「つづき
新・財テクが日本を救うか  編集委員 橋本隆祐
財テクという言葉には今なお負の歴史を背負った否定的な響きがある。もちろん借金の活用によるいびつな収益追求を復活せよというわけではない。膨大に積み上がった日本のキャッシュがある。‟企業としての価値を高めるために、一定の投資をすることも選択肢になる”というわけだ。
2020年4月〜6月期の法人企業統計によると、企業の現預金は220兆円に及ぶ。コロナ禍で資金の手当てを急いだこともあり、この一年でさらに一割増えた。国内の金利はゼロに等しく、収益を生まない資金を企業は大量に抱える。一方で自己資本率は43%台。1980年代、同比率は20%で当時より財務の安定性は格段に高い。企業として本来、設備などの本業への投資を優先すべきかもしれない。が、安定した財務基盤を背景に、M&A(合併・買収)も含めて、有価証券に投資するのも、資金の有効活用という観点からはあり得る選択だろう。」

やっと雨続きの冷たい空気から、一日 晴れ間が広がる。
赤坂の松山バレエスタジオのブラインドをシャーとおろす。
サンルームの光がまぶしすぎて、レッスンの途中で汗びっしょりに。
‟トウシューズをはいて下さい!!” と中野先生が、一通り身体をならしたあと生徒さんに伝える。
私はレガートを出し、足にパッドをつけ、右足、左足と履いてゆく。
リボンをしっかり結び、準備が整う。
‟じゃあ、まず甲をだしましょう。”
両手バーで、右足と左足をからませ、甲をだす。
それから、一番に足を揃え、ドゥミ、ポワントと両足でバーを支えトウシューズで立つ準備が整う。
はじめ、レガートを履いた時、頑丈なくつだと感じた。
今まではいてたのは、すくっとドゥミから立てる。が、レガートはドゥミからトウで立つ時、すっごく力がいる。そして、私は今、このくつを作り込んだ職人を知っている。
井上慶治さんだ。彼とは、バレリーナのラ・トミオカ(工場)をメガブルーバードが買うにあたって、すったもんだがあった。お互いの感情と感情がバレリーナを間にして、爆発した。眠れぬ夜があけて、私は、しっかりと自分の心で、決断した。
レガートは、男らしい強いくつだ。
だから、私がドゥミから立つ時、今まで以上に力を必要とする。ところが、トウで立てば、あとはしっかりと私の重い身体を支えてくれる。
‟エシャッペ、エシャッペ、エシャッペ・・・・シュッシュと、4回繰り返して”
中野先生からスピードがある指示が飛ぶ。
私はしっかりとクリエで床をつかみ、自信を持ってトウで立つ。
‟立てる!! 動ける!!”
すばらしいトウシューズだ。
固く強い、職人のピーンとした張りつめた筋の通った手仕事。それらがしっかりとしたくつの中に納まっている。そして少しおっちょこちょいで、それでいてすっごく優しい。
いいトウシューズだ。
次は、RX、EXもチャレンジしてみよう。