「こころの玉手箱 
編曲家 船山基紀   最新の音 歌謡曲に持ち込む
1982年、多忙な日々を送っていた私は一度日本を離れ、本場のアレンジを勉強するためアメリカへ旅立った。現地のスタジオのミュージシャンの自宅で出会ったのが、最先端のシンセサイザー‟フェアライトCMI”だった。(これがあれば自宅がスタジオになるのでは)朝から晩までスタジオに詰める仕事に疲れていた私はそう思いつき、帰国後に当時の価格で1000万円を超えるフェアライトCMIを購入した。結局、仕事で使うには他にもたくさんの機材が必要で思い描いた通り仕事がすべて自宅で完結するようになるのはパソコンのDTMが普及する20年以上先のことなのだが・・・。フェアライトは今まで聴いたことのないような音、人間では演奏できない音など新鮮な音色を出すことができた。こうした成果を詰め込んだのが1980年代の終わりに手がけたWinkだ。フェアライト導入前と後。私の仕事は大きく2つの時代に分けられる。初めて商業作品のアレンジを手がけた1974年から今年で50年。今も現場にいられるのは、幸運にも音楽の製作環境が根本的に変わる時代の節目に最先端の技術と出会えたこと。その出会いによって仕事のスタイルを変えることができたからだと思っている。 」

定年80歳まで!! などと言っても、
仕事の環境は変わってゆくので、それに合わせて私たちもうまく波乗りをしながら、変化していかねばならない。
そう言えば、紀尾井に移ってきて、知らない間に前のチョコレート屋さんと隣の和菓子屋さんがなくなった。コロナからの空き区画、10店舗はまだ空床のままだ。コロナで働き方改革が進み、自宅オフィスの人も増えて、都内のビルも様変わりしつつある。
自宅オフィスといっても、トイレ前に並んだ椅子や、ちょっとした休憩の場所で、お弁当を食べたり、パソコンを開いて耳にイヤホンをつけ、ひとり言のように電話で仕事の話をしている人をけっこう見かける。
今は、サバイバルの時代。あちこちでM&Aの嵐が吹き荒れている。
次の20年しっかりと残れて仕事をすることができる、には 運にかかっているのかもしれない。
そのためには、自分を信じて絶対やるよお!!と、今日も気合いをいれて、出かけよう。