* 新潟中越地震対策にせよ、これらの人質問題にせよ彼は本気で取り組んでいると評価できるのだろうか?
イラクで人質になってしまった若者、香田証生さんが殺害された。誘拐されて要求が出されてからわずかに数日。短期的に状況が動いた。
イラク国内で発生した今回の人質誘拐殺害だがこの犯人はイラク人ではない。隣国ヨルダン人である。こういうことがあるからビン・ラディンやアルカイダを敵に回すことをフセイン政権打倒とごちゃ混ぜにしたイラク戦争をよりいっそうややこしく複雑にしてしまう。もっともこうした事態は事前に散々指摘されていたことであるが。
今回の犯人はイスラム過激派ザルカウィがリーダーとされている武装グループだったようだ。イスラム系のインターネットウェブサイトを通じ香田さんの動画を公開し、48時間以内に自衛隊を撤退させろと要求していた。今までとは異なり、国籍も違う最強硬派のグループと予測され、これまでに人質解放で尽力してくれたイスラム聖職者協会なども解決は非常に難しいと予言していた通りだった。48時間以内の撤兵要求を完全に無視した形をとったのだから彼らが怒るのは容易に想像できた。現地テレビで香田さんが自衛隊とは何の関係もない民間人だということを説明するニュースコメントを出したくらいで彼らが引っ込むはずがない。結果として最悪の結末になるべくしてなってしまったのである。
何度もいったように思うが、イラクやサダム・フセインとビン・ラディンやアルカイダは関係がない。同じ中東地域の人間で、同じイスラム教徒であるというだけの話である。ビン・ラディンはサウジアラビア人。アルカイダの拠点もアフガニスタンにあったものである。アフガニスタンで暴れ回っていたタリバンはクーデターでのし上がった非民主的政治権力であった。それにも関わらず無理を承知の無謀な開戦に踏み切ったことで、それまでは眠っていた世界中のイスラム教徒たちが一挙に強烈な怒りを燃え上がらせて世界中で一斉に起きあがった。
「イラクという石油の宝庫の国に理由もなく襲いかかったアメリカやイギリスを許してはおけない。」
つまり、ブッシュJr.とトニー・ブレアはたかが石油のために世界中の強硬派イスラム教徒を本当に全員、敵に回してしまったわけである。中東諸国の全て、アフリカ、アジア、北米や欧州にもイスラム教徒は非常に多い。どう考えても防ぎきれるはずがない敵の散らばり方である。
外相の町村信孝は
「無辜の民間人の命を奪う卑劣極まりない行為を断じて許すことはできない。」
などと語った。小泉純一郎も同じことをいう。テロリストに屈することはできない、テロとの戦いを今後も続ける、という今まで通りの説明を繰り返してきたし、これからもその予定のようだ。だが、こうした人質殺害事件とイラクの復興支援活動とは別だといくら強調しても絶対に相手には通用しない。なぜならば、彼らは自分たちを「テロリスト」だとは微塵も考えていないからである。逆に襲いかかってきた米英軍やその支援国の人間こそが侵略者であり、テロリストであると考えている。自分たちのやっていることは全く正当な民族抵抗運動であると考えている。レジスタンスだと思っているのである。しかも彼らは襲いかかってきたキリスト教世界に対する絶対に負けられない宗教抵抗運動でもあると考えているのだから、さらにたちが悪い。理解を得ることは絶対に不可能である。英米政府は全く2000年のキリスト教の歴史においてカトリックの十字軍の過ちに匹敵する大きな罪を犯したといわなければならない。今回はプロテスタントが引き起こした21世紀版の十字軍である。実際、ブッシュJr.は十字軍、聖なる戦争という言葉を使って戦争に狂奔している。今後、この新十字軍戦争は何百年も語り継がれていく。
今後、中東世界との摩擦を出来る限り弱めたいと思うのならば、小泉も町村も、日本の政府は「テロとの戦い」とか「テロリスト」という言葉を使うのを辞めた方がいい。その言葉を使うだけで相手の敵意を何の意味もなく煽ってしまうのである。それはブッシュJr.らアメリカ政府を強烈に批判し、イラク戦争そのものや占領統治に反対している人間でなくてもできることである。この先が見えない悪夢の戦争に参加している上に「テロリスト」という言葉を使うことは考え得る最もまずい選択である。それは彼らがもっとも激しく憎むアメリカ政府が使っている言葉と全く完全に重なってしまうからである。イラクに部隊を送っている日本の首相が「テロリスト」という言葉を使うことは、今、日本がブッシュJr.と歩調を合わせてイラクに派兵・派遣している以上、イラクだけではなく世界中の強硬派イスラム教徒全員を敵に回したと同じだ。
今までに日本人人質解放に尽力してくれた聖職者協会の人たちも、小泉等が「テロリスト」という表現をする度に非常に怒っていた。日本のために奉仕してくれたアラブ人でさえそういうのである。せめて「テロリスト」という言葉を使うことをを控えるくらいの配慮はしなければ、今後とも必ず第二、第三の奥克彦大使や香田さんのような事件が発生する。
