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カテゴリ:ペット全般 > ペットフード事情

続きましては、『リン(P)』についてを、もう少し掘り下げていきたいと存じます。

ペットフード 93』と重なる部分もありますが、復習も兼ねて記させて頂くと。
『カルシウム(Ca)』(詳細につきましては『ペットフード 92』・『ペットフード 93』・『ペットフード 94』・『ペットフード 95』を参照)と結合してリン酸カルシウムになったり、『マグネシウム(Mg)』と結合してリン酸マグネシウムとなった『リン(P)』は、その80%以上が骨や歯に貯蔵されます。
残りの20%程度は、筋肉・脳・神経などのあらゆる細胞に存在します。

『リン(P)』の主な体内作用は、

・『カルシウム(Ca)』や『マグネシウム(Mg)』と共に骨や歯の主成分となり、その健康を維持する
・筋肉の形成及び、筋肉の収縮や弛緩に関与する
・血液中の酸やアルカリの中和
・血液凝固に関与し、出血を防ぐ
・核酸の主要構成成分として細胞の成長と分化に関与する
・体液中のリン酸塩がpHや浸透圧の調節機能に関与する
・脳の生体機能の正常化および維持
・神経組織の生体機能の正常化および維持
・『ナイアシン』(詳細につきましては『ペットフード 76』を参照)の吸収補助
・『タンパク質』の代謝
・『脂質』の代謝
・『炭水化物』の代謝
・細胞膜の構成成分であるリン脂質の生産
・高エネルギーのリン酸化合物を生産し、エネルギーを蓄える
・『ビタミンB1(チアミン)』(詳細につきましては『ペットフード 68』・『ペットフード 69』・『ペットフード 70』・『ペットフード 72』を参照)や『ビタミンB2(リボフラビン)』(詳細につきましては『ペットフード 73』を参照)と結合し、補酵素の構成成分として『糖質』の代謝促進に関与する

などです。

『リン(P)』は、肉類・卵・乳製品類・哺乳類や鳥類や魚類の骨・小麦胚芽・ゴマなどに多く含まれています。
だからといって、それらばかりを犬様・猫様に摂取させれば良いというわけではありません。

なぜならば。
動物性の『タンパク質』である肉類には『リン(P)』が豊富に含まれている反面、『カルシウム(Ca)』含有量が少ないからです。
ですので、そればかりをお与えになっていると、『カルシウム(Ca)』との適正バランスが崩れてしまいます。
その結果、『リン(P)』の過剰症と『カルシウム(Ca)』の欠乏症になってしまうリスクが高まりますので、くれぐれもご注意ください。

〈続く〉

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富山桃吉
 



 
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犬様・猫様にとっての『カルシウム(Ca)』必要量は、私たち人間よりも多いといわれています。

ペットフード 93』と重なる部分もありますが、90%以上が骨と歯に貯蔵される『カルシウム(Ca)』の主な体内作用は、

・『リン(P)』や『マグネシウム(Mg)』と共に骨や歯の主成分となり、それらの健康を維持する
・心臓の鼓動に関与する
・筋肉の収縮や弛緩に関与する
・興奮を鎮めたり、精神を安定させる神経伝達に関与する
・血液を微アルカリ性に保つ
・血液凝固に関与し、出血を防ぐ
・各種ホルモンの分泌に関与する
・唾液の分泌に関与する
・胃液の分泌に関与する
・細胞の分裂・分化の促進
・白血球の食菌作用の補助
・『鉄(Fe)』の代謝に関与する
・体液の恒常性維持

などです。

また。
血液中の『カルシウム(Ca)』が不足した場合は、骨に貯蔵されている『カルシウム(Ca)』が血液中に移り、調節をする働き(喉の付近にある上皮小体からホルモンが分泌されて関与)もします。
故に、その働きが継続すれば、当然ながら体内の『カルシウム(Ca)』が不足し、骨格が脆くなって骨折が生じ易くなります。

『カルシウム(Ca)』不足が招く欠乏症については、ほかにも、

・発育障害
・食欲低下
・動悸
・湿疹
・神経過敏
・身体のこわばりや四肢の変形による歩行困難
・骨密度の低下
・骨粗鬆症
・歯牙の緩み
・歯肉のびらん
・骨の石灰化不良
・出血
・高血圧
・関節炎
・コレステロール値の上昇
・強直性痙攣症
・腸内細菌の異常
・不妊
・出産時や授乳時の痙攣(メス犬様・メス猫様)
・テタニー(血液中の『カルシウム(Ca)』と『マグネシウム(Mg)』の減少が起因して、痺れや痙攣が見られる病)
・クル病(上皮小体が過活動になってしまい、骨が脆い状態になってしまう病)
・シュウ酸カルシウム結石のリスクが高まる

