季節の切り抜き帳 〜 Clipping of Season 〜

移り変わる季節と日々の暮らしの記録

カテゴリ: 群 ようこ

1
4087714063母のはなし
群 ようこ
集英社 2011-06-24

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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
母だって、娘昭和5年、子煩悩な父と大らかな母の4番目の子として生まれたハルエ。
父の急逝で生活は一変するも健やかに成長し、やがて見合い結婚。だが浪費家の夫に悩まされ・・・。
だった。遊び、悩み、恋をした。
すべての母と娘へ贈る“元娘・今母”の大波小波半生。

やっぱりかぁ・・・
たぶん、群さんのお母様のお話だろうと思ってはいましたが・・・
前半の少女時代から結婚を夢見る頃・・・、まではノスタルジックな昭和の香りも楽しく読みました。
でも・・・やっぱり、お父様が登場してからは、やっぱり・・・でした。
最初のうちは、自分勝手な父親に振り回されながらも、子供たちのことを思う母として読めば、まだ読めたのですが、やはりお母様の浪費癖の話になってからは、どうにも胃がムカムカして・・・
群さんのお母様の浪費癖、お着物の話も、一億円御殿の話もエッセイで読んでいたので、結局、そのまんま。
お母様のために稼がなくてはならない群さんのことは解ります。
そのために恥も外聞もなく、全てをさらけ出して書かれる群さんは、お辛いと思います。
が、あのお母様のために、本を買う気にはならないのです。
以前の群さんの作品、本当に大好きでした。
大変だと思いますが、現実生活と作品を切り離して、書いていただきたいと切に願います。

3
4048741810しっぽちゃん
群 ようこ
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-04-09

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【内容】
しっぽのある家族がいる幸せ。
猫と暮らし始めたことで、会社や同僚に対する感情に変化が訪れたOL。
雑種を飼うことにしたブランド至上主義の出戻り女性。
しっぽを持つ生き物と出会い、向き合うことで見えてくる日常を描いた短編小説集。
【目次】
ネコのトラタロウくん/チワワのモモちゃん/セキセイインコのぴーちゃん/雑種犬のちゃーちゃん/ハムスターのハーちゃん、ムーちゃん/ネコのしらたまちゃん/ヤモリのヤモリさん/柴犬風ゴンちゃん/しっぽちゃんが欲しい!/リクガメのはるみちゃん

田尻真弓さんのイラストがなんとも可愛く、動物好きな群さんらしい短編集。
独身OLが猫を飼ったらもうオシマイ・・・と言われるのがよく解る『ネコのトラタロウくん』
ネコに巡りあったら人生変わっちゃいますからね〜。
そして、短篇集の中で一番、人生変わっちゃったと感じたのは『雑種犬のちゃーちゃん』の話。
美人でタカピーだった姉が離婚して田舎に戻ってきた、セレブな生活を失い、子連れで出戻ってきた実家で飼う犬はセレブ犬ではなく、みすぼらしい犬だった。
虐待されていたであろうちゃーちゃんに出会い、姉が、姉の子どもが、そして実家の両親もが温かく変わっていく様子が実に心地良い作品でした。
動物と一緒に暮らすと人はこんなにも癒されるのだな〜沁み沁みと感じる。
短編集で読みやすいので、心がほっこりしたい時にどうぞ。

2
4087713512小福歳時記
群 ようこ
集英社 2010-06-25

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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
たまに大波、ときどき小波?
ごはん、着物、習い事、掃除、仕事、お金、ダイエット。
ささやかだけれど穏やかな、同居猫とのこんな感じの毎日。
女王タイプ猫“しいちゃん”とのあんなこんなの日常を綴るエッセイ。
【目次】
正月と土用/重点的体調管理月間/体型崩壊よ、さようなら/「無駄」の楽しみ/謎の五月病/人生最大の一歩/物欲とのつきあい/猛暑を乗り切る/危うし長屋計画/質素な食事〔ほか〕

群さん、『無印シリーズ』の頃からのファンでエッセイも良く読みました。
ただ、お着物に熱中された頃から少し離れていたのですが、しいちゃんの姿が猫好きには堪らない装丁に惹かれて手に取りました。

