イラク・アフガン戦争

2月5日 長崎 26人の殉教

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 日本にキリスト教が伝来したのは1549年。ポルトガルからイエズス会の宣教師、フランシスコ・ザビエルによって伝えられた。これはアメリカ大陸に英国からピューリタンたちがメイフラワー号でボストン近くのプリマスにたどり着いた1620年よりもずっと前のことである。

 http://www.vivonet.co.jp/rekisi/e01_america/america1.html

 当時のキリスト教はカトリックであった。また、ザビエルは十分な教養、学問を修めた学者的な宣教師ではなかったため、その宣教はシンプルで情熱的なものであったといわれ、瞬く間に日本に広まっていった。多くのキリシタン大名が次々に輩出されている。時の関白、豊臣秀吉はこの信徒の急増に脅威を感じ、また、外国人宣教師を用いた日本への侵略の先鞭が付けられると考え、禁教令を発してこれを弾圧するに転じた。身内の親族さえ豪華絢爛な聚楽第の徹底的な取り壊しと合わせて数十人単位で一族もろとも惨殺する秀吉の禁教令は苛烈を極め、残虐極まりない取り締まりが行われていった。


 およそ半世紀、48年が経過した時、長崎で大きな事件が起こる。1597年2月5日。秀吉の命によって、長崎で26人のキリスト教徒が磔で処刑されたのであった。日本で信徒に対するこうした処刑は初のことであった。さらに秀吉は宣教師だけでなく国内の全キリシタンを処刑するよう考えた。

 しかし、キリシタンの数を数え始めてから秀吉は絶句する。その人口はすでに30万人を超えていた。当時の日本の総人口は2000万人前後であった。人口比から見てこの数は驚異的な数であった。ちなみに現在の日本国内のキリスト教信徒数は90万人に満たず、カトリックが50万人弱、プロテスタントなどそれ以外が30万人前後と推定されている。


 すでに手遅れだと悟った秀吉は方法を変え、宣教師と日本人信者を何人か捕らえて処刑し、他の信徒達への見せしめの効果を広めようとした。力で強引に信仰を捨てさせようと弾圧するに至った。当初は伝道を許していたはずの秀吉だったが、禁教へ舵を切ったのは慶長元年にあたる1596年。12月8日、「キリシタン逮捕令」を発布したのが始まりであった。京都で24名のキリシタンが捕らえられ、その目的は民への見せしめであったため、彼らは鼻と耳を削ぎ落とされ、京都の目抜き通りを牛車に乗せて引き回しされている。その姿を多くの民が見て震え上がった。その24人はさらに京都から堺・大阪へ、最後は長崎の処刑場まで歩かされることになる。道沿いの人々の目に晒され、恐怖政治の材料にされている。


 しかし、さらに2人が途中で自分から願い出て殉教者の隊列に加わり26人となる。それがペトロ助四郎とフランシスコ吉の2人であった。フランシスコ吉は7ヵ月前に信徒になったばかりの大工。彼らを含めた26人は一カ月以上素足で歩かされ、処刑場の長崎に連行された。12月から2月の真冬にこの距離を歩くことが想像を絶する苦痛であったことは言うまでもなく、真冬の2月5日、西坂の丘で全員が磔となった。賛美歌を歌い、聖書の言葉を話しながら殺されていったと伝えられている。日本人20名、スペイン人5名、ポルトガル人1名、計26名であった。


 それゆえ、この西坂の丘は、キリシタン処刑の地として石碑が建てられ今に伝えられている。この後、ここで処刑された当時のキリシタン信徒はおよそ600人と言われている。10年ほど前に逝去したローマ教皇、ヨハネ・パウロ二世は、生涯を振り返って最も印象的だった海外訪問は、この長崎・西坂の丘であったと後に述懐している。

  
 ヨハネ・パウロ二世は晩年、神経の病気、パーキンソン病に罹患し、発音や体の自由が利かなくなっていったが、最後の気力を振り絞り、イラク戦争開戦の直前、アッシジに各国の外交担当者たちを集め、真剣に戦争を回避しようと奮闘していた姿があまりに印象的であった。NHKスペシャルでも「バチカン、動く」としてドキュメンタリーでその詳細が放映された。
 

 スンニ派のサウジアラビア大富豪だったウサマ・ビン・ラディンとは何の関係もない戦争が続いた今世紀。アフガニスタン戦争に続きイラク戦争が、そして、現在へ連なるシリア内戦。全てはブッシュ政権の軍事侵攻に始まっている。アルカイダからISへ。地上戦から無人機を含めた空爆へ。ゲリラ兵との戦闘から民間人を無差別に巻き込んだ攻撃へ。そして、その行きついた先がプーチン・ロシアとトランプ・アメリカという世界の二大軍事大国に独裁指導者が並び立つ現代の風景である。これまでにイラク開戦、シリア空爆を支持した政治家や外交官、国際政治学者らには微塵の信頼も置きようがない。


 ヨハネ・パウロ二世の示した平和の訴えを、より忠実に継承しているのが現在のフランシスコ教皇であるが、その声がロシア、アメリカに届くことはない。強大な軍事大国の前に宗教の力はあまりに弱いが、それはバチカンが「世俗化」したことの帰結ではない。「世俗化」したと蔑み、嘲笑う批判を繰り返すだけの便りなど、現代のメッセージとして何も意味がない。
 
 
 2月5日、26人の殉教の日、改めて現在の荒れ狂う世界を絶望的に思う。

中東事情への無知

dcc13a0b.jpg アメリカ大統領選挙には二大政党の他、弱小政党や無所属の個人が立候補する。ブッシュとゴアが競った選挙では、ラルフ・ネーダー(環境訴訟を多く手掛けた著名な弁護士)が立候補し、2%の得票があった。ネーダーの票がゴアの支持者を吸収してしまったこともあって、ブッシュが当選した陰の立役者がネーダーだと言われたことがある。

 今回の選挙は、「最悪と最低」の激突と皮肉られ、魔物のようなトランプと野心的なヒラリーとが、嫌われ者合戦を同時開催しているような異様な風景になっているが、その煽りで二大政党の候補以外に票を入れる有権者も増える予測になった。

 その一人がリバータニアン党から出馬しているゲーリー・ジョンソン。ニューメキシコ州の州知事だった人物であるが、共和党よりもさらに徹底的な規制緩和、自由競争を謳う立場で立候補している。

 彼もまた、この種の南部バイブルベルト地帯の保守層によくあるように、国際情勢や外交にはとんでもなく疎い。シリア情勢を報道番組で質問されても何もわかっていないことを露呈し、唖然とされるシーンが放映された。


 同じようなことはブッシュ親子らこれまでの共和党候補にも当てはまり、父ブッシュ時代に副大統領を務めたダン・クエールは超がつくトンデモ政治家であったし、ブッシュJr.もあまりに諸事に無知を極めたため、「初等教育からやり直しが必要な大統領」とさえ新聞記事で書かれた時代があった。オバマと争った共和党候補、ジョン・マケインは、イラク戦争真っ只中、シーア派とスンニ派の区別がつかずに両者を混同して意味の通らない発言を繰り返し、国際事情オンチを満天下に示した受け答えもあった。

 
 アメリカは自らの手でアフガニスタン戦争、イラク戦争を引き起こし、シリア内戦のきっかけを作り、今はその内戦に空爆や戦闘支援で直接の当事者になっていながら、ほとんどの国民はおろか、政治家自ら事態のイロハがわかっていない。

 戦争とはかくも無責任に引き起こされ、こうも不誠実に継続されていく。現代の戦争を担う資格が最もない国々が、国連で拒否権を持つ5カ国の常任理事国を務めていることこそ、今世紀の人類が抱えた悲劇の元凶になっている。



「アレッポって何?」 米大統領候補の無知に司会者あぜん
AFP=時事 9月9日


 首都ワシントンで開かれた米国記者クラブの昼食会で演説するゲーリー・ジョンソン氏(2016年7月7日撮影)。

 大統領選で、小政党リバタリアン党(Libertarian Party)から立候補しているゲーリー・ジョンソン(Gary Johnson)元ニューメキシコ(New Mexico)州知事が、8日放送の報道番組内で、内戦下のシリアで激戦が続く北部アレッポ(Aleppo)市の状況にどう対処するかとの質問に「アレッポとは何ですか?」と聞き返し、司会者らをあぜんとさせる一幕があった。


 質問を投げかけたジャーナリストのマイク・バーニクル(Mike Barnicle)氏は、シリア問題に関する知識不足を露呈したこのジョンソン氏の返答を受け、信じられないといった様子で「ご冗談でしょう」と応じ、「アレッポはシリアにあります。難民危機の震源地です」と説明した。

 するとジョンソン氏は、「シリアについては、私も確かに大変な状況だと思う」と答えた上で、「シリアに対処する唯一の方法は、ロシアと協力して外交的に事態を終息に導くことだと考えている」と続けた。

 かつてシリアの経済中心地だったアレッポは、2011年3月に始まった内戦で荒廃している。

 ニューメキシコ州知事を2期務めたジョンソン氏は、近く行われる大統領選候補の討論会に参加し、民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏と共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏との直接対決に臨みたい考えだが、そのためには世論調査で15%以上の支持率を獲得する必要がある。

 ジョンソン氏の名が世論調査で挙がることはほとんどないが、7日に公表された米紙ワシントンポスト(Washington Post)とオンライン調査会社サーベイモンキー(Survey Monkey)の合同世論調査では、全州平均で13%の支持を得ているとの結果が出ている。

 ジョンソン氏の発言の直後、ツイッター(Twitter)上では「#WhatIsAleppo(アレッポって何)」というハッシュタグがトレンド入りし、皮肉や驚きのコメントが相次いで投稿されている。中には、破壊されたシリアの写真に「これがアレッポだ」というコメントを添えて投稿し、失望をあらわにする人もいた。

日本人がターゲットになったテロ

3551c114.png ブッシュ政権のイラク戦争を是認した政治家、大使の人たちはまだわかっていない。あの戦争が今に至る全てのパンドラの箱を開いた。アルカイダはビン・ラディンを暗殺してもまだ消えず、ISの膨張は止めようがない。「ビン・ラディンの身柄捕捉」を大義にして始めたアフガニスタン戦争がタリバン政権を蹴散らした後、なかなか捕捉できないビン・ラディンに苛立ち、いきなり全く無関係のイラク攻撃へ舵が切られたのが悪夢の始まりであった。

 
 アルジャジーラのニュースを見ていればすぐにわかるが、イスラム教徒はイラク戦争に猛烈に怒っている。それはもう本当に烈火のごとく怒っている。それがシリアにまで飛び火して火消しができなくなった。対立しているロシアとアメリカは、ISの恨みを買うという点では同じ立場にいる。むしろロシアの方が激しい恨みを買っている。ロシアは旧ソ連時代にアフガニスタンに侵攻、今はシリア政権と結託して他国を圧倒するシリア国内での空爆被害を出した。近い将来、ロシアはチェチェンだけでなくロシア全土がテロの危機に瀕する時代に入る。サッカーワールドカップは最も危険な時期になる。

 
 今回、ダッカで自爆的テロが行われ、裕福な私大の学生ら数人が犯人だった。今までになかった犯行態様として、意図的に日本人、イタリア人、アメリカ人だけを選りすぐって惨殺している。尋問してバングラデシュ人とわかると殺さなかった。日本人だ、国際協力の技術者だと説明しても全く見向きもされず、若い女性も容赦なく惨殺。命乞いも何の効果もなかった。日本人であることが理由で狙い撃ちになり完璧にISのテロターゲットになった初の事件ではないかと思う。


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 今、海外でODAや人道支援に関わる日本人は非常に危険である。ダッカどころか、同じスンニ派のトルコでも空港のテロがあった。アメリカと欧州の大国が主なターゲットだったアルカイダ時代と異なり、「サイクス・ピコ体制」という言葉を英語で世界中に広めてしまったISは、中東の領土問題やイスラエル問題が解決しない限り、理論上、殲滅させることが非常に難しい。世界中から、世界言語の英語によって大量のテロ戦士が、自爆攻撃を厭わずに馳せ参じてくる時代。地中海を通じて、またサウジアラビアやカタールからは潤沢に資金や人材、兵器が流れ込む。前世紀の常識が全く通用しない戦闘が日常化している。



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 今回のテロによって、JICAのトップを務める北岡伸一理事長は緊急の記者会見に。「強い憤り」を犯人たちに感じていると述べた。北岡博士は学者だった東大法学部教授(日本政治史)から外交の最前線へ転身し、自身のキャリアを現代日本外交の場に大きく展開していった方である。小泉政権で国連大使、安倍政権で安保法制懇の座長代理を務めて日本の国防、外交に強い影響を与えた有識者。同じ安保法制懇のメンバー、細谷雄一(慶大・法教授)のゼミ教官でもあった。イラク戦争にも外交の当事者として関わり、戦争支援を主張した。安保法制懇の他メンバーも多くがイラク戦争支援を主張していた。


 北岡理事長が「強い憤り」と言うまさにその言葉と同じ怨恨を、ロシアを含む大国による空爆で家族を殺された遺族や、すでに1000万人以上の難民になって塗炭の苦しみを味わっている中東人。国家主権を蹂躙されたパキスタン人など、多くがこの15年以上、メラメラとたぎらせながら胸に秘めている。イラン、イラク、シリアというシーア派三国だけでなく、アフガニスタン、バングラデシュ、パキスタンに至るまでの広大な地域でこの15年以上、戦争や戦闘・制裁行為を続けているという異常事態は、通常の外交、軍事の判断として全く合理性を欠いている。難民が膨大に発生し続ける事態はイラク戦争時代からわかっていたことであり、それがトルコや欧州になだれ込むことは容易に予想ができたことであった。


