2012年01月31日
多発性硬化症に対するフィンゴリモド
興味を持った神経内科論文を紹介するシリーズ第3回。
今回はNeurologyではなくNEJMから。
NEJMは毎週目次をチェックし神経内科関係の論文だけ読んでみるというスタンスなので,
月に1~2本程度しか精読はしていませんが,今回の論文は臨床でも役立ちそうなので紹介します。
Fingolimod for Multiple Sclerosis
NEJM 2012;366;339-47
フィンゴリモドに関するレビューです。
実用的な内容なので,重要と思ったところをかいつまんで書き出してみます。
アメリカでは2010年9月から,そして日本でも2011年から販売されたフィンゴリモド(イムセラ)。
(アメリカではナタリズマブがありますが)日本では多発性硬化症の再発予防薬としてはインターフェロン注射しかなかったため,注射嫌いの患者さんにとっては待望の経口薬となりました。
フィンゴリモドの有用性については,過去に大規模臨床試験(第3相)が二つ報告されています。
FREEDOMSはフィンゴリモド0.5mg/日,1.25mg/日,プラセボの3群で比較。
TRANSFORMSはフィンゴリモド0.5mg/日,1.25mg/日,インターフェロンβ-1a 30μg/週の3群で比較。
どちらの試験においても,フィンゴリモド内服群では再発率が有意に低いという結果でした。
フィンゴリモドの位置づけですが,感染症や二次性発癌など長期の安全性が示されていないことから,現時点ではあくまでも再発予防薬の第2選択薬とのこと。
やはり第一選択薬は従来どおりのインターフェロンということになります。
ただし,著者らは第2選択だからといって敷居を高くすることはないよ,と付け加えています。
また,アメリカでは第2選択薬にナタリズマブも加わってきます。
第2選択薬の使い分けですが,ナタリズマブの重篤な副作用であるPMLは抗JCウイルス抗体価と関連しているので,抗JCウイルス抗体価が高い患者ではナタリズマブではなくフィンゴリモドを使いましょう。
日本ではそもそもナタリズマブは使えないので,そもそも悩む必要はなさそうです。
実際にフィンゴリモドを使用する際の注意点について(これは明日の臨床現場で役立つ)。
投与前にすべき検査は以下のとおり。
●白血球数・分画,GOT・GPT,ビリルビン,抗VZV抗体価を測定
●心電図
●呼吸機能検査
●眼科受診
●皮膚科受診
その他の留意点は以下のとおり。
また,腎機能や肝機能がある程度悪くても,投与量の調整は必要なし。
投与開始から投与後6時間まで心電図モニターを着用し,バイタルサインを確認する。
治療効果判定は投与後毎月行う。
白血球や肝酵素の測定は3ヶ月毎に行う。
眼科受診は投与3ヵ月後,それ以降は半年毎に。
皮膚科受診は年に1回。
妊婦には使わない。授乳も避ける。
2週間以上休薬した後に再開するときは,6時間のバイタル確認を再度行う。
フィンゴリモドの副作用について。
市販後調査での死亡例は1例。死因はよくわかりません。
TRANSFORMSの死亡例は2例。播種性VZV感染症とヘルペス脳炎。
FREEDOMSではフィンゴリモド内服群で下気道感染症のリスクが上昇。
最も報告の多い重篤な副作用は心血管イベントで,徐脈(1-3%),1度/2度房室ブロック(1%未満)などがあるが多くは無症候性。
黄斑浮腫は1%未満(なので眼科受診も勧められている)。内服をやめると改善。
限局性皮膚癌(基底細胞癌やメラノーマ)のリスクが上昇(TRANSFORMS)する。
呼吸機能の低下も知られている。
リンパ球数減少は機序的に当然生じる(約25%減少する)。
無症候性の肝機能異常も見られるが,内服を続けても自然に改善する。
以上。
実際に処方したのは1例のみですが,基本的にはここに書かれている注意事項と同様のプロトコルでした。
フィンゴリモドに関する論文はFREEDOMSやTRANSFORMSなどを読んできたので,
発売前の段階から臨床試験を追いかけていた薬が実際に発売され,自分でも処方するという経験ができたのは何となく感慨深いものです。
長期的な安全性については未だに十分なデータはないので,今後の報告に注意を払いたいと思います。

今回はNeurologyではなくNEJMから。
NEJMは毎週目次をチェックし神経内科関係の論文だけ読んでみるというスタンスなので,
月に1~2本程度しか精読はしていませんが,今回の論文は臨床でも役立ちそうなので紹介します。
Fingolimod for Multiple Sclerosis
NEJM 2012;366;339-47
フィンゴリモドに関するレビューです。
