森法相20200309 日本の法の支配、法治主義が根本的に問われている黒川検事長の定年延長問題。甘利・UR汚職疑惑や共謀罪法案などで事務方として刑事手続き、立法過程を安倍総理の狙い通りに制御した「功労者」である黒川検察官(東京高検検事長)を、最高検の検事総長に据えようとしている疑惑である。内閣が前例のない「法解釈の変更」を急に行い、それを文書なしに「口頭による決済」で行ったと安倍総理、菅官房長官、森法相が答弁している。

 わかりやすく言えば、時の政権、総理にとってお気に入りの検察官であれば定年延長してでも検事総長にしてあげることができ、そうでない場合は通常通りに定年で退任という扱いにできるという検察権力の人事を、政府が公然と主張しているということになる。前代未聞の話であり、時の総理であれ犯罪行為があれば逮捕、起訴できる絶大な権力を持った検察官のトップ、検事総長をそのように恣意的に任官して良いわけがない。秋霜烈日、不偏不党、公正中立を絶対的な指針とする検察庁としてありえない人事手続きに、検察官内部からも、法律家、法律学者からも猛烈な非難が殺到している。

 自身も東北大学法学部卒の弁護士である森雅子法相は、連日、質問攻めにあっているが、徐々に思考が止まっておかしくなってきているようであり、答弁の内容が支離滅裂、妄想的に変化している。以下、本日の参議院委員会で立憲の小西議員の質問に対して行われた答弁。もし、これが事実だとするならば、内閣がひっくり返り、国家的大問題になる内容であるが、意味不明を極めていて委員会室が騒然となった。

 Video: https://twitter.com/i/status/1236943661218189313

 11月の段階では法案に含まれていなかった黒川検察官の勤務・定年延長が、1月になって急に法案に盛り込まれた背景にどのような社会情勢の変化があったのかと、単純に小西議員は質問しただけであったが、森大臣が、まず真っ先に東日本大震災で検察官が最初に勾留中の身柄拘束者を釈放して逃げたと答弁したことで大混乱に。また、インターネットの普及と捜査などこの質問に何も関係がない。

 指揮権発動を行うことさえできる森法相の頭の中はパニックを起こしている状態にある。こういう人物が法相を務めていること自体が、国家の危機といえる。

(2020.3.9、参院予算委 検察官の勤務延長を急に法案に盛り込んだ理由について)

例えば、東日本大震災の時、検察官は福島県いわき市から国民が市民が避難していない中で最初に逃げたわけです。その時に身柄拘束している十数人の方を理由なく釈放して逃げたわけです。そういう災害の時も大変な混乱が生じると思います。また国際間を含めた交通事情は飛躍的に進歩し、人やモノの移動は容易になっている上、インターネットの普及に伴い捜査についてもですね、様々な多様化複雑化をしているということを申し上げておきたいと思います。



以下、NHKのニュース記事から


森法相「検察官定年延長 法解釈の変更は適切に行われた」 NHK 2020年3月9日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200309/k10012321151000.html

東京高等検察庁の検事長の定年延長をめぐり、森法務大臣は、参議院予算委員会の集中審議で、検察官には定年延長制度は適用できないとした過去の政府見解は、検討の過程が明らかではないとしたうえで、法解釈の変更は適切に行われたと強調しました。

この中で、立憲民主党などの会派に所属する小西洋之氏は、東京高等検察庁の黒川検事長の定年延長をめぐり、昭和56年に、国家公務員に定年制度を導入する法改正が行われた際の政府の想定問答集を示したうえで、「検察官に定年延長制度は適用できないという政府統一見解が書いてあるが、なぜ定年延長が可能なのか」とただしました。

これに対し、森法務大臣は「想定問答集には当時の解釈が書いてあるが、法律の条文の文言には定年延長制度について延長するとも延長しないとも書いていない。結論が書いてあるが、理由や検討の経過については、つまびらかではない」と述べました。

そのうえで、森大臣は「国家公務員一般の定年の引き上げに関する検討の中で、定年延長制度の趣旨が検察官にもひとしく及ぶということから、今般、延長が適用されると解釈した」と述べ、法解釈の変更を適切に行ったと強調しました。