2007年09月26日

【本日のオススメ本】 看護実践に役立つ放射線の基礎知識




出版社:医学書院
編 集:草間朋子
ジャンル:臨床看護一般
判 型:A5
発行年:2007年
ISBN:9784260003216
税込価格:2,520円

・関連書はこちらです→ 【 看護系 】


刊行にあたって


 皆さんは「国民線量」って聞いたことがありますか.一般の人々が,日常的に,さまざまな放射線源から受ける放射線の量を,「国民線量」という量で表します。地球上に生活するすべての人が,どこで生活をしていても四六時中受け続けている自然放射線からの被ばく線量がもっとも高いのですが,人工放射線源の中で,国民線量のもっとも大きな割合を占めているのは何だと思いますか? それは,医療被ばくといわれる,放射線診療,特に放射線診断に伴う被ばくです。先進諸国の中でも,日本の医療被ばくの線量は,他の国々に比べて高いのが実態です。

 にもかかわらず,看護職者を含めた医療従事者の放射線被ばくや放射線の健康リスクに関する知識は不足しているといわざるをえない現状があります。安全で,安心な医療の提供が求められている折,患者さんや家族に寄り添い,心配や不安に応えていかなければならない看護職者の放射線に関する知識がかなり不足していることは,患者さんも気づいています。患者さんたちの放射線被ばくに対する関心は高く,自分自身で情報を集め,さらに医療従事者に対しても,自分の受けた放射線医療について積極的に情報を求めてくる患者さんの増加は目を見張るものがあります。

 放射線被ばくなどに対して不安を抱いている患者さんや家族は,最初に対応した看護職者の皆さんの対応の仕方によってかなり影響を受けることを常日頃感じています。また,患者さんの不安に応える立場にある看護職者自身が,放射線利用に伴う自分の放射線被ばくに対して誤解があることも痛感しています。そこでこのたび,放射線診療を円滑に進めるために看護職者の皆さんに知っておいてほしい,最小限の基本的な事項をまとめることとし,本書を刊行しました。

 放射線利用に対する技術的なことは,医師,診療放射線技師,放射線防護の専門家などが責任をもって行いますので,看護職者に求められることは,看護職者自身の防護の手段を理解し実行すること,患者さんに自信をもって説明できるように放射線被ばくや放射線の健康リスクに関する知識を理解すること,です。かつては,「看護婦・士」の基礎教育の中で「放射線看護」を履修するようになっていましたが,現在は,放射線被ばくや放射線リスクに関する系統的な教育を受ける機会は,制度的にはありません。しかし,放射線診断やIVRは日常診療の中で不可欠な手段となっています。患者さんにとって負担の少ない放射線治療は,今後,もっともっと普及していく必要があります。そのためにも,看護職者が放射線に対する正しい知識をもつことが求められているのです。

 すべての看護職者の皆さんに,日常診療にとって不可欠な放射線診療を支える重要な一翼となっていただきたいというのが,現在,看護教育に携わり,また長年,放射線防護の仕事に関わってきた私たち著者の願いです。

 医学書院の北原拓也さんから,たくさんのアイディアとコメントをいただきました。看護職者にとっては,もともと関心が低く,とっつきにくい放射線に関する知識を,できるだけわかりやすく記述する努力をしたつもりです。

 タイトルに「看護」とありますが,医師をはじめとする多くの医療従事者の方々が本書を手にし,放射線利用に伴う放射線被ばくや健康影響に関心と理解をもっていただければ幸いです。

 2007年 8月

草間朋子




medicomps at 05:43│Comments(0)TrackBack(1)clip!看護学 

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1. 診療放射線技師 2007/09/21~09/27  [ (メモ的)話題の動画・情報収集ブログ 第六倉庫 資格・仕事 ]   2007年09月27日 05:54
診療放射線技師についての最近の情報です。

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