September 29, 2012

子どもたちに被曝を強いる「復興」などやめて、子どもたちを被曝から守る「新興」をせよ

原発事故汚染被害地の復興政策については、慎重かつ大胆な決断が必要だ。

現政府は、年間20mSvを下回る地域に住民を帰還させる方向としているが、そもそも一般公衆の年間被曝線量限度は1mSv。安全性に関する科学的根拠もないまま事故以前の規則を反故にするのは法律違反であり人権侵害、断じて許されない。

「除染で年間1mSvを目指す」というが、除染による線量低減効果が期待出来ないことはチェルノブイリが実証している。その実現不能な目標で、住民に期待を持たせつついたずらに貴重な時間を浪費させ、しかも子どもたちを含めた住民に被曝させ続けることは、一刻も早くやめさせねばならない。

また「復興」と言っても一度壊滅した自治体を再興させるには、子ども、働き盛りの青壮年、高齢者、すべての年齢層の住民が安心して生活を営める「環境」が保証されることが必須条件である。
現在福島県内に住民が安心して住める地域は、どれだけあろうか。
少なくとも、中通り、浜通りにおいては、いわゆる「空間線量率」の高低はあるが、空間線量に反映されない深刻な土壌汚染がほぼ全域に存在しており、子どもたちは屋外で思い切り遊べない状況だ。それによる成長発達障害、健康障害も今後増えてくるであろう。子どもたちを安心して産み育てられない地域からは、人口流出は止まらず、徐々に活力を失い、早晩コミュニティとして維持出来なくなることは自明である。

しからば、ここは住民の郷土に対する想いは尊重しつつも、実現不能な形ばかりの「復興政策」ではなく、汚染を気にせず子どもたちが元気に外で遊べる地域に市町村ごと移す、いわば「新興政策」を大胆に策定する必要があるのではないか。

今、多くの政治家は汚染の深刻さを語らず、内心「実現不可能」と悟りつつも「一日も早く元通り復興を」という紋切り型の復興論しか述べない。しかし被害者が今求めているのは「今まで通り安心した生活を送れるようになること」であり、「今まで通りの場所に不安を抱えつつ生活すること」ではない。

今こそ政治家は、大胆に現状を打開する政策を打ち出すべきだ。
例えば、現行の警戒区域や避難準備区域を大きく見直し、チェルノブイリ事故周辺地域に準じて土壌汚染を考慮した「移住義務区域」「移住権利区域」を制定する。
もちろんそうすれば、郡山市、福島市、南相馬市、いわき市も高度に汚染された地域として移住義務もしくは移住権利を有する地域に該当し、多くの住民を大移動させねばならないことになる。
確かに大変困難なことであるが、しかし翻って考えれば、それは多くの住民をコミュニティごと移動させ「新しい都市」を創造する、という壮大な国家プロジェクトでもある。
この壮大な国家プロジェクトを大胆かつ綿密に、そして早急に策定し、文字通り日本国民全体でこのプロジェクトを支援することで、「意味なき除染」を待ち放射能汚染に怯えながら日々を過ごしている住民は、未来に向け大きな希望を持つことが出来るのではないか。
さらに『原発事故子ども・被災者支援法』においては、その「対象地域および対象者」を「年間1mSvを超える被曝を受ける地域およびその住民、もしくはチェルノブイリ事故での移住権利区域相当の土壌汚染の存在する地域およびその住民」と明確に定義し、それにより移住した住民には、ただの一人も取りこぼすことなく、住居を充当し、生活保障、医療保障を担保し、同プロジェクト関連事業にも積極的に雇用するなど、就労保障もきめ細かく行うことを確約する。