 絶対にやってはいけないイラク戦争を始めた結果が今日の惨状。その戦争遂行時に外交の当事者だった方が今、イラク戦争の負の副産物からしっぺ返しを受けて衝撃を受けている。そうした立ち場にいた人がイスラム世界に対して何を言っても説得性も議論の客観性もない。JICAは人道援助、難民救済に尽力してきたことで世界的に有名な緒方貞子時代と異なり、田中明彦(東大法学部教授、国際政治)時代を経て現在に至っている。JICAの役割も業務もこの15年で大きく変化した。純粋な難民支援ではないODAは必ずしも現地の歓迎を受けているばかりとも言えない。現在はJICAの職員全てがISのターゲットになっていると言って言い過ぎではない。

 バングラデシュはアジア圏有数の親日国。日本への好感度がナンバーワンの人気で、ODAの金額も英、米を抜いて日本が一位。漫画のドラえもんなどが国民に広く浸透して知られている。タレント、ローラの母国でもある。その圧倒的親日国のバングラデシュで、昨年秋に農業支援活動をしていた星邦男さんに続いて今回の大規模テロが発生したことは大きな衝撃。


 ISメンバーが理事長の顔や業務内容の変化を理解してテロをやっているとは思わないが、今回のように敢えて日本人を選び出して殺害するテロが起こった以上、明瞭な一線を踏み越えた事件。日本が欧米と足並みをそろえて同調していると相手方には見られている。この悪夢全てはイラク戦争に始まっている。イラク戦争で最も強烈な憎悪を買ったアメリカ、英国、豪州と協調して行使する集団的自衛権のあり方についても再検討が必要である。


 http://www.sankei.com/world/news/160702/wor1607020080-n1.html


「イラク戦争 終わりなき戦い 第2回」 今夕放映

aa4b439d.jpg 今夕、NHKのBSで放映。

 BS世界のドキュメンタリー
 
 「イラク戦争 終わりなき戦い 第2回」

 2016年2月17日(水) 17時00分〜17時50分


 第2回 

 イラク戦争が始まって10年余り。「世界を変えた日」や「プーチンの野望」など、現代史を検証する番組で国際的な定評のある英国の制作会社ブルック・ラッピングが、“歴史的な過ち”と言われるイラク戦争とその後の混乱を新たな証言から描き出す。第2回は、イラク解放から占領へ。当初アメリカが描いていた、フセイン後の統治を新政権に委ねるというシナリオはなぜ頓挫し、実質的な占領体制となっていったのか、関係者が語る。

イラク戦争 終わりなき戦い 本日放映

 今日のISIL、ISIS拡大に至る中東の大混乱は、ブッシュ・チェイニー政権が行ったイラク戦争にその全てが始まっている。国際社会の反対を押し切って始まったこの戦争によりイラクの治安とインフラが崩壊。すでに始まっていたアフガニスタン戦争の戦後統治にも空白が生じ、アラブの春に繋がり、ISの登場と跳梁・拡大を生み出し、シリア崩壊に繋がり、多数の難民と死者を生み出し、そして、今、サウジアラビア(正統スンニ派、アラビア社会の盟主)とイラン(異端シーア派、ペルシャ社会の盟主)とが戦争直前の状況にある。

 今日を含めて3回連続でNHK・BSにて放映。

BS世界のドキュメンタリー

「イラク戦争 終わりなき戦い 第1回」

2016年2月16日(火) 17時00分〜17時50分 の放送内容


イラク戦争が始まって10年余り。「ビンラディン追跡の20年」など、現代史を検証する番組で国際的な定評のある英国の制作会社ブルック・ラッピングが、“歴史的な過ち”と言われるイラク戦争とその後の混乱を新たな証言から描き出すシリーズ。

第1回は、戦争突入までの道のり。大量破壊兵器保有をめぐり、イラク外相がほのめかしたという過った情報をもとに戦争に突き進む米英首脳たちの姿を、当事者たちが証言する。(全3回)

ISIL イスラムの女性観

d1b8b2a0.png N.Y.タイムズ記者がシリア、イラクで暗躍するISILの性暴力について記事を書いている。その内容は戦慄すべき無法状態で何の弁明も通用しない。犠牲になっているのは多くがイラクやシリアに居住していたヤジディ教徒の女性たち。一部、海外から渡ってきた女性イスラムが犠牲になることもあるが、もっぱらイスラム教徒は異教徒の女性を性暴力の対象にしている。

 
 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45253


 元々、「イスラム教」には女性を重要な存在として尊重する人間観がない。女性を家庭の中の仕事に専念させる傾向が強いのも、女性を家庭内で保護して大切にしているという「説明」はされるが、実際は女性の強い希望があったとしても高い教育は受けられず、管理職など重要な要職で働くことはなく、運転免許も取れず、外出したり他の男性と会話することさえ夫の許可が必要になる国、地域が多い。

 イスラムの女性観は徹底的に近代市民社会の基本的人権原理に追いついておらず、民主主義的な基盤もない。通常の男性であっても諸々の近代人権諸原則が守られておらず、むしろサウジアラビア、バーレーン、クウェートのような専断的な統治の専制国家が多い。最も民主主義に近い自由が保障されているのがトルコだが、そのトルコであっても独裁的な政治、法律、規制は多く存在し、欧州や北米、日本に遠く及ばない。


 イスラムが主体になった民主的な国家は世界のどこにもない。このことが如実に物語るように、イスラム教は根本的に人権原理や民主主義政治と相容れない。ISのような無法集団が21世紀である現代にかくも大々的に暗躍し、膨張するとは多くの人が思っていなかっただろうが、きっかけと環境さえ整えば、こういう悪夢は容易に現実となる。


 国内に多数存在するイスラム教徒は、表だってはISやアルカイダを支持できない。実際、それを口にすることもない。しかし、心情的にはどこかしらISやアルカイダに共感している心性を見ることが少なくない。中東、アラブ出身か、アジア、アフリカ出身かを問わず彼等には共通してとにかく反アメリカの不信が強い。アフガン・イラク戦争、パキスタン内でのビン・ラディン暗殺作戦などを見れば、彼等がアメリカに憎悪を燃やす心情はわからないわけではないが、しかし、そうであれば、同じ事はロシアであっても同じであり、アメリカと戦争を共にした英、豪なども同類のはずだが、段違いに反アメリカの観念が強烈になっている。イスラエル問題、アフガン・イラク戦争、ビン・ラディン暗殺、シリア空爆など常に対ムスリム国際政治の中心で立ち回るアメリカは、他国を圧倒して別格の憎悪を受けている。


 そのアメリカが現在、国内に多数のホームグロウンテロリストを抱えて深い悩みにある。リクルート活動に協力するなどしない限り、ISを心情的に支援すること自体を取り締まることはできない。FBIやCIA、NSAは全力でその事前鎮圧に努力しているが、人口が3億人弱、広大な国土、多民族混成社会では、事実上、全てを摘発することは不可能。アメリカ国籍を持った「国民」が虎視眈々と反政府テロを狙っている以上、向こう半年から1年以内にアメリカで再び大きなテロが起こされる可能性が非常に高いといわれる。


 そのアメリカとの強い同盟を持つ日本。その日本にイスラムを多く入れれば、多数の米軍基地、インターナショナルスクール、アメリカ人のライブやコンサートなどがある以上、現実の危機が増すことになる。経済面から見ても調理人・シェフの資格でイスラム教徒を国内に多数、招き入れれば、ドネル・ケバブの屋台やカレー屋などは多く経営されるかもしれないが、それで国内の経済が特に劇的に活性化されるわけではない。多くの雇用が提供されるわけでもない。むしろ逆に国内の外食産業の重大な脅威になる場合もある。さらにそれらの雇用は決して良質ではなく労基法違反のブラック経営が多い。何ら国内で評価されるべき貢献がないこともある。


 「労働力」が減少する日本に「移民」を入れようという提案が、財界や自民党から多いが、すでに相当程度入ってきてしまっている移民をさらに大々的に国内に入れてしまえば、数多くのイスラムも入り込む。同じように女性の人権意識が希薄で年がら年中、信じがたい性犯罪がニュースになりっぱなしのインド、ヒンズー教徒も入ってくることになる。断食の習慣もあり、食生活もブタ由来の成分には触れることさえできないなど制約が多い。こうした異民族、異文化の「移民」として国内に多数抱えることがどれほど危険なことであるか、財界はまるでわかっていない。産業界の都合、需要だけで国内をめちゃくちゃに引っかき回されることに主権者たる国民は合意などしていない。
 

強いられた沈黙

 オランドのフランス、オバマのアメリカ、安倍の日本。今世紀は「情報」が凶器として使われる時代。内部告発者への仕打ち、盗聴、スパイ。空恐ろしい時代に人類は突っ込んでいる。
 
 


 BS世界のドキュメンタリー選「強いられた沈黙」(後編)

 2015年12月1日(火) 23時00分〜23時50分


元CIA諜報員、元国家安全保障局局員が体験を語る。

アメリカ政府の不正行為を暴露したためにキャリアを失い、さまざまな社会的制裁まで受け、それでも信念を曲げずに闘う人々。元CIAエージェント、米国家安全保障局の元局員、司法省のアドバイザーを勤めた経験を持つ弁護士の3人による内部告発と彼らの活動に焦点を当てる。9.11後、ブッシュ・オバマ政権が国民の監視体制を強め、内部告発者に対する制裁を強めてきた状況が明らかになっていく。

制作
2014年 アメリカ Morninglight Films/NakedEdge Films制作

吉祥寺コピス UNHCR

dc321c6e.jpgシリア難民が大量に流浪の民になった今、かつて日本の緒方貞子さんがトップを務めた国連難民高等弁務官が踏ん張りどころに。

支援を募る目的か、吉祥寺のコピス吉祥寺(旧・伊勢丹百貨店ビル)前の広場に、UNHCRの簡易テントが設営されていた。これと同じものを難民キャンプで使用しているのかもしれない。

ブッシュ、チェイニーが無謀なイラク戦争を始めてから、イラクから数百万人の難民が逃げ場所を求め、隣国シリアへ大量に脱出した。シリアは同じシーア派ということもありアサド政権もこのイラク難民を受容。お陰でイラク難民はシリアで命を繋ぎ止めたのだった。

ところが、今、そのシリアも解体されて無政府状態に。雪崩れ込んだイラク難民と併せてシリア人自体も難民に。塗炭の苦しみに喘いでいる。イラク戦争の時には難民受け入れにあれほど貢献したシリア国民。難民になって虐待されるいわれはない。

あの戦争を起こしたのはアメリカ、英国、オーストラリア。米と豪には国土の広さから見ても余裕がいくらでもある。責任を持ってフェリーでこれらの難民を受け入れてほしいと思う。道義責任、倫理責任を超えて、この3カ国には少なくとも国際法上、その責任がある。数百万人どころか数千万人であっても楽々、収容できる。シリアがまた落ち着いて治安が回復するまでの期間限定であっても非常に良い。

空爆には誤爆が多発する

f7651d8d.jpg空爆は、着弾の破壊で一瞬にして轟音と朦々たる粉塵に。視界もゼロに。ISやアルカイダメンバー以外に一人も犠牲を出さない、ピンポイントの正確な爆撃など、ゴルゴ13でも不可能である。

ロシアの航空機撃墜とパリの同時多発テロ以降、ムキになってロシア、フランスやアメリカが空爆を激化させはじめた。これまで標的にしていなかった石油関連施設やトラック、タンクローリーなどを含めて大規模に。特にロシアは日50回前後と仏、米の10倍以上の回数、物量で爆撃している。戦闘機だけでなくミサイルも使っている。

しかし、「空爆」は誤爆を多発させる。地上部隊と連携しない、単独の空爆が、夥しい誤爆を発生させてしまうことは軍事戦術的には周知の事実。本来は地上戦と平行で地上部隊が集めた詳細な地形や相手の陣形の情報を基礎にして、これらを空軍に伝え空爆が行われる。事実、11月13日に要衝のシンジャルを奪還できたのも、アメリカが50人限定で最強の海兵隊員をクルド人部隊と共同して地上戦に投入して緻密な空爆に繋げ、本来の作戦を実行したからできたことであった。

つまり、地上戦なしの空爆だけに依存した攻撃は、学校、病院、一般市民の住居、バスなどを間違えて誤爆する事に繋がることが避けられない。先月も国境なき医師団の病院を米軍が誤爆して医師やスタッフ、患者を含めて20人以上が死亡する事件があった。


誤爆を抑制するためには、地上戦を本格的にやらなければならないが、地上戦突入は自軍の戦死者が激増する。地上部隊の犠牲が大きすぎるために、10年以上の戦争で厭戦気分が広がったアメリカがそれをやりたがらないだけのことである。


シリアとイラクで誤爆で殺された人の数だけで25万人(国連推計)。1日あたり150人以上になる。誤爆してしまいました、すいませんでした、で済むはずがない。


親、兄弟、妻子、友人らを次々に「誤爆」で殺され、何の謝罪も補償も受けられない一般のシリア人、イラク人は、ロシアや欧米がISを殲滅させるために行った空爆によって絶望的な怒りをかき立てられ、元々はISメンバーではなかった人たちを新しくISのメンバーに仕立ててしまう逆効果を生む。


