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cb4ad63c.jpg昨日突然スケジュールが空いたので、柿喰う客という劇団の女優・七味まゆ味さんがゲスト出演している公演、電動夏子安置システム「深情さびつく回転儀」を観に、新宿サンモールスタジオに足を運んだ。

私が主宰している劇団、WHATCOLORの第10回公演「おとことおんな、時々、動物」を上演した思い出の劇場。

電動夏子安置システムという劇団は初見の劇団だったので、ネットで調べてから劇場に足を運んだ。

◎「電動夏子安置システム」とは


電動夏子安置システムのウェブサイトによれば、
2000年6月に結成。明治大学演劇研究部にて6作品を執筆、うち数本を演出する主宰・竹田哲士を中心に、同部引退有志により発足。以後、ワークショップなど公演外活動を経てスタッフ・キャストを募り、同年11月、旗揚げ公演に至る。


今回の「深情さびつく回転儀」が第22回公演と言うから、もの凄いペースで公演を行っている劇団と言うことだ。

私は劇団や俳優を育てるのは公演だというのが持論なので、こうした劇団に出会うと、もの凄く嬉しくなる。

作風は、

「演劇」という表現手段における演劇的要素の中から「娯楽性」を重視し、限りなく万人が共感できる『笑い』を探し出して提供できるエンターテイメントの創造を目指す。
とのこと。

気分的には難しい芝居を観たい感じではなかったので、一安心な感じ(笑)。

◎「深情さびつく回転儀」とは


「回転儀」とはルーレットのこと。

フライヤーのビジュアルイメージや、ウェブサイトの公演特設ページのデザインは、ルーレットや、チップをおくルーレットのテーブルがモチーフとなっている。

「深情さびつく回転儀」は人里離れた四棟の家を舞台に、登場人物達のさまざまな思いが交錯する物語。

四棟の家は、アオイという女に父親が残した遺産だった。

その内のひとつの家に、そこにいるだけで、一日1万円というバイトにさそわれ4人の男と一人の女が住み続けていた。

しかし、そのバイト代を得られるのは最後に残った一人だけ。

お互いが脱落するのを待ちながら50日が過ぎた日、他の3つの家にそれぞれの思いを抱えた人達がやってくる。

その家に隠された秘密と遺産をめぐって、巻き起こる出来事。

交錯するそれぞれの思いと物語はルーレットによって、次々に展開していく。

電動夏子安置システムがお贈りする、“大人のための童話”。
それは無数の偶然と必然が織りなす、あるひとつのロジカルコメディ(論理悲喜劇)。


なんとエンディングは、6つ用意されていて、どのパターンになるのかは、出演している俳優達もわからないとのこと。

私も以前、激弾BKYU企画公演「THE JUDGE 〜エゴな人々〜」という公演を行い、その結末をお客様にゆだねるといった公演を行ったことがある。

その準備や稽古がとても大変だったので、「深情さびつく回転儀」という作品は、私の期待感をおおいにあおった(笑)。

そしてYouTubeには予告編出演者による内容解説などが上がっていた。

私も自分の劇団やプロデュース公演で、映像による宣伝活動を行っているので、「電動夏子安置システム」のこうした映像によるアプローチにとてもリスペクトな感じ。

とても楽しみに劇場に足を運んだ。

以下ネタばれあり注意!

◎「深情さびつく回転儀」感想


良くも悪くもとてもざっくりとした脚本(笑)だったが、台詞の勢いや、キャストのキャラクターのおもしろさで、物語を楽しむことが出来た。

ある種ミステリー的な展開の中で、印象的なキャラクターやうまくいかない会話のやりとりで、おおいに笑わせてもらった。

劇団サイトにあった「『情報授受のミス』が作り出す、人間関係の喜悲劇」というコンセプトが、とても良く伝わってきた。

6つのエンディングがあるということだったが、物語の分岐点がどこにあるのかは全く分からない脚本となっていて、他のエンディングがとても気になった。

そして、6つのエンディングうちひとつしか観られていない事が、何だか無性に悔しくて、他の公演も観たくなった。

◎恒例(笑)印象に残った俳優さん


この公演をご案内くださった七味まゆ味さんの存在感はさすが。心に響く声と立ち姿は印象に残った。

そして、菊地未来さん。はかない感じの女性を印象的に演じていて、心に残った女優さん。

それから、道井良樹さん。

彼が演じていたKYなキャラクターは、きっとこの劇団のお約束なキャラクターなのでしょう。とても面白かった。

その存在感が、物語をぐいぐい引っ張っている感じ。

とても良い俳優だと思った。

◎ちょっぴり気になった点


細かい設定や、仕組みの説明を脚本から省いてあったことで、純粋に舞台上で巻き起こる出来事や台詞などを楽しめた。

しかし私は設定や仕組みの説明がなかったため、なかなか物語の世界観に入り込めなかった。

例えば、登場人物達がいる空間が、ルーレットを回すことで他の空間に入れ替わるといったシーンがあった。

建物が機械仕掛けのような構造になっていて、空間が入れ替わるといった物理的なこととして理解すればいいのか、登場人物や空間がテレポーテーションすることで空間が入れ替わるSF的なモノとして理解すればいいのかが分からなかった。

脚本上は、その事についてなんも触れていないので、何も変わっていない空間や、ストップモーションで動かなくなったそこにいる俳優達をどう観ていいのやらと(笑)戸惑ってしまった。

「電動夏子安置システム」という劇団を何度か観ているお客様にとっては違和感がないのかもしれないのだが、初見だった私は、物語の展開の途中で、頭に何度もクエスチョンマークが浮かんでしまった。

劇団の主宰で脚本を担当した竹田氏が、「不親切」な物語構成であると当日パンフレットでコメントしていたが、私はおそらくご本人が思っていないであろう点で、「不親切」だと感じてしまった。

こうした「不親切」な脚本づくりは、自分がプロデュースする公演でも、陥りやすいこと。今後、脚本づくりを行う時には、気をつけていこうとおもった。

また、全部で6通りのエンディングがあるためなのか、俳優達の稽古不足が非常に目についてしまった。

とても苦労しながら演じているのが伝わってきたのだ。

具体的に言えば、移動の途中に意図せずつまずいたり、机に足をぶつけたり。

段取りに追われ、演じている人物の動きと気持ちがバラバラな俳優が何人かいた。

丁寧に感情をつなげている俳優もいたし、全体的なキャストのバランスもよく、キャラクターづくりも面白かったので、すごく残念だった。

とはいえ、今後彼らの活動もとても気になったので、今後もこの電動夏子安置システムという劇団には、注目していこうと思っている。

この公演も、とても面白い企画だと思うし、物語としても楽しめたので、オススメな公演であることは確か!長く公演を行うチャレンジをしているので、興味が湧いた方は是非!

私ももう一度観に行きたいと思っている。

電動夏子安置システム「深情さびつく回転儀」