「信じて守る人がいないとすぐ流されてしまいます。」
「芸術は、壊れやすい繊細なものです。人に受けるようにしたり、ショー的になったり、それも重要ですが、そうでないところが大切だと思います。」

※ロシア・ボリジョイ劇場で白鳥の湖の道化役を演じれば随一と言われた岩田守弘さん。現役を退いて6年たつが体形も顔つきも変わらない。ストイックに目標に突き進む人間の美しさがにじみ出ている。今は、バイカル湖に面するロシア・ブリヤード共和国の国立歌劇場バレエ団の芸術監督として伝統芸術継承に力を注ぐ。

「2012年に17年お世話になったボリジョイ劇場を退団しました。そこで踊ることを夢見て努力し、実現しました。今でも思いいれは深いし世界一だと思っています。でも、僕が求めていた魅力はすでになくなっていました。
ロシアでの最初の恩師アレク・サンドル・ポンタレンコさんに、“バレエとは何ですか” と聞いたことがあります。
答えは、“道徳だ” というものでした。
踊りは高く飛んだり、早く回ったりするために技術が必要です。でも技術を伴う踊りの前提にあるのは感情です。その感情を生み出すのは、その人が積み重ねてきた道徳なんです。僕のなかではバレエとはそういうものです。

※劇場経営で効率を求めるのは世界的風潮だ。その流れにあえて逆らう。

「かつてロシアの先生は、技術より、内面のことばかり教えてくれました。1年かけて役作りをしました。時代背景、役柄、感情の出し方など、王子のしぐさである手袋の脱ぎ方だけで1ヶ月考えたそうです。」

芸術のやり方が変わった。
ボリジョイ劇場でも、今は技術を高めることが優先されます。昔より肉体的に優れているから、白鳥の湖も、くるみ割り人形も、・・・・・技術だけで本当にうまくこなします。
でも、どの王子も同じ踊りなんです。

「ブリヤート共和国の首都ウラン・ウデは田舎街です。古き良き時代の名残りがある。僕はかつて教わったやり方で、自分の経験も織り込んで教えています。“道徳” の裏付けがあるバレエをしたいと思います。僕がやりたいのは、僕のなかで確立しているクラシックバレエです。新しいことをやろうとは思いません。古いものを守っていきたい。永遠に残るバレエをつくりたいと思います。
踊りの本質は『道徳』 古きよきバレエを守る  岩田守弘さん 」

あ、今日は土曜日。北千住のしあわせのダンスダンスダンススクールの生徒募集にいく日が巡ってきた。新しいことを始めて、教室を探し、床材を検討し、鏡の位置、バーの高さ、生徒さんのバッグ、あー ロゴマーク、レオタード、プログラム、カリキュラム、広告、体験レッスン、入学受付、・・・・・ 3ヶ月が経過した。 “ 発表会はあるんですか?” “ 体験はできますか?” たくさんの質問を受けて、教室づくりに生かしていく。
岩田さんの考えるバレエは、バレエの技術を鍛えるだけでなく、道徳の道を教える学校。
バレエは、グランジュテで足を真っ直ぐに開脚をし高く飛ぶ。そしてピルエットでステージの端から端まで滑るように回り続けるには、高い技術力が必要だ。
もし、技術だけを競いあえば、感情を持つ人間は AIやバレエロボットに負けてしまうだろう。
人それぞれに人生があり、誰一人として自分と同じクローンはいない。それは、人が感情をもつ生き物だからだ。その感情を深く掘り下げることで、道徳の道を進んでいく。いいなあ。私も、16年前に松山バレエ学校の門をたたき、そしてバレエの種をまず植えた。
この北千住、博多、赤坂の3つダンススクール。これから芽が出て青い葉っぱが出て、・・・・・。
たのしみに、水をやり、太陽にあて、育てていこう。