2014年03月

スポーツの怪我

c3f1a44a.jpg photo C: Sponichi

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 私の知っている人で草野球の試合をしている時、一塁を守っていて走者とぶつかってしまいその後、下半身と左腕が効かない身体障害者になってしまった人がいる。まだ四十路の働き盛りに事故に遭い、地方公務員だったため比較的手厚い補償もあったが、見ていて心底気の毒に思えてならなかった。


 昨日のプロ野球、巨人と阪神の試合で外野フライの打球を追って右翼あたりで阪神の西岡と福留が激突した。西岡は後頭部から回るように落ちて強打し目をむいたまま動けない。幸い、鼻を折って左肩の脱臼で済んだというが、鍛えていた西岡でなかったならば、あと何cmかずれていたならば、首が折れて全身不随になった可能性もある。本来、福留がもっと最大級の大声を出して自分が捕ることを全く福留が見えない西岡に伝えなければならなかった。福留が大柄でがっちりした体格であることもあって西岡の体が空中で一回転するような勢いで回ったのは見ていて非常に怖かった。

 
 防具があるアメフトやラグビーでもこうした重傷事故は多発しているし、サッカーでもGKとフィールド選手が激突してフィールド選手がそのまま死亡した事故が何件かある。GKが負傷退場するのは日常茶飯事である。スポーツを甘く見てはいけないと改めて思う。

袴田事件

6299f827.jpg 再審開始が認められた「袴田事件」の袴田巌さん(78)について、東京高裁(裁判長 三好幹夫)は今日、拘置停止を認めた静岡地裁の判断を支持する決定をして、釈放がこのまま続くことになった。静岡地方検察庁が今回の拘置停止を取り消すように東京高裁に通常抗告していたがあっさり却下された。

 死刑台からの生還や48年ぶりの釈放も異例なら、一審で袴田事件の判決文を書いて言い渡した熊本典道裁判官が実名で袴田事件支援に入っていることも前代未聞。自白強要、脅迫・暴行、証拠ねつ造ならばそれ自体が重大犯罪である。当時の刑事訴訟や捜査に関わった裁判長など他の裁判官、検察官、警察官の実名や責任が迅速にで問われなければならないはずだが(すでに関係者の多くがすでに死亡していて真相究明がままならない)、この期に及んで抗告している静岡地検はどういうつもりだろうか。


 袴田事件をほじり返されたくない最高検の意向でもあり、静岡地検の検事正、長野哲生の考えでもあるだろうが、官僚主義や組織防衛、出世競争で冤罪にされた人はたまらない。死刑が執行されていたらどうなったか。最近話題になった足利事件もひどかったがあれは無期懲役の事案だった。白鳥事件、布川事件のような無期懲役のもの、免田事件、財田川事件など死刑事案のもの。これら以上に今回の事件は衝撃が大きい再審事案で、おそらく戦後の刑事訴訟で一番大きな冤罪・再審事件になる。

 執行猶予付きの刑や罰金刑、短期の禁固・懲役刑で冤罪が許容されるわけではないが、長期の有期懲役や無期懲役、まして死刑事案では絶対に冤罪は許されるものではない。戦後の新刑訴法の元でもおそらく冤罪の死刑事件がそのまま執行された事案があったことだろう。アメリカの刑事事件ではおそらく下手をすると数十件から百数十件の冤罪死刑執行があったとされている。20年ほど前、成蹊大での刑法学会で山室惠・元裁判官は下手をすると数百件あると思うと発言していたことがある。

 アメリカよりはましかもしれないが、日本の刑事司法は非常に冤罪を生みやすい仕組みの制度になっている。新司法試験制度の導入後、弁護士の数は十分に確保されている。捜査段階から公設弁護人をつけたり、事前全面の証拠開示を制度化したり、検察・警察の客観義務を刑罰を伴う犯罪化で担保したり、まだいくらも改正の余地がある。

 
 http://www.kensatsu.go.jp/kakuchou/shizuoka/oshirase/kenjiseiaisatu/kenziseiaisatu.htm

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はけないズボンで死刑判決―検証・袴田事件 (GENJINブックレット (37))はけないズボンで死刑判決―検証・袴田事件 (GENJINブックレット (37))
著者:袴田事件弁護団
現代人文社(2003-06)
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主よ、いつまでですか主よ、いつまでですか
著者:袴田 巌
新教出版社(1992-08-15)
販売元:Amazon.co.jp

袴田事件 (新風舎文庫)袴田事件 (新風舎文庫)
著者:山本 徹美
新風舎(2004-08)
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昭和の文化遺産 国立競技場

d08c1e7f.jpg 近未来的なヘルメットのような形状のデザイン設計になった建築家、ザハ案を修正して作られるとされている新国立競技場の基本設計が、予定の今月末までに終わらず、4月以降にずれ込むことになった。構造計算をやりなおしたところ先月のような大雪が降った場合、開閉式屋根の耐久性に問題が出ることがわかったという。

