November 20, 2009
臨床研究というのは本来、臨床からの疑問を解決するために存在すると思っています。既に疑問がたくさんある分野に関しては、やる事もたくさんあるので臨床医以外でもアイディアを出して、研究する事ができる。しかし、何かアイディアを捻出しなければならない場合はどうでしょうか?
現在一緒の研究グループで働いているMPH,PhDの研究者(Non-MD)がいるのですが、この人が臨床研究のプロトコールを練る際に、臨床医として何か疑問を解決したい、なにかの傾向などを証明したい(Descriptive Epidemiology)などではなく、研究のための研究になってしまっていることに気付きました。
何を持ってそのアイディアが重要かは、学会で大きく取り扱われていたり、他の研究者と話していて特定の分野の重要性に気付かされたり。そのように臨床医の視点とは違った所から研究のプロトコールを練ろうとしているわけです。
数年前から続いているLongitudinal Studyのプロトコールに目を通していて、はっきりどうでも臨床医の立場からはどうでもいい事のデータを抽出しており、同じ分野でどう考えても臨床的に重要な項目を見事にはずしている点に気付いてしまいました。このスタディは様々な臨床データを抽出しているのですが、臨床的にはNon-Relevantな結果しかえられない、なんだかポイントをはずしたようなデータ・セットになってしまっていました。まぁ確かに一見面白そうではあるのですが、結果が出た所で「ふーん、そうなんだ。面白いね。それで?」と言われてしまいそうな内容です。
一通りのデータ抽出が終わり、解析していて何も面白い結果が出てこない。論文としてアクセプトされそうな結果が得られない。
数年単位のレベルでのスタディなだけに、正直臨床研究の怖さを目の当たりにしました。投資した時間と金が殆ど無駄。。。
やはりそれなりに先を見通すことのできるボスの存在が必要です。残念ながらそのようなボスがスタディを開始した時点でいなかったため、この医師ではない研究者が指揮をとってスタディを開始してしまったようです。大まかにみると、確かに色々データを取っているので何かPublishableなものが出てきそうですが、、、何も出ない!
僕はこのデータセットを与えられた。
Data Miningで色々解析して臨床医の興味をひきそうなデータを抽出しようと最近は色々な角度から統計解析ソフトを使ってこのデータセットを研究しています。ちょっとデータを付け足せば、普段、臨床の現場で疑問に思っていることのいくつかの疑問に答えるような研究結果が得られそうです。実はもう有意差のあるデータ解析の結果も出してある。
しかし、研究グループのMeetingでこの事を述べるのは、少々ほとぼりが冷めてからです。このPhD, MPHの人は数年かけて温めてきたデータセットで何も面白い結果が出なかった事に関して感情的になっているから。自分のアイディアを明かすような真似は絶対にしません。
その場その場のつけ焼刃的な、研究のための研究は役に立たない。やはり知識が豊富で先を見通せるようなボスがいるような研究室で働く事は大変重要です。
人事ながら、研究のデザインやプロトコールの重要性を再認識させられました。うーん、臨床研究は難しい。まぁ、何よりもボスが重要ですよね。
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すぐれたジェネラリストを目指す教科書25選!
現在一緒の研究グループで働いているMPH,PhDの研究者(Non-MD)がいるのですが、この人が臨床研究のプロトコールを練る際に、臨床医として何か疑問を解決したい、なにかの傾向などを証明したい(Descriptive Epidemiology)などではなく、研究のための研究になってしまっていることに気付きました。
何を持ってそのアイディアが重要かは、学会で大きく取り扱われていたり、他の研究者と話していて特定の分野の重要性に気付かされたり。そのように臨床医の視点とは違った所から研究のプロトコールを練ろうとしているわけです。
数年前から続いているLongitudinal Studyのプロトコールに目を通していて、はっきりどうでも臨床医の立場からはどうでもいい事のデータを抽出しており、同じ分野でどう考えても臨床的に重要な項目を見事にはずしている点に気付いてしまいました。このスタディは様々な臨床データを抽出しているのですが、臨床的にはNon-Relevantな結果しかえられない、なんだかポイントをはずしたようなデータ・セットになってしまっていました。まぁ確かに一見面白そうではあるのですが、結果が出た所で「ふーん、そうなんだ。面白いね。それで?」と言われてしまいそうな内容です。
一通りのデータ抽出が終わり、解析していて何も面白い結果が出てこない。論文としてアクセプトされそうな結果が得られない。
数年単位のレベルでのスタディなだけに、正直臨床研究の怖さを目の当たりにしました。投資した時間と金が殆ど無駄。。。
やはりそれなりに先を見通すことのできるボスの存在が必要です。残念ながらそのようなボスがスタディを開始した時点でいなかったため、この医師ではない研究者が指揮をとってスタディを開始してしまったようです。大まかにみると、確かに色々データを取っているので何かPublishableなものが出てきそうですが、、、何も出ない!
