とうとう、2021331日のカレンダーに、斜め線をいれて消した。

別れと出会い、要の日。

春はまず桜がいさぎよく一瞬にして散る頃。

一番につらい別れがやってくる。卒業、もしか脱皮。

それをなんとか、もがきながら乗り越えることができれば・・・。

新しい出会いがある。あるはず!!

だれも先の未来を見通すことはできない。

‟あれからどのくらい経つんですか?“

14年になります”

14年ですかあ”

心は、過去の糸をたぐろうとする。長い糸が思ったより途中で記憶が消えて、ついさっきのような短い糸に。

‟でも、始めは、うまくいくかどうか、わからない状態で、テナントさまには、ご協力いただきありがたいことです。副社長にも合っていただいたんですね”

‟オープニングで名刺交換させて頂きました。それにしても、今回14年して、バレエスクールでオープンすることになるとは・・・・最初の1号店では、思いもしなかったんですよ”

 

異国で生活 欧州を巡る

「ラオス号は地中海に入り、ひたすら西へ向かう。シチリア島、サルデーニャ島を過ぎ、最初にフランスの島、コルシカ島の岬を回った。その時、ポーッポーッと大きな汽笛が鳴った。ここはもう彼らの海だったのだ。マルセイユに上陸した後は荷物を受け取り、パリに発つ。そしてまさに夢のような異国での生活が始まった。1ドル360円の固定相場制だった1960年代。海外旅行などまだ高嶺の花だった頃だ。毎日一人で街歩きや美術館、寺院巡りにいそしんだ結果、パリの街に精通した。そうした旅の数々が蘇る。時々思い出すのは、リスボンで滞在したホテルの小さなページボーイ。毎度ホテルに帰る度にその子はレセプションでエレベーターの扉を閉めるや否や、数階を階段で駆け昇り、何事も無かったようにまた静かに扉を開けてくれたのだ。 美術史家 高瀬明也 」

出会いと別れ、いや別れと出会いが錯綜するこの時期に、少しでも心をやすらげようと、ひきつづきANDRE GAGNONを聴く。
その時、夜にナティとパリに向けて、フライトをした。寝ている間に明け方、私たちはヨーロッパのゴージャスな空気を吸った。疲れを癒すように、コンシェルジュが青いレモンを絞り、塩を一かけ入れた果汁をそっと渡してくれた。ハアー、人はときに、現実か空想か脳が判断しない時があるものだ。

「レセプションでエレベーターの扉を閉めるや否や、数段を階段で駆け登り、何事も無かったようにまた静かに扉を開けてくれる。」

心は一瞬にして、14年前に飛び、再びまた今にさっと私を連れ戻す。
別れと出会いの狭間で、今日から4月が始まる。
前をしっかり見よう。