むかーしむかーし 小学生の頃、初めてバレンタインのチョコを男の子に渡した。土器しんじ君。明治のストロベリーチョコ。甘いチョコにイチゴがちょっとすっぱい、最高のチョコ。両思いなんて願いもせず、私の気持ちをただ告白するということが大切で、その先は、空想の王子様とお姫様だけの世界で生きられる小学5年生だった。彼との記憶は、一緒に風紀委員になったこと。それから、運動会の鼓笛隊メンバーで一緒に小太鼓を叩いたこと。そしていつもフォークダンスでは、なぜかこれから一緒に手をつないで踊れるという一歩手前で曲が終わってしまう。やっぱし、甘いとすっぱい ストロベリーチョコ。大人になって再会したのは 同窓会。帰りに彼を私が運転するシルビアに乗っけて送った。だけど、二人ともすでに結婚してて、ありきたりの話をして別れていった。そこから音信普通になり・・・・。でも、時々私は夢でこっそり彼に会っている。そう昨日も。 潜在意識の、ワァー50年前の、記憶の宝物の中に、普段は閉まっている箱の蓋がパカーンと、何かのきっかけで開く時があるんだろうナあ。
“アハハー!!”  ジルバを踊る中、フレビオ先生が笑った。曲が終わると、“ ほうらまた一人でまわっていく ”
“ まあ、僕のリードなしで一人で踊れるから、ある意味すごいんだけどネ。” そしてルンバの最後のポーズ、私がフレビオ先生の足元にひざまずく、というポーズが変わった。 “ 私の人生の中でこういうことはありませんでした ” という言葉を覚えていたのか?
で、最後のポーズは、私が一人でくるりっと回ったあと、今度はフレビオ先生が私をつかまえて、リードで半回転、そこから二人はぴったりと抱きあったポーズのまま終わる というカップルダンスではよく見るパターン。
もし、大好きな大好きな男の人と踊るとしたら、ここは感情がピークに高まるだろう。
だけど、私と先生の関係は、師弟。ダンスをしっかり教えてもらう関係。そこには、愛などという感情はない。しかも私は男を見ても、もう昔のようなときめきを感じることは、ここ何十年来まったない。私の心を奪っているのは、ビジネスと数字だ!!
悲しいから泣く。でも涙を流すと悲しくなる、逆もありかな? 
涙を流すから悲しくなる。形から入ることで、愛の記憶が蘇る。
あーだから昨日、夢に彼が出てきたのか。若い男の人とダンスをするって、いいことだなあ。
私のひからびた愛の泉に、きれいな水が少ーし染み出る魔法の蛇口をはっけーん!!
みんなもダンスしましょう。