僕はこのデータセットを与えられた。
Data Miningで色々解析して臨床医の興味をひきそうなデータを抽出しようと最近は色々な角度から統計解析ソフトを使ってこのデータセットを研究しています。ちょっとデータを付け足せば、普段、臨床の現場で疑問に思っていることのいくつかの疑問に答えるような研究結果が得られそうです。実はもう有意差のあるデータ解析の結果も出してある。
しかし、研究グループのMeetingでこの事を述べるのは、少々ほとぼりが冷めてからです。このPhD, MPHの人は数年かけて温めてきたデータセットで何も面白い結果が出なかった事に関して感情的になっているから。自分のアイディアを明かすような真似は絶対にしません。
その場その場のつけ焼刃的な、研究のための研究は役に立たない。やはり知識が豊富で先を見通せるようなボスがいるような研究室で働く事は大変重要です。
人事ながら、研究のデザインやプロトコールの重要性を再認識させられました。うーん、臨床研究は難しい。まぁ、何よりもボスが重要ですよね。
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すぐれたジェネラリストを目指す教科書25選!November 18, 2009
Researchをしていて、夕方6時頃になるとOfficeにはほとんど人がいません。夕方7時になると、みんな帰宅して電灯も消えて辺りは真っ暗です。7時くらいにたまたま遅くまでラウンドしていた指導医に会うと、「こんな遅くまでどうしたの?」と心配されます。
アメリカ生活が長くなると、夕方は早めに切り上げて家族と一緒に時間を過ごそう、というのが当たり前のように思えてしまう。その分、朝が早いのですが。
僕は最近Wash Uに来ている日本人の研究者の方とよくお話をする。PhDのポスドクの方々の頑張りは本当にすごい。夜遅くまでよく頑張って実験しているし、土日も必ずラボに出てきちんと実験をこなしていく。そしてメジャーな雑誌に論文を掲載していく姿をみて、なんだか自分とはかなり次元の違う方々だと思って、自分は劣等感に包まれます。
臨床一筋でやってきた自分は、研究はまだまだ赤ちゃん同然であることは承知していますが、なんだか悔しい。正直な話、自分も何かを「変える」ことのできる力を見せたい。そんなAmbitionだけはあります。
確かにやることの違い、責任感などは研究者の方とは少々意味合いが違います。単純には比較できない。
自分はいい意味でも悪い意味でもアメリカナイズされていることを感じました。でもアメリカの悪いところは極力捨てて、日本流のいい所は積極的に取り入れていかないと、何か違いを起こせる人になれないな、と思うのです。
時間もない。何か結果を出したい。セントルイスという街で黙々と頑張る研究者を見習って、自分も一生懸命何か結果が出るように頑張りたいです。
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すぐれたジェネラリストを目指す教科書25選!
アメリカ生活が長くなると、夕方は早めに切り上げて家族と一緒に時間を過ごそう、というのが当たり前のように思えてしまう。その分、朝が早いのですが。
僕は最近Wash Uに来ている日本人の研究者の方とよくお話をする。PhDのポスドクの方々の頑張りは本当にすごい。夜遅くまでよく頑張って実験しているし、土日も必ずラボに出てきちんと実験をこなしていく。そしてメジャーな雑誌に論文を掲載していく姿をみて、なんだか自分とはかなり次元の違う方々だと思って、自分は劣等感に包まれます。
臨床一筋でやってきた自分は、研究はまだまだ赤ちゃん同然であることは承知していますが、なんだか悔しい。正直な話、自分も何かを「変える」ことのできる力を見せたい。そんなAmbitionだけはあります。
確かにやることの違い、責任感などは研究者の方とは少々意味合いが違います。単純には比較できない。
自分はいい意味でも悪い意味でもアメリカナイズされていることを感じました。でもアメリカの悪いところは極力捨てて、日本流のいい所は積極的に取り入れていかないと、何か違いを起こせる人になれないな、と思うのです。
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すぐれたジェネラリストを目指す教科書25選!November 16, 2009
昔、友人に移動図書館と馬鹿にされました。それ程教科書を持っていたわけです。New YorkからSt.Louisへ移動する時にかなり捨てました。
最近は情報検索がすべてインターネット・ベースになったので昔の教科書を読む機会が全くありません。今でも学生の頃に購入した標準シリーズをはじめとする教科書を大切に取っています。
しかし気付いたのですがこの10年間で医学の進歩はすごい。1995〜2001年の頃の教科書なんてはっきり言ってまったく役に立たないということを悟りました。特に基礎医学の教科書はダメですね。臨床の教科書も多くの本は全く使えないものになっています。Gray's Anatomyだけは芸術的価値があると思うくらい中身が綺麗な教科書なのでこれは一生大切に保存しますが。購入した当時は結構値段が高かったので、いざ捨てるとなると勇気が必要ですが、まぁ今度潔く捨てることにしましょう。古いマンデルを捨てるのも相当な勇気が必要ですが、古い知識は邪魔になるだけなので、センチメンタルにならずに捨てることが大切なのかもしれないと思います。(必要なものは必要なので選択することが重要。)
