去年の年末、新しい映像の仕事をいただきました。私が大好きな料理の案件です。
しかしこの料理の案件、主人公は料理ではなく箸でした。
東京・かっぱ橋道具街にある箸専門店『はし藤本店』が、新しいコンセプトの箸を開発しました。海外で日本食への注目度が高まっていることを受け、料理や食材だけではなく、「箸」という日本の食文化も世界へ発信しようという試みです。
そのコンセプトとは、コース料理の料理に合わせて箸を変えるというもの。
フランス料理では、オードブルにはオードブルを食べるナイフとフォーク。魚料理・肉料理にも料理に合わせたカトラリが添えられています。料理ごとに変えるカトラリと同じように、箸も料理ごとに変えて使ってほしいというコンセプトです。
今回『はし藤本店』では、「オードブル用」「魚料理用」「肉料理用」「麺料理用」「デザート用」の5パターンの「料理に合わせた箸」を開発。料理ごとに箸も変えてほしいということを、世界中のレストランオーナーやソムリエの方たちに向けて発信しました。
その発信のためのコンセプト動画を私が作ったというわけです。
◎はし藤本店コンセプト映像『料理と食べる人の架け橋に』制作舞台裏
『料理と食べる人の架け橋に』動画コンセプトとプロット制作
この動画を制作するにあたり、はし藤本店の社長・上中康成さんにインタビューさせていただきました。この企画にかけた上中さんの思いをいろんな視点からたくさん伺いました。お話を伺い、企画内容や上中さんの思いをどんな映像にするかむちゃくちゃ悩みました。いろいろアイデアをひねったりもんだりしてみましたが😁、結局今回のコンセプトをストレートに伝える映像にすることにしました。
この映像のタイトル『料理と食べる人の架け橋に』は、新しいコンセプトで作られた箸に込められた上中さんの思いを、映像をご覧になった方に伝えたくてつけたタイトルです。
『料理と食べる人の架け橋に』料理の企画・制作
撮影に登場する料理を決めるのにも苦労しました。料理については『はし藤本店』の取引先でもあるイタリアンバー『アルテシア』のオーナーとシェフにご協力いただきました。
「オードブル用」「魚料理用」「肉料理用」「麺料理用」「デザート用」それぞれの箸の特徴を、できるだけわかりやすく、かつ魅力的に見せるためにはどんな料理が良いかを時間をかけて話し合いました。
結果とても素敵な料理を提案・提供いただきました。さらには食事のシーンの撮影を店で行わせていただきました。
『アルテシア』はとても素敵なお店だし、料理も美味しいのでオススメです！最寄り駅は東京メトロ丸ノ内線の新宿御苑駅です。
『料理と食べる人の架け橋に』出演者
こちらのコンセプト動画は海外に向けたものだったので、実際に箸を使って料理を食べるシーンには日常的に箸を使ってることを連想させるアジア系に見えない出演者を起用することになりました。箸を上手に使える人という条件をつけた選考だったので少し苦労するかと思っていたのですが、日本に住んでいるモデルの皆さんはほとんど箸を上手に使えるということがわかり驚きました。
出演してくれたのは、Ariel 未来さんとモーガン恵美里さんではとても上手に箸を使ってくれました。美味しそうに食べる表情がとても素敵でした。
『料理と食べる人の架け橋に』ナレーション原稿とナレーター
海外向けと言うことで、言語としては英語版とフランス語版を作ることになっていました。ナレーション原稿の翻訳でもずいぶん苦労しました。字面を直訳しただけのものでは無く、はし藤本店がこの映像で伝えたいニュアンスまでをそれぞれの言語で伝えたくて、翻訳の方とずいぶん議論させていただきました。
ナレーション現場では、私が英語もフランス語も分からないので、むちゃくちゃ丁寧にナレーターと打合せを行いました。コメントに込めたクライアントの思いを説明し、どのような感情で読んでもらいたいかを説明しました。
英語のナレーションは、岩本アリスさん。フランス語のナレーションは、イネスさん。
とても良いトーンでナレーションしていただきました！
◎『料理と食べる人の架け橋に』沸いて出た🤣日本語版の制作
実は、制作の途中で日本語版も作ろうということになりました。本来こういうことがあると大きく予算が変わるので気の短い私の激怒案件だし🤣、スケジュール的に相当無茶振り感はあったのですが、とても仲が良くお世話になっているプロデューサーの頼み事だったので、何とかしようと思いました。この無茶振りを承諾した大きな理由が、日本語ナレーションを読んだ天職ゆいの存在でした。