いったい、真に無責任な政治家たち、国家はだれであろうか。イラク戦争は世界中の猛反対を押し切って、ブッシュとブレア、英、米、豪が自分たちで始めた戦争である。絶対に始めてはならなかった戦争である。こうなってしまった以上、最後まで責任をもって地上戦に踏み切り、自国の兵士に大規模な犠牲が出ようとイラク、シリアの建て直しをやり遂げる義務がこれらの国々にはある。

イラク戦争とISIS

6f813dda.jpgISがパリでこれまでにないテロを行った。200人以上の犠牲者が地中海に面したレバノン(イスラエルの北)で起こっても大したニュースにはならなかったが、パリで起これば次元が違う。


http://mic.com/articles/128551/terrorist-suicide-bombing-attack-on-beirut-lebanon-kills-43-and-injures-hundreds#.AhONgFIeE


アルカイダは主にアラビア語だけで繋がっていたが、ISは英語を主に使う。アルカイダはその英語が使えず世界的な広報が乏しかったが、英語に通じるISは優れたネット活用の力を持つ。モスルなどを分捕った油田利権を基礎に、人材、武器・兵器、資金、情報などが世界中から集められる。リクルーターも世界各地におり、参加する「義勇兵」には月給3000ドルという破格の報酬が支払われる。


今回のパリ同時テロには、地元フランス人、フランスで難民になったシリア人、ベルギー国籍の協力者などが参加。多国籍の集団だった。英語を用いてストレートに洗脳勧誘を始められるようになったISには、文字通り全大陸から無尽蔵に近い人材が集まるため「対IS戦争」には終わりがない。彼らは多くが自爆テロを何ら恐れない人間爆弾に。この究極の戦法、零戦や回天を使ったかつての特攻と同じ狂気が70年経った今、世界中で起こり始めた。自爆を前提に攻撃を組み立てられれば防御はとても難しい。本気でISに狙われた場合、五輪開催時、東京での完璧なテロ防衛は限りなく不可能に近い。


http://jp.reuters.com/article/2015/11/15/paris-shootings-islamic-state-idJPKCN0T30UT20151115


ISは、英、仏、米らが戦後に暗躍したサイクス・ピコ協定時代、イスラエル・ユダヤ支配の終焉を謳う。1世紀近くも時代を逆算させて燃え上がるイスラム過激派を台頭させるきっかけになったのは、明らかにあのイラク戦争だった。暴走したブッシュ・チェイニーのアメリカに対しては開戦前、強い反対が国際社会からあり、アラブ社会、中東地域が非常にまずい事態に陥ることは多く指摘されていたが、侵攻後の拙劣な統治の失敗もあってイラクは壊滅的に解体。その後、現在の無政府状態に繋がっている。これほどまでの想定外の事態を予測した人は国際政治の現場ではほとんどだれもいなかった。


ISはこれまでとは異次元の脅威。空爆だけでなくイラクでの地上戦で真正面からISを撃退し、実効支配を取り戻さなければいつまでもISの活動は終わらないが、10年以上戦争が続き、すでに多くの犠牲を出した米、英、豪らイラク戦争開戦国は、さらに戦死者が増える地上部隊の派遣に踏み切れない。資金、兵器、人材が揃ったISが自然消滅することはない。また、イラクの戦乱が飛び火した隣国シリアにはアフガン、イラクからの難民も逃避行の果てに辿り着いていたため、一挙に欧州に向けて溢れだしたが、シリア問題ではロシアとそれ以外の大国の利害が一致しない。さらに、中東・アラブの怒りを一心に買っているイスラエル・ネタニヤフ政権の強硬な暴走を全く止められない。パレスチナの救済を決めた国連でネタニヤフは45秒間、無言で議場の各国を睨み付け続けるという前代未聞の挑戦的な抗議を行った。異様な光景であった。この3つに大国の利害が直結していることでISとの対決で大国の足並みが揃わない現状に繋がっている。


これから世界はこれまで想像もしなかった恐ろしい時代がやってくる。とてつもなく恐ろしい憎悪の対立が始まることになる。その引き金を引くことそのものだったイラク戦争は絶対に始めてはいけない戦争であった。それを引いた以上、戦争は止められない。ここまで来ればもうそれは回避できない。楽観できる要素はない。



イスラム国 テロリストが国家をつくる時イスラム国 テロリストが国家をつくる時
著者:ロレッタ ナポリオーニ
文藝春秋(2015-01-07)
販売元:Amazon.co.jp

イスラーム国イスラーム国
著者:アブドルバーリ・アトワーン
集英社インターナショナル(2015-08-26)
販売元:Amazon.co.jp

イスラーム国の衝撃 (文春新書)イスラーム国の衝撃 (文春新書)
著者:池内 恵
文藝春秋(2015-01-20)
販売元:Amazon.co.jp

イスラム国の野望 (幻冬舎新書)イスラム国の野望 (幻冬舎新書)
著者:高橋 和夫
幻冬舎(2015-01-29)
販売元:Amazon.co.jp

イスラム国の正体 (朝日新書)イスラム国の正体 (朝日新書)
著者:国枝昌樹
朝日新聞出版(2015-01-13)
販売元:Amazon.co.jp

中東特派員はシリアで何を見たかー美しい国の人々と「イスラム国」中東特派員はシリアで何を見たかー美しい国の人々と「イスラム国」
著者:津村 一史
dZERO(インプレス)(2015-11-30)
販売元:Amazon.co.jp

「イスラム国」謎の組織構造に迫る「イスラム国」謎の組織構造に迫る
著者:サミュエル・ローラン
集英社(2015-05-26)
販売元:Amazon.co.jp

多くの著名人 安保法案に発言続く

e9f7b87d.jpg 日本は政治と宗教に関する発言が極端に少ない。それらをしないことが前提、了解とされている社会でもある。したがって、これらの事柄については裏でこっそり勧誘や活動をしていたり、秘密を保ったまま話をしたりすることが多い。

 しかし、今回の安保関連法案については、著名人が公的にはっきり発言をする姿が目立つ。テレビやラジオ番組でもそうであるが、自ら容易に発信できるネット上で自分の立場を鮮明に発言する数が多い。

 大部分は「反対」の立場。芸能界で政治色、宗教色はタブーであった。自民党や公明党、経団連、創価学会を批判することは考えられなかった。ざっと数えるだけでも多くの人たちが初めて沈黙を破って訴え始めている。
 
 松本人志 
 8/9 フジテレビ 「ワイドナショー」
 このままでいいと思うなら「平和ぼけ」だ。9条は日本を守る憲法だったかもしれないが、言い方を変えると、なめられている。


 のように「賛成」の立場もいる。潜在的にはもっといるはずだが、目立った発言は少ない。


 安倍晋三という宰相とその周囲を取り囲んでいる人々には共通項がある。高村正彦、麻生太郎、北岡伸一、宮家邦彦、白石隆、神保隆、細谷雄一、坂元一哉、中西輝政。みな、自分たちが外交、安全保障分野の「専門家」であり、「エリート」だという強い自負心を持っている。その反映があの傲慢きわまりない、国民を舐めきった尊大な態度、発言、権力の振り回しに繋がっている。


 自称、国際政治エリートの彼等のやってきたことといえば、あのブッシュ・チェイニー政権がしでかした、アフガニスタン、イラク戦争を強力に推し進めたことである。この中でだれ一人、イラク戦争を批判したり事前に空爆の中止を公言した人物はいない。

 首謀者ビン・ラディンを暗殺しても勢力が消えないアルカイダ、それを遙かに凌ぐ膨張を遂げたISの暴虐に繋がった。彼等の中でだれがこの責任を取ろうと進言したか。イラク、シリアの難民受け入れなどどこ吹く風。あの史上稀に見る異様な侵略戦争が、今の時代を何もかも引っかき回して最悪の混乱をもたらしている。その大混乱をもたらした張本人たちが何を言っている?
 
 
 
 長渕剛 
 7/19  フジテレビ 「ワイドナショー」
 感覚として、戦争が近づいている気がする。どうやって阻止すべきか。子供が死ぬんだ、自衛隊員たちが死ぬんだぞと
 
 久保田利伸
 7/22 Twitter 殺さない、殺されない。この時代、この平和ルールを保持する国がどれだけ尊いか
 
 
 今井絵理子 元SPEED
 8/15 Twitter 戦争を経験していない人が(法案に)賛成というのは説得力がない。今の流れはプチ戦争なら賛成!みたいに見える。
 
 SMAPの中居正広(43)
 フジテレビ 「ワイドナショー」
 「若い子が声を上げるのはいいことだと思う。動かなければ(法案が)十手しまうという意識を持っている。僕はうれしかった。」
 SHELLY(31)
 7/15 Twitter 今も雨の中デモを続ける方々は本当にかっこいい。若い世代が立ち上がってる事を誇りに思う。日本、どうなっちゃうんだろう。 
 渡辺謙(55)
 8/1 Twitter 一人も兵士(自衛官)が戦死しないで70年を過ごしてきたこの国。どんな経緯で出来た憲法であれ僕は世界に誇れると思う。
 
 
 高田延彦 元プロレスラー
 7/6 Twitter
 安保法制は憲法違反。まともな論拠がない上に安倍氏、中谷氏(防衛相)などなど(主張が)横暴でむちゃくちゃだ
 田村淳
 7/15 Twitter
 法案の理解を深めないと賛成、反対の判断できないと思う。お前が政治を語るなと言う人へ。僕も国民なので語りたい。
  笑福亭鶴瓶(63)  8月8日放映 東海テレビ「樹木希林ドキュメンタリーの旅」
 「政府がああいう方向に行ってしまうというのは、止めないと絶対だめ」と発言。
 「普段、人間として(政治のことを)考えていても放送で言おうと思ったことは一回もない。(政治は)プロに任せればええって言うけど、もう任せていたらあかんと」

イラク、シリア難民 ハンガリー、ギリシャ、トルコへ殺到

7b5f9812.jpgビン・ラディン掃討作戦のアフガニスタン戦争、そして、その後のイラク戦争を経てISが登場、主にシリアとイラクで活動を始めて以来、内戦になってシリア国内の治安が崩壊。大量の難民が周辺各地や欧州へ殺到。中でもハンガリーとギリシャ、トルコに押し寄せた難民が溢れかえっている。ハンガリーやギリシャに人が多いのはトルコから簡素なボートで海を渡って陸路を歩こうとするからである。米軍がタリバンの抑え込みに失敗して治安が崩壊したアフガニスタンからの難民も西へ散って難民の大グループを作っている。

  
移民に寛容だとされているドイツなど西欧へ向かう列車へ乗ろうとしたシリア難民、アフガニスタン難民が押し寄せたハンガリーでは駅舎、ホームにシリア人が難民キャンプのようになってしまい、1つの国の鉄道機能が止まる異常事態に。トルコの海岸には難破した船から海へ落ちた幼児を含む人たちが海岸へ遺体で続々と打ち上げられ、経済危機にあるギリシャにもボートピープルが大量に接岸。すでに徒歩でウィーンなどへ歩き出した難民家族もいて幹線道路が麻痺しつつある。


 あまり知られていないが、イラク戦争が開始された後、イラクでは100万人を超える難民が発生し、その多くがシリアへ入国して命を拾っている。独裁者アサド政権だったシリアであるが、同じシーア派のイラクであったこともあって当初から難民を受け入れ、イラク戦争の戦禍を吸収するのに非常に大きな役割を果たした。

 そのシリアが今、国全体が崩壊し、シリア国内の人々が国外へ逃げ出さなければ命がない状況になったが、周辺国の協力がなくISの勢力も強いために塗炭の苦しみを味わっている。急に大量の難民が出たため国連も対応がまるで取り切れない。

 本来、世界中の反対を押し切ってイラク戦争を始めたのはアメリカ、イギリス、オーストラリア。そして、その延長線上にイラクの宗派対立、シリアの崩壊、ISの台頭と膨張に繋がった。ビン・ラディンを暗殺した後もアルカイダは活動が続く。アメリカが日本に安保法制の成立を強く求めているのも対IS戦争でアメリカが手を焼き、数多くの国から支援を取り付けなければどうにもならない事態に落ちたからである。
 
 せめてシリアから着の身着のままで逃げ出すしかなくなった難民については、アメリカ、オーストラリア、イギリスが受け入れるべきで、3つの国には十分に余っている土地もある。自分たちがしでかした戦争でこの戦禍と混乱を生んでいる以上、他人事の顔をしていないで積極的に国連を通じてシリア難民問題解決に金と人を出してもらわなければどうにもならない。現状、ギリシャやハンガリーなど自国の経済危機に四苦八苦している小さな国に津波のように押し寄せる難民に対応することなど全くできようがない。アフガニスタン戦争、イラク戦争を開始した主たる責任がある国家、つまり、米、英、豪がその対応に乗り出す大きな義務がある。戦争の責任とはかくも重い。今更、顔を背けて知らぬふりをするわけにいかない。