MD ConsultやOVIDにアクセスがあるだけで相当な数の教科書をオンラインで見れる。必要なのは紙でも見れるようにレーザープリンター。内科の教科書のハリソンも電子バージョンを使用していて必要に応じてじゃんじゃん印刷しています。
それにしても、ものが少ない生活は素晴らしい。
日本語の教科書も電子化されるのが一般的になればいいのですが、、、ただ、これをすると出版業界がシビアな環境に立たされると思うので積極的に進めるかどうかは難しいところですね。
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最近は情報検索がすべてインターネット・ベースになったので昔の教科書を読む機会が全くありません。今でも学生の頃に購入した標準シリーズをはじめとする教科書を大切に取っています。
しかし気付いたのですがこの10年間で医学の進歩はすごい。1995〜2001年の頃の教科書なんてはっきり言ってまったく役に立たないということを悟りました。特に基礎医学の教科書はダメですね。臨床の教科書も多くの本は全く使えないものになっています。Gray's Anatomyだけは芸術的価値があると思うくらい中身が綺麗な教科書なのでこれは一生大切に保存しますが。購入した当時は結構値段が高かったので、いざ捨てるとなると勇気が必要ですが、まぁ今度潔く捨てることにしましょう。古いマンデルを捨てるのも相当な勇気が必要ですが、古い知識は邪魔になるだけなので、センチメンタルにならずに捨てることが大切なのかもしれないと思います。(必要なものは必要なので選択することが重要。)
MD ConsultやOVIDにアクセスがあるだけで相当な数の教科書をオンラインで見れる。必要なのは紙でも見れるようにレーザープリンター。内科の教科書のハリソンも電子バージョンを使用していて必要に応じてじゃんじゃん印刷しています。
それにしても、ものが少ない生活は素晴らしい。
日本語の教科書も電子化されるのが一般的になればいいのですが、、、ただ、これをすると出版業界がシビアな環境に立たされると思うので積極的に進めるかどうかは難しいところですね。
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すぐれたジェネラリストを目指す教科書25選!Clinical Fellow 中にMaster of Science in Clinical Investigation を取得されている日本人の先生もいらっしゃると思いますが、うちのDivisionではFellowをしている間にPublicationを出す方を重要視している。すなわち肩書きだけついて欲しくない、ということでFellowがこのMaster's Courseを取ることは原則認めていません。Fellowが終わった後にFacultyとして残る場合に取得を勧めるようです。こうしたことはFellowにアプライする時の条件として確認しておいた方がいいでしょう。
まぁ確かに肩書きだけついても仕方がないし、実際肩書きだけついて中身が伴わない人も多いので、このDivisionの方針についていくしかなさそうです。肩書きだけのMPH(Master of Public Health)も同じ理由であまり意味がないと思う。
ただし、あまりにもClinical Researchをやる上で知識がないと支障が出ますので、今の自分はMaster of Science in Clinical Investigationの中のコースから自分に必要なものを選択して週に1回、自分のリサーチに影響が出ない程度に勉強しています。
具体的には医療統計・SPSSの使い方の教室です。多くの学生に混じって講義を受けたり、宿題を提出したり、中間テスト・期末テストの準備をしたりしています。これ自体は非常に実践的で、自分の持っているデータセットにすぐに応用できる。統計学の概念的なところからそれを実際にどのように応用するのかを説明してくれるし、実際のSPSSを使用しながらの講義なので実践的である所が気に入っています。
日本にいてこのような講義を受けられるような機会はあるのでしょうか?すくなくともアメリカではTop Medical Schoolでこうした講義を受けさせて、Clinical Investigatorを育成しようと真剣です。これはこうした育成に対する投資をしているという点が素晴らしい。日本ではなかなかこうしたお金の使い方はできないのではないかと思います。
こうしたインフラの整備などを考えると日本におけるリサーチの環境は米国と比べてあまりにも差がありすぎることがわかります。この差を縮めるためには国家戦略としてClinical Researchの重要性を認識して投資しなければならないと思うのですが、日の目をみるのはまだまだ遠いのかもしれません。その試みは始まったばかりです。
すくなくとも今の自分はClinical Researchの実践的な方法を学んでもそれを生かす土俵が日本にないことを危惧しています。その環境の中で自分自身をきちんと適応させる心の準備を今のうちからしておかないと。
Clinical Research Sites—The Underappreciated Component of the Clinical Research System
JAMA, November 11, 2009; 302: 2025 - 2027.
