June 20, 2014

感染症プラクティス
72症例で鍛える診断・治療力
プラクティス





献本頂きました。誠にありがとうございます。

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この本(日本語訳)に関するレビューはそれほど多くなく、世間(感染症屋)の間ではどのような評価を受けているのか、気になる所ではあります。私が一言でいうならば、

感染症のコアの症例を集めて解説している本

だと思います。非常にExcitingなケースもあれば、普段からよくコンサルテーションで見かける“Bread & Butter” casesも含まれている。症例をベースに勉強することになるので楽しいです。写真もとても綺麗。私はこの本はアメリカの医学生を対象に書かれたのだと思います。その理由は、病歴や診断から、答えが出た時点でその感染症疾患に関する基本的なレビューが書かれているからです。マネージメントに関してはあっさり。感染症の後期研修医や専門医にはその解説のレベルは物足りないと感じるでしょう。それでも感染症専門医でも楽しく基本を学び直すことができるのは、いいと思います。症例ベースの本は読んでいて充実した気持ちになれるので嬉しい。そういった意味でこの本はお買い得。

医学生のみならず、感染症の診断に関わる救急医プライマリケアの方々にも大変勉強になるのではないでしょうか。感染症を学んでいる人ならば、もう少し深い診断・検査やマネージメントを求めてもいいのかもしれません。

「これ本当?」と思われる箇所が本文や訳注で見受けられるが、細かいことなので気にしても仕方がない。あら探しをするよりも、症例にどっぷり浸かって興奮するような症例を疑似体験してみてください。

med_nyc at 17:51コメント(1)トラックバック(0)感染症小ネタ 

June 18, 2014

僕は病院のコンダクター
 - 日本人ホスピタリスト奮闘記 -
ishiyama








(画像クリックでAmazonへ移動します。)

石山貴章先生はセントルイスの時にお世話になったホスピタリストの先生で、彼が内科のレジデンシー中に書いていたブログをきっかけに知り合うことになったんだと思う。当時から内容の熱いブログであったが、その熱い想いが本になったと言うことで、拝読させていただいた。

彼はセントルイスに研究留学で渡米されている。そして研究中にUSMLEのステップ1、2CK、2CS、3をとって、みごとマッチングでセントルイス内のプログラムに入り込んでいる。今のように学生の時から臨床留学を志してUSMLEも学生の時に受験してよい点数を取っていくタイプの先生とは全く違う。新潟大学にて外科医としてトレーニングをうけるも、「何かが違う」ことに気付き、自分の本当にやりたいことを追求するために、渡米までに築き上げてきたキャリアをすべて捨てて、まっさらな状態で挑戦し、研修医として一からトレーニングを受けている。このありのままの熱い想いが、この本の第1章に綴られている。そのチャレンジ精神は読んでいるこちらの心まで揺さぶってくる。

第2章の「米国臨床修行スタート」では帰国子女でもない石山先生が臨床の現場にでて英語で苦労する姿がわかる。どのようにこうした苦労を乗り越えるのか。彼なりの努力が綴られている。英語に自信のない人でも、努力次第では彼のように立派に内科研修を終えて、ホスピタリストとして働けるのだ。心強い気がする。

この章で極めて大切な言葉が記されているので紹介しよう。

「帰宅前に1時間、勉強しろ」

これはその通りである。彼はMKSAPを選んで勉強して、実際に私も彼の家に訪問した際に勉強の資料を拝見させていただいたことがある。本当に素晴らしい。MKSAPは結構いい値段がする。それでもevidenceで得られた最善の治療等がそのまま標準治療に取り込まれる米国の医療ではこうした知識のアップデートは必要不可欠である。標準治療を実践しないと保険の支払いを断られたりするので、これは厳密にする必要があるのだろう。そうした融通の効かない医療はよくもわるくもアメリカらしい。