砂川判決と統治行為(政治問題)論

3f010d5d.jpg細谷雄一 Yuichi HOSOYA

 安保法制懇のメンバーである細谷雄一が、ちょうど1年前、集団的自衛権の行使容認に関する閣議決定についてブログで「解説」を公開したが、今年度に入ってから安倍政権が安保法制の審議を急加速させたことに合わせて、この「細谷解説」が安保法制を是認する立場の人たちに「わかりやすい」と好評を博していると、細谷自らブログで述べている。


http://blogos.com/article/89900/

http://blog.livedoor.jp/hosoyayuichi/archives/1865199.html

http://blog.livedoor.jp/hosoyayuichi/archives/1906036.html

http://blog.livedoor.jp/hosoyayuichi/archives/1904626.html


 以前にも書いたように国際政治学者である細谷の憲法理解、解釈の筋道はおそろしく幼稚ごく初歩的な誤りを犯し続けており、また、解釈論を離れた国際政治の政策論としても、アフガン、イラク戦争を許容し続けてきた立場が露骨に表れており、都合の悪い事実を全て省略して論じられ、国際政治の選択としても議論の客観性がない。そのことがわからないまま、細谷解説を礼賛する無知な読者が多いことに驚かされる。



39d1a1f2.jpg 北岡伸一 Shinichi KITAOKA。東大法学部教授。駐米全権大使。国際大学長、政策研究大教授を歴任。細谷雄一の恩師にあたる。



 細谷は法制懇の座長代理を務める北岡伸一ゼミの出身であり、彼に呼ばれてメンバーに起用されたことからもわかるように、基本的に北岡の議論を継承している。恩師と同じく細谷もまた、30年以上前からの北岡教授の議論にあるように、日本は現行憲法のまま、集団的自衛権を行使することが可能であるという立場に立つ。彼等がその根拠法源とするのが、安倍晋三が懐刀として法制局長官に起用した小松一郎(外務省、一橋大法卒)、横畠裕介(検察官、法務省、東大法卒)と、現在まで続く内閣法制局長官が繰り返し国会の答弁で力説する「砂川判決」であった。


ab8a700d.jpg細谷雄一(慶応大法学部教授)


もう一つ、集団的自衛権を行使できるようにしたいなら、憲法解釈の変更ではなく、憲法改正をするべきだ、という誤った理解があります。これも理解に苦しみます。京都大学の大石真教授の憲法学の教科書でも記されていますが、日本国憲法にはどこにも、「集団的自衛権の行使を禁ずる」とは書かれていません。もしもそのように書かれていたら、当然ながら憲法改正をしなければなりません。禁じられていないのに、なぜ憲法の条文を改正する必要があるのか。それでは、誰が禁止したのか。それは内閣法制局です。内閣法制局は、司法府ではなく、行政府の助言機関です。もしも司法府である最高裁が、集団的自衛権を禁ずる判決を出していたら、立憲主義の精神からもそれは憲法改正が必要となるかもしれませんが、最高裁は一度も集団的自衛権を禁ずる判決を出していません。1959年の砂川判決は、周知の通り、日本の自衛権行使を認める判決を出しました。そこでは、集団と個別とを分けていません。集団的自衛権の行使を容認したわけではありませんが、禁止したわけでもありません。



 と細谷は砂川判決を引用するが、9条と前文の規定は以下の通りである。中学生水準の日本語として、到底、米、豪、韓、日本、フィリピンによる国連抜きの軍事同盟による行動が、遠くペルシャ湾や紅海を含む地球の全地域で許容されるという文言ではない。
 


9条1項
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。


9条2項
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。





 このように現行憲法の9条は1項と2項とから成り立っており、
  
 第1項で「戦争の放棄」
 
 第2項前段で「戦力の不保持」

 第2項後段で「交戦権の否認」

 が規定されている。また、憲法の全規定に先立って記載されている「前文」において、「平和的生存権」と呼ばれる文言があり、これらの明文から現行の憲法は「平和憲法」と呼ばれる。憲法に直接「平和憲法」という記述があるわけではない。





憲法前文

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、 われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。



 これらの規定により、日本国憲法は国連を中心とした集団的安全保障体制を想定しているということになる。集団的安全保障体制と集団的自衛権とは全く異なる。集団的安全保障体制は国連の総会や安保理での決議を基礎に、国連軍などを派遣して対応するものであり、国連抜きで一方の当事者が勝手に一部の軍事同盟国だけで軍事力を行使する集団的自衛権ではない。


 「集団的自衛権の行使」はほとんどが大国による都合の良い軍事行動への口実に使われ、違法な侵略戦争になった事例は圧倒的多数に上る。手がけた国家としては、圧倒的に中、露(旧ソ連)、米、英、仏の5大国による軍事力行使であった。ざっと列挙するだけでも、

 ハンガリー軍事介入(1956年、旧ソ連)
 レバノン軍事介入(1958年、米)
 ヨルダン軍事介入(1958年、英)
 ベトナム戦争(1964年、米、トンキン湾事件)
 チェコ侵攻(1968年、旧ソ連など)
 アフガニスタン戦争(1979年、旧ソ連)
 ニカラグア侵攻(1981年、米)
 チャド軍事介入(1983年、仏)
 グレナダ侵攻(1983年、米)
 イラン・コントラ事件(米)
 アフガニスタン戦争(2001年、米、NATO、タリバン政権を破壊)
 イラク戦争(2003年、米、英、豪など。大量破壊兵器の行使阻止を目的にした予防的先制攻撃)

 などがある。


 砂川判決は、1959年に出されたものであるが、これは在日米軍立川砂川基地への立ち入りが刑事事件として起訴された事件を巡る訴訟であり、日米安保条約の合憲性が問われた案件である。自衛隊の合憲性が問われたり、集団的自衛権の存否が問われた争訟ではない。刑事法廷で争った被告人も一切、それらの論点について国・検察と争っていない。


 日本の司法は違憲立法審査権を持つが、この審査権は手広く行使される権限ではなく、具体的な提訴(刑事の場合は起訴)の内容に沿って、その内容の範囲においてのみ行使される。具体的争訟の範囲を超えて裁判官があれこれリップサービスで憲法解釈のお手本を判決に示すことは原則としてない。これを「具体的違憲審査制」という。対義語としてこの違憲審査制には「抽象的違憲審査制」があり、これは具体的な争訟事件(民事、刑事、行政)とは無関係に、抽象的な違憲審査を行う司法の仕組みであり、諸外国で「憲法裁判所」などが別途、設置されていることもある。例えば、婚外子への相続差別は合憲か、国公立の女子大は合憲か、といった憲法判断を、抽象的に法律や条約、条例などを丸ごと専門の裁判所に訴えて司法が判断を行うことができる。日本にはこれがなく、全て「具体的違憲審査制」になっているため、地裁、高裁、最高裁が各々の事件に応じて、具体的な事件の中で憲法判断を必要な範囲において行うことになる。


砂川判決は日米安保条約の合憲性が問われたもので、自衛隊や集団的自衛権の合憲性は争われていないため、それらについての憲法判断は一切、されていない。一審で駐留米軍を違憲と判じて無罪判決を出した伊達秋雄裁判官の「伊達判決」にさえ、自衛隊、集団的自衛権の判旨はない。最終的な判断を行った最高裁判所大法廷判決(当時の長官は田中耕太郎だった)では、



「憲法第9条は日本が主権国として持つ固有の自衛権を否定しておらず、同条が禁止する戦力とは日本国が指揮・管理できる戦力のことであるから、外国の軍隊は戦力にあたらない。したがって、アメリカ軍の駐留は憲法及び前文の趣旨に反しない。他方で、日米安全保障条約のように高度な政治性をもつ条約については、一見してきわめて明白に違憲無効と認められない限り、その内容について違憲かどうかの法的判断を下すことはできない」 (最高裁大法廷判決昭和34.12.16 最高裁判所刑事判例集13・13・3225)



 と判じた。これは統治行為論と言われる。政治問題論(political question)とも言う。高度な政治性を持つ国政上の事柄については、「一見してきわめて明白に違憲無効と認められない限り」、司法は違憲審査権を行使しないという判例。この判例の当否にも大きな争いがあるが、これも最終的な判断は主権者たる国民に委ねるとしたものであって、時の政府、政権が自由に判断して良いという内容ではない。後にアメリカの機密文書の公開によって、田中長官がダグラス・マッカーサー2世・駐日大使と秘密の交渉を行い、今日では全く信じられないほど判決へ強い内政干渉があったことが判明して大きな反響を呼んだ判例でもある。

  
 この判例をきっかけに、時の自民党歴代政権は「自衛隊は戦力ではない」という政府公式見解を打ち立て、国会の答弁で貫くようになる。戦力なき実力部隊が自衛隊であるという論理であった。自衛隊は「戦力」ではなく、専守防衛のための実力部隊であるから9条2項に反することはなく合憲であるという理由付けであった。

 
 司法が違憲判断についてひとまず判断を横へ置いておくとしてという判旨をして、砂川判決が「集団的自衛権」を認める根拠になるなどという暴論は、金輪際、成立しようがない究極の曲解であるが、小松、横畠の法制局長官、安保法制懇の柳井座長、北岡座長代理、細谷、中西、細谷ら委員は揃ってこれを正当な法解釈だと主張する。細谷に至っては純粋にそう思いこんでいるが、

 

 「あまりにも、誤解が多く、あまりにも表層的な議論が多い」、

 「今回の集団的自衛権に関する問題も同様です。私自身、安全保障については多少勉強してきましたが、それだけでは不十分なので主要な憲法のテキストや、国際法のテキストや論文、英語での主要な集団的自衛権に関する研究書や研究論文をこれまでかなりの数にわたって読んできて、ようやく全体像がつかめてきました。これはとても複雑な問題で、なかなか容易には理解できないテーマです。今度もまた、誤解に基づく批判があふれています。」



 などと、法律学の解釈論について大幅に学習不足の世間知らずのお坊ちゃま学者に日本国の主権者が愚弄されるいわれはない。改憲派の小林節(慶応大名誉教授)などを含め、国内の憲法学者の95%以上が憲法違反だと断じ、主権者の圧倒的多数が問題があると考えている安保法制や憲法解釈のごり押しを、まともな論理の貫通がないままにごまかしているのはどちらだろうか。安倍、柳井、北岡、谷垣、高村、麻生、中谷元、小野寺ら、安保法制を強力に牽引するメンバーは、みな揃ってイラク戦争への積極協力を推し進めてきたメンバーでもある。安保法制の推進とイラク戦争の賛成という2つの重大な案件についての態度を巡ってはこれらメンバーがほとんど全て符合している。いうまでもなく「新進気鋭の国際政治学者」ともてはやされている細谷雄一もイラク戦争に反対した国際政治学者ではない


78b23c9b.jpgYanai 柳井俊二 元外交官で駐米国連大使。9/11テロ発生時の駐米全権大使。日本のアフガン、イラク戦争後方支援などの外交折衝を担当した。



 ジョージ・ブッシュ、ディック・チェイニー、トニー・ブレアが強引に開戦し、20世紀の100年に引き起こされた全ての戦争と比較しても指折りのでたらめな侵略戦争となったあのイラク戦争。安倍晋三が例え話に持ち出した「泥棒」や「強盗」はいったい、どちらだったのだろうか。世界中の反対を押し切って違法な侵略戦争に突き進んでいった愚者はだれだっただろうか。100万人以上の無辜の市民を殺す羽目に陥り、世界規模に拡散したアルカイダ、また、現在も続くISの止めどない膨張へ道を開いたあの戦争を「正義の戦争」、「自由をもたらす戦い」、「対テロ戦争」と自画自賛した政治家たちはどこのだれだっただろうか。戦争まっただ中にあった小泉政権時の官房長官だった安倍晋三、国連全権大使として直接の当事者だった柳井と北岡、外相だった谷垣、防衛閣僚だった中谷元ら、現在、躍起になっている面々とメンバーが一致しているという厳然たる事実は微動だにしない。


 ありもしない「大量破壊兵器(WMD)」をあると言い張り、これが現実に行使される直前の明白かつ現在の危険(clear and present danger)があると強弁し、世界中からの反対を押し切って国連の決議なしの単独による「予防的先制攻撃」が必要だと言い張って破滅的な戦禍をもたらしたイラク戦争に荷担したのはまさに彼等だったではないか。莫大な金額の資金供与、インド洋上での洋上給油など与党自民党政府が行ったイラク戦争協力は大きな内容であった。こういった面々が今の安保法制の正当性を傲慢にも主権者たる国民に説く状況は、ほとんどブラックジョークである。



 日本の専守防衛とは何の関係もないホルムズ海峡の機雷除去にも日本が参加できるとなれば、日本と日本国民がISの憎悪の対象、攻撃目標になるのはこれ以上なく明白。海峡をタンカーが通れずに原油が運搬できなくなったとしても、ただちに日本が干上がって「存立の危機」に瀕するわけではない。一定程度、産業、経済に大きな打撃にはなるが、「存立の危機」に立つわけではない。購入価格は高騰してもそうした状況で原油や天然ガスを他から購入することは不可能ではない。その供給地は中東だけではない。


 長くイスラム圏と激しい敵対関係にあるアメリカと異なり、日本はムスリム社会との間に現段階では憎悪や敵対感情はない。集団的自衛権の安保法制を成立させ、対イスラム圏全体をわざわざ敵に回す愚行は決して取るべきではない。ごく単純な選択としてあり得ない暴挙である。