Clinical Research Site (CRS)という考え方でリサーチ・センターを拠点化して効率よくエビデンスを構築していくのが重要なのではないでしょうか。こうした試みが日本でもうまく行くといいのですが、すばらくは様子を見守ろうかと思います。
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まぁ確かに肩書きだけついても仕方がないし、実際肩書きだけついて中身が伴わない人も多いので、このDivisionの方針についていくしかなさそうです。肩書きだけのMPH(Master of Public Health)も同じ理由であまり意味がないと思う。
ただし、あまりにもClinical Researchをやる上で知識がないと支障が出ますので、今の自分はMaster of Science in Clinical Investigationの中のコースから自分に必要なものを選択して週に1回、自分のリサーチに影響が出ない程度に勉強しています。
具体的には医療統計・SPSSの使い方の教室です。多くの学生に混じって講義を受けたり、宿題を提出したり、中間テスト・期末テストの準備をしたりしています。これ自体は非常に実践的で、自分の持っているデータセットにすぐに応用できる。統計学の概念的なところからそれを実際にどのように応用するのかを説明してくれるし、実際のSPSSを使用しながらの講義なので実践的である所が気に入っています。
日本にいてこのような講義を受けられるような機会はあるのでしょうか?すくなくともアメリカではTop Medical Schoolでこうした講義を受けさせて、Clinical Investigatorを育成しようと真剣です。これはこうした育成に対する投資をしているという点が素晴らしい。日本ではなかなかこうしたお金の使い方はできないのではないかと思います。
こうしたインフラの整備などを考えると日本におけるリサーチの環境は米国と比べてあまりにも差がありすぎることがわかります。この差を縮めるためには国家戦略としてClinical Researchの重要性を認識して投資しなければならないと思うのですが、日の目をみるのはまだまだ遠いのかもしれません。その試みは始まったばかりです。
すくなくとも今の自分はClinical Researchの実践的な方法を学んでもそれを生かす土俵が日本にないことを危惧しています。その環境の中で自分自身をきちんと適応させる心の準備を今のうちからしておかないと。
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JAMA, November 11, 2009; 302: 2025 - 2027.
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すぐれたジェネラリストを目指す教科書25選!November 12, 2009
MRSAの感染症に関してはみんな四苦八苦という所でしょうか。
僕は特にバンコマイシンの使いづらさに嫌気がさしています。まぁ、これがスタンダードな抗菌薬ですので使いにくくても頑張って使い続けなければならないのですが、、、
使いづらさは以下の通り
1.VISA(Vancomycin Intermediate Staph Aureus)でバンコマイシンに対するMICが2のMRSAが増えてきてしまい、バンコマイシンが効かない症例が増えてきていること。
2.バンコマイシンの血中濃度を治療域に合わせるのが難しい。僕のプログラムではバンコマイシンのトラフを15-25に設定していましたが、投与の難しさにより、家に帰してHome IV Antibioticsを行う時に投与量や間隔を間違えてしまうのかはわかりませんが、異常高値で腎不全を呈して入院する例がしばしば見られた。それでバンコマイシンの血中トラフ値を15-20とした。
3.若年者で腎機能が良好な患者は目標治療域に到達するのはほぼ不可能なんじゃないかという絶望感。
他のMRSAの治療薬は一長一短ありますが、バンコマイシンよりかはマシです。
リネゾリド
1日2回だけど、用量をあわせなくても良い。キレは良好。
ただし血小板減少などの理由より2週間以上使用できない欠点が。
それでもMRSAに対する肺炎には著効。
しかもBioavailabilityがよいので経口抗菌薬にスイッチできる。
ただ、長く使い続けると不可逆性のNeuropathyが起こるので要注意!
ダプトマイシン
1日1回投与の濃度依存型MRSA/VRE抗菌薬。非常に使いやすい、副作用も少ない。横紋筋融解症は副作用として重要だがその頻度は米国で使用している分には少ない気がする。(まぁ、結構見かけますがその分沢山使っていますので。。。)ただし耐性獲得が非常に早いので乱用は絶対にしてはいけない。透析の後に投与することもできるので、人工透析中の患者には新たなラインを確保しなくてもOKな点は非常に使用しやすい。(その際の用量は6mg/kg,6mg/kg,8mg/kgとしています。)
この抗菌薬は日本ではまだ使用できないのですが、非常に便利な抗菌薬ですので一回使用し始めたらきっと多くの方がヤミツキになるでしょう。Antibiotics Stewardshipが始まらないと日本ではあっという間に耐性菌だらけになってしまいそうです。
この度、新しい薬がFDAにより認可されました。
Telavancin (テラバンシン)
テラバンシンはcomplicated skin and skin structure infections (cSSSI)に対する治療にFDAから9月11日に認可されました。テラバンシンはバンコマイシン同様、細胞壁合成障害をきたすのと同時に膜の脱分極を起こす2重のメカニズムによる抗菌薬です。
ラボでもTelavancinに耐性のStaph aureusを作成することはできなかったと、臨床微生物検査のFellowが言ってました。。。(裏取ってません)
今後適応をHospital Acquired Pneumoniaにも広げるように申請しているようです。ダプトマイシンが肺炎に使用できないのでこのような抗菌薬があれば便利かもしれませんね。Bactericidalで濃度依存型の抗菌薬。1日1回の投与で10mg/Kg が用量。半減期は約8時間で副作用としては消化管症状(嘔気など)、軽度のQT延長、血清クレアチニン値の上昇など。
今後どのような活躍をするのか楽しみです。誰かが「TelavancinのMICは測ってくれるのか?」という質問をしていました。新しい抗菌薬で臨床データが揃っていない段階でこの質問の意味のなさを理解できますか?