 
 建て替えについて責任を持っている所管は日本スポーツ振興センター(JSC)。今回の再検討は、競技場裏にある日本青年館や明治公園をつぶすのかどうかで揉めたために基本設計の着手が3カ月遅れて時間が足りなかったことが理由だという。予算については屋根の強度を増した場合でも、「総工費がさらに増えることはない」というが、強度を増して建設するとすれば誰が考えてもそのようなことはありえない。


 先日、横浜マリノスと広島サンフレッチェのスーパーカップを見に行って改めて思った。国立競技場は壊さないで残した方が良い。あの競技場には周囲をぐるっと取り巻くように駐車場やスロープ、樹林帯がある。この地帯の上にかぶせるように4階席を増床して座席数を増やせば合計8万人以上の座席が確保できる。千駄ヶ谷門、代々木門、青山門の周囲には十分な増床の土地、空間がある。各々の門は幅を今の倍以上に広げることもできる。千駄ヶ谷門と代々木門の中間には新しい出入り口を一つ増やすことも可能。8-10万人の大スタジアムになっても十分に安全は確保できる。ザハ案は明治公園と日本青年館をつぶして國學院高の近くまで出入り口スロープが近づくことになる。


 ザハ案のような斬新な屋根を全観客席の上につけることはできないが、スタジアムのもっとも上層階の上に屋根をつけることはできる。それだけでもかなり風雨をよける効果はある。今までも屋根はなかったのだから全面屋根は不可欠ではない。前の東京五輪も開催され、昭和の遺産で文化財でもある国立競技場を壊すのはあまりにもったいなくとりかえしのつかない後悔をすることになる。


 解体取り壊しの計画自体が無謀でもある。予算が巨額で工期も逼迫している。コンクリートや鉄骨、資材、人材、重機など工期に合わせて十分に揃えられるかどうかも危ぶまれている。東京圏へ建設業が集中することで東北復興や福島除染がさらに大幅に遅れることにもなる。

 解体作業の開始予定は7月。まだ壊しておらず、ザハ案中止に間に合うのだから、競技場の保存と増床の計画を国民的に比較検討すべきだと思う。おそらくそちらの賛成が上回るのではないかと思う。

ウクライナ ソチパラリンピックに参加

b2db4233.png開幕したソチ・パラリンピック。ロシアが侵攻しているウクライナが参加をボイコットするかどうかが注目されていたが、政治とスポーツや芸術は切り離して考えるという原則が辛うじて守られ、今回、ウクライナの五輪会長(ワレリー・スシュケビッチ)はプーチンとの会談を挟んで

 「我々のことを、ウクライナのことを覚えてもらうために、参加することにした。」

 とボイコットを回避。選手団は競技に参加できるようになった。しかし、にこにこ笑顔で開会式に出ることはあまりに屈辱的だということで入場行進は旗手のミハイロ・トカチェンコ(37、ノルディックスキー距離、バイアスロン男子)だけになった。ウクライナの国名が場内でコールされると、悩んだ末に出場を決断したウクライナ選手団をたたえようということで会場から大歓声がわき起こった。開会式場に詰めかけたロシア国民も自分たちの国が侵攻しているのだが、ウクライナの参加は嬉しかったようであった。しかし、すぐに声が戸惑ったものに変わり、やがて静まっていった。トカチェンコ旗手の表情も暗く、他国の旗手のように笑顔ではない。待機場所にたどりついて観客席から見守っていたウクライナ選手団が駆けつけ抱擁するまで笑顔がなかった。


 スシュケビッチ会長は、軍事介入など不幸なことがあれば、我々は去ると断言し、むしろ五輪参加を母国ウクライナへの本格的な軍事侵攻を防ぐための抑止役として行動しているようでもある。五輪の場では政治的な発言ができないため、選手団も「ウクライナに平和を!」という、それ自体は批判しようがないメッセージだけを叫ぶ。


 今回のボイコット回避は最善の策だったのではないかと思う。4年に一度の機会に努力してきた選手には責任がないことで、競技の機会を奪うことはあまりに忍びない。狂犬の独裁者大統領も出席した開会式に独りぼっち行進で抗議の意思を示して恥をかかせ、不屈の抵抗を見せたことも不適切とはいえず、全員揃って笑顔の行進をしたとすれば逆に違和感があった。全員揃って笑顔一つない、手を一切振ることのない行進をすることも一つのアイデアだったが、旗手一人で入場したのはより適切な意思表示になったのではないかという印象があった。


