島根 わかちあいの会 虹   代表の桑原正好さん

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 日本国内の自殺者数はこの20年間、およそ年3万人だった数が少しずつ減って2万人強の数で推移している。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/jisatsu/jisatsu_year.html

 理由のトップは健康問題(病気や怪我など)で、次いで経済・生活苦の問題。家庭・家族の問題や、仕事の問題、人間関係の問題などが続く。日本では若い世代の死亡理由の第一位が自死となっていて、これは世界的に見ても非常に珍しく、日本と韓国に特徴的な統計になっている。

 自死は残された遺族にも深い傷を残し、大きな打撃を与えることになる。どうしてそれに気づけなかったのか、なぜ防ぐことが出来なかったかと自分を責め続け、自殺の原因を作った人物がいる場合には、その相手に対する恨みと怒りは筆舌に尽くしがたく大きいものになる。

 日本は、国民的な性質として人命を軽んじる傾向が強い。戦後70年以上、何万人もの過労死が出ても徹底した過労死対策の立法が進まない。労働基準監督署の行政チェックもまるでザル状態で役に立たない。外国人研修生制度は「現代の労働奴隷」であるが、何重にも行政や特殊法人が入り乱れて利害衝突問題にしかならない。いじめで何百人も子どもが自殺しているが、ほとんど刑事問題や重大な行政問題にはならない。森友問題では財務省の担当官僚が自殺に追い込まれたが、当事者だった総理、官房長官、財務大臣、理財局長ら誰も辞任せずに終わっている。

山陰中央新報・2019年3月3日・自死遺族フォーラム


 島根では、わかちあいの会 虹 という団体が作られ、代表の桑原正好さんらが「自死遺族フォーラム」を開催している。自死遺族の苦しみや辛い心理は同じ自死遺族でなければ容易に理解することは難しい。遺族が自死で大切な身内を失った理由は多種多様であるが、もし、その原因が宗教者、教育者、政治家、警察関係者、福祉職、医療職、軍隊関係者などによってもたらされた加害であった場合、事態は一層深刻な傷を残す。巨大な権力を持った者や、特権的な権威・優遇を受けた聖職者たちによる加害は古今東西、変わることなく多発している。日本ではそれらが克服されていくだろうという希望を持つことさえ困難な社会の現状にあり、それが今の日本が抱える巨大な課題であると言える。
自死遺族フォーラム・2019年3月3日_ページ_1


自死遺族フォーラム・2019年3月3日_ページ_2

 
 自死・自殺の問題は、優れて人権問題であり、いつまでも軽く見てはならない。

自死遺族フォーラム・2019年3月3日_ページ_3


山陰中央新報・活動10年 節目の10回目