実用的な内容なので,重要と思ったところをかいつまんで書き出してみます。
アメリカでは2010年9月から,そして日本でも2011年から販売されたフィンゴリモド(イムセラ)。
(アメリカではナタリズマブがありますが)日本では多発性硬化症の再発予防薬としてはインターフェロン注射しかなかったため,注射嫌いの患者さんにとっては待望の経口薬となりました。
フィンゴリモドの有用性については,過去に大規模臨床試験(第3相)が二つ報告されています。
FREEDOMSはフィンゴリモド0.5mg/日,1.25mg/日,プラセボの3群で比較。
TRANSFORMSはフィンゴリモド0.5mg/日,1.25mg/日,インターフェロンβ-1a 30μg/週の3群で比較。
どちらの試験においても,フィンゴリモド内服群では再発率が有意に低いという結果でした。
フィンゴリモドの位置づけですが,感染症や二次性発癌など長期の安全性が示されていないことから,現時点ではあくまでも再発予防薬の第2選択薬とのこと。
やはり第一選択薬は従来どおりのインターフェロンということになります。
ただし,著者らは第2選択だからといって敷居を高くすることはないよ,と付け加えています。
また,アメリカでは第2選択薬にナタリズマブも加わってきます。
第2選択薬の使い分けですが,ナタリズマブの重篤な副作用であるPMLは抗JCウイルス抗体価と関連しているので,抗JCウイルス抗体価が高い患者ではナタリズマブではなくフィンゴリモドを使いましょう。
日本ではそもそもナタリズマブは使えないので,そもそも悩む必要はなさそうです。
実際にフィンゴリモドを使用する際の注意点について(これは明日の臨床現場で役立つ)。
投与前にすべき検査は以下のとおり。
●白血球数・分画,GOT・GPT,ビリルビン,抗VZV抗体価を測定
●心電図
●呼吸機能検査
●眼科受診
●皮膚科受診
その他の留意点は以下のとおり。
また,腎機能や肝機能がある程度悪くても,投与量の調整は必要なし。
投与開始から投与後6時間まで心電図モニターを着用し,バイタルサインを確認する。
治療効果判定は投与後毎月行う。
白血球や肝酵素の測定は3ヶ月毎に行う。
眼科受診は投与3ヵ月後,それ以降は半年毎に。
皮膚科受診は年に1回。
妊婦には使わない。授乳も避ける。
2週間以上休薬した後に再開するときは,6時間のバイタル確認を再度行う。
フィンゴリモドの副作用について。
市販後調査での死亡例は1例。死因はよくわかりません。
TRANSFORMSの死亡例は2例。播種性VZV感染症とヘルペス脳炎。
FREEDOMSではフィンゴリモド内服群で下気道感染症のリスクが上昇。
最も報告の多い重篤な副作用は心血管イベントで,徐脈(1-3%),1度/2度房室ブロック(1%未満)などがあるが多くは無症候性。
黄斑浮腫は1%未満(なので眼科受診も勧められている)。内服をやめると改善。
限局性皮膚癌(基底細胞癌やメラノーマ)のリスクが上昇(TRANSFORMS)する。
呼吸機能の低下も知られている。
リンパ球数減少は機序的に当然生じる(約25%減少する)。
無症候性の肝機能異常も見られるが,内服を続けても自然に改善する。
以上。
実際に処方したのは1例のみですが,基本的にはここに書かれている注意事項と同様のプロトコルでした。
フィンゴリモドに関する論文はFREEDOMSやTRANSFORMSなどを読んできたので,
発売前の段階から臨床試験を追いかけていた薬が実際に発売され,自分でも処方するという経験ができたのは何となく感慨深いものです。
長期的な安全性については未だに十分なデータはないので,今後の報告に注意を払いたいと思います。
2012年01月28日
重症筋無力症に対するリツキシマブの長期的効果
興味を持った神経内科論文を紹介する不定期企画。ようやく第2回目。
普段からNature, Nature medicine, NEJM, Lancet, Neurologyなどは毎号(目次くらいは)目を通すようにしてますが,
最近は研修医抄読会でもNeurologyを頻繁に取り上げていることもあり,この企画でもNeurologyを中心に紹介したいと思っています。
Long-lasting treatment effect of rituximab in MuSK myasthenia
January 24, 2012, 78 (4)
MuSK抗体陽性重症筋無力症患者に対するリツキシマブの長期的効果についての臨床論文です。
最初に結論。抗MuSK抗体陽性MGに対して,リツキシマブは長期的にも有効っぽい(エビデンス class IV)。
