2004年05月

2004年05月17日

逆流性食道炎

最近新聞や雑誌などで、逆流性食道炎という言葉を眼にされることがあるかと思います。一寸聞き慣れない病気ですが、患者さんは増加しているといわれています。

食道から胃に食べたものが入ると、胃液が分泌されます。胃液には大変強い酸である胃酸が含まれているため、胃液が食道に逆流すると食道の粘膜を傷つけ、胃と食道の繋ぎ目から口の方に向かって、ただれが出来ます。ひどくなると、潰瘍が出来る場合もあります。

症状は胸焼けや、さらにはみぞおちから前胸部にかけて痛みを感じます。胃液は、起きている時よりも横になっている姿勢のほうが逆流しやすいため、就寝中に炎症が進んでしまい、患者さんは朝起きた時から、胸焼けを感じることになります。

ではなぜ胃酸の逆流が起こるのでしょうか?食道の下部は、食道の壁に存在する括約筋、外側にある横隔膜などによって締めつけられ、胃液が食道内に逆流することを防いでいます。

食道の下部に食物がたどり着くと、この締めつけが緩み、食べ物が通過して胃の中に入ります。年齢的変化や肥満などが原因で、これらの筋肉が緩むと、胃液の逆流を防止する仕組みが上手く働かなくなってしまいます。このような身体の変化に加え、胃液の分泌を促すような食事、脂っこいものや辛いものなどが引き金になります。また、食べ過ぎて胃が過度に膨らみ、内容がなかなか十二指腸に下りていかないと、胃液が出すぎてしまいます。

わが国では、この病気は欧米に比べて少ないと考えられてきましたが、食生活の欧米化や肥満傾向により、患者さんは増加しつつあると考えられます。また、内視鏡検査(胃カメラ)の普及で、正確に診断できるようになったことも患者さんの数が増えた理由です。(この病気の正確な診断には胃カメラの検査が欠かせません。バリウムによる胃透視の検査では診断が困難です。)

胃酸が絶えず食道の粘膜を傷つけていると、その部分に癌が発生することがあり、それはバレット食道癌と呼ばれ、他の食道癌と区別して考えられています。治療は胃酸を抑える薬が良く効きます。しかし、薬による治療だけでなく、過食を避け、脂っこいものや辛いものどを避けることも大切です。

いずれにしても、胸焼けが続いたら一度診察をお受けになることをお勧めします。



当院について
渡辺医院
胃腸科/内科/皮膚科/消化器科
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