"How do you want to use the MIC?"
その他、まだ認可はされていないけれども、Dalbavancinは1週間に1回の投与。骨髄炎の治療など抗菌薬の長期投与が必要な患者の治療には非常に魅力的な抗菌薬です。Oritavancinというのも同じクラスであります。これらの薬はまだ試験中ですので市場に出回るかは不明ですが。
Ceftobiproleはずっと出る出ると言われていてまだ出てこない第5世代セフェム系抗菌薬です。緑膿菌にもMRSAにも効くのだからすごいですよね。どのような役割の抗菌薬になるかは不明ですが、早く発売して欲しいものです。
【参考】Stryjewski ME, Corey GR. New treatments for methicillin-resistant Staphylococcus aureus. Curr Opin Crit Care. 2009;15(5):403-412.[PMID: 19561492]
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僕は特にバンコマイシンの使いづらさに嫌気がさしています。まぁ、これがスタンダードな抗菌薬ですので使いにくくても頑張って使い続けなければならないのですが、、、
使いづらさは以下の通り
1.VISA(Vancomycin Intermediate Staph Aureus)でバンコマイシンに対するMICが2のMRSAが増えてきてしまい、バンコマイシンが効かない症例が増えてきていること。
2.バンコマイシンの血中濃度を治療域に合わせるのが難しい。僕のプログラムではバンコマイシンのトラフを15-25に設定していましたが、投与の難しさにより、家に帰してHome IV Antibioticsを行う時に投与量や間隔を間違えてしまうのかはわかりませんが、異常高値で腎不全を呈して入院する例がしばしば見られた。それでバンコマイシンの血中トラフ値を15-20とした。
3.若年者で腎機能が良好な患者は目標治療域に到達するのはほぼ不可能なんじゃないかという絶望感。
他のMRSAの治療薬は一長一短ありますが、バンコマイシンよりかはマシです。
リネゾリド
1日2回だけど、用量をあわせなくても良い。キレは良好。
ただし血小板減少などの理由より2週間以上使用できない欠点が。
それでもMRSAに対する肺炎には著効。
しかもBioavailabilityがよいので経口抗菌薬にスイッチできる。
ただ、長く使い続けると不可逆性のNeuropathyが起こるので要注意!
ダプトマイシン
1日1回投与の濃度依存型MRSA/VRE抗菌薬。非常に使いやすい、副作用も少ない。横紋筋融解症は副作用として重要だがその頻度は米国で使用している分には少ない気がする。(まぁ、結構見かけますがその分沢山使っていますので。。。)ただし耐性獲得が非常に早いので乱用は絶対にしてはいけない。透析の後に投与することもできるので、人工透析中の患者には新たなラインを確保しなくてもOKな点は非常に使用しやすい。(その際の用量は6mg/kg,6mg/kg,8mg/kgとしています。)
この抗菌薬は日本ではまだ使用できないのですが、非常に便利な抗菌薬ですので一回使用し始めたらきっと多くの方がヤミツキになるでしょう。Antibiotics Stewardshipが始まらないと日本ではあっという間に耐性菌だらけになってしまいそうです。
この度、新しい薬がFDAにより認可されました。
Telavancin (テラバンシン)
テラバンシンはcomplicated skin and skin structure infections (cSSSI)に対する治療にFDAから9月11日に認可されました。テラバンシンはバンコマイシン同様、細胞壁合成障害をきたすのと同時に膜の脱分極を起こす2重のメカニズムによる抗菌薬です。
ラボでもTelavancinに耐性のStaph aureusを作成することはできなかったと、臨床微生物検査のFellowが言ってました。。。(裏取ってません)
今後適応をHospital Acquired Pneumoniaにも広げるように申請しているようです。ダプトマイシンが肺炎に使用できないのでこのような抗菌薬があれば便利かもしれませんね。Bactericidalで濃度依存型の抗菌薬。1日1回の投与で10mg/Kg が用量。半減期は約8時間で副作用としては消化管症状(嘔気など)、軽度のQT延長、血清クレアチニン値の上昇など。
今後どのような活躍をするのか楽しみです。誰かが「TelavancinのMICは測ってくれるのか?」という質問をしていました。新しい抗菌薬で臨床データが揃っていない段階でこの質問の意味のなさを理解できますか?