区域見直しにより発生した「居住不適区域」には、福島県内はもちろん東北関東において生じた汚染土壌や瓦礫、焼却灰の「最終処分施設」を建設。そして建設に当たっては、その作業に従事する人員の安全確保のためにも空間線量率が低く土壌汚染の少ない場所を選定する。
将来的には、全国の原発で発生した使用済み核燃料の直接処分もこの地で行うこととし、「原発ゼロ」政策の達成時期をより具体的に国民に提示する。
汚染物質や使用済み核燃料などの処分施設を「被災地」に立地することについては、「心情的反対意見」は多いだろうが、そもそも汚染物質を汚染されていない所に移動させること自体が道理に反している。
「汚染地域からひとを出し、汚染は汚染地域に集約させる」
これは鉄則であり、日本国民全体がそれを共通理解とすべく、国はその啓蒙、周知に努力せねばならないはずだ。

このプロジェクトを行うには、市町村境はもちろん、近接県とも協議を行い、県境をも引き直すことになるから、当然簡単なことではない。
しかしそれにより、全く新しい東北北関東圏が創造され、新たな産業、文化が構築されることで、震災、原発事故に打ちひしがれた被害者が大きな希望と活力を得るばかりでなく、日本全体が「再生、新興」することに繋がるであろう。

(本稿は「国民の生活が第一」が公募しているパブリック・コメントに平成24年9月29日に投稿したものである)

medicalsolutions at 22:42コメント(5)トラックバック(0) 

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コメント一覧

1. Posted by 大山弘一   September 29, 2012 23:27
同感です。
汚染を広げず、人が避ける
英断が待たれます。
2. Posted by 大山弘一   October 03, 2012 00:26
4 パブコメにおいて、「英断」は政党としても刺激的、魅力的かもしれませんね。
マニフェストで いの一番に「放射能問題」が取り上げられねばならないところで
被災者の立場では 「歴史的責任」を政治に追求しがちです。

パブコメ送ったあとの対応は あるのですか?
3. Posted by きむらとも   October 03, 2012 19:23
大山さん、
コメントありがとうございます。
おそらく、多くの政治家だって、「除染して復興」が無理なことくらい解っているはずです。解っていながら、言わない、やらない、やろうとしない。
いたずらに時間ばかり経ち、こうしている間も、国民を被曝させ続けている。そのことを、まず彼らに正直に認めさせねばなりません。
パブコメには、個別の返事は出されないことになっているようです。
基本政策に反映されるよう、個々の議員にも直接働きかけていくつもりです。
4. Posted by 佐藤   October 04, 2012 16:26
5 私は白河市に住む二児の母です。
避難したくても、踏み切れなかったのですが、今となると、今更避難してもという雰囲気で、白河市自体、福島市、郡山市に比べると確かに線量は低いからと、初めから避難する人を周りは非難していました。
福島ナンバーの車が止まっているだけで、避けられたり、傷を付けられたりした方もいました。
出掛けるのも怖い日もありました。

今も被爆しながらも、食物からの内部被爆も怖いです。
隣県の食べ物も汚染されているでしょう。実際スーパーにあるのは、地物、隣県の物が主です。
せめて、遠くの物を手に入れたい。安心して食事がしたい。今、避難できないのならせめて、、、と毎日思いながら生活しています。
5. Posted by 放射能嫌い   April 06, 2014 16:06
>福島ナンバーの車が止まっているだけで、避けられたり、傷を付けられたりした方もいました。

よく聞く話ですが、それが本当なら、証拠写真がテレビや新聞雑誌に掲載される筈ですが、掲載されているのを見たことがありませんので、おそらく虚でしょう。

ところで福島ナンバーが避けられるのは汚染されているであろうから当然のことであり、避けられたところで実害は無いのですから、被害者意識を持つのはおかしい。
それ以前に、汚染された車で遠方へ出かけるというのが理解できない。私なら土を持ち出さないように配慮しますよ。靴だって土がついていないか必ず見ます。そういう配慮がでいないのは問題だと思います。

>出掛けるのも怖い日もありました。

本当に被害を受けているのなら警察に相談してください。警察に相談して助言を受けるなり、精神科を紹介してもらうなりしてください、としか言えませんが、虚の相談をした場合はそれなりの処罰を覚悟してください。

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