その後はホスピタリストとしての仕事ぶり、診断の面白さ、医学教育の重要性等を綴られている。この辺りは、総合診療医を志す若い先生方にぜひ一読していただきたい。日本でいわれている「総合診療」とアメリカの第一線で活躍されている「リアル・ホスピタリスト」の違いを知るのはキャリアプランに役に立つのではないかと思う。無論、アメリカと日本では医療事情が違う所もあり、それぞれの長所・短所も鋭く指摘されている。まぁ、アメリカの医療システムの短所でみんなあげるのは保険制度と医療格差。彼は逆にアメリカの医療システムの「いいね」と思う所を日本に導入するためにはどうしたら良いのかまで綴っている(詳しくは本を買って読んでみてください)。

総合診療医に興味のある方。日本のいわゆる「総合診療医」ってなにか鑑別診断ばかりやって面白くなさそうだよね、と思っている方。病棟医に興味のある方。この本は幅広い視点を持つために、大変参考になるので手に取って読んでみることをお勧めします。

med_nyc at 20:04コメント(0)トラックバック(0)米国臨床留学 

June 13, 2014

気づけば、もう半年以上ブログを更新していません。日本で生活していて、別にこれという物珍しいことに出会わないので、なかなか筆(?)が進まないのです。

さて今日は電子教科書に思うこと。
  • 日本ではまだまだ発展途上である電子教科書の市場。メジャーな日本の医学系教科書が電子化されていないままでいるのは非常にもったいないと思うわけですよ。M2などは頑張ってはくれていますが、なかなかカバーしきれていないので、大手出版社に電子教科書の出版を頑張って欲しいわけです。
  • 米国では、電子教科書が盛んな市場で、クリックひとつで課金、販売することのできる手軽さは評判の良い所です。しかしながらEvidence-Based TextbookのUpToDateやらDynaMedなどにより、成書を読む習慣が薄らいでいることは何とも嘆かわしいことです。
  • 電子教科書は問題はあることはある。
  • Kindle版は、typo(綴りの間違い)がどの教科書もひどく、米国人のレビューをみると「Kindle版は絶対に買うな」という怒りのレビューが殺到。私も数点、Kindle版を持っていますが、まぁtypoがみつかるわ、みつかるわ。でも許せる範囲内なので、業務に支障はありませぬ。
  • Inklingが端末(スマートフォン、タブレット)やPC/Macで閲覧しやすいように表示を大幅に変更して電子教科書を販売しております。これは既に ご存知の方も多いのかと思いますが、なかなか好評の様で、私も早速スマホ(androidのNexus5)にダウンロードして楽しんでおります。
  • ElsevierのExpertConsultにはやられました。新しいweb site(Inklingと提携)へ移行すると言うことで、「古い版の教科書はinklingに対応しないので2014年いっぱいで閲覧できなくなります」と宣言。これはひどい対応で、ユーザーのことをまったく考えてくれてない。仕方がないので、情報をダウンロードしてHTMLに保存(chm形式にもできるのか)。こうしたITのテクニックがないと泣き寝入りをするしかなさそうですね。
  • web basedの電子教科書の欠点は「仕様が変更してみれなくなってしまう可能性」があると言うこと。inklingのように専用のソフトを使って閲覧する電子教科書も、inklingがつぶれないかどうか、ヒヤヒヤしながら使う感じなのでしょうか。inklingは一応、端末にすべてダウンロードできるようなので、つぶれたとしてもしばらくは使えるかもしれませんが。
  • こうしたことから、私が一番安心するのは出版社が嫌う“PDF”なのです。PDFは誰もが自由にまわせてしまうので、出版社は閲覧できる端末を管理することができない。商売が成り立たなくなります。なおかつ、「interactiveな経験ができなくなって、PDFで教科書を読むなんて古い」という言葉に惑わされてしまう方もいらっしゃるでしょう。まぁ、PDFが好きかどうかは個人の好みの問題もあるかもしれませんね。
  • というわけで、私は「自炊派」です。スキャンスナップ最高。ひとつのファイル当たりの重さが尋常でないのはご愛嬌。最新のCPUと大容量のハードディスクを用意しましょう。
  • なお、このブログは相当適当に書いているので、もし間違い等ございましたら是非とも教えてください。最近は間違いや誤解を招く言い回しに敏感になりすぎていて弱気になってしまい実はネタがない以上に「文章が書けない病」にかかってまして、ブログは「文章を書く」リハビリとして使っていきます。




