金の値段がどんどん上がって5000円を越えた。
それに合わせるように、新聞に大きな広告。
2017090606430000




“お持ちのインゴットを100gずつに精錬加工” 1kgの金の延べ棒を10コの小さな100gの長方形に変える!! 精錬加工料金 金170000円、プラチナ220000円。何のために20万近くもかけて、大きな餅を小さな餅たちにするように、作りかえるのか? 税金対策や申告などの手間隙など複雑な目に見えない事情がある。
ある人にはある人の、ない人にはない人の、それぞれの知るよしもない悩みが・・・・。

CDのスイッチをRepeat 1 にする。
AVE MARIA   ジュリオ・カッチーニ/アベマリア 

今を生きている
それがこの私の真実
信じることの灯火で
心残りだけを燃やして
愛からすべてをはじまるように
すべてが愛で終わりますように
死ぬまで音楽と共に生きるために
どうか私に力をAVE MARIA
   your classics!    Ayaka Hirahara

“9年ドイツにいました。初めは音楽学校の間の3〜4年くらいのつもりだったんですけど。”
多くを語らないこの女性は、バレエのレッスンでいつもピアノを弾いてくれる。
美しい姉妹。妹はバレエの先生で姉はピアニスト。
“本当はピアノじゃなくて、歌をドイツで学んだんです。”
“ソプラノですか”
“そうです。”
“でも9年もドイツにいたら帰りたくなくなってしまいますよネ”
“・・・・・・・・。”
美しい姉のピアニストの沈黙の間に、早速私は素敵な男の人とめぐり合って、なんていろいろ想像した。小さい頃から二人の姉妹にピアノやらバレエをそして留学まで、そんな家庭だから必ず日本に戻ってくるのが条件のはずだ。そうすると、ロミオとジュリエットみたいに、二人の愛を引き裂くお家騒動が勃発して・・・・。ぐんぐん想像力は高まっていく。
だけど、そこで会話は途切れたまま・・・・。それ以上は思いだしたくない、または話したくない何かがあるんだろうなあ。私は沈黙が重たくて、話を続けた。
“女の人の人生って、いくつも道があるんですネ”
“あれにしようか、これにしようかって・・・・”
“家からは日本に戻りなさいって言われて、途中で何度か日本とドイツを往復してたら・・・・。そのうちベルリンの壁もなくなって、日本はバブルだったり・・・・。でもどちらもその時を見ずに私は2国を動いていました。”
“ベルリンの壁は物理的には壊されたけど、また違う壁ができちゃいましたネ”
“え!? どこに” 
その話を横で聞いていた宮澤さんが、突拍子もない声を上げた。
“メキシコに壁を作るとか、世界中で、とくにヨーロッパでは、国民が二分されるほど、移民問題が巻き起こるし、人と人との心の壁のことよ”
“さあーレッスンを始めましょう” 彩先生がドアを開けてレッスンが始まった。

「AVE MARIA
シューベルト、モーツアルト、グノー、バッハ、ヴェルディ、ビゼー・・・多くの作曲家が様々な趣向を凝らしてAVE MARIAを書いている。
その数多きAVE MARIAの中でも、最もダイナミックで官能的な旋律が、カッチーニの作品ではないだろうか。イタリアのカッチーニは、16世紀の作曲家。文化的に最も活気のあふれる都市の一つであったフィレンツェを統治していたメディチ家の宮廷音楽家だった。
また当時人気のあったカストラート(去勢男性歌手)のための作品も書いた。ルネッサンス音楽末期からバロック音楽初期に活躍したカッチーニだが、実はこの曲についてカッチーニの作とみなすことに疑問の声も上がっている。出展そのものが当初から明らかではなく、録音も楽譜も90年代前半まで全く知られてこなかった。
歌詞がただ “Ave Maria” を繰り返すだけという内容もバロック様式とは相容れないとされる。
これらの疑問から、本当の作曲は匿名の人物ではないかと・・・・憶測が生まれたようだ。
真相は、いまだに謎に包まれている・・・・。」

それ以上は聞かないほうがいい。それから先は話さないでいよう。
見え隠れする思い。 だけど・・・・、だけど・・・・  もどかしい思い、すれ違い、なぜあの時、そして、伝えられなかった言葉・・・・・。
そんな秘密のベールの中に、静かに微笑むアベ・マリア。

「今を生きている
それがこの私の真実
信じることの灯火で
心残りだけを燃やして
愛からすべてをはじめるように
すべてが愛で終わりますように
Ave Maria

愛からすべてをはじめるように
すべてが愛で終わりますように
Ave Maria」