 日本の首都圏や大都市圏はテロを行うにはあまりに容易な条件が整いすぎている。すでに国内にもイスラム教徒はいくらでもいる。アメリカの次期大統領はヒラリー・クリントン、ジェブ・ブッシュなどだれであれ、イラク戦争に賛成した候補者たちばかり。将来、日本を再び引きずり込んで第2イラク戦争へ突き進む可能性は空想上の話ではない。そうなった場合、福島原発事故の十数倍以上の脅威が日本にのし掛かる。偉そうに「政治が責任を取る」といつも二枚舌で嘯いている三代世襲の戦犯の孫首相を初め、だれも責任を取りようがない末期的な事態に落ちることになる。

 
日米同盟とは何か日米同盟とは何か
著者:北岡 伸一
中央公論新社(2011-04)
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倫理的な戦争倫理的な戦争
著者:細谷 雄一
慶應義塾大学出版会(2009-11-11)
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グローバル・ガバナンスと日本 - 歴史のなかの日本政治4グローバル・ガバナンスと日本 - 歴史のなかの日本政治4
中央公論新社(2013-11-08)
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ロヒンギャがISに参加

2c245782.png バングラデシュ系のイスラム、ロヒンギャが、国際的に苦しい立場にあることを利用してISの戦闘員として勧誘され、イスラム原理主義武装組織の人材として活用され始めている。もし、こうした現状を放置すれば、シリア、イラク、リビアなどアフリカや中東だけでなく、インドネシア、タイ、バングラデシュ、マレーシアなどASEANの新興国の中でゲリラ、テロが激増することになる。

 
 アメリカは長く続くイラク戦争にうんざりして厭戦気分が国内を覆い尽くしているが、現状アメリカ軍の地上部隊がシリア、イラクに集中的に入っていかなければISを倒すことはできない。もはや上からの空爆だけではISを制圧できない。ISはアメリカがモスルに残した最新鋭の兵器を全て保有している状況にある。ランドクルーザーや装甲車、マシンガン、ランチャー砲など単なるライフルや豆鉄砲を持っただけのゲリラとは次元が違う。地上戦になれば、米軍、英軍の兵士の犠牲はまた増えることになるが、そもそもイラク戦争を引き起こしたのはブッシュのアメリカとブレアのイギリス。一度イラク戦争を始めれば泥沼の内戦、破滅的な宗派対立になることは戦前に嫌と言うほど指摘されていた。

 
 スンニ派とシーア派の区別もつかない、その違いの理解さえなかったホワイトハウスのネオコン閣僚が、パウエルら軍人の強い反対を押し切ってまで始めてしまったイラク戦争。簡単にイラクに民主政府を樹立して新しい国家として再スタートさせられると子どものように思いこんで戦争を始めてしまった。「十分な訓練」と「最新鋭の設備・物資」を残して米軍がイラクを立ち去った後、ISがモスルに軽く進撃しただけで「十分な訓練」を積んだはずのイラク政府軍兵士、イラク警察官らは脱兎のごとく逃げ出してしまい、やすやすと「最新鋭の兵器」をISに手渡してしまう醜態を晒すことになった。


 昨年、ISがモスルの刑務所を襲撃した時にイラク政府軍・警察があっさりとモスルから逃げ出す様子。ISが公開した映像。

 074b3a92.png

 戦争を始めたのはブッシュとブレア。アメリカ合衆国と大英帝国である。彼等に最後まで責任を持ってこの破滅的な大混乱を収拾してもらわなければ、世界全体が脅威にさらされることになる。天文学的な戦費がかかろうが、それは彼等の責任、使命であるはずで投げ出されてはたまったものではない。


 また、タイ系などの人身売買マフィアによって虐殺、略奪、強姦などの人権侵害が報じられているロヒンギャであるが、理由はどうであれISに参加という事実には同情の余地がなく、国際的な支援が受けられなくなる理由を自ら積み重ねていることになる。



 


ニューズウィーク日本版 6月12日(金)
[2015.6.16号掲載]


 アジアでの勢力拡大を狙うテロ組織ISIS(自称イスラム国、別名ISIL)が、迫害を受けてミャンマー(ビルマ)を脱出しているイスラム系少数民族ロヒンギャ族を戦闘員に勧誘し、訓練しているという。

 この数年でミャンマーを脱出したロヒンギャ族は最大10万人に上り、兵力増強をもくろむISISの格好の標的になっているとの懸念が高まっている。彼らの目指す地が、ISISが人員募集を活発に行っているマレーシアやインドネシアであればなおさらだ。

 現在、シリアとイラクでISISメンバーとして戦闘に加わっているインドネシア人は約700人、マレーシア人は約200人だ。シンガポールのリー首相は先週、「東南アジアはISISにとって重要な人材勧誘の場になっている。インドネシア人とマレーシア人のISIS戦闘員は多く、彼らだけで一部隊をつくっている」と語った。伝えられるところでは、この部隊はカティバ・ヌサンタラと呼ばれている。

受け入れ国もなく家族ぐるみでISISに入る例も

 135以上の民族が暮らすミャンマーでは民族同士の軋轢が多い。特にロヒンギャ族はミャンマー西部のラカイン州で仏教徒と長年にわたって衝突を繰り返し、数万人が国外脱出を試みる事態に発展している。

 しかし、多くの国はロヒンギャ族の受け入れに消極的だ。家族を養うお金もない彼らの間で、ISIS参加が魅力的な選択肢として急速に広まるかもしれない、と専門家は警告する。イスラム過激派やISIS支持者がロヒンギャ族に対し、シリアでの戦闘に加わるよう唆すメッセージをインターネットに投稿していたとの指摘もある。

 政治暴力・テロリズム研究国際センター(シンガポール)のグナラトナ所長は、ISISは弱い立場にあるムスリムを勧誘するのが巧みになってきていると指摘する。「以前は個人だったが、今は家族でISIS入りする例が増えている」

戦争法案 イラク戦争に荷担させた張本人たちが

13013793.png 大義名分がなく、国際法上の正当性もなく、事前に予想されたよりも深刻な混乱に陥ったイラク戦争。前のアメリカ政権、ブッシュ、チェイニー、ラムズフェルド、ライスらが決断した20世紀を含めて指折りの愚かで間違った戦争であった。


 イラク戦争には国連の安保理決議、総会決議がなかった。それを必死に取り付けようと努力していた途中で国連の討議をブッシュが一方的に打ち切って開戦、空爆に踏み切るべく単独行動へ走ったことから始まった。湾岸戦争時にフセイン政権に恥をかかされたブッシュ一族の怨念もあって頭に血が上った当時の政権の単独軍事行動は止められないと判断した英国のブレアだけが、後追いでこれに共調することを決めている。
 

 サダム・フセイン政権が「大量破壊兵器=WMD」をアメリカや同盟国に対して行使する直前の急迫した危険があるため、「予防的先制攻撃」によってこれらの軍事拠点を破壊して制圧しなければ、アメリカ本土や同盟国の存立が危ういという「説明」は全てが根拠のない虚偽であったことは開戦前から明白であったが、開戦後すぐに当のブッシュ政権自身がそれを認めざるを得ない局面に追い込まれた。

 
 そのブレアの決断について、「倫理的な戦争」と涼しい顔で分析したつもりになっている国際政治学者、細谷雄一(慶応大教授、安保法制懇メンバー)もいるが、ブレアがブッシュの「プードル」ではなかったとしても、油田利権狙いであることが開戦前のブッシュ演説の中にさえ盛り込まれていた、あのまともな開戦理由が何も存在しなかった歴史的侵略戦争をして、新しい国際政治の責任の果たし方が転換するきっかけの戦争だったと評価している机上の空論お坊ちゃま教授に、国際政治学者を名乗る資格はない。バーミンガムにまで留学していながらその程度の判断もつかないらしい。


 ウサマ・ビン・ラディンの捕捉・掃討作戦の一環として始めたアフガニスタン戦争と同時並行で遂行されたイラク戦争。間違った戦争を2つ重ね、戦力も外交力も予算も分散してしまった結果、両国のインフラは破壊され死者は100万人以上。ビン・ラディンは見つからず、タリバン政権の復活を許し、その最中にパキスタンの国家主権を侵害して軍事侵入しビンラディン暗殺作戦を実行、さらに国際イスラム過激派の怒りをかき立て、イラクではアル・カイダどころかさらに悪質なISの誕生と跳梁を招き、シリア、エジプト、ナイジェリア、マリに至るまで広範囲に飛び火してしまった。
  

 イラク戦争を支持した時の日本は小泉政権。その官房長官が安倍晋三であった。そして、その時の駐米国連大使が北岡伸一であった。細谷は教え子に当たる。陸上自衛官あがりの防衛相、中谷元はその小泉内閣時の防衛大臣であって今も防衛相。当時のインド洋上の洋上給油作戦など後方支援活動に携わった人物である。


 私は、自衛隊で体験訓練を受けたことがあるが、自衛隊員は非常に心身両面で過酷な仕事であり、毎日の訓練や規律の厳しい生活だけでも非常にしんどい内容がある。一般的に言って健康で屈強な体躯を持つ人材が集まる自衛隊だが、戦後の殉職者だけで1900人弱になる。訓練中の事故だったり、大型車両のタイヤ交換時にタイヤ破裂で爆死したり、もちろん、任地での死亡例も多い。中でも精神的に追い込まれての自殺が非常に多く、海外に派遣された自衛隊員の自殺者はわかっていて公表された数だけで54人。イラクで29人、インド洋で25人。派遣された9310人の隊員から換算すれば0.5%前後になり、身体上の健康問題や失業・経済上の問題などがない現役自衛官に発生した数としては極めて高率になる。

 
 イラク戦争時に現地で部隊を指揮、「髭の隊長」として有名になり現在は自民党議員になっている佐藤正久。連隊長、幹部学校主任教官などを歴任し、議員になってからも防衛政務官。自衛隊の国軍化と核武装を主張している人物。幕僚長だったあの田母神俊雄からも献金を受けている。その田母神俊雄もイラク戦争のまっただ中に航空総隊司令官、航空幕僚長(第29代)を務め、イラク戦争に直接当事者として関わった人物。また、安保法制懇の委員メンバー、西元徹也(第22代陸上幕僚長幹部)はイラク戦争開戦時に防衛省顧問であり、座長の柳井俊二(元外交官)は9/11テロからアフガン・イラク戦争にアメリカが突っ込んでいく時に駐米大使であった。後に小泉政権後期にこの職は座長代理の北岡伸一が務めることになる。


 イラク戦争に荷担させた張本人たちが揃って現在の戦争法案、安保法制、沖縄基地移転を強行しようとしていることがわかる。歴史的に違法な侵略戦争であるイラク戦争に日本と自衛隊を荷担させた張本人たちが、あの戦争の反省や総括も何もなしに、ISが急激に膨張している現在、民主的手続きを全て踏みつぶして怒濤の解釈改憲、安保法制の体制樹立に狂奔する。

 
 戦後70年。日本の民主政治にとって今年は指折りの危機的な年になっている。

 
  






派遣自衛隊員の自殺者はイラクで29人、インド洋25人
Asahi  5月28日


 2003年から09年までイラクへ派遣された自衛隊員のうち、在職中に自殺で死亡したと認定された隊員が29人いることがわかった。27日の衆院の特別委員会で明らかになった。防衛省によると、うち4人は、イラク派遣が原因のストレスで自殺に至ったとみられるという。イラクに派遣された自衛隊員は陸海空の各自衛隊で約9310人。


 2001年〜07年のテロ特別措置法にもとづくインド洋での給油活動に従事した隊員のうち、在職中に自殺で死亡した隊員は25人だった。こちらは、派遣が原因と認められる自殺者はいないという。この期間に派遣された海空の自衛隊員はのべ約1万3800人で、実数は明らかにしていない。

 自殺者の総数については、共産党の志位和夫委員長の質問に防衛省の真部朗人事教育局長が答えた。真部氏は

「個々の原因を特定するのは困難だ」

と語った。志位氏は

「自衛隊員の戦死者が出ていないものの、犠牲者がでていないわけではない」

と指摘した。



倫理的な戦争倫理的な戦争
著者:細谷 雄一
慶應義塾大学出版会(2009-11-11)
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細谷雄一 と「第2イラク戦争」

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 慶応大で国際政治を教える細谷雄一。安保法制懇の座長代理、北岡伸一のゼミ生、教え子であり、恩師から声がかかって懇談会メンバーに入っている。北岡氏が研究本部長を務める「世界平和研究所」でも席を同じくしている。


 http://www.iips.org/experts


 細谷教授は、北岡、中西らの世代を継承し、今後の日本の外交を学者として分析する次世代のブレーン候補の一人。彼とは大学時代、一時期、講義・講座を同じ部屋で聴講していたことがある。付属校から上がってきて在学中から強い研究者志望の人だった。キャンパス内で異様な違和感のある人で、その鼻持ちならないエリート主義的な佇まいがただごとではなかった。だからといって成績優秀者だったわけでもない。彼は政治学関連の科目を中心に履修していたが、法律学関係の科目は単位の充足のために履修していたようで、そもそも法律関連科目の「解釈学」について小馬鹿にしているところがあった。この点は彼の恩師、北岡伸一座長代理も同様で、思いっきり今の無理な横車をごり押ししている憲法解釈に反映されている。往々にして政治学者は法律学を劣位に見て侮る傾向があるが、今回の法案について言えば「砂川判決」評釈、引用について、おそろしいほどその態度が読み取れる。




