーになってもらえる犬様・猫様の登録募集を行っている動物病院も増えつつある。

ちなみに、移植とはべつの話になるが、献血ドナーになってもらえる犬様・猫様の登録募集も多い。
献血ドナー登録時に必要な検査内容は、

・血液型検査
・血液検査
・血液凝固検査
・フィラリア検査(犬様)
・猫免疫不全ウィルスや猫白血病ウィルス(猫様)

などが一般的で、検査費用は動物病院側が負担する場合が多い。
検査結果に問題がなければ採血の段にうつり、採血後は、採血分を補うために皮下点滴を行う。
それが終われば、帰宅という流れになる。
また、献血協力した犬様・猫様については、翌年の予防ワクチンが無料になるなどの特典を付けている動物病院もあるので、ご興味のある方は調べてみるといいだろう。

〈続く〉

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富山桃吉

川畠成道さんは、幼い頃、薬物による副作用から”スティーブンス・ジョンソン症候群”を患い、それ以来、視力を失った人生を送ってきた人物だそうだ。
舞台中の紹介談によると、視力を失うという絶望の暗闇で生きる中、希望の光となったのがバイオリンだったという。

彼が奏でる音色には、その技術はさることながら、人間味が溢れ出ていた。
選曲された旋律が彩る音の声とはべつに、演奏者の心の声が確かに織り交ざり、陰と陽が混在したこれまでの彼の生き様を垣間見た気がした。

今ミュージカル脚本の原作者である、坪田一男さん(慶應義塾大学医学部眼科教室 教授)の講演も興味深かった。
彼は1980年に慶應義塾大学医学部を卒業後、日米の医師免許を取得した人物である。
1985年に渡米し、1987年にはハーバード大学フェローシップを修了。
そして、1990年に東京歯科大学眼科へ赴任し、新しいアイバンクシステムを導入した経歴を持つ。
そのおかげで、角膜移植件数は急伸し、日本屈指の角膜治療施設を実現した。
2004年より現職に就任した彼は、角膜移植・ドライアイ・屈折矯正手術の第一人者として注目を浴びている。

そんな彼だからこそ、講演での一言一言には、実に重みがあると感じた。
当日パンフレットに書かれている彼の言葉を借りると、

”日本のアイバンクをなんとかしたい! そんな思いから書いた本『アイバンクへの挑戦』がミュージカル『パパからもらった宝もの』です』

とある。

また、

”日本の眼科医療は世界でもトップクラスと自負いたします。しかし、ドナー不足により、角膜移植の手術を受けるには、長い期間待たなければなりません。近年ではアメリカのドナーの方の角膜を輸入して手術を行っている状況です。医療は日々進化していて、いずれ再生医療の技術で、ドナーによる移植は必要なくなるでしょう。ミュージカルにVTR出演いただいている京都大学の山中伸弥先生が2012年にiPS細胞研究でノーベル生理学医学賞を受賞されてから、再生医療研究が加速度的に進められています。アイバンクの角膜が必要なくなる日も近いはずです。それまではもうしばらくの間、みんなの助け合いが必要です。もちろん、移植をする、しないも自由。ドナーとして提供する、しないも自由です。大切なことは、意思をもってそれを家族に伝えることです。その意思が尊重される社会であることが公平な社会と考えます。多くの人に意思表示のチャンスがあることを知っていただければと思います”

と仰っている。

〈続く〉

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富山桃吉

昨日。
とある機会に恵まれた私は、ミュージカル『パパからもらった宝もの』(主催:株式会社劇団BDP 移植・再生医療を支える会 特別協賛:株式会社わかさ生活)を観劇してきた。
今回のブログは、新宿文化センター(大ホール)にて催されたそれを観て、私なりに感じたことを綴ろうと思う。

新宿文化センターといえば、個人的に馴染み深い。
私が脚本家として携わらせて頂いている『カゴメ劇場』も、過去に、同施設にて公演を行ったことがあるからだ。

ちなみに、『カゴメ劇場』を観劇に訪れる方々は、その多くが親子連れだ。
よって、会場の雰囲気はいつもにぎにぎしく、子どもたちの活き活きとした命の躍動が、あちらこちらで踊り弾けている。
その光景を眺めていると、子どもたちの”今”はいつだって眩しい光に満ち満ちていて、その”未来”は明るいものであってほしい、という希望を自ずと抱く。

翻って、件のミュージカルの会場には、子どもの姿はまばらだった。
内容が子供向けではない上、人の死に伴う角膜移植やアイバンクの歴史、再生・移植医療などについて考えさせる意図を持って構成されているので致し方ないのかもしれないが……上演中も終演後も、会場の雰囲気は総じて重かった。

あらすじはというと、とある大学病院に赴任した、新人角膜コーディネーターの女性(研修中)の成長を軸に物語が進む。
ある日の深夜、不慮の交通事故に遭った男性が、その大学病院のER(救命救急室)に運ばれてくる。
だが、懸命な治療の甲斐なく、その犠牲者は絶命してしまう。
残された犠牲者の家族は、彼の角膜を献眼するかしないかを巡り、葛藤の渦に埋もれる。
それと並行して、彼の角膜の提供を待つ少年と少女、それぞれの家族の想いが随所で交錯していく。
加えて、角膜コーディネーターや医者の立場からの想いと、死期が迫る老夫とその妻が抱く献眼に対する想いも混交していく展開だ。

当日パンフレットには、

”新人角膜コーディネーターの成長物語とそれを取り巻く様々な人間ドラマで描く、命の尊さと『見える幸せ』について問いかけるミュージカル”

