4fb8cb20.bmp 私は巨人ファンではない。もし、巨人のオーナーがナベツネでさえなければある程度事情は変わっていたかもしれないが。典型的な老害オーナー、渡辺恒雄。この世で最悪の部類に属する人物だと思う。日本の野球界だけでなく、相撲界、マスコミ、政界など全てを腐らせてしまった。日本の著名人の中で、最も旧ソ連のスターリン的な人物ではなかろうかと思う。
 
 私が軽蔑してやまないあの元毎日新聞政治部番記者、岩見隆夫が聞き手になり、中曽根康弘とナベツネがゲストになって収録された最新の放談番組で、ナベツネは、新監督は9月下旬くらいまでには決まるだろう、若手を育てて勝つチームを作れる監督であることが一番だとのたまわっていた。読売新聞にとっても、巨人軍にとってもナベツネがさっさと引退すること以上の「若手育成特効薬」は他に存在しないのだが、ご本人のみそれがわからないらしい。 
 
 しきりに岩見が「H監督」ですかと探りの質問をしていた通り、原辰徳が巨人の監督に復帰するかという話が出ているが、彼は断る可能性が高いらしい。真偽のほどは定かでないが、それが賢明だと思う。「読売内部の人事異動だ」とまでいわれ、あれだけナベツネにコケにされたのだから、原はナベツネが完全引退するまでは復帰しないで力を貯めておいた方が良い。彼がいるうちはあれこれ制約が多すぎてできることもできない。どうせあの男は読売の会長を引退するどころか、寿命そのものがあと何年かで引退である。
 
 私は江川卓のファンでもない。だが、彼が巨人監督に前向きだという話は興味深い。「江川監督」というのは見てみたいと思う。話題にもなるだろうし、今の巨人の投手崩壊状態をテコ入れできる可能性が高い。彼が母校、法政大で臨時コーチになって教えていたのを見たことがあるが、非常に具体的、実践的、合理的、実質的なコーチングだったので感心したことがある。

 江川の子どもと私にはちょっとした偶然がある。彼は吉祥寺と縁が深い。彼の子どもは二人いるが、そのどちらも吉祥寺の産婦人科で生まれたらしい。今はもうなくなったが、駅の南口、丸井百貨店のちょうど裏手あたりに「吉田病院」という評判の病院があった。何を隠そう私が生まれたのもこの病院である。
 
 江川の子供達は、名前が(さき)と(あと)。ふざけて付けた名前ではなく、「日の出=サンライズ」という意味があるのを込めてこのように命名したと本人が言っていた。

 全盛期の江川。松坂、伊良部、五十嵐、クルーンのような「剛速球」というような重い球には見えなかったが、「快速球」というにふさわしい伸びのある、跳ね上がるような球が魅力だった。そして何よりカーブ。すっぽ抜けたように放り投げた球がベースの上でワンバウンドするような低さで届き、それに打者がくるくるとバットを振る姿を良く覚えている。

 饒舌で弁が立った。それゆえ、引退後は完全にタレント。一時はかなりの借金を作ったことがあったが、ものの数年で完済してしまった。視聴率が稼げるお茶の間の人気者である。

 「どうしても巨人に入りたい。」

 その一念からドラフト制度盤石の時期にあえてルール踏み外しすれすれの「空白の一日」作戦で巨人入り。代わりに生け贄になった小林繁と交換で阪神・巨人間のトレードという形式にて入った経緯がある。それゆえマスコミにべらぼうに叩かれた。江川をどちらかというと嫌いだった少年時代の私も、なぜ彼がこれほどまでにリンチを食わなければならないのかがよく解らなかった。今考えればあれもまた極めて「日本的な現象」であった。

 ピッチャーとは守備の要どころか守備そのもの。投手力がないと野球にならないということは、巨人、楽天、ヤンキースに至るまでを概観しても明らかだと思われる。十数年に渡って野球の現場経験が欠落している江川が、栄光の巨人軍監督になれるとすれば、現在のように実力、人気ともに危機的な状況にあり、狙った人材がどれも難色を示したり不適格だったりしているような今を除いては今後、ずっとないだろうと私は思う。
 
 巨人の監督を切り盛りする江川卓を見てみたいと思う。