直接見知らぬ他人に対して、「匿名で」、「非論理的=感情的に」、「ぼろくそに誹謗中傷する」人間が、近時の日本において大規模に増殖したことは改めて強調するまでもないが、その一例として、今井紀明くんのウェブログコメント欄をご紹介したい。これを見ると非常に匿名の陰に隠れる連中の精神病理がよくわかる。

 今井紀明。すっかり有名人である。今は20歳になったが、かつて高校生時代、イラク戦争開始後にイラクに入り、人質となった3人の日本人の一人。高遠菜穂子さんらと共に日本中から叩かれに叩かれたことは記憶に新しい。

 彼ら3人について、私個人としては好印象を持てない面がかなり多くあるが、しかし、日本中が沸騰した先の彼らに対する執拗な攻撃は、病理的に異様だったとしか言いようがなく、人質の彼らや彼らの親族らがとったまずい対応、態度を非常に厳しく勘案して判断したとしても、ほとんど正常な精神のなしうることではなかった。

 彼らが受けた罵詈雑言の日々について、そのテーマの内容から公開が難航を極めたが、映画「バッシング」で小林政広監督が描き出している。秀作であるかどうかは不明。私もいずれ見てみたいと思っている。

 さて、今井くんがオープンしたサイトは、

 「今井紀明の日常と考え事」 
  http://www.doblog.com/weblog/myblog/55425

 これで彼が発言し始めた途端にYahoo!のニュースなどで紹介されたこともあるが、閲覧者数が鰻登り。コメント欄には連日、3桁、4桁に届く罵詈雑言の雨あられとなった。
 
 また、彼が彼に実際に送りつけられてきた嫌がらせの手紙こちらで公開している。

 「向き合いの中から生まれるもの、それは対話」
  http://blog.livedoor.jp/noriaki_20045/
 
 これがより一層、今井くんに怨恨的な反感を抑えきれない人たちの神経を逆撫でしたらしく、本人も周囲も驚くおそろしい反響を呼んでいる。

 だが、それらコメントを見てみるとほとんど全てが小児病患者のような幼稚な書き込みばかり。精神病理学の対象にしかなっていないと思わされるものもある。匿名に隠れ、議論の客観性がまるでなく、感情的な怨念を考え得る最悪の悪口に乗せて叩きつけるこの世で最も卑しまれるべき連中と言って過言でない。

 もとより今井を批判することそれ自体には何の問題もない。ただし、それはそれが論理的で、議論の客観性を保った品位と作法を守って行われた場合にのみ許されること。それらの品格を保った今井への批判コメントはほとんど皆無である。ほとんどが薬物中毒患者よりもひどい、散らかった醜い人格そのものが活字にされた書き殴りである。

 女子ゴルフの宮里藍と横峯さくらさんも世界選手権の惨敗でぼろくそに中傷されたが、これも同じこと。不法投棄された廃棄物よりも汚らしい罵りには何の価値もない。