4403e1c0.JPG 先日、仕事柄、郡山へ出かけてきた。で郡山から磐越西線会津若松の方角へ。磐梯熱海駅というところであった。温泉街としてかつては賑わったこともあるようだが、今は寂れた街になっていた。日本の地方はどこもこうしたところが圧倒的に多い。つまり、首都圏からたどり着くのが高くつき、面倒だからである。新幹線と特急を乗り継げばそれは早かろうがべらぼうに高い。今の日本国民はそれほど経済的に国内旅行への散財ができる余裕はない。

 帰路、どうやって帰ろうかと思案した。できれば、会津若松から西若松へ。そこから芦ノ牧温泉などをかすめながら、会津鉄道野岩鉄道東武線を経由して浅草まで帰ってきたかったのだが、夕方5時前の段階で乗り継ぎダイヤが完全に終わっており断念。JRで帰ってきた。休日だったので、土休日のみ運転している特急会津に乗車。運悪く、全席指定券が売り切れており立ち席特急券となってしまった。
 
 乗車したところ、キャンセルがたくさんあったらしく、あちこちにずいぶんと空席が目立つ。切符を見に来た車掌に座っても良いのかと聞くと差額を払わなければならないといわれた。実にけちくさいと思いつつも、黙って座ってしまってもばれなかったろうが、なんだか思うところがありずっと立ったまま車窓の風景を眺めていた。

 私は初めて乗車する路線では必ず線路の構造、つながり方などをチェックする。今回も郡山駅から磐越西線に乗車した時、単線ではあったがしっかり電化されていた区間だった。本線からそのまま首都圏からの東北線がスムースに入っていけることを確認。しかも途中の区間には部分的に複線化したり、待避線を設定できる場所がいくらもあることを確かめた。てっきり郡山から会津若松まではスムースに入っていけない線路のつながり方をしているものとばかり思っていたので新鮮な発見であった。

 思うに、首都圏に暮らす人で会津若松へ旅行に行ってみたいと思う人は莫大な数に上るのでは無かろうか。会津若松が没落してしまっているのはひとえに列車がつながっていないからに他ならない。会津若松から首都圏までは特急、快速の様なダイヤで列車を走らせればおよそ4時間程度か。十分に乗っていられる時間の範囲内である。
 
 なぜ、JR東日本は会津若松行きの快速列車を走らせないのだろうか。往復数千円程度でいけるのであれば大人気になること請け合い。18000円もかけて何度も乗り継ぎながら出かける物好きは少ない。
 
 「乗り換え回数が少ないこと。」
 
 観光路線にとってこれは決定的に重要な点である。乗りっぱなしということはつまり、眠っていても、読書をしていても、友人と談笑していても良いと言うこと。そういう列車を日本人は望んでいる。

 アルプスにつながる中央線にも、越後湯沢や水上温泉につながる上越線にもいえることだが、JRは特急の整備ばかり進めて在来線を完全に軽視している。しかもその特急がそれほど大人気の混雑になっているわけでもない。空席のままで走っている特急がなんと多いことか。これでは資源とエネルギーの無駄遣い。「環境に優しい鉄道」と胸を張れない。
 
 けちけちせず、在来線で長距離優等列車を増強すべきである。もとより特急列車への乗客数は減って収益がその点では落ちようが、列車を利用する絶対数が飛躍的に増えるはずである。鉄道が戦わなければならない競争相手は、高速道路バスやもはや一人に一台時代に近いマイカーに他ならない。出し惜しみをしている場合ではない。
 
 連結決算の収支を見てみると、JRは各社どこもわずかながら増収となっているが、それは乗客数が増えてのことではない。新規に開発した駅ビル事業などが好調だからである。乗客数はこの十数年ほどどのJR各社も緩やかに微減が続く。このままでは10年後のJRは非常に危ういと思われる。 
  
 特にJR東日本の英断を期待したい。