 今回のクリミア侵攻でロシアは国際社会から決定的に信頼を失っている。これまではそれほど反ロシアではなかった立場の人たちも一挙に態度を硬化させている。


 狂犬大統領のプーチンは、

 「イラク戦争の時には、アメリカが軍事侵攻したが国際社会はアメリカを非難しなかったではないか。」
 
 という。ジョージ・ブッシュが引き金を引いたイラク戦争は、完璧に間違った大義のない戦争だったが、しかし、あの時は国連安保理や総会で何度も議論された末のことであった。いきなり何の宣言も交渉もなく2万人超もの軍隊を突っ込ませた大統領など、近年ではイラクのサダム・フセイン以外、歴史の記録にない。しかもそれを「自警団だ」と虚偽を述べるなどプーチン、ロシア政府は非常に質が悪い。ロシア人、ウクライナ人よりもずっと前からの先住民であり少数民族のタタール人も命からがらクリミアから脱出を余儀なくされている。
 

 大国主義を振り回すのはアメリカ、中国も同じだが、ロシアのそれは両国のそれよりも遙かに粗暴で非人道的、19世紀的である。この狂犬独裁者をロシア国民、ロシア系住民が熱狂して支持していることにも驚かされる。ロシアだけでなくロシア人も世界からの信用を失った。70年前までの日本もそうだったが、国や国民が横暴であるかどうかは政治体制、「自由主義」、「共産主義」の差でも、国家や「民族」の差でもない。あいにくそれほど人間は善意と理性に包まれた天使には生まれついていないということである。


  トカチェンコ旗手

 「母国の人たちに、ただ強くあり続けてほしいと伝えたい」




ウクライナ100の素顔―もうひとつのガイドブックウクライナ100の素顔―もうひとつのガイドブック
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ポーランド・ウクライナ・バルト史 (世界各国史)ポーランド・ウクライナ・バルト史 (世界各国史)
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NHKビジネスクリエイト(NBC)  女性営業部長を懲戒解雇

 NHKの子会社で印刷業などを手がける「NHKビジネスクリエイト(NBC)」が2011年、約1億4000万円の売り上げの水増しと、その隠蔽工作を理由に、女性営業部長を懲戒解雇していたことが分かった。NHKもNBCも2014年までこの事実を公表していなかった。NBCは、他の不正経理も含め、同年3月期に約2億7000万円の特別損失を計上していたが、こうした不正を公表いない。また、この営業部長を刑事告訴もしていない。


 NBCの内部資料やNHK関係者によると、NBCの内部調査で不正が見つかったことから、10年12月、弁護士や公認会計士らによる調査委員会が設置。営業部長は少なくとも09年3月から売り上げの水増しなどを繰り返していたほか、隠蔽のため、約1500万円分を取引先に肩代わりさせ、その穴埋めとして取引先への外注費を水増しするなどしていたことを確認した。


 他にも大手飲食店チェーンと印刷会社2社に対する売掛金計約1億2000万円が長期間、回収困難になっており、一連の不正経理には営業部長のほか、「営業顧問」の肩書を持つ社外の男性が関与していた。


 NBCは「信頼を大きく失墜させ、決して許されない行為」だとして11年3月、営業部長を懲戒解雇。さらに、男性との顧問契約を解除したほか、社長を含む役員ら計6人を減俸などの処分にした。ただ、女性営業部長らによる私的な流用、横領が確認できなかったため、刑事告訴はせず、売り上げを良く見せたかったためにこのようなことをしたのではないかという認識だった。

巨額横領 NHK出版 河野逸人編集長を懲戒免職

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 今から10年以上前、NHKで大きな不祥事が相次いで受信料不払いが国民全体に広まって多発。局が大きく動揺した事件があった。あの時、会長は「綱紀粛正」、「再発防止」を何度も強調し、NHKだけに認められている特権的な扱いや待遇、無駄な資産の売却などを次々打ち出して火消しに躍起になった一時期があった。京王井の頭線の富士見ヶ丘駅の南にある「NHK運動場」もその時に売却が決まり、今は杉並区のスポーツ施設としてテニスコート、野球場など、サッカー場以外が活用されている。サッカー場は隣接する家屋の住人がクレーマーになっており、騒音苦情を訴えているために未だに活用されず持ち腐れになっていると聞いたことがある。


 このNHK、新会長が歴代ダントツのトンデモ人物の就任を迎え、同時に業務上横領が連続して発覚するなど大揺れになっている。NHKには、渋谷区神南のNHK本社周辺に、NHKからの天下り先にもなっている関連子会社が数多くあるが、その一つ、「NHK出版」において、架空発注やカラ出張を繰り返して合計11年間に約1350万円を不正流用していた編集長が懲戒免職になった。免職になったのは放送・学芸図書編集部の河野逸人(かわの・はやと)編集長、52歳。今後、河野編集長の刑事告訴を検討しているとNHKはしているが、これだけの巨額の横領であれば、その手続きが取られなければ逆におかしい。