イラクで人質になってしまった若者、香田証生さんが殺害された。誘拐されて要求が出されてからわずかに数日。短期的に状況が動いた。
イラク国内で発生した今回の人質誘拐殺害だがこの犯人はイラク人ではない。隣国ヨルダン人である。こういうことがあるからビン・ラディンやアルカイダを敵に回すことをフセイン政権打倒とごちゃ混ぜにしたイラク戦争をよりいっそうややこしく複雑にしてしまう。もっともこうした事態は事前に散々指摘されていたことであるが。
今回の犯人はイスラム過激派ザルカウィがリーダーとされている武装グループだったようだ。イスラム系のインターネットウェブサイトを通じ香田さんの動画を公開し、48時間以内に自衛隊を撤退させろと要求していた。今までとは異なり、国籍も違う最強硬派のグループと予測され、これまでに人質解放で尽力してくれたイスラム聖職者協会なども解決は非常に難しいと予言していた通りだった。48時間以内の撤兵要求を完全に無視した形をとったのだから彼らが怒るのは容易に想像できた。現地テレビで香田さんが自衛隊とは何の関係もない民間人だということを説明するニュースコメントを出したくらいで彼らが引っ込むはずがない。結果として最悪の結末になるべくしてなってしまったのである。
何度もいったように思うが、イラクやサダム・フセインとビン・ラディンやアルカイダは関係がない。同じ中東地域の人間で、同じイスラム教徒であるというだけの話である。ビン・ラディンはサウジアラビア人。アルカイダの拠点もアフガニスタンにあったものである。アフガニスタンで暴れ回っていたタリバンはクーデターでのし上がった非民主的政治権力であった。それにも関わらず無理を承知の無謀な開戦に踏み切ったことで、それまでは眠っていた世界中のイスラム教徒たちが一挙に強烈な怒りを燃え上がらせて世界中で一斉に起きあがった。
「イラクという石油の宝庫の国に理由もなく襲いかかったアメリカやイギリスを許してはおけない。」
つまり、ブッシュJr.とトニー・ブレアはたかが石油のために世界中の強硬派イスラム教徒を本当に全員、敵に回してしまったわけである。中東諸国の全て、アフリカ、アジア、北米や欧州にもイスラム教徒は非常に多い。どう考えても防ぎきれるはずがない敵の散らばり方である。
外相の町村信孝は
「無辜の民間人の命を奪う卑劣極まりない行為を断じて許すことはできない。」
などと語った。小泉純一郎も同じことをいう。テロリストに屈することはできない、テロとの戦いを今後も続ける、という今まで通りの説明を繰り返してきたし、これからもその予定のようだ。だが、こうした人質殺害事件とイラクの復興支援活動とは別だといくら強調しても絶対に相手には通用しない。なぜならば、彼らは自分たちを「テロリスト」だとは微塵も考えていないからである。逆に襲いかかってきた米英軍やその支援国の人間こそが侵略者であり、テロリストであると考えている。自分たちのやっていることは全く正当な民族抵抗運動であると考えている。レジスタンスだと思っているのである。しかも彼らは襲いかかってきたキリスト教世界に対する絶対に負けられない宗教抵抗運動でもあると考えているのだから、さらにたちが悪い。理解を得ることは絶対に不可能である。英米政府は全く2000年のキリスト教の歴史においてカトリックの十字軍の過ちに匹敵する大きな罪を犯したといわなければならない。今回はプロテスタントが引き起こした21世紀版の十字軍である。実際、ブッシュJr.は十字軍、聖なる戦争という言葉を使って戦争に狂奔している。今後、この新十字軍戦争は何百年も語り継がれていく。
今後、中東世界との摩擦を出来る限り弱めたいと思うのならば、小泉も町村も、日本の政府は「テロとの戦い」とか「テロリスト」という言葉を使うのを辞めた方がいい。その言葉を使うだけで相手の敵意を何の意味もなく煽ってしまうのである。それはブッシュJr.らアメリカ政府を強烈に批判し、イラク戦争そのものや占領統治に反対している人間でなくてもできることである。この先が見えない悪夢の戦争に参加している上に「テロリスト」という言葉を使うことは考え得る最もまずい選択である。それは彼らがもっとも激しく憎むアメリカ政府が使っている言葉と全く完全に重なってしまうからである。イラクに部隊を送っている日本の首相が「テロリスト」という言葉を使うことは、今、日本がブッシュJr.と歩調を合わせてイラクに派兵・派遣している以上、イラクだけではなく世界中の強硬派イスラム教徒全員を敵に回したと同じだ。
今までに日本人人質解放に尽力してくれた聖職者協会の人たちも、小泉等が「テロリスト」という表現をする度に非常に怒っていた。日本のために奉仕してくれたアラブ人でさえそういうのである。せめて「テロリスト」という言葉を使うことをを控えるくらいの配慮はしなければ、今後とも必ず第二、第三の奥克彦大使や香田さんのような事件が発生する。