"How do you want to use the MIC?"
その他、まだ認可はされていないけれども、Dalbavancinは1週間に1回の投与。骨髄炎の治療など抗菌薬の長期投与が必要な患者の治療には非常に魅力的な抗菌薬です。Oritavancinというのも同じクラスであります。これらの薬はまだ試験中ですので市場に出回るかは不明ですが。
Ceftobiproleはずっと出る出ると言われていてまだ出てこない第5世代セフェム系抗菌薬です。緑膿菌にもMRSAにも効くのだからすごいですよね。どのような役割の抗菌薬になるかは不明ですが、早く発売して欲しいものです。
【参考】Stryjewski ME, Corey GR. New treatments for methicillin-resistant Staphylococcus aureus. Curr Opin Crit Care. 2009;15(5):403-412.[PMID: 19561492]
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すぐれたジェネラリストを目指す教科書25選!November 11, 2009
Washington Univeristy in St.Louis にいて素晴らしいと思うのは世界中から著明な研究者などを招いて講演があることです。日本人の方がいらした時には積極的に出てみたいと思います。わざわざセントルイスまで足を運んで頂いて感謝です。
さて、Wash U のSocial Workは実は全米のランクが1位です。Social Workの勉強に日本から留学にいらしている方も何人か出会いました。今日はMedical Campusを離れて、普段は行かないDanforth CampusにあるSchool of Public Healthで行われた講演を聴きに行きました。
池上直己先生は医師・医療経済学者でいらっしゃいます。現在は慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室教授。今日は“Global Health Care Reform- Experience and Lessons from Japan” というテーマで1時間強お話されました。
Health Care Reformは米国ではかなり注目を集めています。
特にオバマ政権になってからは、何とか健康保険の改善を目指して頑張っているのですが様々な障害がありうまくは行っていません。
ちょうど今のNew England Journal of MedicineもOn Line OnlyのPerspectiveで“The American Public and the Next Phase of the Health Care Reform Debate”というのを取り上げていますね。
そのような中、日本のような皆保険で健康格差を少なくしている国から学ぶべき所は多いとされています。もちろん現在の状況は決して望ましいわけではなく、政権交代に伴いどのように変化していくかはわかりませんが、良い所と悪い所の両方から学ぶべき事は沢山あることでしょう。
面白いと思ったのは、これは講演後の質問で聞かれていた事ですが、なぜ英国、ドイツ、フランス、日本などの敗戦国が国民皆保険に成功していて米国のように世界大戦で勝利した国は皆保険制度を導入できていないのか?ということです。これに対してはカナダは成功しているし必ずしも世界大戦の影響ではないことを示しつつ、とある医療経済学者は第3次世界大戦でも起きない限り米国の皆保険制度の導入は難しいと言っている、ということを冗談のように返していました。まぁ、逆に言うと米国において皆保険制度を導入するということはそれほどハードルの高いことなんだろうと思います。
僕はこの分野に関しては疎いし、講演の内容はあまりDistributeしないように明記されていましたので話はここまでにしたいと思います。
このような健康格差に関する研究は僕の興味とも一致するので今後米国をはじめとして様々な国がどのように医療経済をやりくりしているのかを勉強してみようというモチベーションを与えてくれた素晴らしい講演だったということで感想を締めくくりたいと思います。
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さて、Wash U のSocial Workは実は全米のランクが1位です。Social Workの勉強に日本から留学にいらしている方も何人か出会いました。今日はMedical Campusを離れて、普段は行かないDanforth CampusにあるSchool of Public Healthで行われた講演を聴きに行きました。
池上直己先生は医師・医療経済学者でいらっしゃいます。現在は慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室教授。今日は“Global Health Care Reform- Experience and Lessons from Japan” というテーマで1時間強お話されました。
Health Care Reformは米国ではかなり注目を集めています。
特にオバマ政権になってからは、何とか健康保険の改善を目指して頑張っているのですが様々な障害がありうまくは行っていません。
ちょうど今のNew England Journal of MedicineもOn Line OnlyのPerspectiveで“The American Public and the Next Phase of the Health Care Reform Debate”というのを取り上げていますね。
そのような中、日本のような皆保険で健康格差を少なくしている国から学ぶべき所は多いとされています。もちろん現在の状況は決して望ましいわけではなく、政権交代に伴いどのように変化していくかはわかりませんが、良い所と悪い所の両方から学ぶべき事は沢山あることでしょう。
面白いと思ったのは、これは講演後の質問で聞かれていた事ですが、なぜ英国、ドイツ、フランス、日本などの敗戦国が国民皆保険に成功していて米国のように世界大戦で勝利した国は皆保険制度を導入できていないのか?ということです。これに対してはカナダは成功しているし必ずしも世界大戦の影響ではないことを示しつつ、とある医療経済学者は第3次世界大戦でも起きない限り米国の皆保険制度の導入は難しいと言っている、ということを冗談のように返していました。まぁ、逆に言うと米国において皆保険制度を導入するということはそれほどハードルの高いことなんだろうと思います。
僕はこの分野に関しては疎いし、講演の内容はあまりDistributeしないように明記されていましたので話はここまでにしたいと思います。
このような健康格差に関する研究は僕の興味とも一致するので今後米国をはじめとして様々な国がどのように医療経済をやりくりしているのかを勉強してみようというモチベーションを与えてくれた素晴らしい講演だったということで感想を締めくくりたいと思います。
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色々つらいことがあったりして、モチベーションを保てないこととかがあります。
そんな時、初心に帰るようになるべくします。
自分にとって大きな原動力になった学生時代に出会った1冊の本。
Where there is no doctor.