 
 河野編集長は2003−2013年、2人の親族に大河ドラマや連続テレビ小説の関連書籍の校正など計63件(約900万円)の業務を発注。しかし、これらは全て架空業務、または不必要な業務だった。他、約40件のカラ出張と交通費の不正請求、約310件の私的飲食の請求(450万円)が確認された。これらは2013年12月に内部通報で不正が発覚。河野自身が不正を認めて別の親族の負債の返済に充てるなどしていたと調査に回答している。

 
 河野は書籍や雑誌製作の責任者でNHKが語学講座などをテレビ、ラジオで放映しているもののテキストを作ったりしている。本来は校正業務などの発注をチェックする立場だったが、その立場を悪用し、自ら発注することも認められていたために11年間も発覚しなかった。監督するはずの上司らも河野の親族への発注に気付かなかった。


 NHK野崎隆常務

 「信頼を裏切って大変申し訳ない」



12123b11.jpg 河野編集長は、大河ドラマ「江 姫たちの戦国」の制作に関して、インタビューに答えていたこともある。
 

 http://www.salf.or.jp/wp/?page_id=20


第一回インタビュー
NHK出版 放送関連図書編集部 編集長
河野逸人さん


~自己紹介~
私が今やっている仕事はNHK出版の放送関連図書編集部というところで、ドラマ関連本や文芸などの編集をするという、いわゆる出版社の本の編集ということをしていて、私はそこで編集長をしています。 具体的には本の単行本なんかもそうなのですが、他にも雑誌とかムック系のもの…例えば大河ドラマストーリー、今やっている「龍馬伝」の雑誌ですね。 こういったものの他に、年末にやる司馬遼太郎の「坂の上の雲」のドラマガイドなどを出したりしています。あとは去年土曜ドラマになった諜報小説物の「外事警察」とかもやったりしています。
単行本の文字系のものとヴィジュアル系の、役者さんに取材して、写真を撮ったり対談したりだとかいったことを普段やっています。今回はドラマの原作ということに絞って、出来る過程というのをお話しできればなと。
まず、近年は舞台となった地方にもたらす経済波及効果というものが非常に大きくて、去年放送された「天地人」というのが新潟に200億円、山形に150億の経済効果があったというふうに言われていまして、地方経済にもたらす起爆剤みたいなものに大河ドラマというものはなっています。したがって各地域から物凄い勢いでNHKに誘致活動というのがありまして、私が聞いた範囲では30近い「地元に大河ドラマ持ってきてくれ」という運動があるようです。それだけ地方が経済活性のための起爆剤として期待するということに繋がるのだと思います。

~”脚本家”田渕久美子との出会い~

この「江」の話、まず田渕さんとの出会いの話からいたしますと、最初に知り合ったのは多分もう15年くらい前です。お兄さんがコピーライターとかいわゆるライターの仕事をしている方で、そのお兄さんから紹介されたのが最初の出会いですね。
その時はそんなとんとん拍子で階段を上っていくとは思ってなかったですね (笑)。田渕さんとそういうことでお知り合いになって、それからNHKの朝ドラの「さくら」っていうのを書かれたんですね。 後は民放とか映画でもご活躍されて、「天地人」の前の宮崎あおいさんが主演した「篤姫」という大河ドラマが大ヒットしまして、あれは宮尾登美子さん原作「天璋院篤姫」を基に田渕さんが脚本を書かれたものでした。
その「篤姫」をやっているときに、「もう1度田渕さんに書いてもらいたい。篤姫の何年か後で、ついてはオリジナルでいきたい。原作も作ってもらえないだろうか。」と言われたのが「江」制作のきっかけです。

