季節の切り抜き帳 〜 Clipping of Season 〜

移り変わる季節と日々の暮らしの記録

3
4620108219東京會舘とわたし(上)旧館
辻村深月
毎日新聞出版 2016-07-30

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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
海外ヴァイオリニストのコンサート、灯火管制下の結婚式、未知のカクテルを編み出すバーテンダー…
“會舘の人々”が織り成すドラマが、読者の心に灯をともす。
大正十一年、丸の内に誕生した国際社交場・東京會舘。
“建物の記憶”が今、甦る。激動の時代を生きた人々を描く。直木賞作家の傑作長編小説!

辻村さんが描く「東京會舘」の物語。
上巻は、旧館の物語。
戦時下、戦後、特別な場所としてあり続けた場所。
辻村さんが、この建物に出逢い、伝えたいと感じ紡がれたことが伝わってきます。
過去にあったことを丁寧に事実に近い形で伝えたいという気持ちはとても良く伝わってくるし、歴史の重みもとても良く表現されているのですが、広報誌的な感じが少し漂ってしまったのが残念でした。

3
4048655639お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂 (4)
似鳥航一
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2015-11-25

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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
三社祭の夜。葵の笑顔に秘められた過去を、栗田は垣間見る。
それは多くの人生を狂わせた、重苦しいものだった。栗田は思い悩む。
葵との出会いはひょんなことから。それは和菓子がとりもつ乙の縁。
だが、いまやかけがえのないものになっている。願わくはともに歩んでいきたい。
ならば、過去から彼女を救わなければいけない。
決意を固める栗田だが、周りは放っておいてくれないようで。
和菓子にまつわる奇妙な依頼は変わらず舞い込んでくる。
はてさて今日の騒動は?

敵キャラ、登場しました。
和菓子を扱っているからには、いつか登場するだろうなと思っていた茶道の次期家元。
もっとねっちこい嫌なキャラかと思ったんだけど、意外にあっさり。
葵さんを挟んで恋のライバルって設定に進むのではと思っていたんだけど。
水羊羹の話も良かったけれど、「きんつば」の話も良かった。
今はもうない菓子の味の再現、難しいだろうなぁ。
記憶は時に美化され、何を作っても違うとなってしまうだろうから。
あの食品の別名が「きんつば」というのは知らなかったので、興味深く読めました。
どうやら次の巻で結論が出る様ですね。
楽しみでもあり、少し寂しくもあるかな。

2
4062200651歌姫メイの秘密
伊藤 たかみ
講談社 2016-07-20

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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
メイは、小学校4年のときに、母親といっしょに“ありがた教”と呼ばれるN神聖教会のキャンプから逃げてきた。
かわいいのに風変わりで、歌が抜群にうまいのだ。
彼女の「恋人」として、僕たちは屋根裏部屋で長い時間を過ごすようになる。
どうしても自分の本当の父親と会ってみたい、というメイ。
高校生になった僕らは、ようやく探し当てた父親の家へと向かうが…。

冒頭、少年と少女の物語の部分、不思議な声で歌うメイのシーンが印象的で、不思議な力を持った少女の物語なのかと思ったのですが、その後、新興宗教の話、実父探しの事、母親との関係など、てんこ盛り。
メイに恋人になってと言われた言葉から、ずっと彼女のことを想い続けた青年の気持ちは、敢えて正面には描かれないが、切ない感じはとても良かった。
しかし、どうにもつかみどころがなかったかった。
私には少し難解でした。

3
4062940418エチュード春一番 第二曲 三日月のボレロ
荻原 規子
講談社 2016-07-20

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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
パピヨンの姿をした八百万の神・モノクロと暮らして四ヵ月。
祖母の家に帰省した美綾は、自身の才能や適性を見出せず、焦燥感を抱いていた。
東京へ戻る直前、美綾は神官の娘・門宮弓月の誘いで夜の氷川神社を訪れ、境内で光る蛇のビジョンを見る。
それは神気だとモノクロは言う。
美綾を「能力者」と認識した「視える」男、飛葉周は彼女につきまとい、仲間になるよう迫る。

どんな方向に進むのか、楽しみにしていた作品ですが、私の予想を上回る展開でした。
前回は、モノクロと美綾の出会いから、モノクロの不思議な力についてが描かれ、美綾の大学生活の中の友人とのトラブルなどが描かれ、学園ものとしての色合いもあったのですが、今回は、ガッツリと「力」の物語に。
祖母の家に帰省した美綾は、神官の娘・弓月に出会い、不思議な体験をする。
弓月は、美綾に力の存在を感じ・・・
弓月が敵なのか味方なのか、まだ判断は難しいのですが、飛葉周が何とも無気味な存在。
もっと理性派かと思っていたのですが、あまりにも行き当たりばったりの行動に???
美綾が彼らとどうかかわっていくのか、モノクロは?
次巻が待ち遠しいです。

2
4041043514マシュマロ・ナイン
横関 大
角川書店 2016-07-30

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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
プロ野球選手だった小尾は、身に覚えのないドーピング疑惑で球界を追われる。
それから3年が経ち、家族とも別れ私立高校の臨時体育教員として働く小尾は、校長から突然の呼び出しを受け、野球部の監督就任を要請される。
だがその野球部は、不祥事を起こして無期限の活動停止になった相撲部の部員を転籍させて創られたものだった…。
挫折からの再起を図る中年男が、並外れた体重と食欲を持つが、野球は素人のぽっちゃり男子たちと甲子園を目指す!

表紙をみて、まさか・・・とは思っていたのですが、相撲部員で野球部作っちゃうとは!?
ドーピング疑惑で球界を追われたプロ野球選手・小尾、生きるために体育教員として暮らしていた。
ある日、校長が学校を有名にするために相撲部員で野球部を作り、甲子園で優勝しろ、と言い出した。
まさかネタの設定の物語、横関さんらしくないなぁ、と思いながら読み進める。
小尾の娘がマネージャーとしてチームを引っ張っていく、相撲部だった彼ら、他校に対抗できるのは爆発力。
う〜〜〜ん、それだけで何とかなるかなぁ。
ひとりだけピッチャーとして能力があったり、秘密の特訓とか、かなり笑えるネタ満載。
ここを楽しめたら良かったと思うのですが、う〜〜〜んに感じてしまい、楽しみ切れませんでした。
横関さんらしいのは、ここで殺人事件が起こり、元妻が容疑者になったり・・・とミステリーが扱われていること。
ただ、いっそマシュマロ部分で突き抜けてしまった方がいいように感じ、どっちつかずに感じたのが残念でした。

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