med_nyc at 17:26コメント(0)トラックバック(0)Web Technology 

December 27, 2013

年末、特に出かける予定もないのですが、実験のペースは大幅にスローダウンしてます。ストエビの原稿書きや、ワシントン大学在籍からずっと書いていた臨床研究の論文で忙しかった去年と比べると、ストエビが出版され、書いていた論文が通ったので、この年末はゆっくりとしそうなのと同時に、基礎実験の速度をもう少し上げて早く論文になるデータを出さなければいけない状況です。

さて、大きな仕事が終わったので自分へのご褒美に、今まで使っていたiPhone4から最新のAndroid4.4 (kitkat)搭載のNexus5へ携帯を変えてみました。docomo simでXiを使っています。Nexus5はdocomo LTEのバンド19をつかまないので速度を心配していたのですが、千葉周辺で使用している分には他のLTEのバンドをつかんで全く問題ないし、いままでの3G回線と比べると雲泥の差で正直ビックリしてます。

Nexus5にした時に感じたこと
重量が軽い、サクサク動く。iOSの使用感とあまり変わらない。
使用するアプリはiOSのアプリとあまり変わらない(両方対応が多い)。
スクリーンショットの撮影がKitKatだとまだ標準的にはないのは不便。

Googleのアカウントとひも付けされるのが便利であり、同時に厄介。
 ➡連絡帳はメールいただいた方も含めてすべてを同期してしまう。
  連絡帳の同期をオフにする。
  GoogleのコンタクトからNexus5に載せておきたい連絡先だけをピックアップ
  連絡先をエクスポート、そのファイルを手動でインポート
 ➡Picasaの写真もすべて同期されてしまうので、同期をオフ。
  いったん取り込んでしまった写真の消し方がわかりづからかった。
  「設定」の「アプリ」で「実行中」の隣の「すべて」で「ギャラリー」をタップ
  「データを消去」で解決。「すべて」のタブが隠れているのが難点。
 ➡位置情報のデフォルトが「GPSのみ」。
  設定で「高精度」(モバイルネットワークなど位置情報に使用)にする。

初期設定が終われば、大画面だけど大きさがそこまで気にならないスマホを楽しむことができる。

TwitterのアプリだけはどうしてもGoogle Playではいいものが見つからず。
 ➡結局Falcon Proを使用。
  これは自分の責任でダウンロードしてインストールする。
  しかもインストールしても簡単には使用できないのでひと工夫必要だった。
  それを乗り越えて使用した感じは「非常に優れている!」の一言。

医療系アプリ:「M2+Launcher」で今日の治療薬を使用していたのですが、これはiPhone側でライセンスキーを削除すれば、新しいデバイスにインストール可能なので、購入した分が無駄にならずに活かせるのがよい。iOSで使用頻度の高かった「Johns Hopkins ABX Guide」はまだ入れてないのですが、また購入しなければならないか。「Mediquation Medical Calculator」はandroidでも使用可能。まだ入れてない。

辞書系アプリ:AndroidはPDIC形式の辞書に対応できるアプリ「aDice」があるので、過去の英辞郎のデータを移して利用してみる予定。その他、国語辞典(大辞林もしくは新明解国語辞典)や英和・和英の辞書「ウィズダム」も必要か。

