12bf39f9.jpg 吉祥寺(いせや?)で一人飲んでいる姿の高田渡。「みどり企画」、小林さんの撮影した1枚。 

 フォークからロックに転じて「エンヤトット」ロックを手がけるシンガーソングライター、岡林信康は、英国ロック歌手、ロバート・フリップ(Robert Fripp)から日本独自のロックを見せるべきでもう猿まねを辞めたらどうかとコメントされたことがきっかけで日本的旋律、歌詞に乗せた音楽を作るようになった。S&Gやボブ・ディラン、PPMなどは確かに優れた歌手であるが、日本人が英語もわからずただただそれを「カラオケ」しているだけではあまり意味がない。岡林のそれは韓国の打楽器集団、「サムルノリ」と出会ったことがきっかけで開眼し、御歌囃子=エンヤトットという境地を開いた。フィリップとサムルノリがなければ今のエンヤトットはない。

 それに対して高田渡は初めから終始一貫、日本語だけでフォークソングを歌い続けた。それゆえ、彼のフォークは「日本語フォーク」と言われる。日本人が日本で歌手として歌う以上それは当たり前のように思われるが、当時の日本音楽シーンはそうではなかった。「自衛隊へ入ろう」もその延長線上に生まれる。高田は徹頭徹尾、猿まねを嫌った変人的歌い手であり、その変人ぶりが今、再度注目されている理由の一つである。

 今夜、NHK教育テレビ、22時25分からの「知る楽」2回目でこうした話が披露される予定。

 
シリーズ内容  本放送と再放送

第1回 民衆の心を歌に 原点は少年時代 2月3日 2月10日
第2回 “日本語フォーク”の先駆者   2月10日 2月17日
第3回 反骨人生 時代に背を向けて   2月17日 2月24日
第4回 絶頂期の死 受け継がれる歌   2月24日 3月3日

第2回 “日本語フォーク”の先駆者   2月10日 2月17日

「自衛隊に入ろう」でデビューした高田渡。その功績は「日本語フォーク」を確立したことだ。多くのフォーク歌手が、流行のボブ・ディランやピーター・ポール&マリーなどをまねるなかで、高田渡はフォークソングそのもののルーツを研究。日本の現代詩と組み合わせることで、見事に日本のものとした。日本のロック界をけん引したムーンライダーズの鈴木慶一は「高田渡こそ最もオリジナルなフォーク歌手だ」と評す。