西山さん 

 かつて看護助手として勤務していた東近江市の湖東記念病院で、患者男性に対する殺人罪に問われた女性が、その後、有罪が確定し、12年間、服役した後に再審開始となって冤罪が判明した事件があった。その詳細がたまたま婦人公論の記事でまとまっていたが、これによれば、冤罪の引き金になったのは、看護助手だった西山さんに軽い知的障害があったからではなく、冤罪が起こる時のいつものお決まりパターン、操作・取り調べが糾問的で自白の強要、見込み捜査、強引な供述の当て嵌めがいくつも重なって発生したことが露呈している。

 https://fujinkoron.jp/articles/-/689

 この事件で、滋賀県警の本部長、署長、取り調べを担当した刑事らは誰一人、処分を受けておらず、懲戒を受けていない。供述調書は刑事の創作どころか、とんでもないでっち上げであり、ここまで強引なねじ込みが通用すると本気で思ったのか、慄然とさせられる。

 日本の警察は捜査の弾劾化が全く進んでおらず、基本的に昔ながらの職権主義が大手を振ってまかり通っている状況にある。「冤罪」というが、警察主導で小さな事件の捻じ曲げ、捻じ込み、当て嵌めの捜査は蔓延しており、供述調書は完全に警察の創作文であることが改めて良く解る。

 警察の民主化や司法の働きは、民主主義社会を測る試験紙であって、その点で日本の「夜明け」はまだ遙かに遠い。