~原作者としての、脚本家としての”江”~

「江」は原作を作るときから大河ドラマになるって決まっていましたが、その時は浅井三姉妹の三女”お江”を主人公にすることしか決まってなかった。タイトルが何だとか決まってなくって。 だからもちろん基になるものも何もなく、ご本人がそれをやりたいっていうことから始まった50作目の作品でした。ただここで問題になるのが、今回は原作も書いて且つ本人が脚本も書かなくてはいけないことなんです。
どういうことかというと、放送は2011年からということは決まっているわけだから、そこにはある程度脚本もできてなくてはいけないっていうのもあるし、原作っていうからには前に基になるものが出来てなきゃいけないわけです。なると脚本の前に原作が出来てなきゃ いけないし、彼女が二重に書かなきゃいけないんです。同じ素材だし同じ人が書くんだから別に良いじゃないか、書きやすいんじゃないのって思う人もいるかもしれないけど、やっぱりその小説と脚本っていうのは別物っていうか全く違うものなんですよね。
例えば小説っていうのは上下巻のなかで完成させれば良いものなんですけど、脚本になると1回45分のドラマを毎週見せていくわけですね。そうなると45分である程度完結させなきゃいけない、「もう1回次見よう」って気にさせなきゃいけないという非常にテクニカルな面も必要になってくる。しかも1年間50回で終わらせなきゃいけないっていう制約もある。脚本は上野樹里というのをある程度イメージしながら、あるいは信長を豊川悦司さんがやるなんてことをある程度気にしながら書かなくてはいけない。そういう作業になるので、書くといった意味では別物だというふうに思っていた方が良いと思います。
収録はここから始まりますとか、ロケは何月何日から始まりますっていうのはすべて決まっていますので、脚本が遅れるとえらいことになるんです。
そういうことで、ある時点ではもう原作から離れなければいけないという制約があったんですね。つまりそこからは脚本に移ってもらわなくてはいけないから、何月何日までに田渕さんにかかせなければならないんです。
ちょっとは遅れましたけど一応約束通りに原稿をいただいて、脚本を書かれているという…この前話したら20週くらいまで書いていると言っていましたね。もちろん原作と脚本は全然別物ですけども、彼女は「原作を書いて非常によかった」っていうことを言っていました。 ここまで来ているんだなっていうことがよくわかって、次は何を書けばいいかって全体像が非常によく見える。だからそれに関しては非常にやりやすいと言っていました。これが、原作が出来るまでの話です。

~新しい挑戦~

番組のプロデューサーから、せっかくこういう風に原作が出来て、こういうコンテンツがあるので、これをなにか利用したいということを言われました。つまり番組が始まる前に、事前にさまざまなプロモーションをかけるということはできないだろうかと。
NHKの大河ドラマとかそういうのをあまり見てこなかった若い人たちに番組を見てもらうという、今までにない試みでもあるし良いんじゃないかと思いました。漫画にしたいっていう案がありまして、漫画と大河ドラマを融合するようなことはできないでしょうかと依頼がありました。
NHK出版で漫画を出せないことはないんですがほとんど漫画を出したことがない、また漫画を出すノウハウもないということで出しても失敗になる恐れがある。色々出来ないかなって思っていたんですけど、たまたま講談社の漫画の”デザート”っていう雑誌があるんですが、そこの副編集長の方から原作を漫画にしたいという熱心なオファーがありまして、是非やりましょうということになりました。
実際デザートでも連載がはじまっていまして、10代の層に江がだんだん浸透していけば良いなって。そういう意味で、10代の女子高生が大河ドラマに触れるっていうのは、新たな読者層、視聴者層を開拓できる1つの突破口なんじゃないかと思います。
その漫画という新たな展開だけではなくて、講談社はケータイでそれを配信するといったようなことも既に始まっています。また、当社では江を事前に電子書籍にする試みもしています。 先程も話したようにドラマが始まる前に何が出来るかっていうことを考えてみると、こういう原作というコンテンツがあるのは我々が川上に立つことにもなるので、有益な方法になるんだろうなと思いました。以上であります。

~インタビュー(Q&A)~

Q編集長とは具体的になにをする人ですか?

A私の編集部には今8人いて、出版物を毎月のように作っています。
私は様々な人との打ち合わせだとか、交渉するだとか、担当ごとの
ゲラ刷りをチェックしています。毎日このような仕事をしながら、他には
作家の方と飲んだり、声をかけたりとかしています。

Q作家さんとプライベートで交流はありますか?

Aありますあります。作家とよく飲みにいったりとかします。

Q田渕さんの書く作品は2作続けて女性が主役だが何か思い入れはあるのでしょうか?

A大体女性が主人公だね民放のもそうだし。やっぱり非常にうまいですよね。
んー…男の物語は書けないのかなぁ。ちょっとわからないけど。「篤姫」なんかのときもそうですけど。女の人がハマるツボみたいのを心得てるのかもしれないね。

Q河野さんが1番ぐっときた女性は誰ですか?

A江はどっちかっていうとお茶目な感じがしますよねぇ…やっぱりお市が良いかな。ちょっとずれるんですけど江と春日局の生母と乳母の対決っていうのが非常に面白いんですよ。ドラマでは原作より大奥が出来るまでのことについて扱うんじゃないかな?

Q本を映像化するにあたり不安な要素はありますか?

A原作者の意図と、映像がかみ合わないときですかね。「江」に関しては何も心配してないです。

Q河野さんが、個人的に映像化が楽しみなシーンはありますか?