 彼の恩師にあたる北岡座長代理は小泉純一郎内閣の時、駐米大使だったが、まさにその時、イラク戦争のまっただ中であった。当時の小泉政権、日本政府はイラク戦争支援を強力に行い、インド洋上での米軍艦船に対する洋上給油など、大規模に支援し、アメリカ海軍がウェブサイト上で異例の謝意を掲載するなど大きな話題を呼んだ。あれほど強調していた「大量破壊兵器=WMD」は全く見つからず、ブッシュ大統領も小泉首相も、いつの間にかすり替わった「テロとの戦い」の台詞を繰り返すしかなかった時代である。


 現在、公明党を含めた与党内で進んでいる、集団的自衛権や安保関連法案の内容についての実質論はひとまず置いておくとして、彼らは、もし、日本が将来、「第2イラク戦争」に直面した場合、どのようなことになるのかを、主権者たる国民に対して明瞭に説明する義務がある。実質論の前の手続き論としてそれは欠かせない重要な国民合意である。


細谷教授もこの問題についての持論を公開し、いかに「国民」や「マスコミ」が「勘違い」しているかを「うんざり」しながら「解説」して嘆いているが、実際に何もわかっておらず「勘違い」をしているのは、北岡教授、細谷教授ら懇談会の政治学の専門家たちであって、彼らは非常に初歩的な水準で法解釈学がわかっていない。だから、現行憲法は「集団的自衛権を禁じていない」などという憲法学、国法学のイロハも踏まえない幼稚な前提から議論を始めている。

http://blog.livedoor.jp/hosoyayuichi/archives/1865199.html

 北岡教授ら、政治学出身の人たちは「憲法学者」を非常に軽蔑しているところがある。ことあるごとに持論の優位を説く文脈で

 「問題は憲法学者で・・・」

 という発言がある。いちいち細かい文言の解釈に拘っている実定法学者たちへの侮蔑を含んだ、極めて上から目線の物言いであるが、本当の問題は「憲法学者」にあるのではなく、従来の歴代自民党政権が保持してきた憲法解釈からも大きく逸脱し、現行憲法の文言理解すらできていない、彼ら「国際政治学者」たちにこそある。細谷教授は法学部法学科出身(当時は政治学科はなかった)であるが、もっぱら政治学関連の科目を中心に履修していたため、憲法を含む六法は弱く、解釈学や法学原理の理解や知識がとんでもなく劣っていることが在学中からしばしばあった。法学部を卒業しながら、日本の憲法学の一代金字塔を打ち立てた芦部信喜の名前すら知らなかった安倍晋三とその点、良く似ている。彼らは「憲法知らず」である以前に「法学知らず」の状態にある。政治学だけを履修して自己イメージを作り上げてきた政治学者に良くある実例でもある。


 アフガン、イラクの大混乱はおろか、今のISの跳梁に直結した、歴史的な愚行戦争をしでかしたジョージ・ブッシュ政権。その実弟、ジェブ・ブッシュ(フロリダ州知事)は次の大統領選挙に出馬する予定。政権奪還を狙う共和党の最有力候補である。民主のヒラリー・クリントンもイラク戦争を強く支持した議員でオバマ政権時のイラク増派にも閣僚として関わった。


 将来、日本は国内のイスラム教徒が急増し、イスラム国家との接点も大きく増える。イスラエル紛争やアラブ対応で緊迫感いっぱいの舵取りに直面する事態になるが、次の大統領が誰になるにしても、日本の平和外交、立憲主義にとって改正に等しい歴史的な転換になる以上、脱法的な手続は憲法政治から絶対に許容されない。「グレーゾーン」の事態は千差万別。今日の戦争は予測不可能な困難を持ち、実際、現在のIS問題を予測していた国際政治の専門家などほとんどゼロに近い。運悪くモスルが一夜にして陥落した後、一挙に事態が悪化したものであった。


 曖昧な言葉遣いではなく、違憲の総選挙議会でもなく、主権者にこれ以上なく周知、理解させた上での国民的討議と決断が必要であって、鼻持ちならない自称外交エリートたちが傲慢に主権者をないがしろにし続ける。イラク・アフガニスタン戦争では、米兵に4000人近い死者が出た。イラク人の死者は軽く50万人を超えると試算されている。アメリカ政府による試算でも10数万人とされている。死者の8割近くが民間人である。難民や負傷者、疾病は1000万人を超える。「大量破壊兵器=WMDが開発・配備され、これらがアメリカやその友好国に対して現実に行使される直近の事態にあるため、予防的先制攻撃でこれらを防がなければならない」という説明は、事前の国連安保理、会議で散々、根拠がないと批判された通り、何一つ客観性のない虚偽であることが開戦後1年も経たずすぐに判明した戦争であった。



 ブッシュ、チェイニー、ラムズフェルド、ウォルフォウィッツ、ライス、パウエルら、当時の直接関与した人物はだれもこの破滅的な戦禍に責任を取っていない。実際、取りようがないほど世界を巻き込んだ混乱をもたらしたが、こうしたことに世界の人たちや日本国民だけでなく、アメリカ国民でさえうんざりして今の厭戦気分の蔓延を招いた。悪魔的なISを掃討するためには、アメリカ軍の本格的な地上戦なしには難しいが、その実行は難しい。本来、最後の最後までアメリカがイラクの治安樹立、民主政府の確立まで責任を持って遂行しなければならないが、自分たちの勝手な思いこみでしでかした間違った戦争の締めくくりは、超大国アメリカでさえ不可能な時代。それ以外の他国がその尻ぬぐいなど物理的にまるでやりようがない状況にある。


 第二のウサマ・ビン・ラディンが登場し、第二の「9/11同時多発テロ」が引き起こされ、第二の「アフガニスタン・対タリバン戦争」、第二の「イラク戦争」、第二の「パキスタン侵入・ビン・ラディン暗殺作戦」が、アメリカのネオコン政権によって引き起こされない保障はどこにもない。その場所がイランであるかもしれないし、シリアであるかもしれないし、アルジェリア、エジプトであるかもしれないが、将来の「第2イラク戦争」が日本に飛び火し、日本が混乱の戦禍に首を突っ込むことになれば、目も当てられない事態となる。


 

イラク戦争に始まる歯車の狂い

b52d19d8.pngGermanwings の墜落事故。原因はまさかのパイロットによる意図的な墜落。副操縦士、 Andreas Lubitz の故意だとされた。彼はイスラム原理主義支持者ではなく、テロとは全く関係ないという。


9/11同時多発テロ事件を経験し、航空機のパイロットの扉は外側から開けられないように設計が変更された。しかし、機長がトイレなどでコクピットの外に多少出ることは実際にあることで、特段、操縦規則に違反した行為ではない。まさか、もう片方のパイロットがその機会を捉えて扉を固く閉ざし、機体ごとダイブ自爆するということは、だれも想定していなかっただろう。


こうなると、次に航空会社はどうすればいいのだろうか。パイロットの精神状態をより緻密にチェックすることはなされるようになるだろうが、まさか、日記やメールを丸ごと見せてもらうわけにもいかない。扉を外側からパイロットに限って開けられるように変更した方が良いのかどうか、間違って扉を閉じてしまいその後にコクピット中で気を失った、心臓発作を起こしたといったことはないわけではない。JALやANAなど日本の航空会社はパイロットが一人操縦室を出た場合には、代わりにCAが必ず操縦室に代わりに入ることになっている。


しかし、このようなことを考えていたら飛行機に乗れない。テロが世界中に蔓延してしまった今、本来ならばあれこれ考慮しなくても済んだ事柄があまりに多く発生してしまい、どうにもならない。


記憶をたぐり寄せて振り返ると、全てはあのブッシュ政権のイラク戦争に始まっている。あれ以来、全てが少しずつ悪い循環に嵌り、小さな不幸や偶然が重なり続けてISが荒れ狂う現在に至る。だれもISを生み出したかったわけではない。絶対にしてはいけなかった戦争をしでかしたツケが全人類を袋小路に追い込みつつある。

山田賢司 「さすがテロ政党!」

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 山田賢司 48歳
 
 大阪府出身。神戸大・法卒。住友銀行、通商産業省、SG信託銀行、芦屋キワニスクラブ会長を経て衆議院議員・2期目。

 http://www.yamada-kenji.com

 「さすがテロ政党!」

 と野次を飛ばした本人。自分の言った内容に自信があるならば、あっという間に撤回する醜態を晒さなければ良い。議場での発言であった上に、議員には不逮捕特権もあるのだから。

 共産党をテロ政党というのであれば、今の自民党は遙かにテロ政党としての「実績」がある。大量破壊兵器(WMD)が行使される直前の状態にあり、予防的先制攻撃で政権を倒さない限りアメリカが危ないという理由で国連決議もとらないまま開戦、予想通りに何の大義もない侵略になるべくしてなってしまった泥沼イラク戦争に荷担した小泉政権。その官房長官をやっていたのが安倍晋三である。昨年もガザに猛烈な空爆で病院や小学校を含めて大規模に破壊、2200人の死者を出しながら、今もパレスチナ人地区に軍事侵攻して「入植地」を作り続けている(半世紀以上前から国連決議違反状態)ネタニヤフ・イスラエル右派政権に2億ドル拠出すると発表したばかりでもある。


 国家がテロ戦争を行い、自らそれを「対テロ戦争」と言い出してひっくり返すという外交が、今の大混乱の中東問題を作っている。

チェルシーのサッカーファン 敵地パリで人種差別事件

079bbcba.png サッカーの欧州チャンピオンズリーグは、2014-15シーズンが予選グループリーグを終えて16強が揃い、佳境に入っている。ここからは敵地と本拠地とで1試合ずつ試合をこなして行くだけになるので緊迫感が格段に高い。ファンも熱く興奮するステージに入る。


 17日、イブラヒモビッチなどが所属するパリ・サンジェルマン(Paris Saint-Germain、PSG)と、ロシア人オーナー、アブラモビッチが所有し、モウリーニョ監督のチェルシー(Chelsea)戦があった。チェルシーは労働者階級が多い南ロンドンがホームで、ボーイソプラノグループ、Liberaもチェルシーと同じ町を活動拠点にしている。


 英国のサッカーファンは「フーリガン」といわれて悪名高いが、試合前から興奮したチェルシーのファンが、敵地パリ市内の地下鉄に乗って会場へ移動する中、たまたま地下鉄に乗り合わせた黒人男性の乗客に対して嫌がらせの脅迫を行い、扉から乗車したその黒人男性を何度も押しとばして列車に乗せず、自ら「自主差別主義者(レイシスト)」と大声で歌い散らして気勢を上げる事件があった。リシュリュー・ドゥルオ(Richelieu-Drouot)駅のホームがその場所で、

 We're racist! we're racist! and that's the way we like it!

 「俺たちはレイシスト、俺たちはレイシスト、これが俺らのやり方」

  
 と叫ぶ様子を撮影した人がいる。今、英国のがーディアンなど電子版のメディアで公開されている。この映像はパリ在住の英国人、ポール・ノーラン(Paul Nolan)が撮影した。その一部始終とフーリガンたちの顔がはっきり映し出されている。

 
 この時、この車内にいたチェルシーファンのミッチェル・マッコイ(Mitchell McCoy)は取材を受け、この時には車両が満員だったため黒人男性を押し返しただけで、人種差別はなかったと「説明」しているが、映像を見ればこの「説明」が虚偽であること、明白である。



http://www.theguardian.com/football/2015/feb/18/chelsea-football-club-calls-fans-help-find-racists-paris-metro-footage

http://www.nydailynews.com/sports/soccer/racist-chelsea-fans-stop-black-man-boarding-pari-train-article-1.2119287

http://www.telegraph.co.uk/sport/football/teams/chelsea/11419254/Chelsea-fans-stop-black-man-getting-on-Paris-tube.html



 FIFAは人種差別に非常に厳しいため、チェルシーのチーム自体が今回の事件に巻き込まれた場合、強烈な制裁を受けることになるので「忌まわしい」と一言コメントし、これらのサポーターとは距離を置いているが、今後、スタジアムへ入場を禁止するかどうかなどについては不明。この映像では、彼らが差別の言葉を叫んだ後、列車を下りる黒人女性も映っており、他にも複数の黒人女性らがいたが彼女らの目の前でフーリガンチェルシーファンはチャントを繰り返した。


 白人のアングロサクソンは、未だに人種的優越の感覚が抜けず、大英帝国時代やスペイン無敵艦隊時代の記憶が残滓として脳内に散らかっている人が少なからずいる。WASPとは、ホワイト、アングロサクソン、プロテスタントの省略で、noblesse oblige , whiteman's burden, magestic dynasty といった、自分たちが文明の指導的上位に立っているという思い上がりが頭から抜けきらない。泥沼のイラク戦争を引き起こしたのも、サイクス・ピコ協定以降の中東を分割したのも、カンボジアのポル・ポトを支援して200万人の大虐殺を加速させたのもアメリカ+ヨーロッパの主要国家(英、仏)であることを忘れているようでもある。 

 
 フランスでは「公共交通機関における意図的な人種差別」としての捜査が始まっているが、逮捕、起訴まで行くかどうか、ロンドン警察が協力するとしているが、どこまで行われるか注目される。何らかの刑罰を持って刑事責任を負わせるのが当然であるが、同時にスタジアム観戦の永久追放処分を行わないならば、チェルシーの経営が問われることになる。