GTD (Getting Things Done)系アプリ:これはiOSにもある「Any.Do」をカレンダーアプリである「Cal」で同期させて使用する組み合わせが非常に優れている。書くのが面倒くさい僕は、「Any.Do」のGoogle音声入力対応ですぐにメモ(To Do)を作れるのが気に入っている。また「ColorNote」というアプリも、起動時の「グリッドビュー」でポストイットに貼ったような状態でTo Doの中身を確認できるので使い勝手がよい。

結論から言うと、思い切って乗り換えてよかったと思う自分がいます。
近々発売されると噂のGoogle Glassでの利用も視野に入れてます。
Appleはこれに対抗しうるだけの商品開発をしているのでしょうか。
 ➡まぁ期待してます。
iTunesで買った音楽が持ち運べないけど、これはiPod nanoやiPadに入れます。
 ➡これは悲しい。。。
しかし、画面の横幅が多少大きくなっただけでこんなに快適になるなんて。
 ➡想像してませんでした。
Xperia Z1やZ1fは最後まで迷った。
 ➡価格が高い、デザインがイマイチ。
 ➡機能面ばかりに目がいってしまう。
 ➡そんなに高機能なカメラは必要なかった。
 ➡防水/防塵はいいな〜
iPhone5sも迷った。
 ➡でもiPhone4で使用しているiOS7とあまり変わらなかった。
 ➡横幅が狭い。価格が高い。
 ➡結局、iPhone4と何が違うのだろうと考えてしまった。



med_nyc at 11:03コメント(0)トラックバック(0)Web Technology 

December 14, 2013

週刊医学界新聞で2年間にわたり連載してきた、「レジデントのためのEvidence Based Clinical Practice」を大幅にパワーアップして書籍化させていただいた本、「内科診療 ストロング・エビデンス」(略してストエビ)がやっと出版されました。

医学書院の紹介ページ
http://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=84412

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・感染症や現在やっている免疫学とはかけ離れた世界なのですが、自分が米国で学んできたことのすべてを凝縮して一冊の本にまとめた感じです。

・中身は実際に米国のベッドサイドにおける回診でディスカッションされている、されるであろう内容をベースに最重要項目を選んで解説しています。

・すべての診療にはしっかりとした裏(エビデンスレベルの高い文献)を取るべきである、もし裏が取れなければ、publish されている範囲内で自分でEBMのステップに従ってclinical decision makingをしなければならない。全く論文がなくて自分が困っていたら、それは臨床研究のいいトピックとなりうる。そんなことを考えながら執筆した本です。

・もちろん、網羅的な本ではありませんし、すべての重要エビデンスが掲載されているわけではない。でも現在の医療って何でもかんでも論文が多すぎてどこからはじめたらいいのかわからなくなることってありませんか?初学者にどの論文から読み始めたらいいのか、どの論文をはずしてはならないのかということを指南しているのが本書だと思います。

・連載終了からけっこう時間が経っていますが、これは中身のパワーアップのために費やした時間です。連載中は字数制限にかなり苦しみました。これが本になると自由度が一気に増していろいろ付け足すことができます。私の意見がかなり入り込んでおり、辛口なコメントがたくさん入ってます。

・早速、亀田メディカルセンターの岡田唯男先生からブログ形式の書評を頂きました。
http://mediamarker.net/u/familydoc/?asin=4260017799

是非とも買ってお楽しみください!
(心からの叫び。。。)



med_nyc at 12:22コメント(0)トラックバック(0)番外編米国臨床留学 

October 09, 2013

気づいたら、最後にブログを書いたのが半年以上前でびっくりした。

この半年間は免疫学における基礎研究が忙しく、また学位を取ることにも集中しなければならなかったので、ブログどころではなかった。また週刊医学界新聞に連載していた一般内科のお話をまとめた本もようやく出版のめどが立ち、恥ずかしながらもそろそろ出させていただく運びとなった。これはこれで忙しく、出版社の方には自分の遅筆のため大変御迷惑をおかけした。