天職ゆいは私がマネージメント提携している俳優です。
彼女は偶然にもナレーション収録当日、私のアシスタントとしてスタジオに来ることが決まっていました。ナレーション収録の現場体験をするためです。
話はそれますが、私は日常的に自分のディレクションの現場に、提携している俳優やタレントを私のアシスタントとして潜り込ませています😁エンタメに携わる人の成長において、現場における経験がいかに大事で破壊力があるかを知っているから…。
これは私がマネージメント提携している俳優・タレントの大きなアドバンテージです！（提携タレントは随時募集中！お問い合わせはこちらから🤣）
そんなわけで日本語版を作りたいとプロデューサーから話があったとき、日本語ナレーターをオーディションなしで天職ゆいに決めてくれるなら可能だと言いました。
切迫したスケジュール、すでにナレーション収録日が迫っている中、ナレーションの能力や声のトーンが企画に合っていて、スケジュールがはまるという条件をクリアする人を1から選出するのは難しい。
そこですでにスケジュールが確保されていて😁ナレーションの歩留まりもみえてる天職ゆいなら、この無茶振りに応えられると思ったのです。
それに加えて、天職ゆいのキャリアにおいて、企業のコンセプト動画のナレーションを経験することは大きなメリットがあるし、この動画の拡散次第では彼女のことをより多くの人が知ってくれる可能性が生まれることを考えての“ごり押し”でした。
この『料理と食べる人の架け橋に』のプロデューサー・東野誠さんは実は彼女の大学の先輩で、何度かお仕事をいただいたり、彼女が出演した芝居に足を運んでいただいたり😁してくれていたこともあり、そのごり押しを快諾いただきました。（ちなみに、出演者とナレーターのキャスティングをしてくれたトライフルの久野華子さんもゆいの大学の先輩です😁）
予算的にスタジオの時間を大きく延ばすのは難しかったので、彼女は英語とフランス語の収録の合間でがんばってナレーション収録に挑み、限られた時間の中で最大限のベストを尽くしてくれました。
こうしてできあがったのが、こちらの日本語版です。是非ご覧いただくとともに、拡散にご協力いただけたら嬉しいです。
◎はし藤本店コンセプト映像『料理と食べる人の架け橋に』こぼれ話＆クレジット
『料理と食べる人の架け橋に』こぼれ話
海外向けの映像と言うことで、オープニングには、“日本らしい”映像や日本食のカットを積み重ねました。こちらのカットは１部資料映像などもありますが、ほとんど私と（うちの悟空的な…）アシスタントと一緒にふたりだけで撮影しました。大変だったけど楽しかったです。登場する日本食がどこのものかが分かった方はこっそり私まで連絡して下さい。全問正解者全員を天職ゆい出演の最新公演に私の自腹でご招待します🤣
『料理と食べる人の架け橋に』クレジット
携わってくれた全ての皆さまに感謝します。ありがとうございました。「料理内容によって箸を変える」
新スタイルのテーブルコーディネートを世界に発信
コンセプトムービープロジェクト
箸製作：株式会社 大岸正商店 木下商店製箸所
出演：Ariel 未来 モーガン 恵美里
料理企画・提供・撮影協力：イタリアンバー『アルテシア』藤本 一 堀越 晴生
ナレーション：岩本 アリス（英語）イネス（フランス語）天職 ゆい（日本語）
プロデューサー：情報親方R東野 誠（Polaris Infotech）
キャスティング：久野 華子（トライフル）
撮影技術＆MAプロデューサー：菅原 英樹（ジーズ・コーポレーション）
撮影進行：安部 立哉（ジーズ・コーポレーション）
プロダクションマネージャー：山村 夏央（エスポワールアベニュー）
撮 影：遠山 聡（ネオテック）
照 明：�盒� 勇（ネオテック）
撮影アシスタント：渡部 夢璃亜（ネオテック）
音響効果：浦 真一郎
ミキシングエンジニア：斉藤 元
MAスタジオ：ENO.STUDIO 青山
翻訳：ピーター クラーク（英語） イネス（フランス語）
ドローン映像提供：木下 忠（dronemiyagi）
協 力：株式会社 Culture Generation Japan 木本硝子株式会社
脚本・監督・編集：小野寺 誠
エグゼクティブプロデューサー：上中 康成（はし藤本店）
企画・製作：はし藤本店
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