「サウンド・オブ・ミュージックの挿入歌“自分の好きなもの”。大意は、“自分の好きなものを思い出せば、嵐なんか怖くない”。家庭教師の先導で、次々に自分の好きなものを思い浮かべる子供たちは、やがて嵐の恐怖を乗り越える。 井上ひさしベストエッセイ(ちくま文庫)に入っている文章の一節だ。一体子供たちは、何を思い浮かべて巨大な嵐を乗り越えたか。井上の記憶に残るのは、“バラのつぼみの上の雨粒”、“子猫のひげ” から、“鼻やまつげの上に乗った雪の一ひら” まで。この歌にならい井上は、好きなものを選定し恐怖を乗り切ったという。“大根おろしをのせた炊き立ての御飯” “湯呑から立ち上がる煎茶の香” から“自作新刊本の手ざわり” まで。井上らしいなんともユーモラスな締め括りだが、好きなものがいずれも日常的で実にささやかな事柄であり風景なのは変わらない。日常を断ち切ろうとするものに抗するには、大きな夢や理念はいらない。日常を埋める小さなものへの愛着こそが、想起され確かめなければならない。社会的事件、自然の猛威、大きな出来事が次々に襲い来る今、“自分の好きなもの” を心の中で反芻し、恐怖を越えるための種としたいものだ。 大波小波 井上ひさし流の恐怖対処法 日常賛歌  」

サウンド・オブ・ミュージックを、フィリピンでミュージカルでみた。そこから感動してDVDで何回かみていた。
一番感動した場所は、子供達が最後に雪の山を 元気に歌を歌いながら 超えていこうとする後ろ姿だ。
そうか、子供達が恐怖に負けずに、前を向いて進んでいけるのは、どんな苦しい時も、自分の好きなものを思い浮かべているからなんだ!!
そして、その好きなものは、とるにたらないような小さな日常で、はっと気づく驚き、美しさ、肌の感覚・・・・、五感に関するキラメキ。
そういえば、現代人は仕事だ何だと、日常や生活は便利に効率重視で機械化され、無味乾燥なものとなっている。
だから、なぜか不安で不安でしかたがない。
子どものように、もっと自分の感覚を取り戻し、地面に近づき、自分の中を流れる赤い血を感じてみよう!!