Je suis charlie 風刺漫画のやり過ぎ

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 福島原発事故後、フランス語圏のベルギー、リエージュに所属していた日本人GK、川島に対して「カワシマ、フクシマ」という野次が飛んだり、風刺漫画で千手観音のように奇形の腕が描かれたりしたことがあった。欧州の風刺感覚にはかなり強い「毒」がある。


 テロリスト兄弟らの凶行を擁護することはできないが、あまりに明け透けで時に悪趣味な内容があるパリ人の風刺感覚にはかなり問題がある。イスラム教やマホメットをあのように悪意も露わにからかって風刺することは、明らかにムスリムを挑発し、侮辱し、コケにすることになる。それも「表現の自由」だが、逆上の怒りを誘発する危険と背中合わせ。褒められた内容ではない。風刺にも筋の良いものと悪いもの、価値の高いものと単純にたちが悪いものとがある。


 イスラム教徒が猛烈に怒っているのは、不条理な格差が天文学的に開いていることにあり、21世紀に入ってからさらに格差は加速して開いている。洪水のようにムスリムの激怒を浸水させたきっかけは、ブッシュ政権が始めたイラク戦争だった。その後、泥沼イラク内戦を生み、各地のテロ連発に繋がり、アフガン崩壊を呼び、シリア・イラクのISIS台頭へ事態が悪化して全く止められない。


 ブレアの英国もイラク戦争を支持して参戦した。ドイツと異なりフランスもイラク戦争に表立って強い反対をしなかった。イスラム過激派にとってイラク戦争以降、欧州は「共通の敵」としてくくられている。そういう今の文脈の中では一定の自重が必要で、過激な風刺はあまりに危ない。

 Je suis charlie. 「私はシャーリー」


 In pace 平和を、free speech 言論の自由を、と書くならば良かったかもしれないが、風刺新聞社の社名そのものを記載すれば、あの風刺が行ったヘイトスピーチすれすれの差別的、侮蔑的風刺漫画そのものは、表現の自由とぶつかる逆の人権の問題になる。


 今でも欧州のサッカーの試合では人種差別の野次や声援が観客席から当たり前のように飛んでくる。猿の鳴き真似、バナナの投げ入れ、つけ髭の仮装、単純な罵倒など、FIFAが厳重に禁止しているにもかかわらず、毎年事件が発生してあまり効果が上がらない。欧州人は、特にフランスのパリの人たちは、自分たちが市民社会の先駆者であり、表現の自由の擁護者だという自負が強い。それが行きすぎた反動でやり過ぎの表現・言論、思い上がりが時折出てくるが、そのこと自体を反省して考える必要がある。

 少なくもアラブ世界から怒りを買ったイラク戦争は歴然とした間違いだったのだから。
 

フランス ムラッド・ファレス 逮捕

0dc9bde0.jpg フランスとモロッコの2つの国籍を持つムラッド・ファレスが逮捕された。イスラム国への兵士勧誘を継続して行ったきた人物で、フランス政府が身柄を追っていた。

 
 
 

イスラム国 スティーブン・ソトロフ記者を公開処刑

01ad03e7.jpg イスラム過激派組織「イスラム国」が、2人目のアメリカ人ジャーナリストを殺害する模様をインターネット上で公開処刑映像として公開した。

 
 アメリカ人ジャーナリストはジェームズ・フォーリー記者に続いてスティーブン・ソトロフ記者。同じように首を大型ナイフで切断している。


 ソトロフ記者は、ビデオの中でオバマ大統領に向けて


 「イラクへの空爆はアメリカ市民の生命を守る目的だったのに、なぜ私がその代償を払わなければならないのか。私はアメリカ市民ではないのですか」

 と言わされている。


 処刑役と見られる覆面の男は「お前たちが空爆を続ける限り、我々のナイフがお前の国民の首に突き立てられるだろう」と宣言、次はイギリス人男性を殺害する予定を口にしている。


 去年、シリア北部で拘束されたらしく、先週には母親がイスラム国の指導者、バグダディ容疑者に向けて息子を解放するよう呼びかけるメッセージを出していたが、効果が上がらなかった。

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 アメリカ人やイギリス人の他、欧州人がまだ何人か現在もイスラム国に拘束されている。

アフリカのタリバン “ボコ・ハラム”

今日から木曜まで、4日連続でBSドキュメンタリーにて、イスラムテロの真相特集が放映。


BS世界のドキュメンタリー「アフリカのタリバン “ボコ・ハラム”」


2014年9月1日(月) 24時00分〜24時50分


ナイジェリアでキリスト教徒への襲撃や殺害を続けるイスラム過激派グループ、ボコ・ハラムとは一体どんな組織なのか?現地のボコ・ハラム本部へ潜入し幹部との接触に成功。


2014年4月、200人以上の女子生徒を拉致し、世界に衝撃を与えたナイジェリアのイスラム過激派組織ボコ・ハラムが活発化している。キリスト教徒への襲撃や殺害を続けるボコ・ハラムとは一体、どんな組織なのか。根深い宗教上の対立が続くナイジェリアで、“アフリカのタリバン”として知られる組織の本部に潜入取材を行い、幹部と接触した


出演者

解説 二村伸
制作 2013年 オーストリア Kubefilm制作

ISISの殺害犯、Abdel Majed Abdel Bary 

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 アメリカ人の独立系報道記者、ジェームズ・フォーリー(James Foley)がシリアで補足され、武装勢力による自称国家「イスラム国」を作ったテロリスト集団、ISISに殺害された事件で、その犯人は、英語の発音からロンドン在住のイギリス国籍を持った人物だと推定されていたが、ロンドン西部に暮らしていた23歳のラップ音楽家、Abdel Majed Abdel Bary と特定された。彼の父親はエジプト国籍。かつて若かった時にアメリカ大使館爆破事件に関与した罪で前科がある。二世代続けてテロリストとなり、今回は息子が犯人となったが、彼はロンドン英語を話すことから、現地の捕虜からはBeatles と呼ばれ、ジョン・レノンの名にあやかって、Jighad John とあだ名がついていた。彼は別名、詩人ジン Lyricist Jinn 、L Jinny とも名乗っていた。家族とロンドンの高級住宅街に住んでいたが、過激派に加入した。

 
 欧州では、これまで労働力調達という真の目的を隠したまま、「国際化」の看板を掲げて野放図な外国人移民受け入れを行ってきたが、それが歯止めを失って膨張し、そこへブッシュ・チェイニーとブレアの米英がイラク戦争を開始して宗教間、人種間の憎悪や不信が世界に広がり全く制御が効かなくなった。シリア、イラク、イランがその最激戦地になっているだけのことで、他の国、近くの地で同じことが破裂する条件はいくらでも整っている。


 欧州の格差拡大、経済停滞、政治不信は何度も捻れながら「西洋・欧米」への極端な憎悪として増幅していく。現在の世界秩序は間違いであり暴力によってでも壊さなければならないという「破壊衝動」が燃え上がり、欧州の社会に不満を持つ若者たちにネットを通じて呼びかけて入り込み、戦地へ戦士を招き入れることに成功している。地元の武装勢力も取り込みに成功している。油田を制圧し資金源を得て高性能の兵器を調達して使いこなす。先月の一ヶ月間だけで欧州から1300人以上のイスラム義勇軍参加希望者がシリア、イラクに入っているという。イスラム国もアメリカもともにシリアのアサド政権を敵視して対立しているが、敵の敵は味方という図式にはならず、アメリカはアサド政権とイスラム国・ISISの双方を空爆しなければならない事態に落ちる可能性がある。そうなれば、数年前までのイラク戦争より遙かに泥沼になる。


 日本が今後、「労働力」を狙って外国人を受け入れるとしている政策は、世界中からイスラム教徒、ナイジェリア、中国、ロシアのような粗暴な国からの民族が大量になだれ込んでくるような事態になれば、大きな混乱をもたらして中長期的に失敗することになる。東京五輪が終わるまでの短期的な成果は上がったとしてもその後に残す負の遺産が大きい。日本には若年の失業者も多数おり、引きこもりは100万人を軽く超えている。60歳以上で働くことを希望する人も多い。それらの人たちを活用するように仕組みが整っていないことと、賃金が安すぎることが最大の障害になっている。大企業一辺倒の経済政策はこれ以上、これまでのまま推進するに限界が来ている。
 


http://www.foxnews.com/world/2014/08/24/us-uk-reportedly-getting-closer-to-identifying-journalist-killer-as-british/


http://au.ibtimes.com/articles/562784/20140815/isis-british-rapper-syria-severed-head.htm


https://www.youtube.com/watch?v=5MARkfLEtpY

「イスラム国」がアメリカ人報道記者を公開処刑

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 イラクやシリアで一挙に勢力を拡大したスンニ派過激組織「イスラム国」。アブバクル・バグダディを首領としてまとまっているグループで、あまりに過激で残虐なため、今年2月にはあのアルカイダから自分たちとは一切無関係のグループだと絶縁されている。スンニ派だが、同じスンニ派住民であっても自分たちの支配に従わない場合、容赦なく殺害していくため、すでに700人以上の民間人が殺されている。

 
 このイスラム国が、昨日19日、シリアでアメリカ人のジャーナリスト、ジェームズ・フォーリー(James Foley)記者を処刑する映像を公開した。映像は「米国へのメッセージ」というタイトル。黒い覆面の殺害犯は英国なまりの英語であるため、英国からシリア入りしたものと推定されている。フォーリー記者は2012年11月に消息を絶っていた。むしろイスラム国が敵対していたシリアのアサド政権の取材をしてきた人物でもあった。
 

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 今のシリア、イラン、イラクの一部は無政府状態、剥き出しの暴力が支配する無法状態である。漫画の「北斗の拳」の世界に似た風景がそのまま広がっている。宗派と部族が入り乱れるこのバビロン半島で外側から軍事侵攻して統治の権力機構を壊した場合、大混乱が生じて統率がとれず破滅的な内戦になるということは、イラク戦争の開始前、ブッシュ・チェイニー政権に対して散々、指摘され強く非難と反対を受けてきたことだったが、政権が代わっても、空爆や地上戦を何度繰り返しても状況は変わらない。むしろふり幅が大きい動乱を繰り返しながら状況が悪化するばかりになった。


 さらに、もう一人、別のジャーナリストも拘束が続き、映像には映し出されている。この記者もアメリカ人であり、オバマ政権が空爆を止めなければこの記者も殺害するとしている。


英国籍の人物がフォーリー記者を殺害したと見られることで英国のキャメロン首相は休暇を切り上げて官邸に戻り、閣僚と緊急の対応に追われている。イラク戦争はブッシュ・チェイニーのアメリカにブレアの英国が追従して宣戦布告、先制攻撃がされた戦争だったが、英国ではこのイラク戦争以来、国内のイスラム教徒の中に急激に英米に対する嫌悪と憎悪が広がり、過激な思想に染まったムスリムがシリア・イラク地域へイスラム義勇軍として参戦するようになっている。イラク戦争は開いてはいけない箱を開けてしまった戦争であり、引き返しが効かない悪夢の連鎖に繋がっている。


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Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2014年 6/24号 [イラクの戦慄]Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2014年 6/24号 [イラクの戦慄]
阪急コミュニケーションズ(2014-06-17)
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シリア、イラク 日本人の戦争産業経営者をISISが拘束

de2add51.jpg 内戦が非常に激しいシリアで、民間軍事会社(PMC、Private Military Company)を経営する日本人がISIS=イスラム過激派組織に拘束された。


 湯川遥菜(Haruna Yukawa)という名でフェイスブックのプロフィールで「民間軍事会社」を運営していると紹介し、シリアや隣国のイラクに入国したり、シリアで銃の試し撃ちをしている映像を投稿したりしている。

 https://www.facebook.com/haruna.pmc

 https://www.youtube.com/watch?v=K9-aChHGxPE&list=UUWNsh_PsmBZvV-MtgpQT1Gg


 拘束された時、ISISのメンバーに尋問され、写真家だと答えたが、彼自身が腰に銃を持っていたことで怪しまれた。世界的にも民族主義者で有名な自衛隊の幕僚長、田母神俊雄らとの記念写真などを掲載していたことが裏目に出て、ISISがこれらの情報をツイッターで紹介している。


 https://twitter.com/DrA12325665


 湯川自身がISISを敵だと書き込みを続け、PMCの社長として現地で仕事の獲得を狙って情報収集をしていたようだが、これらの要素が全て合わさると今後の見通しは非常に暗く、拷問を受けている様子が映像で配信されている。

 https://www.youtube.com/watch?v=i2ZzO2Ncipo&hd=1

 
 軍需産業の最高経営者を歴任してアメリカの副大統領になったチェイニー前・副大統領が、ハリバートン社や旧ブラックウォーター社、ケロッグ・ブラウンルート社、などの民間軍事会社・PMCを経営していたことで、イラク戦争以降、現代の戦争とその戦争に食い込む軍需産業、死の商人、民間会社などが広く知られるようになったが、ISISもそのことを十分に知っている。

Halliburton
http://www.halliburton.com


 Academia Xe Services LLC Blackwater

 http://www.academia.com

 http://www.xeservices.com

http://www.ustraining.com

http://www.blackwaterusa.com


 ブッシュ政権のイラク戦争は最悪の連鎖が止まらずに今に至っている。イラン、イラク、シリアは世界で最も危険な戦場。戦場で一つ、大きな仕事を受注し利益を狙った賭けはあまりに危険で、到底、理解できない。しかもSNSなどであまりに無邪気に、無防備に個人情報を晒し過ぎており、ISISに捕まれば全てが自分の命を脅かす要素になる。彼が生存して救出される可能性はかなり厳しい。