猛省。

さて、10月入学だったので9月に学位も無事取得し楽しい気分で米国感染症学会。。。プラスアルファの学会に行ってきた。プラスアルファというのは、去年からホスピタル・エピデミオロジーの学会と合体して、IDSAという名の学会ではなく、IDWeekという名前に変更になったから。天気の非常によいサンフランシスコ。今回はプレゼンなどもなく、完全にリラックスした状態での参加。

しかし。

この学会、去年から気にはなっていたんだけど、あまりレベルが高くないので得られるものが少ない。なんか、毎年同じ人が同じ内容の講演をしているような錯覚に陥る。私は自分の専門分野であるHIVの新しい情報を入手したくて学会に参加しているのですが、これがまぁさっぱり。新鮮さに欠けるわけです。いつものHIVの大御所がぜんぜん見当たらない。。。Cutting Edgeな情報がぜんぜんないことはわかった。今、hot topicになっていることに一切触れられていなかったから。

その他の分野の講演も目新しさがなく、「おぉ?」と思うようなデータは"Presented at ICAAC"なんて言っているわけです。なんだか、昔と比べてこの学会で感染症に対するわくわくするような思いが出てこない。

感染症の分野でmicrobiologistや新しい治療などはICAACに出たほうがcutting edgeな情報を得られる。HIVに関してだったらCROIの方がいい。実際、私の共同研究者は一人もIDWeekに出席せず。さびしい。CROIには必ず誰かは出るんだろうな、と思います。IDWeekはもう同窓会的な意味合いしかなくなってきているな、と感じます。ネットワーキングで人とつながるのもIDWeekの特徴かもしれない。

なんだか、ホスピタル・エピデミオロジーの人は楽しそうだ。そうか、彼らはこの学会は活躍の場なのかもしれない。もちろん、SHEAという学会はありますが、参加人数はIDWeekのほうが多いのかな?詳しくはわからないけれどもこちらの学会で積極的に発表している。なんだかうらやましい。

そんな感じで1週間の滞在はあっという間に過ぎ去ったのでした。これからは出る学会も選ばないといけないな、と思ったわけです。さて、これからも頑張りますか。

med_nyc at 20:28コメント(1)トラックバック(0) 

January 10, 2013

少々遅れましたが、明けましておめでとうございます。

本年もこのブログは気が向いた時にちょこちょこ、っと書いていきます。クリスマスから年明けまでは日本におらず、現在は時差ぼけで苦しんでおります。年始の挨拶が遅れている言い訳です。

昨日はNプログラムの新年会ということで参加してきました。
ただ、純粋にNプログラム関係者だけではなくゲストもいらしております。

参加者の中で学生は私、ただ一人。出席された方の中には、「学位なんぞいらん」とばっさり言い切ってしまう先生もいらっしゃいます。基礎研究を中心にやっている私としては肩身が非常に狭い。

あまりNプログラムのことを存じない先生もいらしており、私の留学していた大学などを説明差し上げると「君は研究で留学していたのかね」と言われてしまう次第。なんだかトンチンカンなやり取りが繰り広げられておりました。

学位に関して
確かに臨床医になるだけならば、まったく必要ないでしょう。日本の病院では昇進などに関ってくるため多くの方が希望せずとも仕方がなく学位を取得されるのではないかと思います。実際に基礎研究をして卒業した後にまったく研究しなくなるのは非常に無駄。継続的に研究したい人に投資すべきだと思います。

残念ながらこのようなケースが多いために、学位取得に関して「足の裏の米粒、取らないと気持ち悪いし、取っても食えない」などと揶揄されるのではないかと思います。

私の場合、将来的にアカデミックな施設で研究と教育に携わりたいと考えておりますので、自ら希望して現在の研究生活を送らせていただいております。まず教授と指導教官には「別に学位なんぞ取らなくてもよいと思っているが、免疫学と基礎研究をしっかりと勉強して自分がやったことに関してはどんな形でもよいのできちんと論文にまとめることが目標」、と言っております。まぁ、論文が出れば普通は学位が取れるらしいので、結局は考え方は違っても目標は同じ。そんなわけでがんばっております。

