愛媛県警

誤認逮捕について謝罪する愛媛県警
篠原英樹本部長(奥から2人目)
二宮幸仁刑事部長(手前)ら

松山市一番町4の県議会にて
2019年10月3日午後1時1分
遠藤龍撮影


 窃盗事件で松山市内の女子大生、20代女性が松山東署に誤認逮捕された問題で、県警が21日までに、県警職員の福利厚生団体である互助会を通じて、警察官の内部組織の積立金として貯めていた金から支出して、この東女性に約50万円を支払っていたことが、捜査関係者への取材で分かったと朝日新聞が報じている。

 このような事案はほとんど聞いたことがなく、今回の誤認逮捕、冤罪事件がいかに粗雑な見込み捜査、自白強要だったかを示している。

 女子大生は逮捕されてから2日間、身柄を拘束された。
 
 「不安、恐怖、怒り、屈辱といった感情が常に襲い、ぴったりと当てはまる言葉が見つからないほど耐え難いものだった」

 などとする手記を公表している。

 産経  https://www.sankei.com/premium/news/190813/prm1908130009-n1.html

 現行犯や緊急逮捕、あるいは逮捕令状が執行されて逮捕され、身柄が拘束された被疑者は、すぐに取り調べが始まるわけではなく、まず、写真撮影、指紋採取、身長・足サイズ測定があり、その後、女性ならば女性警察官(あるいは医師)による身体検査が行われ、嫌疑の内容にもよるが、下着まで脱がされて検査が行われる。また、頬の内側の粘膜を採取してDNA組織のデーターベース登録が行われる。逮捕された場合ではなく、身柄拘束がなされていない場合には、裁判官の身体検査令状がない場合、これらの撮影、採取、測定を行うことは違法捜査で刑事訴訟法=令状主義違反になる。

 女子大生はこれら全てをやられたことによって
 
 「不安、恐怖、怒り、屈辱といった感情が常に襲い、ぴったりと当てはまる言葉が見つからないほど耐え難いものだった」

 と手記で心情を公表している。わずか2泊、留置場に勾留され、取調室で取り調べを受けただけでこのような強烈な批判にはならない。黙秘権の告知などあってないような自白の強要が行われていたことそれ自体は県警でさえ認めている。それをして違法はなかったと認識し、記者会見で弁明すること自体、驚くべきことであるが、残念なことにこれが日本の「捜査の弾劾化」の現実である。 

 
 朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/ASM8P5CXKM8PPFIB009.html

 
タクシー内の窃盗事件で松山市内の20代女性が松山東署に誤認逮捕された問題で、県警が21日までに、県警職員の福利厚生団体である互助会を通じて女性に約50万円を支払っていたことが、捜査関係者への取材で分かった。

 女性は7月8日に逮捕された。送検後、松山簡裁が勾留請求を却下し、同10日に釈放されるまで、2日間と3時間半、勾留された。その後の捜査で誤認逮捕が発覚した。女性の弁護士は今月1日の記者会見で、県や国への賠償請求は未定とした上で、精神的苦痛や費用面の補償を県警に求めていると明らかにしていた。

 捜査関係者によると、県警は捜査の過程で、女性に弁護士費用など金銭的な負担を生じさせたと判断。互助会から約50万円を支払ったという。「現時点で違法性があったと決まったわけではなく、あくまでお見舞金という形」だという。県警刑事企画課は支払いの有無について「相手がおられるのでお答えできない」としている。

 一方、法務省の被疑者補償規程では、検察から嫌疑なしとされるなど要件を満たせば「1日千円以上、1万2500円以下の割合による額の補償金を本人に交付」と定められており、弁護士は会見で、この補償についても松山地検に申し出ていることを明らかにしている。(藤井宏太)




10/3(木) 15:20 毎日新聞

自白強要「認められなかった」 愛媛県警、誤認逮捕の調査を県議会報告

 愛媛県警松山東署が松山市の20代女性を窃盗容疑で誤認逮捕した問題で、県警は3日、篠原英樹・県警本部長らが県議会スポーツ文教警察委員会に出席し、調査結果を報告した。「取り調べの過程で尊厳を著しく侵害するとともに、ことさら不安を覚えさせ、また困惑させかねない言辞(言葉遣い)があったことも確認された」と不適切な取り調べを認めた。一方、「自由な意思決定を阻害する、とまでは認められなかった」とし、自白の強要については否定した。

 事件は今年1月に発生。松山市内でタクシーから現金約5万4000円が入った運転手のセカンドバッグが盗まれた。女性は「ドライブレコーダーに映った女と顔立ちが似ている」などとして7月に窃盗容疑で逮捕され、松山簡裁に勾留請求が却下されるまで2日と3時間半にわたって身柄を拘束された。

 誤認逮捕を県警が公表した後、女性は代理人弁護士を通じて手記を公表し、
「就職も決まってるなら大事(おおごと)にしたくないよね?」
「認めないと終わらないよ」
 
 真犯人を見つけて下さいとの訴えに対して、

「真犯人なら目の前にいるけど?」

 などと自白を強要するかのような取り調べを受けたと告白。これを受けて、県警が取り調べ方などについて調査していた。【中川祐一】


201909愛媛県議会の委員会で謝罪する松下整県警本部長(中央)

 誤認逮捕問題に関する愛媛県警の調査結果のポイント

・ドライブレコーダーの映像が女性に似ているとの捜査員の主観をもとに捜査方針を決定し、同乗者や所持品などについて裏付け捜査をしなかった。

・ポリグラフ(うそ発見器)検査や顔画像鑑定の結果を過大評価した。

・捜査の初期段階から捜査幹部によるチェック機能がおろそかだった。

・女性への取り調べでは尊厳を著しく侵害するとともに、殊更に不安を覚えさせ、困惑させかねない発言があり、心情に配慮しつつ行うべきだった。