2004年01月

2004年01月01日

ピロリ菌

最近、新聞や雑誌でピロリ菌と言う名前をお聞きになったことがあるかと思います。正式にはヘリコバクター・ピロリといい、ヒトの胃粘膜に住み着いていることが十数年前に証明された細菌です。それまでは、強い酸である胃酸の中で細菌など生きていけないと信じられていました。ところが実際は、ピロリ菌を持っている人は意外と多く、40歳以上の日本人は7割以上が保菌者であるとも言われています。ピロリ菌は感染すると、胃粘膜に炎症を起こし、急性胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因となります。

また、胃粘膜は年齢と共に萎縮して薄くなり、本来の働きが失われ、消化力が衰えます。萎縮した胃粘膜すなわち萎縮性胃炎には胃癌ができやすいとされてきました。日本人は欧米人よりも萎縮が早くから起こり、進行も速いのですが、これは人種による違いであり、ある程度避けられないと考えられていました。ですから、日本人は胃癌が多いのも当然で、国民病とまで言われていたのです。

しかし、ピロリ菌によって急性の胃炎が起こり、次第に慢性化して慢性胃炎、さらに萎縮性胃炎へと進むことが解ってからは胃癌の原因の1つはピロリ菌と考えられるようになりました。最近、WHO(世界保健機構)は、タバコが肺癌の発癌物質であるのと同様に、ピロリ菌は胃癌の発癌物質であると発表しています。ですから、ピロリ菌を胃から駆逐することが望ましいといえます。

厚生省は平成12年11月からピロリ菌に対する診断治療を健康保険で行うことを認可しました。しかし、胃カメラでの胃十二指腸潰瘍の確認などが必要で、また抗生物質(何しろ細菌ですから)などの量や種類も普通の場合と異なりますので胃腸の専門医による治療が望ましいと考えられます。



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渡辺医院
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