そしてNo music, no life.
忘れもしない。
僕がNew Yorkで研修を始めた年の2005年のWorld AIDS Day.
この時に、U2のBonoとAlicia KeysがPeter Gabrielの曲をカバーした。
Don't Give Up (Africa)
感染症のフェローとなった今でも、時としてつらいことはあります。
理由は様々ですが。
そんな時はYou Tubeでこの曲を聴きます。
以前にもこのブログに載せたかもしれません。
もう覚えていません。でも今の気分はこの曲をずっと聴いていたい気分。
明日も頑張ろう。
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すぐれたジェネラリストを目指す教科書25選!
そんな時、初心に帰るようになるべくします。
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そんな時はYou Tubeでこの曲を聴きます。
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明日も頑張ろう。
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すぐれたジェネラリストを目指す教科書25選!HPV ワクチンは日本でも承認されたばかり。このトピックは重要だと思います。HPVワクチンに関するレビューでもしようかと思いましたが、岩田先生のブログでつい最近、New England Journal of MedicineのHPV VaccinationのClinical Therapeuticsの詳細なまとめがありましたので、リンクを貼らせて頂きます。
http://georgebest1969.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/hpv-7c53.html
青木眞先生のブログではこの数ヶ月間に相当数のエントリがありますので僕は日本の事情に疎いこともあり、日本の臨床感染症のリーダーの情報に頼りきりです。
HPVワクチン導入のためのいくつかの課題
悩ましいHPVワクチンの原稿
日本のHPVワクチン接種プログラムへの提言
HPVワクチンに関する安全性やCost Benefitなどに関する論文、また現時点で最新号のNew EnglandにもHPV VaccineとVulvar Intraepithelial Neoplasiaに関する論文が出ているし、Journal Watchのメインのページでも、”Can HPV Vaccination Combat Genital Warts?” という題名でSex Transm Infect 2009 Oct 16.[PMID: 19837728]を取り上げていたりして世界的にもHot Topicであることがわかります。
欧米ではそこそこ定着していたPap Testが軽視されるのではないかと危惧されていたりと、行動変容に目が離せません。逆に日本ではHPVワクチンの認可で再び子宮頚癌検診の啓蒙をできればいいのではないかと思います。
一番重要なポイントは「HPVワクチンを接種したからといっても定期的な子宮頚癌検診の必要性はなくならない」ということです。
私はHIV専門なので、今後HPVワクチンがSTD(Sexually Transmitted Diseases)やHIVの感染率にどのような影響を与えるのか興味深く見守っているのですが、きちんとしたデータが出てくるまでには時間がかかりそうです。
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HPVワクチン導入のためのいくつかの課題
悩ましいHPVワクチンの原稿
日本のHPVワクチン接種プログラムへの提言
HPVワクチンに関する安全性やCost Benefitなどに関する論文、また現時点で最新号のNew EnglandにもHPV VaccineとVulvar Intraepithelial Neoplasiaに関する論文が出ているし、Journal Watchのメインのページでも、”Can HPV Vaccination Combat Genital Warts?” という題名でSex Transm Infect 2009 Oct 16.[PMID: 19837728]を取り上げていたりして世界的にもHot Topicであることがわかります。
欧米ではそこそこ定着していたPap Testが軽視されるのではないかと危惧されていたりと、行動変容に目が離せません。逆に日本ではHPVワクチンの認可で再び子宮頚癌検診の啓蒙をできればいいのではないかと思います。
一番重要なポイントは「HPVワクチンを接種したからといっても定期的な子宮頚癌検診の必要性はなくならない」ということです。
私はHIV専門なので、今後HPVワクチンがSTD(Sexually Transmitted Diseases)やHIVの感染率にどのような影響を与えるのか興味深く見守っているのですが、きちんとしたデータが出てくるまでには時間がかかりそうです。
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すぐれたジェネラリストを目指す教科書25選!November 08, 2009