などが心配されます。
さらには、血清カルシウム濃度が、犬様で9mg/dL以下、猫様で8mg/dL以下になると、低カルシウム血症になってしまいます。

ちなみに。
血清カルシウム濃度が、7.5~9.0mg/dLだと無症状ですが、7.5mg/dL以下なら元気が消失し、食欲不振になってしまうといいます。
そうした後には神経過敏症状が認められ、筋攣縮やテタニーなどの症状が出てくるそうです。

万が一、低カルシウム血症になってしまうと、基礎疾患の根治が必要となるので、直ちに健康回復とはいきません。
ですから、『カルシウム(Ca)』不足にならないように、犬様・猫様の日々の食事にはご配慮願います。

〈続く〉

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富山桃吉



 
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『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』が、互いに協調して及ぼす体内作用の主なものは、

・骨の主成分となる
・歯の主成分となる
・血液凝固の補助
・筋肉の収縮

などがあります。
加えて、神経伝達などの補助によって骨から血液中に移り、血中カルシウム濃度の調節も行います。

上記に記した体内作用に関わっているので、『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』の摂取バランスが崩れると、骨の石灰化異常や骨の形成異常を引き起こす恐れがあります。

ほかにも。
『カルシウム(Ca)』が不足している上に、『リン(P)』が過剰になっている場合、骨格が脆くなって骨折が生じ易くなりますし、慢性腎疾患の進行を促進してしまう危険性もはらみます。
その反対で、『リン(P)』が不足している上に、『カルシウム(Ca)』が過剰になっている場合、過剰分が内臓や骨の周囲に付着してしまいます。
『カルシウム(Ca)』の品質にもよりますが、内臓に付着してしまったそれは取り除くことが困難だといいいます。

ついでに申し上げますと。
『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』の腸管からの吸収を促進してくれる栄養素があります。
それは『ビタミンD』(詳細につきましては『ペットフード 59』・『ペットフード 60』・『ペットフード 61』を参照)です。
その関連性も重要で、犬様・猫様の体内に『ビタミンD』が存在しないと、たとえ『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』を適正バランスで摂取したとしても、それらが正常に作用することができません。

また、『カルシウム(Ca)』及び『リン(P)』が過剰ですと、ひいては『マグネシウム(Mg)』不足に繋がり、成長期の犬様・猫様の元気低下や筋肉の衰弱が心配されます。
ですので、『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』の摂取バランス(詳細につきましては『ペットフード 92』を参照)には、くれぐれもお気をつけください。

さて。
ここからは、『カルシウム(Ca)』についてを、もう少し掘り下げていきたいと存じます。

『カルシウム(Ca)』は、

・豆類
・ゴマ
・乳製品類
・ブロッコリーやキャベツなどの野菜類
・ひじきをはじめとする海藻類
・哺乳類、鳥類、魚類の骨

などに多く含まれていて、比較すれば少量ですが、肉や内臓にも含まれています。

とはいえ。
『カルシウム(Ca)』は、その含まれている食品によって、吸収率に違いがあります。
その観点でいえば、哺乳類、鳥類、魚類の骨には確かに『カルシウム(Ca)』が豊富ですが、吸収率は良くありません。
一方、野菜類や海藻類に含まれる『カルシウム(Ca)』は吸収率が良いといわれているので、それらから摂取することをお勧め致します。

尚、たとえばひじきをお与えになる際は、そのままでは消化が良くないので、細かく刻んだり粉末にしたりするなどの一手間を加えて頂ければと存じます。

〈続く〉

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富山桃吉

 



 
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前回までの本ブログで『ミネラル』の全体像を掴んで頂いたので、ここからは個別の『ミネラル』について書かせて頂こうと存じます。

はじめに、『マクロミネラル』の中でも特に重要なものである、『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』についてです。

ペットフード 90』で、

・ある特定の『ミネラル』だけを摂取しても、効能を期待できる度合いは薄い
・ある特定の『ミネラル』摂取が多すぎる、または少なすぎた場合、ほかの『ミネラル』の吸収に悪影響が出たりする

とお伝えしましたが、正に『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』が、その一面を持っています。