これはたまたま偶然なのですが、自分の研究のテーマが自分の感染症における専門分野のホットトピックとちょうど合致しており、やっていてえらい楽しいわけです。しかも、この1年半ほどで、臨床系の大学院では絶対に身につかないと思うような知識や実験手技を身につけることができており、基礎の教室で研究していて本当によかったと思います。また医局には属していないので、私は自由人のままです。卒後はどこに行こうとも、お咎め一切なしです。


Nプログラムの会に関して
東京海上のプログラムで臨床留学された先生方の集まりを、「セカイイチ・クラブ」と称されています。これはパイオニアとなる先生が渡米されたばかりの頃に英語で大変苦労されてインターンされている時に、ある日電話を取ったら "Are you セカイイチ?" と聞かれて何のことだかわからず。「俺は世界一なのか?」と自問自答している中でセカイイチが"Psychiatry"であることに気づく、という笑い話がつぼにはまって、この会の名前にされたという経緯があるようです。

こういった内輪の話を書くのもどうかと思いますが、名前を聞いたことがあるかもいらっしゃるかと思いますし、その方に「Nプログラムは自分たちが世界一だと思っているのか」と思われるのも困りますので、新春のネタとして一応書いてみました。もちろん「世界一」を自負されてる方も、それはそれで構わないのではないかと思います。

さて、今年も宜しくお願いいたします。


med_nyc at 23:54コメント(1)トラックバック(0)番外編 

December 09, 2012

12月になると世間一般的に何となく1年を振り返る様なムードになります。

私の1年間は?

まぁ、研究が忙しいということもありますが、これを口実に色々さぼってしまった気がしてなりません。10月中旬にあったIDSA(米国感染症学会)の時に咽頭炎から気管支炎を発症して、2ヶ月近く咳が出ていて今でもタバコの煙などに曝露されると咳き込むという状態なのですが、これを口実にここ2ヶ月間ジムに行ってません。とほほ。

渡米前に作成したスーツのパンツのウェスト出しを6cm(!)しましたが、結局まだ入りきらずにスーツにはその役目を終えて頂くことにしました。合掌。

さて、本題です。
「継続して何かをやる」ということをマルチタスクでやろうとすると破綻してしまう。
いつもフォローしているライフハッカーさんのページでJerry Seinfeldの生産性を高めるコツが紹介されていたので、これを実践してみることにします。

もとはiPhoneアプリの紹介の記事から。
http://www.lifehacker.jp/2012/12/121205goodhabits.html

この“Good Habits”を起動するとまず出てくるのは
Don't Break the Chain

何のことかと思ったら、元の記事はこれ。
http://www.lifehacker.jp/2010/11/101121habits-calendar.html
簡単に言うと、何かを習慣づけるために実際にやったことをカレンダーに印を付けていく。
その印が途切れることがないように頑張る、という単純だけどわかりやすいもの。
印を途切れさせないために“DON'T BREAK THE CHAIN”と言っているわけです。

早速実践してみようかと思います。やることが山積みなので、仕事が習慣づけばいい。
ちなみに、これは印が途切れても何とも思わない性格の方にはワークしないでしょう。
私のように印が埋まっていないと気持ち悪い、という性格では結構効いてくると思うのですが。


med_nyc at 15:02コメント(0)トラックバック(0)Web Technology番外編 

December 07, 2012

最期にブログを更新したのが8月なのでもう4ヶ月くらい放置してしまいました。Twitterでこまめにつぶやいていると、なんだかまとまった文章が書きにくいのです。

それはさておき、最近はどっぷりと基礎研究に浸かってしまい、なかなか暇な時間を作ることが出来ていなかったのも事実です。12月5日〜7日は免疫学会で神戸に行ってたのですが、そのoral presentationで使用したスライドの実験のひとつの結果は前日にまとまるという、ドタバタ振り。実験しながら、外来・当直を合間に入れて、さらに臨床系の依頼原稿やかなりbehindになっている連載のまとめを進める作業をしています。