という謳い文句が書かれていて、

”ぜひ、ご家族で角膜移植について話し合ってみてください”

とある。

さて。
上記の謳い文句及び、このミュージカルの構成・脚本・演出・芝居そのものなどについての感想はさておき、だ。
観劇を通じ、なによりも雑じり気なく私の心に届いたものは、バイオリニストの川畠成道さんによる生演奏だった。

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〈続く〉

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富山桃吉

メビー・ラックの店内には、この日、滞在中の犬様たちが五匹いました。
岡村と私の不在中に彼らのお世話を任せていたスタッフからの報告によると、取り留めた問題なく、全員平穏な時を過ごしていたそうです。

「S君の飼い主様も無事に病院に戻れたことだし、お預りの子たちについても異常なしだから、とりあえずは万事オッケーね」

いいながら一息ついた岡村でしたが、私の顔を見て、首を傾げました。

「……どうしたの? さすがに、疲れた様子だね」
「いや……まあ、疲れてはいないといったらウソになるけど……」
「なに?」

岡村にはまだ話していない、B君とB君の飼い主様のことを、私は伝えました。

「へえ、そんなことがあったんだ。けど、その後、B君の飼い主様から連絡はないんでしょう?」
「……ない」
「じゃあ、B君を無事に保護できたのかもしれないね。ほら、そういうケースだと、わざわざ連絡してくれる飼い主様って少ないじゃない? そもそも、正式なご依頼を承ったわけじゃないんだし……」

岡村がいっていることは、確かに間違っていません。
迷子ペット様捜索の無料相談電話及び無料アドバイス”だけ”を承ったケースでは、後に迷子ペット様の無事保護に至ったとしても、その報告を頂ける飼い主様は多くはないのがその実です。

とはいっても、報告を頂けないことについて、こちらとしては文句の一つがあるわけではありません。
無料相談電話及び無料アドバイス後に、迷子ペット様を無事に保護できたのか、はたまた未だに行方不明中なのか、もうすでに捜索すら行っていないのか……ただただ案じ続けているだけなのです。

かといって、依頼を迫る営業電話だと勘違いされては不本意なので、こちらからの連絡は控えることにしています。
また、無料相談電話及び無料アドバイスの際、ご自分の個人情報を隠したままになさる飼い主様もいらっしゃる故、お名前・ご連絡先・ご住所を、こちらは把握できないケースも存在します。
よって、飼い主様側から報告を頂けない限りは、永遠にモヤモヤが続くのが常でした。

岡村はそれを重々承知している上、自分自身も迷子になっているB君が心配でモヤモヤしているはずですが、努めて明るく私にいいました。

「とにかく、B君の飼い主様から連絡がない以上、どうすることもできないじゃない? まあ、呑気に待てるような性格じゃないってことは、よく知ってるけどね」
「性格のことはさておき、モヤモヤの最大の問題はべつにあってさ……」
「……べつ? どういうこと?」

〈続く〉

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富山桃吉

病室に入るや否や、岡村は『ペットシッター』サービスについての説明を始めました。
主治医の到着を待つ間に話を終わらせれば、S君の飼い主様はそれだけゆっくりと休息をとれる、という気遣いからでしょう。
テキパキと無駄のない流れで、お世話内容や契約内容の説明を終えた岡村は、S君の飼い主様に確認しました。

「では、明日から一日一回訪問して、フードと飲み水の交換・トイレ掃除・S君との遊びを承らせて頂きますね」
「はい。よろしくお願い致します」
「お世話内容の様子は、その都度、写真と動画で送らせて頂きますので」
「たのしみに待っています」
「それと、動物病院への診察のタイミングですが、S君の排泄物と飲食料のチェックなどをしつつ、体調が良さそうな日にお連れ致します」
「かかりつけの動物病院の診察券は、リビングの机の上に用意しておきましたので、それをお持ちください」
「承知致しました。では、ほかに質問や確認などがございませんでしたら、この書類にサインをお願い致します」

ペットシッター』サービスの契約書及び鍵の預かり証に記名したS君の飼い主様に、私はいいました。

「S君についてのヒアリング内容や今日の様子、フードや水置き場などについては、先ほど撮影させて頂いたものを見せながら、後ほど、私から岡村に申し送りしておきますので」
「分かりました」

にっこりと頷いたS君の飼い主様でしたが、やはり、久しぶりの外出で疲れたのでしょう。
その表情には、若干の疲れが滲み出ていました。

案じた私は合鍵を受け取り、話を切り上げることにしました。

「今日は、諸々とお疲れさまでした。S君のことはご心配なさらず、しっかりと療養なさって、一日でも早い退院を目指されてくださいね」
「そうさせて頂きます」
「では、岡村と私は、そろそろお暇させて頂きます」
「今日も、本当にありがとうございました。お気をつけてお帰り下さい」

岡村と私は深く頭を下げ、病室を後にしました。

S君の飼い主様の疲れた表情については、初対面だった岡村も気づいていたようでした。
ですが、私たちが抱いた心配は、これ以上大きなものにならずに済みました。
病院からメビー・ラックの店舗に戻る途中、主治医の診察を終えたS君の飼い主様から、メールにて報告があったからです。

その文面によりますと、”疲労については、一晩ゆっくりと休めば問題ない”とのことでした。
加えて、退院の目途についても書かれており、”順調に体力が戻れば、遅くとも10日後には退院できる”そうです。
岡村も私も、一先ずは安堵の胸をなでおろしました。

〈続く〉

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富山桃吉

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