民間軍事会社の内幕 (ちくま文庫 す 19-1)民間軍事会社の内幕 (ちくま文庫 す 19-1)
著者:菅原 出
筑摩書房(2010-06-09)
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外注される戦争―民間軍事会社の正体外注される戦争―民間軍事会社の正体
著者:菅原 出
草思社(2007-03-24)
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戦争サービス業―民間軍事会社が民主主義を蝕む戦争サービス業―民間軍事会社が民主主義を蝕む
著者:ロルフ ユッセラー
日本経済評論社(2008-10)
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著者:P.W. シンガー
日本放送出版協会(2004-12)
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彼らは戦場に行った ルポ新・戦争と平和彼らは戦場に行った ルポ新・戦争と平和
著者:石山 永一郎
共同通信社(2009-12-12)
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SPMC(宇宙民間軍事会社)SPMC(宇宙民間軍事会社)
著者:真柴 剣太
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ドキュメント 現代の傭兵たちドキュメント 現代の傭兵たち
著者:ロバート・ヤング ペルトン
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ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争 (講談社文庫)ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争 (講談社文庫)
著者:高木 徹
講談社(2005-06-15)
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戦場の掟戦場の掟
著者:スティーヴ・ファイナル
講談社(2009-09-25)
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余暇三昧のオバマ大統領

ea701c11.jpg アメリカ史上かつてなく最高に盛り上がったワールドカップ開催中、サッカー応援にも熱をあげていたが、6月24日のオバマはゴルフタイガー・ウッズらを招待してご機嫌になっている。もちろん、国内・国際を問わず、こなさなければならない政治の職務とは何の関係もない。この大統領は就任前の期待と就任後の落胆の差が最も大きかった大統領。希望と失望の落差があまりに大きかった。


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 現代の人類社会の大混乱を引き起こす引き金を引いた前アメリカ大統領、ジョージ・ブッシュは、在任中に史上もっとも余暇を楽しんだ大統領として知られる。ゴルフ、マウンテンバイクのサイクリング、狩猟、愛犬の散歩、野球観戦など好みの趣味は多彩だった。

 
 今、一見遊び呆けているイメージと重ならないオバマ大統領が、遊びすぎで批判を浴びている。就任後のオバマのゴルフの回数が180回近く。前任のブッシュを上回る。また、8月9日から24日までマサチューセッツ州の保養地、マーサズ・ビンヤード島で夏休みを過ごすことが発表された。16日間の日程。2009年に大統領に就任して以来、最長である。2期目の大統領選があったため夏休みを返上した2012年以外、オバマは大西洋に面したこの島を恒例で訪れている。今回は元実業家の豪邸に泊まり、ゴルフや海水浴、サイクリングなどを楽しむ予定。


 しかしながら、現状はのんびりムードとは遠い。アメリカが資金と軍備で支援しているイスラエルがガザ攻撃でパレスチナと戦争状態。イラク戦争以降に破滅的な内戦のシリア、イラクは国家が崩れてしまった。ロシアのウクライナ侵攻は危険な状況だが、同じ欧州の同盟国からさえ信用されない惨めな外交を繰り返し、エドワード・スノーデンにはまた新しくアメリカ政府の実態が暴露された。昨年にドイツのメルケル首相への盗聴がばらされた後、今月にはアメリカが仕掛けたスパイがばれて大使がドイツから極めて異例の国外退去処分を食らったばかり。同盟国のドイツ首脳の携帯電話を盗聴していた大事件は、旧東ドイツ時代の全体主義を知るメルケル首相にとっては不信を募らせるに十分、オバマ嫌悪症を極端に悪化させた。国内の失業率や雇用は予想より回復していないし、南西部国境で子供の不法入国が深刻化している。


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 中間選挙が近く、貪欲な富裕層を批判して所得の不平等・格差の拡大を非難しているご本人が、この緊急時に遊び呆けて豪邸でのんびり長期休暇をとれば支持を受けるわけがない。オバマ民主党が中間選挙で惨敗する様子が見える。彼が再度、信頼を取り戻すことはできない。世論調査でジョージ・ブッシュ以上の「歴代最悪の大統領」と言われるようになったことについても、身から出た錆の自業自得の面があり、過度に厳しすぎる評価といえない。


 権力は蜜の味。権力それ自体が人間を狂わせる。希望の星だったあのバラック・オバマでもその穴に落ちたのであれば、他のだれがついても失敗するのだろうと、かつて選挙で彼を熱く支持したアメリカの有権者は無力感に苛まれている。その意味でもオバマ大統領の罪は深く責任は大きい。



「オバマの嘘」を知らない日本人「オバマの嘘」を知らない日本人
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オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略
著者:海野 素央
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ベスト オブ オバマブログベスト オブ オバマブログ
著者:ゴールデンボンバー 樽美酒 研二
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オバマの戦争オバマの戦争
著者:ボブ・ウッドワード
日本経済新聞出版社(2011-06-18)
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ミシェル・オバマの言葉ミシェル・オバマの言葉
著者:ライザ ロガック
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秘密戦争の司令官オバマ秘密戦争の司令官オバマ
著者:菅原 出
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シリーズ アメリカ “監視社会”の実像

2007cb89.jpgシリーズ アメリカ “監視社会”の実像

元NSAの職員だったアメリカ人、エドワード・スノーデンがその詳細を公開して告発したことで世界に明らかになったアメリカ市民への大規模な監視プログラム。ブッシュ、チェイニー政権がそれまでの「エシュロン」に加えて「プリズム」という仕組みをつくり、大規模に始めた盗聴、諜報、監視のシステムが、やがて世界中にその対象を広げて運用されていった。ドイツのメルケル首相など世界の要人の携帯電話なども対象になり、アメリカの信用が地に落ちている。今回はアメリカ国内の監視活動に限定してのドキュメンタリーだが、手続き的な瑕疵があり、違法なプログラムの内幕に迫った内容が16日から放映予定。延べ60人以上のインタビューが放映される。




http://www.nhk.or.jp/wdoc/

シリーズ アメリカ “監視社会”の実像

スノーデンの告発で明らかになった米国市民への大規模な監視プログラム。手続き的な瑕疵があり、違法なプログラムの内幕に迫る。

7月15日火曜深夜 NSA 国家安全保障局の内幕 第1回 大規模監視プログラムの始動

7月16日水曜深夜 NSA 国家安全保障局の内幕 第2回 内部告発

7月17日木曜深夜 NSA 国家安全保障局の内幕 最終回 侵害されたプライバシー

原題:The United States of Secrets
制作:Kirk Documentary Group/WGBH (アメリカ 2014年)


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NSA 国家安全保障局の内幕
第1回 大規模監視プログラムの始動
2014年7月15日 火曜深夜[水曜午前 0時00分〜0時50分]

2013年5月、アメリカ国家安全保障局(NSA)の契約局員エドワード・スノーデンは、アメリカ政府による電子諜報活動に関する膨大な極秘データを持って香港に逃亡。スノーデンによるメディアへの重要国家機密の公開は、アメリカ史上最も深刻な内部告発となった。監視カメラ映像、個人メールの解読、通信の盗聴…。スノーデンのリークは、アメリカで日常生活の隅々まで監視可能な態勢が築き上げられていることを示し、世界に衝撃を与えた。“非合法”だった監視がなぜ“合法”になり、組織化されていったのか。

第1回では、スノーデンによる暴露を初めて報道したジャーナリストの証言によって、スノーデンからのメールによるファーストコンタクトから香港での接触を描く。
テロ防止対策を強化した9.11後のブッシュ政権下で、チェイニー副大統領はかつてない規模の監視プログラムの開発をNSAに要請した。関係者へのインタビューと当時の映像・文書から、監視プログラム開発の経緯を明らかにする。


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NSA 国家安全保障局の内幕
第2回 内部告発
2014年7月16日 水曜深夜[木曜午前 0時00分〜0時50分]

2013年5月、アメリカ国家安全保障局(NSA)の契約局員エドワード・スノーデンは、アメリカ政府による電子諜報活動に関する膨大な極秘データを持って香港に逃亡。スノーデンによるメディアへの重要国家機密の公開は、アメリカ史上最も深刻な内部告発となった。監視カメラ映像、個人メールの解読、通信の盗聴…。スノーデンのリークは、アメリカで日常生活の隅々まで監視可能な態勢が築き上げられていることを示し、世界に衝撃を与えた。“非合法”だった監視がなぜ“合法”になり、組織化されていったのか。

第2回では、政権交代を果たした民主党のオバマ政権とNSAの監視システムの複雑な関係を解き明かす。上院議員時代は監視プログラムに反対していたはずのオバマ大統領は、むしろ合法化し、拡張させていく。そして、内部告発者への処分も厳格化する。





NSA 国家安全保障局の内幕
最終回 侵害されたプライバシー
2014年7月17日 木曜深夜[金曜午前 0時00分〜0時50分]




2013年5月、アメリカ国家安全保障局(NSA)の契約局員エドワード・スノーデンは、アメリカ政府による電子諜報活動に関する膨大な極秘データを持って香港に逃亡。スノーデンによるメディアへの重要国家機密の公開は、アメリカ史上最も深刻な内部告発となった。監視カメラ映像、個人メールの解読、通信の盗聴…。スノーデンのリークは、アメリカで日常生活の隅々まで監視可能な態勢が築き上げられていることを示し、世界に衝撃を与えた。“非合法”だった監視がなぜ“合法”になり、組織化されていったのか。

最終回は、NSAが構築する監視プログラムとシリコンバレーの企業の関係に焦点を当てる。インターネットが生活の重要な一部となった今、誰もがグーグル、フェイスブック、ヤフーなどの無料サービスを利用する代わりに、こうした企業に膨大な個人情報を提供している。彼らは、各ユーザーのネット上での行動を逐一把握しているのだ。広告目的で企業が集めた個人情報が、NSAによって監視のために利用されていく実態を追う。


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エシュロン―アメリカの世界支配と情報戦略 (角川oneテーマ21)エシュロン―アメリカの世界支配と情報戦略 (角川oneテーマ21)
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エシュロン―暴かれた全世界盗聴網 欧州議会最終報告書の深層 (市民科学ブックス)エシュロン―暴かれた全世界盗聴網 欧州議会最終報告書の深層 (市民科学ブックス)
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エシュロンと情報戦争 (文春新書)エシュロンと情報戦争 (文春新書)
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盗聴・諜報に足を引っ張られるオバマ政権

c91048e5.jpg インド政府は、アメリカの情報機関が現在のインド政権与党を情報収集活動の対象にしていたという報道を受けて、2日、ニューデリーのアメリカ大使館の幹部を呼んで強く抗議。インドは新しい政権、モディ首相のインド人民党が5月から政権交代して始まったばかりだが、出だしからインド・アメリカ間の関係が躓いたことになる。


 形式的な抗議ではなく、

 「到底受け入れられない」

 と強い抗議になっていて、厳重な再発防止を求めている。

 アメリカの司法当局の内部資料を基に、NSA=国家安全保障局が2010年、現在政権与党のインド人民党(当時のインドの最大野党)を情報収集活動の対象の一つにしていたとアメリカのワシントン・ポストが6月30日に記事にしている。


 アメリカ大使館の幹部は調査をしてインド側に回答すると約束。インドとアメリカの間では、2013年12月、ニューヨークに駐在していたインドの女性外交官が逮捕・起訴された事件を受けて外交問題になった。


 オバマ政権は、早々にモディ首相に訪米を要請して、良好な関係を築こうとしていたが、ことあるごとにエドワード・スノーデンが暴露したアメリカの秘密諜報・盗聴活動が大きく響いて足を引っ張り、何一つうまくいかない現実がある。


 プーチンのウクライナ侵攻問題についても、ドイツのメルケル首相はプーチンと直接電話で何度も長時間の会話を行って、アメリカをすっ飛ばした問題解決に動いている。メルケル首相自身の携帯電話がアメリカに盗聴されていた事件がわかってから後、ドイツのアメリカに対する冷たい態度は厳しくなっているが、特にメルケル首相自身の不信感が強いという。メルケル首相は東ドイツの出身。かつて秘密警察や盗聴が横行し、国民を散々、弾圧してきた歴史を持つ国で育ったことから、こうした行為にはとりわけ強い嫌悪感を持っているという。
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イラク 「挙国一致を」 シーア派シスターニ師が発言

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 モハメットからの血筋、血統を重視し、その系譜を嗣ぐ人物だけが預言者=宗教指導者になれると考える立場の宗派であるシーア派の最高権威、シスターニ師。

 かなりの高齢になっていて実際に姿を見せることが少ないが、イラク国内では圧倒的な影響力がある人物。今月上旬には側近を通じて

 「イラクは今、危機にある。国を守るためテロリストと戦わなければならない」

 と、スンニ派のゲリラ戦闘に参加するよう呼びかけていた。


 絶対権威である宗教指導者の呼びかけで戦闘が激化した経緯がある。

 しかし、首都バグダッド陥落が現実に近づき、独裁者シーア派のマリキ政権が崩壊秒読みになったことで声明の内容が少し変わっている。イラクは国を守るために諸派が「挙国一致を」と声明を出した。隣国シリアとの国境があってないようなものになり、シリア、イラクが混じり合ってその後3つに分裂する可能性が高く、シーア派の預言者も焦りが出てきているように見える。
 
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