学会発表が終わって、少々ゆとりが出てきました。今日は神戸から帰ってきて、千葉県の医療過疎地域の病院にて当直中。。。

免疫学会に参加して、思うこと。

「HIVのワクチンはまだ見えてこない」

Nature、Scienceなどメジャーな雑誌にここ1〜2年の間にBroadly Neutralizing Antibodyの話が出ています。ここでは詳細に書きませんが、広範囲に結合してくれるので、そのままHIVに効いてくれるのかな?と期待させてくれるものでした。しかし、そんなに甘くはないですね。HIVは抗体結合に対して変異で対応、広範囲中和抗体を見事にかわしてしまいます。5種類の抗体を組み合わせて使用したら、ウィルスを抑制することが出来たと言いますが、これだけの種類の抗体を摂取して免疫応答を獲得する様なシステムは、まだ先が見えてこないです。こうした実験にはヒト化マウスが役に立っています。マウスにHIVを感染して実験できるモデルが出来るのは素晴らしいことですね。

そもその抗原特異的に抗体産生を作るシステムが、受動的である以上、なかなか難しいわけで。まぁさらに突っ込むと、実は抗原特異的な抗体産生のメカニズムというのは実はわかっているようで全然わかっていないということも、免疫学を学ぶものとして、理解してきました。免疫記憶の概念はどんどん新しい知見とともに変化してきて、自分が医学生の頃に学んだ免疫学なんて昔話みたいで笑ってしまいます。


med_nyc at 21:51コメント(0)トラックバック(0) 

August 15, 2012

実は7月の下旬は免疫学会が主催する免疫サマースクールというものに参加してきました。

恥ずかしながら、最年長。
ばれないように一生懸命若い格好してましたが、、、
同じ部屋の大学院修士の学生に「バレバレですよ」と突っ込まれたり。
トホホ、という感じです。
一部屋に6人で泊まる、という合宿みたいなのは久しぶり!

しかしながら、内容は最高で、参加してきてよかったと思いました。
主に免疫の世界で活躍された偉人の講演が続く、という感じで圧巻。

例えば、IL-6を発見して、抗IL-6抗体を臨床応用までこぎ着けた岸本先生。
腫瘍に対する免疫療法で効果を示している抗PD-1抗体で有名なPD-1の本庶先生。
本庶先生はもうひとつAIDという二次抗体多様化のマスター制御因子を発見されてます。
NKT細胞の発見者の谷口先生。肺癌に対する免疫療法の臨床試験を行っています。
Regulatory T cellの発見者の坂口先生。
などなど、他にも多数。

このような先生方と夜遅くまで飲んだりして、話を聞き、交流する機会を得る。
参加した学生はモチベーションも高く、お互いにいい刺激になったりして本当に良かったです。

感染免疫をされている方が少なくてビックリします。
感染免疫と言って、寄生虫を持ってこられてもなぁ。

熊本大学はHIVの基礎研究を持ってきて下さるので、いつも楽しいです。
臨床、臨床研究の視点から、どの基礎研究が重要か、と考えたりするのが楽しい。

今後もますます頑張ろうと思うのでした。


med_nyc at 05:03コメント(0)トラックバック(0) 
Doktor_Dyper
About me

2004年
USMLEすべての試験をクリア
2005年〜2008年
Internal Medicine Resident
2008年〜2011年
Infectious Disease Fellow
2011年〜
大学院で基礎研究

お問い合わせは下記メールまで:
med.NewYork@gmail.com
Twitter: http://twitter.com/Doktor_Dyper
ミクシィ: Doktor_Dyper's mixi

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