MGと言えば国試的には抗アセチルコリン受容体(AchR)抗体ですが,抗アセチルコリン抗体陰性患者の一部では抗MuSK抗体陽性であることが知られており,MGの2番目の自己抗体として臨床現場では広く測定され始めています。
抗MuSK抗体陽性MGでは抗AchR抗体陽性MGに比べ治療抵抗性であることが多いと知られているので,
ステロイドだけでなくアザチオプリンやタクロリムスなど免疫抑制剤の併用も必要になることが多いようです。
リツキシマブと言えば悪性リンパ腫に対して使う抗CD20モノクローナル抗体ですが,近年ではCIDPや関節リウマチなど自己免疫疾患に対しても有効であることが報告されています。
MGに対してリツキシマブが有効であったという報告も少数ながらなされていますが,いずれも短期的効果を示したものであり,今回の報告は長期的効果に関する初の報告です。
<方法>
対象者は治療抵抗性のMG患者17名。
抗MuSK抗体陽性は6名,抗AchR抗体陽性は11名。
平均追跡期間31ヶ月で,臨床評価(MGFA score)と免疫学的評価(抗体価)を評価。
<結果>
抗MuSK抗体陽性MGでは,6例中6例で著明な改善を認め,再投与が必要になった患者はいなかった。
リツキシマブ投与前の平均ステロイド量は49mg/日だったが,投与後は6.5mg/日まで減量できた。
免疫抑制剤も離脱できており,抗MuSK抗体価も著明に低下した。
ポケモン風に言うと「こうかは ばつぐん!!」。
抗AchR抗体陽性MGでは,11例中10例で著明な改善を認めたが,再投与が必要になった例が6例あった(54%)。
投与前後のステロイド内服量は30.5m/日⇒17.2mgと減らせているが、免疫抑制剤から離脱できない例も5例あった。抗AchR抗体価は減少しなかった(Fig.1を見るとむしろ増加!!)。
抗MuSK抗体陽性MG患者ほどは顕著に改善しないようです。
<考察>
抗体の違いによりリツキシマブの反応性が異なることについて色々考察されています。
リツキシマブの副作用に関することも触れられています。
興味を持った点を箇条書きに。
・抗AchR抗体はIgG1とIgG3であるのに対し,抗MuSK抗体はIgG4である。
・IgG1とIgG3の産生にはTh1が関与するのに対し,IgG4の産生にはTh2が関与する。
・他のIgG4関連疾患(落葉状天疱瘡)に対してもリツキシマブが効果的である。
・リツキシマブはlong-lived plasma cellに対しては影響を与えず,short-lived plasma cellに作用すると考えられる。
・そして,IgG4はshort-lived plasma cellにより産生されているのかもしれない。
・副作用の顔面紅潮などはハイドロコルチゾンで対処可能だが,やはりPMLには要注意(他疾患での使用例では1/25000の確率で発症)
以上です。
神経内科領域では難治性のCIDPやMGでリツキシマブの使用が検討される状況が少なからずあるので,
その臨床効果に関する論文をできるだけ集めて慎重に判断できるようにしたいものです。
今回の論文は比較的患者数が少なく対照群も設けられていないためエビデンスレベルは高くないので,
今後のより質の高い臨床研究に期待したいと思います。
普段からNature, Nature medicine, NEJM, Lancet, Neurologyなどは毎号(目次くらいは)目を通すようにしてますが,
最近は研修医抄読会でもNeurologyを頻繁に取り上げていることもあり,この企画でもNeurologyを中心に紹介したいと思っています。
Long-lasting treatment effect of rituximab in MuSK myasthenia
January 24, 2012, 78 (4)
MuSK抗体陽性重症筋無力症患者に対するリツキシマブの長期的効果についての臨床論文です。
最初に結論。抗MuSK抗体陽性MGに対して,リツキシマブは長期的にも有効っぽい(エビデンス class IV)。
MGと言えば国試的には抗アセチルコリン受容体(AchR)抗体ですが,抗アセチルコリン抗体陰性患者の一部では抗MuSK抗体陽性であることが知られており,MGの2番目の自己抗体として臨床現場では広く測定され始めています。
抗MuSK抗体陽性MGでは抗AchR抗体陽性MGに比べ治療抵抗性であることが多いと知られているので,
ステロイドだけでなくアザチオプリンやタクロリムスなど免疫抑制剤の併用も必要になることが多いようです。
リツキシマブと言えば悪性リンパ腫に対して使う抗CD20モノクローナル抗体ですが,近年ではCIDPや関節リウマチなど自己免疫疾患に対しても有効であることが報告されています。