A1つ好きなシーンがあってこれは絶対に映像化してよって言ったんですけど、江が柴田勝家に連れられて北ノ庄に行くじゃないですか。そこで勝手に馬に乗って駆け出して行って帰ってきたところを勝家に怒られるじゃないですか。それがきっかけで家族のきずなが生まれるあのシーンなんかは田渕さんすごい上手いなと思いましたね。

Q資料はどれくらいありましたか?

A資料は欲しいと言われて用意しましたね。あと実際に現地に取材に行きました。北ノ庄とか琵琶湖の小谷城とか。

Q河野さんが20歳前後のころ歴史小説は読んでいましたか?

A歴史小説は読んでなかった。村上春樹とか(笑)。司馬さんの「燃えよ剣」ていう土方歳三の話であれは読んでました。

Q篤姫は大奥を閉じた人、江は大奥を開いた人だが、江になったときそういうエピソードはありましたか?

A多分あったと思いますよ。「篤姫」があれだけ当ったので、篤姫が大奥を閉じた人、それと対照的な大奥を開いた江というのは頭にあったと思います。映像化するかどうかはわからないけど。

Q河野さんが普段本を読んでいてここは映像化してほしいと思うことはありますか?

A一読者として読んでいると逆に映像化してほしくない方が多いかな。本って自分の頭の中でイメージしながら読むじゃないですか。それに対して映像っていうのはリアリズムで見せてしまうじゃないですか。それは違うかなと、ある意味で映像化は恐いですね。そういった意味では篤姫も江も世間に知られていない分、映像化によって固定観念がつきそうで恐い半面、大河ドラマによって知ってもらえるならそれはそれでいいのかなとも思います。そこは葛藤ですね。

Q作家さんのモチベーション管理における裏技ってあるんですか!?

A僕も聞きたいです(笑)。思い出したくないこともいっぱいある(笑)。結局は信頼関係なんだよね。こいつなら大丈夫って思わせるような関係を築くことが大事なんだよ。向こうに怒鳴られてこっちもキレたらそこで関係終わりじゃない。そういうことだよ。なかなか難しいと思いますけど。

河野さん、ありがとうございました

ロシア ウクライナに侵攻 降伏を要求

4854d0ce.jpg ウクライナの親ロシア政権大統領として金満御殿に暮らしていたヤヌコビッチが、ウクライナ国民の猛反発を受けて官邸の庭からヘリコプターで逃亡を図ってからウクライナの民主化運動は一挙に緊迫。ウクライナ共和国の領土である南部のクリミア半島に突如、侵攻して駐留を始めたロシア軍が、あっという間にほぼ半島全土を制圧した。黒海艦隊のロシア兵には実際は海軍だけでなく陸軍、空軍の兵力がある。日本に在日米軍、在韓米軍があるのと同じように、ロシアは動きが取りやすい不凍港を手放さず在ウクライナロシア軍を持っている。ロシアが3日、半島内にいるウクライナ軍に対して4日午前5時(日本時間正午)までに「降伏」しなければ攻撃すると最後通告している。これは国際法では宣戦布告一歩手前の行為であり、ロシアが非常に危険な戦争行為を真顔で行おうとしていることがわかる。

 
 1954年、フルシチョフがウクライナ領土と認めて以来、クリミア半島はウクライナ領土であって、ロシアの権益を守りロシア系住民を保護するという名目であっさり国家主権侵害の軍事侵攻を行うのは、第二次世界大戦前の粗暴極まる論理。かつて「利益線」や「在留邦人の保護」を主張して朝鮮半島や中国大陸に侵攻し、傀儡国家の満州国建国を行った帝国日本軍の行為と同じである。

 
 ロシアは圧倒的に世界最大の領土、国土、領海を持ちながらそれらを全く使いこなすことができず開発は大幅に遅れている。にもかかわらず領土的野心は非常に強力で、日本との間で北方領土の紛争が終わらないのも、日本にも単独講和に踏み切って主権を放棄したという落ち度があるが、ロシアの大国覇権主義が強すぎることにある。ロシアは先月、バルト三国の一つ、小国エストニアとの間でも国境線が確定させたばかりだが、これについてもほぼロシア側の主張そのままに力で押し切った国境確定だった。エストニアのような小国がロシアに対抗できるわけがなく、ヨーロッパ諸国やEUもエストニアに対して譲歩と国境紛争の終結を促しての決着だった。広大な領土を持っているロシアは、それでもなおエストニアのような小国からさえ、わずかな土地をも削り取っていく。