Youtubeの設定でEmbedding Disabledとなっているので、リンク先から直接YouTubeのMusic Videoをご覧いただけたら幸いです。
このアルバムOcean Eyesは曲全体のバランスが良くてずっと流していても気にならないさわやかな曲が多いです。
最近は映画を見る暇がだんだんなくなってきて、気晴らしはほとんど音楽となっています。Clinical ResearchでData Collectionをしている人をみるとみんなiPod持っているんですよね。研究のプロトコールを考えたりと頭を使っている時には音楽は聴けませんが、カルテを開いてデータを抽出するような単純作業の場合は音楽を聴いて気楽にやることにしました。
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すぐれたジェネラリストを目指す教科書25選!November 07, 2009
前回からの続きで、Breast Self Examについてお話したいと思います。これは自分で自分の乳房を診察してしこりや異常を見つけた場合速やかに医師の診察を受けましょう、というものです。これに関しては賛否両論いろいろある。要するに自分で乳癌の所見を見つけるために月に1回自分で診察しましょう、という試みなんです。随分と昔からある概念なんですが、日本ではあまり認識されていません。
BREASTCANCER.ORGのThe Five Steps of a Breast Self-Examというのがあるので参考にするといいでしょう。
Step1. 鏡の前で肩をまっすぐ、両手を腰にあてて自分の乳房を確認する。
・サイズ、形、色が普段と変わらないこと
・左右の乳房がゆがみ、むくみなどがなく、均等であること。
以下をみつけたら医師の診察をすみやかに受けるべし
・乳房の皮膚にえくぼができていたり、ゆがんでいたり、膨らんでいる。
・乳首の位置が変わった、もしくは反転している場合
・赤くなっている、痛みを伴う、発疹がある、むくみ/腫れがある
Step2. 同じ事を腕を上に持ち上げて確認する。
Step3. 鏡の前にいる時に乳首から分泌物がないかどうかを確認。
(水のようだったり、ミルクのようだったり、黄色かったり、血液だったり)
Step4. 横たわって右手で左乳房を触る。そのあと左手で右乳房を触る。
手は平たく、くっつけて、指の先端を使って、500円玉サイズの円を描くような動きで乳房にしこりがないかどうかを確認する。乳房全体を確認できるように上は鎖骨から下はおなかまで、横は脇の下から乳房と乳房の間までくまなく触ります。自分でくまなく確認できるようにパターンを作っておく事も重要です。
Step5. 立ち上がって、もしくは座った状態でしこりがないか触ってStep4. と同じようにくまなく確認します。
多くの女性は乳房が濡れていて、滑りやすい時に自己触診(Self-Exam)をするのがやりやすいと感じているようですので、シャワーの時などにするのがいいでしょう。
さて、Breast Self Examには賛否両論あると書きましたが、それはどういうことでしょう?
診断の感度が低いし、これをやったからといって統計上乳癌による死亡率に変化はみられないし、偽陽性がみられて必要以上の精密検査をする必要があったり、と批判的な意見がある。CMAJ 2001 JUN 26;164(13):1837-46 [PMID: 11450279]
Breast Self Examだけだと感度は20〜30%とかなり低い。JAMA. 1987;257:2196-203[PMID: 3550165]
US Preventive Services Task Force はBreast Self Examに賛成するエビデンスも反対するエビデンスも無いとしている。
American Cancer Societyは2003年には毎月Breast Self Examを行うベネフィットとその限界について相談すべき、とした。
まぁ、それでもこういうものがあるということを知る事は重要だし、この自己診察の限界を知った上でやるやらないを自分自身で決めることが重要なんじゃないかと思います。
注意しなければならないのは、Breast Self Examをしているからといって、これは医師による触診の代わりにならないし、マンモグラフィーの代わりにはならない、ということです。
米国においても乳がんのスクリーニングに関しては色々な団体からガイドラインが出ていてあまりコンセンサスがしっかりと出来ていないように思うのですが、せっかくですのでAmerican Cancer Societyから出ているガイドラインの一部を紹介します。
Breast Self Exam:
年齢が20歳以上ならば1ヶ月に1回
Clinical Breast Exam(医師による触診):
20歳以上39歳以下ならば3年に1回
40歳以上ならば1年に1回
マンモグラフィー(Mammography)
40歳以上になったら1年に1回
その他、MRIなどのガイドラインもありますが、ここでは割愛します。
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