あのお母様が病気をされたことは知りませんでした。
しかし病後もやっぱり群母らしい。
お着物にしても、お家の問題にしても、お金が絡むとこのご一家は色々とあるんですよね。
まあ、一気に売れる作家さんになられたのだから仕方がないのかもしれないのですが…。
その群さんも50代。
ささやかで穏やかな暮らしを楽しまれているのですね。
しいちゃんとの暮らしぶりは、とても楽しく読ませていただきました。
ダイアルアップ接続がまだ使えるとは知りませんでした…。
でも、これだけは変えられた方が良いかと思いますよ、群さん。

2
4048739859三人暮らし
角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-09-25

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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
マサミ、25歳。そろそろ家を出たいけど、母親がうるさくて踏ん切りがつかない。
そんなとき、高校時代からの友人ミホからハウスシェアをもちかけられた。
ミホの同僚リョウコも誘い、築26年の一戸建てで始まった三人暮らしは、家事分担も近所づきあいも、はじめてのことばかり─。
幸せな暮らしを求めて、同居することになった女性たちが紡ぐ夢と現実。
いろいろあるけど、ちょっと羨ましい十の物語。
【目次】
うちの大黒柱/二人のムスメ/三人で一人分/異物/母の友だち/リストラ姉妹/噂の三人/バラの香り/友だちではない/蛍姉妹

群さん、やっぱり女性を書かせるとお上手。
アラサーの3人がハウスシェアをする『うちの大黒柱』。
『三人で一人分』は、70を過ぎて同居する女三人の物語。
『異物』、姉が娘を連れて私の部屋に転がり込んできた。
などなど、どの話も女三人暮らしのお話。
年齢や関係、立場がちょっとずつ違うのも面白い。
が、似た設定が出てきてしまうのが残念。
群さんの頭の中では営業職=キビキビしている出来る女性、というイメージなのかな。

サクサクと気分転換に読むのに良し。

1
れんげ荘
角川春樹事務所(2009-04)

【内容(出版社データより)】
キョウコ45歳。独身。
有名広告代理店に勤務していたが、おべんちゃらとお愛想と夜更かしの日々から解放されるため、早期退職を決行!
都内のふるい安アパート(家賃3万円台!)「れんげ荘」に引っ越しし、月10万円で暮らす貯金生活者となった。
そのアパートには、60歳すぎのおしゃれな女性、クマガイさんや、職業“旅人”で外国人好きのコナツさん、暴力割烹で働くサイトウくんなど、個性豊かな人々が暮らしていた。
冬はすきま風、梅雨時はカビ、夏は蚊などと闘いながらも、鳥の声、草の匂いをかぎ、丁寧に入れたお茶やコーヒーを飲む・・・・・・。
わたしたちが忘れかけている、静かでおだかやで、時にささやかな事件がおこる暮らしを暖かい眼差しで描く長篇小説。


群ようこさんの本、無印シリーズから始まり、かなりハマっていた時期がありました。
当時、群さんの本はほぼ読破していたと思います。
が…、暫くご無沙汰しておりました。
エッセイも多く描かれる群さん。
お着物にハマり、使ったお金で家が建つ…とか、お母様のために家を建てたり、海外旅行での散財を書かれたり…。
最初はそれも面白かったのですが、そのうち乱筆が目立ち、ん〜これを書いているのはお着物代の為?…などと邪推していしまうようになり、暫く遠ざかっておりました。

今回の主人公は、キャリアと高収入や華やかな暮らしを捨て、貯金を切り崩し月10万円で暮らそうとする45の女。
お、いよいよ群さん、散財に飽きて物欲より、精神的に豊かな生活を望み始めたの?と期待して、久々にこの作品を手に取りました。

クマガイさんや、コナツちゃん、サイトウくん…、れんげ荘に住む人々はとても魅力的で、れんげ荘の暮らしを楽しんでいるように思える。
が、当の本人のキョウコが、この暮らしに馴染めているようにも、望んでいるようにも感じられなかった。
月10万の暮らしが倹しいかと言えば、ポストライムの舟を読んだ時のような、切実感も感じられない。
食材はオーガニック。
だが、それだけは…といったこだわりも伝わってこない。
じっとり荘の悲惨さは面白く描かれていて群さんらしいが、結局、群さんご自身が体験されていないことだからなのか、キョウコに何の共感も感じられなかった。
姪のレイナとのシーンは、面白かったが、その後の終わり方は、え…、これで終わるの?といった感じ。

元・ファンとしては、かつての切れ味のある作品を、もう一度、と切望致します。

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