 
 子どもの頃、まだロシアは「ソビエト連邦」だった。旧ソ連、それは日本人にとって恐怖の対象であり、シベリア抑留の死亡者、被害者の記憶やチェルノブイリ原発事故の衝撃も新しい未知の閉鎖国家だった。今に続く名ばかりの「連邦」であり、実際は軍事・警察国家と強制収容所の圧政連邦。歴史的にもポーランドにはカティンの森事件、ハンガリー動乱、チェコのプラハの春など、大規模な虐殺・侵攻が相次ぎ、恐怖の専制政治はスターリンだけではなかった。


 現大統領プーチンに勝るとも劣らない怖い顔つきの指導者が次々に現れては暗殺されたり粛正されたりしていった。書記長だった人物でさえ地位は安泰ではなく、アンドロポフは突然、急死した(今も暗殺説が絶えない)し、改革開放=ペレストロイカ政策、情報公開のグラスノスチ政策を推進していたゴルバチョフは右派と左派の板挟みに遭い、今回のクリミアに滞在していた時に保守派に軍事クーデターを起こされて幽閉され命からがら失脚していった。

 
 この後、一挙に旧体制へ引き戻そうと強硬な鎮圧に出た保守派のヤナーエフ、ルツコイ、ハズブラートフ、ジュガーノフら共産党幹部を蹴散らして権力トップに駆け上がったのが、もっとも急進的な民主主義を求める「民主綱領派」だったボリス・エリツィン。保守派議会との攻防では大統領解任と最高会議・人民代議員大会の強制解体という報復合戦で対立の頂点の時、ロシア最高会議ビルを戦車で砲撃。議会のビルを穴だらけの黒こげにしてしまい保守派を降伏させ一挙に駆逐した。
 
 共産党体制解体に威力を発揮したエリツィンは、巨漢の体躯でそびえ立つ新時代ロシアの急進民主化リーダーとして強烈な勢いを持っていたが、実際は新国家ロシアの大統領エリツィン体制に変わってからロシアは大混乱の時代に入る。後先を考えない急激な市場経済移行で経済や市民生活は破滅的になり、治安や栄養状態も悪化。街には高学歴の女性が売春で命を繋ぐほど国民生活は困窮を極め、ロシアは債務不履行、通貨ルーブルの破綻を経験。さらにイスラム教徒が多いチェチェンとの軍司紛争が泥沼化、エリツィン自身の強権と縁故政治によって政治の腐敗や警察国家化が進み、国際的地位を大きく低下させたのがエリツィンだった。

 
 1993年、トムスク核施設爆発事故、グルジア独立内乱、モスクワ議会が大混乱で機能停止に。さらに1995年には天災が襲い、旧樺太=サハリンで大地震があり2000人以上の死者も出たが、エリツィンは有効な手を何一つ打てなかった。それどころか、自身の都合と政敵の脅威をつぶすために首相を次々に解任。自らがもっとも批判してきた旧体制のもっとも象徴的な残滓であった秘密警察=KGB出身のプリマコフを首相に抜擢し、彼が活躍するや将来の脅威と考えて電撃解任。さらに次のステパーシンをたった3ヶ月で解任した後、最後に抜擢したのが今のプーチンだった。彼も秘密警察=KGBあがりの人物だったが、エリツィンに忠誠を誓い、エリツィンの政敵を駆逐するに非常に功労が高かったため、あり得ないような大抜擢を受けて首相に就任したが、まだエリツィンが完全に政界を引退するまではプーチンも息を潜めて時を待っており影は小さかった。
 
 
 プーチン政権になってから、ロシアのテレビ局や新聞もロシア政府系に買収・占拠されて口を封じられ、これまでに200人以上のジャーナリストが暗殺を含めてロシアの批判記事を書いた関連で殺されている。もっとも有名なのが、厳しいプーチン体制批判で暗殺された女性記者アンナ・ポリコフスカヤ事件と、元KGB将校でスパイ活動に従事していたが英国に亡命してプーチン批判の記者活動を始めたアレクサンドル・リトビネンコ暗殺事件。ポリコフスカヤ記者は惨殺され、リトビネンコはロンドンにまで刺客がやってきて製造・入手とも困難な猛毒、「ポロニウム210」で暗殺され、あちこちのサッカースタジアムや公共施設が閉鎖・消毒されたりして大騒動になり、プーチン政権の英国主権侵害としても大きな外交問題になった。


 プーチンは、ロシア正教会に帰依する信徒とされており、プーチン自身もそれを装っているが、実際は敬虔で慎ましやかな信仰心とはほど遠い人物。時の政権と癒着して教会の立場を保護してもらう歴史はロシア正教会の「伝統」でもあるが、それは腐敗や堕落と常に裏表でもあり続けた。停滞と混乱が続くロシア国民を心理的にまとめる上でも、旧体制の共産党を駆逐するにも正教会を保護して利用するのが便利だったため、プーチンはロシア正教会を積極的に保護、支援し続けて政治に活用している。数年前のグルジア軍事侵攻の時にもロシア正教会も政権を支持し、プーチンは教会を政治に利用できた。