MGに対してリツキシマブが有効であったという報告も少数ながらなされていますが,いずれも短期的効果を示したものであり,今回の報告は長期的効果に関する初の報告です。
<方法>
対象者は治療抵抗性のMG患者17名。
抗MuSK抗体陽性は6名,抗AchR抗体陽性は11名。
平均追跡期間31ヶ月で,臨床評価(MGFA score)と免疫学的評価(抗体価)を評価。
<結果>
抗MuSK抗体陽性MGでは,6例中6例で著明な改善を認め,再投与が必要になった患者はいなかった。
リツキシマブ投与前の平均ステロイド量は49mg/日だったが,投与後は6.5mg/日まで減量できた。
免疫抑制剤も離脱できており,抗MuSK抗体価も著明に低下した。
ポケモン風に言うと「こうかは ばつぐん!!」。
抗AchR抗体陽性MGでは,11例中10例で著明な改善を認めたが,再投与が必要になった例が6例あった(54%)。
投与前後のステロイド内服量は30.5m/日⇒17.2mgと減らせているが、免疫抑制剤から離脱できない例も5例あった。抗AchR抗体価は減少しなかった(Fig.1を見るとむしろ増加!!)。
抗MuSK抗体陽性MG患者ほどは顕著に改善しないようです。
<考察>
抗体の違いによりリツキシマブの反応性が異なることについて色々考察されています。
リツキシマブの副作用に関することも触れられています。
興味を持った点を箇条書きに。
・抗AchR抗体はIgG1とIgG3であるのに対し,抗MuSK抗体はIgG4である。
・IgG1とIgG3の産生にはTh1が関与するのに対し,IgG4の産生にはTh2が関与する。
・他のIgG4関連疾患(落葉状天疱瘡)に対してもリツキシマブが効果的である。
・リツキシマブはlong-lived plasma cellに対しては影響を与えず,short-lived plasma cellに作用すると考えられる。
・そして,IgG4はshort-lived plasma cellにより産生されているのかもしれない。
・副作用の顔面紅潮などはハイドロコルチゾンで対処可能だが,やはりPMLには要注意(他疾患での使用例では1/25000の確率で発症)
以上です。
神経内科領域では難治性のCIDPやMGでリツキシマブの使用が検討される状況が少なからずあるので,
その臨床効果に関する論文をできるだけ集めて慎重に判断できるようにしたいものです。
今回の論文は比較的患者数が少なく対照群も設けられていないためエビデンスレベルは高くないので,
今後のより質の高い臨床研究に期待したいと思います。
2012年01月01日
謹賀新年 2012年
あけましておめでとうございます。
今年も緩いペースで更新していきますので,よろしくお願いいたします。
定番である今年の目標。
・原著論文をもう1本。
・現在執筆中のものを全部通す。
・症例報告もあと2本くらいは。
・国際学会でジョブズ風にプレゼンをこなす。
・フランス料理のコースメニューを一通り作れるようにする。
・アンコールワットハーフマラソンに出場する。
もう一つの定番。
富士山と東京スカイツリーの写真は……天候が悪くうまく撮影できず。

今年も緩いペースで更新していきますので,よろしくお願いいたします。
定番である今年の目標。
・原著論文をもう1本。
・現在執筆中のものを全部通す。
・症例報告もあと2本くらいは。
・国際学会でジョブズ風にプレゼンをこなす。
・フランス料理のコースメニューを一通り作れるようにする。
・アンコールワットハーフマラソンに出場する。
もう一つの定番。
富士山と東京スカイツリーの写真は……天候が悪くうまく撮影できず。

2011年12月05日
Neuropathy in Parkinson Disease
興味を持った神経内科論文を紹介するシリーズ。
どうせ続かないだろうと思いながらも第1弾。
論文を解説していくというより,自分のためのメモ書き程度にする予定です。
パーキンソン病患者におけるニューロパチーに関する論文。
・パーキンソン病ではコントロール群に比べ,ニューロパチーを合併する割合が高い。
・37名のパーキンソン病患者と37名のコントロール群で比較。
・パーキンソン病患者では37.8%に,コントロール群では8.1%にニューロパチーを認めた。
・パーキンソン病患者ではコントロール群に比べ,ビタミンB12濃度が有意に低かった。
・レボドパ使用量とビタミンB12濃度には負の相関を認めた。
・したがって,パーキンソン病患者ではレボドパの使用によりビタミンB12濃度が低下し,ビタミンB12欠乏によるニューロパチーを合併しやすいと考えられた。
Neuropathy in Parkinson disease: Prevalence and determinants.
