“そうやって子猫にかまけているうちに、やらなければいけない仕事はどんどん遅れていき、取引先からの信用も失っていく。だからもう子猫をもらうのはやめておこうと誓って、6年目の春だ。春は子猫がたくさん生まれる季節である。今年もどこかで誰かが確実にダメになっていく。  春 どうにもニャン太郎 鹿子裕史 ”

春は閉じ込められた冬の季節から、全ての感性がむくむくと顔を出し始める。東京は15℃17℃と一気に花たちが固いつぼみをほころびだしている。
とくもももも、そんな春満載の公園が大好き!!
62才になってみると、春のうすもも色のハートマークの柔らかくほんのりと、甘酸っぱい恋の予感。という1年に1回の春の風が私に吹かなくなって、もう何年たつんだろう。
そういう意味で、感性の泉がひからびてきたなあ。
若い男と、身体を寄せて、ワルツを踊ったとしても・・・・。 実はすっごく心配した。人は涙を流すと悲しくなる。涙をこらえていると吹っ切れる。心より身体が先行する生き物だ!! だから・・・・・。もし、フラビオ先生のことを好きになってしまったらどうしよう!!
私の性格だから、男に、若い男を独り占めしたくって、ガンガン貢ぐだろう。身を持ち崩すほど、走りだしてしまって、心を止められなくなってしまったら・・・・・。
と、社交ダンスを始めた1年前、恐る恐るフラビオの手を握り、胸を合わせ、太もももスレスレに、シャル ウィ ダンスが始まった。
が、春は来なかった。
“昨日にんにく食べたのかナあ。せめて、レッスンの日くらいはひかえてほしい。”
“ちょっとそこは、私のほうが目立ちたい足あげのポイント!! もっとしっかり支えてちょうだい!”
と、甘い春はこなかった。
残念!!
“社長、今日、財団法人メガブルーバードを調査した東商リサーチがやってきます。調べている方は、個人じゃなくて法人です。1週間以内にお知りになりたいようで急いでいらっしゃいます。”
“えー、なんで、どこがぁ?”
ビジネスの春かな。どなたかが、うちのグループ会社に興味をお持ちのようだ。