「角田光代の偏愛日記  はじめての挑戦
子どもの時分から、もしかしたら私には何か隠れた才能があるかもしれない、と夢想していた。かけっこが速いとか、暗算が得意だとかいったことは、幼いうちからわかるので、自分にはそれらの才能はない、ということがはっきりわかる。油絵を始めたとき、フランス語の授業が始まったとき、料理を覚えたとき、ボルダリングに挑戦してみたとき、毎回必ず ‟もしかして隠れた才能が・・・” と思うのだが、あったためしがあい。ためしがないのに、30代、40代になっても、新しいことを始める時には何か期待してしまう。私の思う‟隠れた才能”とは、‟はじめてなのに、びっくりするほどうまくできる” ことを意味している。そうして50代も後半になった今、才能とはそうしたものではないということを知っている。‟うまくできる” その先のほうが、より才能と呼ばれる何かに近いのだとう思う。‟うまくできる” の先に、どんなに退屈なくり返しやきつい練習なんかがあったとしても、それを苦に思わず続けられること、のほうが才能の本質なのだろう。私はかけっこも、暗算も、フランス語もボルダリングも・・・早々と放棄した。放棄したもののほうが多い人生である。それでも今だに、はじめてのことに着手するときは、もしかして隠れた才能が・・・”  と知らず知らずのうちに思ってしまう。  (隠れた才能を夢想する)  」

あれいつも1ダースほど、たくさんの人がいるバレエに、なんと今日は7人!!!
これだと先生から、まる見えで、全てに指導が入り、センターレッスンでも、順番待ちの休む暇がない〜。
汗がしたたり落ちていく。
足がつりそうになるくらい、トウシューズでのルルベが続く。
‟あー きつかった”
バレエ25年目。私はずーっと変わらず基礎のクラスにいる。それは、もちろん自分にはバレエの才能がないことが分かっているから。
ある意味、安心して続けられる。