“ヤリスギー!!”
って言われたんだあ。
“えー、それってブラジル人のダンスの先生から?”
“うん、そうなんだ。”
“外国人から言われるってよっぽどじゃナイ。”
“うん、だからちょっとおとなしく踊りまーす”
って言ったら、
“いや やりすぎてる方が教えやすい。あとは、それを抑えさえすればいいから、だってえ!?!?”
“ハープだってそうだよ。大きな音が出せなければ、逆に小さな音も出せないんだよ。”
ふーんそんなものか。でもちょっと恥ずかしい。
私は踊りだすとついつい感情が入り込んで、身体をくねくねさせながらお尻をふりふりして、もっともっと踊りたくなってしまう。
しかも、若い男の人と素敵な曲で踊るんだから、のりのりを抑えるのは超難しい!!
そしてまた、超恥ずかしいことが・・・・。
“末口さん、今日は顔もやっていいですか?”
“お任せします。”
私は人間改造計画の一環としてダンサーの身体になる!!を今年の目標にいれている。
私のネックは、後首と肩の盛り上がりで、後姿が猫背になっているところ。そしてこの前、奥歯の数が右側が一個多いことを先生に話したら、“あー” 先生は何かピーンときてひらめいたという顔をして帰った。柔道整復師、これまた20代の若い男の先生が、私の顔を、顎、ほっぺ、こめかみと指で粘土をこねるようにぐちゃぐちゃにおしていく。
“痛かったら言って下さい。”
というか、ぐちゃぐちゃにこねられてるから、口が開けないのと・・・・、先生から見えてくる私の顔は、多分じん帯や筋肉や血管の集合体に見えるんだろうナあ。もちろん、美しい美魔女には思えてないんだろうナあ・・・・。
あーすっきりした。頬の稼動域もあがった。
ルンバを感情全開に踊っても、ぶれないでしっかりと踊れるようになりたい!!
あれれー、隣りでとくが、頬杖をついて涙をボロボロとこぼし、しゃくりあげている。
“ちび時計が大きな柱時計たちにバカにされていじめられていた。ある夜、どろぼうが入ってきて、りっぱな柱時計たちを盗んでいこうと企てた。ちび時計は、勇敢にどろぼうと戦ってみんなを助けだした。だけどちび時計は最後に泥棒にぐしゃりと靴で踏まれて壊れてしまう。何も知らない時計屋のおじさんは、ちび時計をポイっとゴミ箱に捨てる。時計たちは、おじさんに抗議の手紙を書く。直してあげて!! そしてちび時計は生き返る。”
というストーリーを、とくはDVDで見ていた。
感動して泣いていたあ!!
私のダンスと同じように、感情移入ができるように成長してきたんだ。
そうか、2才のイヤイヤ期や泣き虫もどりの子供返りは、相手のことが理解できるための大切なプロセスだったんだ。そのために自分の感情をストレートにだす!!  ヤリスギは悪くないんだあ。
今、とくとバーバは感情表現のプロセスに入ってます。とくは頭と心、バーバは頭と身体。
“末口さん、ヤリスギって芸術感度100%。だけど技術が30%、だから、それを埋めるように練習しようネ。”
そうかそっかあ、とくも泣いたあと少し恥ずかしい。私もくねくねダンスの後、やっぱり恥ずかしい。だけど人間の美しさへ近づく一歩なんだ。
がんばろね!!