『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』は栄養学的に見ても密接な関連があり、たとえば、『リン(P)』の過剰摂取は『カルシウム(Ca)』の吸収を阻害してしまうといいます。
また、『リン(P)』の摂取量は『カルシウム(Ca)』の摂取量よりも少なくするべきで、そうしないと、それぞれが正常に機能することができないばかりか、犬様・猫様に役立つはずの栄養価が共に減少してしまうので注意が必要です。

であるからして、『カルシウム(Ca)』と『リン(P)』はバランスよく摂取する必要があります。
具体的にいえば。
適正な比率としては、犬様の場合、

『カルシウム(Ca)』:『リン(P)』=1.2〜1.4:1

が理想とされていて、猫様の場合は、

『カルシウム(Ca)』:『リン(P)』=1.0〜1.4:1

が理想だそうです。
その摂取比率に近い食事をすることによって、犬様・猫様の体内の恒常性が保たれる上、体内作用の相乗効果がより期待できます。

もちろん、個体別の発育段階や成長速度に大きく依存しますし、年齢・性別・種類・生活環境・運動量などもそれぞれが違うので一概にはいえませんが、ご参考までにご紹介すれば。
米国飼料検査官協会(AAFCO)が2014年に公表した、犬様における『カルシウム(Ca)』の最少栄養要求量(フード100kcal中に含まれるべき最低量)は、犬様の場合で125mg(成長期・妊娠期・授乳期は300mg)とされています。
それに対して、『リン(P)』の最少栄養要求量(フード100kcal中に含まれるべき最低量)は、100mg(成長期・妊娠期・授乳期は250mg)とされています。

猫様における『カルシウム(Ca)』の最少栄養要求量(フード100kcal中に含まれるべき最低量)は、150mg(成長期・妊娠期・授乳期は250mg)とされています。
それに対して、『リン(P)』の最少栄養要求量(フード100kcal中に含まれるべき最低量)は、125mg(成長期・妊娠期・授乳期は200mg)とされています。

〈続く〉

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富山桃吉



 



 
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犬様・猫様の健全な細胞機能・神経伝達・筋肉収縮・体液の浸透圧バランス調整などの身体構成において、『ミネラル』が重要な栄養素だということは、大雑把ながら、『ペットフード 89』でも既に述べた通りです。

では、その重要な栄養素である『ミネラル』は、犬様・猫様の身体で、どのうように消化・吸収・排出されるのか——
今ブログでは先ず、それについて、簡単に触れていこうと存じます。

前提としまして。
各『ミネラル』の種類により、吸収される場所や仕組みに違いが存在することをご承知おきください。

それを踏まえた上ではありますが、犬様・猫様が摂取した『ミネラル』は、大方、そのままの形で小腸や大腸から吸収されます。
そのあとに、血管内に取り込まれた『ミネラル』は、犬様・猫様の身体の各組織に運ばれます。
そうして、各組織内で、あらゆる有益な働きをしながら消化されるわけです。
その際に余った『ミネラル』分は、随時、腎臓で尿となり排出されますし、肝臓で胆汁となって体外に排出されます。

つぎに綴らせて頂くのは、調理が及ぼす『ミネラル』への影響についてです。

これまでの本ブログで、『ビタミン』類の中には、調理によって破壊されてしまうものがあることをお伝えしました。
(『ビタミン』類それぞれの詳細につきましては、『ペットフード 55』から『ペットフード 80』を参照)

では、『ミネラル』類についてはどうなのかと申しますと——
そのことについては、時折、

「『ミネラル』も『ビタミン』と同様に、調理で破壊されてしまう」

という意見を見聞きすることがあります。
しかしながら、『ビタミン』と『ミネラル』の構造を正しく理解していれば、それは勘違いであると直ぐに気づくはずです。

『ビタミン』類の中には、『ビタミンA(レチノール・カロテン)』(『ペットフード 56』・『ペットフード 57』・『ペットフード 58』参照)や『ビタミンC(アスコルビン酸)』(『ペットフード 79』・『ペットフード 80』)のように、加熱によって分子の結合がほどけてしまうものがあります。

ですが、『ミネラル』において、それは起こり得ません。
根拠はシンプルで、『ミネラル』は元素そのものだからです。

ですので、加熱によって影響を受けることはありません。
放射能を浴びせない限り、『ミネラル』が破壊されることはあり得ないのです。

付け足して申し上げますと。
『ミネラル』は少量摂取でもその効能を期待できるので、調理によっての損失を、盲目的に心配なさる必要はないかと存じます。

おおまかですが、『ミネラル』についての全体像は以上です。

〈続く〉

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