 ロシアがウクライナ国土であるクリミア半島に侵攻し「降伏」を要求するという異常事態だが、そこは明瞭にウクライナ共和国の内側である。今も続くチェチェン共和国との「紛争」では非人道兵器を含むあらゆる兵器が使われ、国民の半数以上、2/3が虐殺されて町や村は焦土になった。


 国家の威信をかけて取り組んだ懸案のソチ五輪は、大国ロシアの最多獲得メダルを記録してすでに終わった。今回も目論見通りにロシア正教会も政権の侵攻を支持しプーチンには歯止めが利かない。宗教的権威も身にまとい、ロシアの権力のためには全てを動員する。何事にも手段を選ばず、糟糠の妻にも愛想を尽かされた秘密警察あがりの狂犬のようなこの独裁者の本性が、これからのウクライナ・クリミア半島侵攻事件で次々に発揮されそうで空恐ろしい。

 
 
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教会音楽と声楽の才能

b43fa28b.jpg オランダ人の Amira Willinghagen さん。9歳。

 http://whats.be/2607


 声楽の才能はだれにでもある。音痴と言われる人は、その人にかつて音楽を教えた人とやり方がまずかっただけであり生まれついての矯正できない音痴などいない。30年くらい前、NHKの番組でガッツ石松など何人かの音痴な人がその克服に挑戦する番組があり、ひどい音痴だった声がみるみる改善していったものを今でも思い出す。どうしてもうまく発声できない受講者に対して裏声(ファルセット)で歌う訓練を施して感覚をつかませようとしていたが、大きな効果があった。声楽でも高いソプラノやカウンターテナーはほとんどをファルセットだけで歌い続けている。


 最近、NHKで

 趣味Do楽 「めざせカラオケキング!」 
 広瀬香美のボーカル・レッスン


 という番組があり、荻原次晴、熊谷真実、高橋真麻が生徒役になってレッスンする番組があった。

  
 NHK出版  NHKテレビテキスト「趣味Do楽 めざせカラオケ王!」

 
 スキー場でお馴染みの人気曲をヒットさせた広瀬香美が歌の指導を行うシリーズでこれで第2弾。カラオケ上達法を伝授していた。


 だが、この番組の内容は、「ハイパーボーカリスト」として鳴らす広瀬香美が歌指導をしているので、普通の人にはなかなか真似ができないことと、下手をすると喉を壊したり声楽の発声を誤解する可能性がある。広瀬ボイスは圧倒的な声量と声域、躍動感が売りであり誰でもあのような歌い方ができるわけではない。事実、元フジテレビアナウンサーの高橋真麻は歌がうまいことで知られたが、容易に実践できなかった。

 
 声楽の基本は古典の合唱。教会音楽の合唱はそのイロハになっていて、きれいで純粋に濁りのない発声をしようとするならば、そこから始めた方が良い。変化をつけて後に演歌やJポップに転向・発展させるのは良いが、スタートは純粋声楽が良い。事実、それをくぐって成長した歌い手は長続きしている。もっとも有名なのが北島三郎で、彼は元々、大久保に今でも続く東京少年少女合唱隊の出身。だから、彼の発声は無理がなく声帯を壊すこともなく、御年80歳近くになっても人前で歌うことができる。北島は後に東京声専音楽学校(昭和音楽芸術学院。2007年に閉校している)に進んだが、歌謡曲への思いが切れずに卒業後、歌謡界へ転向して今の成功に繋がっている。


 教会音楽の聖歌曲、その発声を煎じ詰めると

 「誰が歌っても同じに聞こえる声」

 が究極である。本当に優れたラテン語の教会音楽曲は、どこの国のどの民族が歌ってもその歌い手の国籍がわからない。アフリカの聖歌隊かもしれないし、日本やペルー、アルメニアの合唱団かもしれない。天に奉唱するための声に個性や個人のPRはいらない。その点が、Jポップやジャズ、ロック、仏教声明と異なる点である。個々人の色彩を上に重ねていく工夫は、後から成長して大人になってやっていくことになる。


 日本にはまだ導入されていないが、アメリカや英国で人気になった番組、Got Talent があるが、これにオランダ版ができた。最近、これに登場したスーパー少女が、アミラさん。本名、Amira Willinghagen さんで、年齢はまだ9歳。にもかかわらず、これだけの歌唱力を持つに至った。誰かがしっかり基礎から外れない発声を教えたからであるが、ここまでの才能が実際にあるということに非常に驚く。

 http://whats.be/2607

 このアミラさんが将来、どのような歌い手になるかはわからないが、故障が少ない、寿命の長い歌い手になるのではないかと思う。


 

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