Neurology. 2011 Nov 29;77(22):1947-50
パーキンソン病とニューロパチーは意外な組み合わせだと感じましたが,
レボドパ使用量とビタミンB12欠乏に関係があるとは初めて知りました。
孫引きしてみると,2010年Tothらの報告でも,パーキンソン病とニューロパチーの関連について述べられており,
レボドパ使用によりメチルマロン酸濃度が上昇し,ニューロパチーを生じると推測されています。
Levodopa, methylmalonic acid, and neuropathy in idiopathic Parkinson disease
ANN NEUROL 2010;67:28–36
これらの論文で述べられているように,レボドパを使用しているパーキンソン病患者では,
ビタミンB12欠乏に注意しながら経過観察する必要がありそうです。
どうせ続かないだろうと思いながらも第1弾。
論文を解説していくというより,自分のためのメモ書き程度にする予定です。
パーキンソン病患者におけるニューロパチーに関する論文。
・パーキンソン病ではコントロール群に比べ,ニューロパチーを合併する割合が高い。
・37名のパーキンソン病患者と37名のコントロール群で比較。
・パーキンソン病患者では37.8%に,コントロール群では8.1%にニューロパチーを認めた。
・パーキンソン病患者ではコントロール群に比べ,ビタミンB12濃度が有意に低かった。
・レボドパ使用量とビタミンB12濃度には負の相関を認めた。
・したがって,パーキンソン病患者ではレボドパの使用によりビタミンB12濃度が低下し,ビタミンB12欠乏によるニューロパチーを合併しやすいと考えられた。
Neuropathy in Parkinson disease: Prevalence and determinants.
Neurology. 2011 Nov 29;77(22):1947-50
パーキンソン病とニューロパチーは意外な組み合わせだと感じましたが,
レボドパ使用量とビタミンB12欠乏に関係があるとは初めて知りました。
孫引きしてみると,2010年Tothらの報告でも,パーキンソン病とニューロパチーの関連について述べられており,
レボドパ使用によりメチルマロン酸濃度が上昇し,ニューロパチーを生じると推測されています。
Levodopa, methylmalonic acid, and neuropathy in idiopathic Parkinson disease
ANN NEUROL 2010;67:28–36
これらの論文で述べられているように,レボドパを使用しているパーキンソン病患者では,
ビタミンB12欠乏に注意しながら経過観察する必要がありそうです。
2011年12月04日
Accept!!
ようやく論文がacceptされました!
今回の研究は5年生の頃に始めたので,その頃から数えると3年半の長い道のり。
最初の投稿⇒rejectは卒業旅行の頃でしたから,その後の1年半は投稿や追加実験の繰り返しだったことになります。
投稿の時点でようやく折り返し地点,という話を聞いたことがありましたが,その話が真実であることを身を持って経験してしまいました。
最終的には大したことのないジャーナルに終わってしまいましたが,再投稿の過程で様々なことを勉強できたので次回に生かせるよう頑張りたいと思います。
臨床と研究の両立は思っていたよりも大変で,3ヶ月でできるような実験でも1年くらいかかります。
そのことを念頭において,最初から実験量ができるだけ少なくなるような研究を組むこと。
figureを一つ作るごとに,徹底的に再現性を確認すること。
それらが効率良く行えるよう,予備実験を納得いくまで行うこと。
当然のことばかりですが,基本を大切にして次の研究に取り掛かりたいと思います。
今度はもう少し良い論文を!と思いますが,
上記の内容を踏まえ,今の自分にできる範囲で小さくまとめていきます。
今回の研究は5年生の頃に始めたので,その頃から数えると3年半の長い道のり。
最初の投稿⇒rejectは卒業旅行の頃でしたから,その後の1年半は投稿や追加実験の繰り返しだったことになります。
投稿の時点でようやく折り返し地点,という話を聞いたことがありましたが,その話が真実であることを身を持って経験してしまいました。
最終的には大したことのないジャーナルに終わってしまいましたが,再投稿の過程で様々なことを勉強できたので次回に生かせるよう頑張りたいと思います。
臨床と研究の両立は思っていたよりも大変で,3ヶ月でできるような実験でも1年くらいかかります。
そのことを念頭において,最初から実験量ができるだけ少なくなるような研究を組むこと。
figureを一つ作るごとに,徹底的に再現性を確認すること。
それらが効率良く行えるよう,予備実験を納得いくまで行うこと。
当然のことばかりですが,基本を大切にして次の研究に取り掛かりたいと思います。
今度はもう少し良い論文を!と思いますが,
上記の内容を踏まえ,今の自分にできる範囲で小さくまとめていきます。